(河川敷地ノ公用ヲ廃シタル土地処分ニ関スル件)
法令番号: 勅令第三百九十一號
公布年月日: 明治32年9月29日
法令の形式: 勅令
朕河川法第四十四條ニ依リ河川敷地ノ公用ヲ廢シタル土地ノ處分ニ關スル件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年九月二十八日
內務大臣 侯爵 西鄕從道
勅令第三百九十一號
第一條 本令ニ於テ廢川敷地ト稱スルハ河川敷地ノ公用ヲ廢シタルモノヲ謂フ
第二條 廢川敷地ハ府縣知事之ヲ吿示スヘシ
第三條 廢川敷地ノ處分ハ府縣知事之ヲ行フ
第四條 廢川敷地ニシテ御料地又ハ國有地ト爲スノ必要アルモノハ之ヲ御料地又ハ國有地ニ編入スヘシ
第五條 府縣以外ノ公共團體又ハ私人ニ於テ河川ニ關スル工事ヲ爲シタルニ因リ生シタル廢川敷地ハ之ヲ其ノ公共團體又ハ私人若ハ其ノ相續人ニ下付スルコトヲ得
第六條 府縣以外ノ公共團體ニ於テ維持又ハ修繕ノ費用ヲ負擔シタル河川ノ廢川敷地ハ之ヲ其ノ公共團體ニ下付スルコトヲ得
第七條 河流ノ變更ニ因リ生シタル廢川敷地ハ之ヲ其ノ沿岸若ハ沿堤ノ土地所有者又ハ河川ノ區域ヲ其ノ所有地ニ移サレタル公共團體又ハ私人若ハ其ノ相續人ニ下付スルコトヲ得
第八條 廢川敷地ニシテ公共團體又ハ私人ノ寄付ニ係ルモノハ之ヲ其ノ公共團體又ハ私人若ハ其ノ相續人ニ下付スルコトヲ得
第九條 河川ニ關スル工事ノ爲土地ヲ寄付シタル公共團體又ハ私人アルトキハ其ノ工事ニ因リ生シタル廢川敷地ヲ其ノ公共團體又ハ私人若ハ其ノ相續人ニ下付スルコトヲ得
第十條 河川ニ關スル工事ノ爲土地ヲ賣渡シ又ハ收用セラレタル公共團體又ハ私人アルトキハ其ノ工事ニ因リ生シタル廢川敷地ヲ其ノ公共團體又ハ私人若ハ其ノ相續人ニ有償ニテ下付スルコトヲ得
第十一條 廢川敷地ニシテ御料地又ハ國有地ト爲スノ必要アルトキハ宮內大臣又ハ主務大臣ハ第二條吿示ノ日ヨリ三箇月以內ニ內務大臣ニ通知シ內務大臣ハ府縣知事ヲシテ之ヲ編入セシムヘシ
河川法第四十四條但書又ハ本令ニ依リ廢川敷地ノ下付ヲ受ケントスル者ハ前項ノ期間內ニ府縣知事ニ申請スヘシ
第十二條 府縣知事ニ於テ第五條乃至第十條ニ依リ受ケタル申請ニ對シテハ內務大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ處分スヘシ
第十三條 廢川敷地ニシテ編入又ハ下付ヲ爲ササルモノ及廢川敷地ノ償金ハ府縣ニ歸屬ス
第十四條 廢川敷地ニシテ現ニ他ノ公用ニ供スルモノハ內務大臣ノ認可ヲ經テ第四條乃至第十條及第十三條ノ規定ニ拘ハラス其ノ處分ヲ爲スコトヲ得
第十五條 廢川敷地ヲ取得シタル者ハ公用ヲ廢シタル日ヨリ其ノ土地ノ所有權ヲ取得ス
朕河川法第四十四条ニ依リ河川敷地ノ公用ヲ廃シタル土地ノ処分ニ関スル件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年九月二十八日
内務大臣 侯爵 西郷従道
勅令第三百九十一号
第一条 本令ニ於テ廃川敷地ト称スルハ河川敷地ノ公用ヲ廃シタルモノヲ謂フ
第二条 廃川敷地ハ府県知事之ヲ告示スヘシ
第三条 廃川敷地ノ処分ハ府県知事之ヲ行フ
第四条 廃川敷地ニシテ御料地又ハ国有地ト為スノ必要アルモノハ之ヲ御料地又ハ国有地ニ編入スヘシ
第五条 府県以外ノ公共団体又ハ私人ニ於テ河川ニ関スル工事ヲ為シタルニ因リ生シタル廃川敷地ハ之ヲ其ノ公共団体又ハ私人若ハ其ノ相続人ニ下付スルコトヲ得
第六条 府県以外ノ公共団体ニ於テ維持又ハ修繕ノ費用ヲ負担シタル河川ノ廃川敷地ハ之ヲ其ノ公共団体ニ下付スルコトヲ得
第七条 河流ノ変更ニ因リ生シタル廃川敷地ハ之ヲ其ノ沿岸若ハ沿堤ノ土地所有者又ハ河川ノ区域ヲ其ノ所有地ニ移サレタル公共団体又ハ私人若ハ其ノ相続人ニ下付スルコトヲ得
第八条 廃川敷地ニシテ公共団体又ハ私人ノ寄付ニ係ルモノハ之ヲ其ノ公共団体又ハ私人若ハ其ノ相続人ニ下付スルコトヲ得
第九条 河川ニ関スル工事ノ為土地ヲ寄付シタル公共団体又ハ私人アルトキハ其ノ工事ニ因リ生シタル廃川敷地ヲ其ノ公共団体又ハ私人若ハ其ノ相続人ニ下付スルコトヲ得
第十条 河川ニ関スル工事ノ為土地ヲ売渡シ又ハ収用セラレタル公共団体又ハ私人アルトキハ其ノ工事ニ因リ生シタル廃川敷地ヲ其ノ公共団体又ハ私人若ハ其ノ相続人ニ有償ニテ下付スルコトヲ得
第十一条 廃川敷地ニシテ御料地又ハ国有地ト為スノ必要アルトキハ宮内大臣又ハ主務大臣ハ第二条告示ノ日ヨリ三箇月以内ニ内務大臣ニ通知シ内務大臣ハ府県知事ヲシテ之ヲ編入セシムヘシ
河川法第四十四条但書又ハ本令ニ依リ廃川敷地ノ下付ヲ受ケントスル者ハ前項ノ期間内ニ府県知事ニ申請スヘシ
第十二条 府県知事ニ於テ第五条乃至第十条ニ依リ受ケタル申請ニ対シテハ内務大臣ノ認可ヲ受ケ之ヲ処分スヘシ
第十三条 廃川敷地ニシテ編入又ハ下付ヲ為ササルモノ及廃川敷地ノ償金ハ府県ニ帰属ス
第十四条 廃川敷地ニシテ現ニ他ノ公用ニ供スルモノハ内務大臣ノ認可ヲ経テ第四条乃至第十条及第十三条ノ規定ニ拘ハラス其ノ処分ヲ為スコトヲ得
第十五条 廃川敷地ヲ取得シタル者ハ公用ヲ廃シタル日ヨリ其ノ土地ノ所有権ヲ取得ス