第二十六條 海員ノ雇入若クハ雇止ヲ爲シ又ハ雇入契約ノ更新若クハ變更ヲ爲シタルトキハ管海官廳ニ海員名簿ヲ提出シテ公認ヲ申請スルコトヲ要ス
第二十七條 管海官廳カ公認ヲ爲スニハ海員名簿ニ記載シタル事項ヲ當事者雙方ニ讀聞カセタル後之ニ署名、捺印セシムルコトヲ要ス但海員ノ雇止ヲ爲シタル場合ニ於テ正當ノ理由アルトキハ當事者ノ一方カ出頭セサルトキト雖モ公認ヲ爲スコトヲ得
當事者カ印ヲ有セサルトキハ署名スルヲ以テ足ル署名スルコト能ハサルトキハ氏名ヲ代署セシメ捺印スルヲ以テ足ル若シ署名スルコト能ハス且印ヲ有セサルトキハ氏名ヲ代署セシメ拇印スルヲ以テ足ル
前項ノ規定ニ依リ捺印セス又ハ氏名ヲ代署セシメ若クハ拇印シタル場合ニ於テハ海員名簿ニ其事由ヲ附記スルコトヲ要ス
第二十八條 當事者ハ正當ノ理由アル場合ニ限リ代理人ヲシテ公認ヲ受ケシムルコトヲ得
第二十九條 公認アリタルトキハ海員ハ遲滯ナク其船員手帖ヲ管海官廳ニ提出シテ公認ノ認證ヲ申請スルコトヲ要ス
第三十條 海員ノ雇止ニ關シテ爭アルトキハ當事者ノ一方ハ管海官廳ニ其事由ヲ申立テ雇止ノ公認ヲ申請スルコトヲ得
管海官廳カ前項ノ申請ヲ正當ナリト認メタルトキハ當事者雙方ヲ呼出タシ海員名簿及ヒ船員手帖ヲ提出セシメテ雇止ノ公認ヲ爲スコトヲ要ス
當事者ノ一方カ出頭セサルトキハ管海官廳ハ相手方ノ申立ニ因リテ雇止ノ公認ヲ爲スコトヲ得此場合ニ於テハ海員名簿及ヒ船員手帖ニ其事由ヲ記載スルコトヲ要ス
前二項ノ場合ニ於テハ管海官廳ハ海員名簿又ハ船員手帖ノ提出ヲ强制スルコトヲ得
第三十一條 船長ハ海員ノ雇入期間中其船員手帖ヲ保管スルコトヲ要ス
第三十二條 海員カ雇入期間中脫船シタルトキハ船長ハ遲滯ナク管海官廳ニ其海員ノ船員手帖ヲ返還スルコトヲ要ス
第三十三條 海員ハ雇止アリタル場合ニ於テハ船長ニ對シ其職務ノ執行又ハ品行ニ關スル證明書ノ交付ヲ請求スルコトヲ得
第三十四條 海員名簿カ滅失又ハ毀損シタルトキハ船長ハ更ニ海員名簿ヲ作リ之ヲ管海官廳ニ提出シテ公認ヲ申請スルコトヲ要ス
第二十七條及ヒ第二十八條ノ規定ハ海員名簿及ヒ船員手帖カ共ニ滅失又ハ毀損シタル場合ニ之ヲ準用ス但原管海官廳ニ公認ヲ申請スルトキハ此限ニ在ラス
第三十五條 海員カ雇入期間中第九條又ハ第十條ノ規定ニ依リテ船員手帖ノ交付又ハ書換ヲ申請シタル場合ニ於テ其交付又ハ書換アリタルトキハ海員ハ遲滯ナク第二十九條ニ定メタル手續ヲ爲スコトヲ要ス