徴兵事務条例補則
法令番号: 勅令第四十一號
公布年月日: 明治31年3月15日
法令の形式: 勅令
朕徵兵事務條例補則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十一年三月十二日
海軍大臣 侯爵 西鄕從道
內務大臣 子爵 芳川顯正
陸軍大臣 子爵 桂太郞
勅令第四十一號
徵兵事務條例補則
第一條 徵兵事務條例中北海道及沖繩縣竝小笠原島ニ實施シ難キ諸件ハ當分本則ニ依ル
第二條 北海道廳支廳ノ管轄區域及沖繩縣ノ區竝小笠原島ハ各之ヲ徵募區ト爲ス
第三條 聯隊區徵兵參事員又ハ警備隊區徵兵參事員ハ一徵募區ニ四名トシ地方長官之ヲ命ス其ノ任期等ハ地方長官ノ定ムル所ニ依ル
第四條 沖繩縣及小笠原島ニ在テ徵兵參事員ハ徵兵事務條例第十一條ニ揭クル外明治三十年勅令第二百五十八號第二項若ハ第三項ノ徵集免除又ハ徵集猶豫ニ關スル事件ヲ審議シ意見ヲ徵兵官ニ具申スルヲ任トス
第五條 明治三十年勅令第二百五十八號第二項ニ當ル者ハ從來ノ經歷及產業ノ現況ヲ詳記シ三月一日迄三月一日以後事故ノ生シタル者ハ其ノ都度以下同シニ警備隊區徵兵官ニ願出ヘシ
明治三十年勅令第二百五十八號第三項ニ當ル者ハ其ノ移住ノ年月日及生業ノ狀況ヲ詳記シ每年三月一日迄ニ聯隊區徵兵官ニ願出ヘシ
本條ノ願書ニハ町村長ニ準スヘキ者ノ奧書證印ヲ受クヘキモノトス
第六條 壯丁若ハ其ノ家族ニ於テ明治三十年勅令第二百五十八號第二項及第三項ニ依ル警備隊區徵兵官又ハ聯隊區徵兵官ノ裁決ニ不服アルトキハ徵兵事務條例第五章ノ規程ニ依リ訴願スルコトヲ得
第七條 沖繩縣ニ在テ島司郡區長ハ明治三十年勅令第二百五十八號第二項ニ依ル徵集免除ニ關スル書類ノ調査及事實ノ審覈ニ任ス
第八條 北海道及沖繩縣ニ在テハ師管徵兵官ノ認可ヲ得某徵募區ノ徵兵署ヲ他ノ徵募區內ニ設クルコトヲ得
第九條 沖繩警備隊區ノ壯丁ハ之ヲ第六師團第十二師團及海軍諸兵ニ徵集ス
沖繩警備隊區ニ於ケル現役兵及補充兵ノ要員ヲ其ノ區ノ壯丁ヲ以テ充スコト能ハサルトキハ其ノ不足員ハ第六師管及第十二師管若ハ其ノ一ヨリ補充ス
第十條 沖繩警備隊區ニ於ケル現役兵及補充兵ノ配賦ハ壯丁ノ總員ヨリ明治三十年勅令第二百五十八號第二項ニ當ルヘキ豫定ノ人員ヲ除算シタルモノヲ以テ率トス
第十一條 沖繩警備隊區ヨリ徵集ノ現役兵入營ノトキハ地方吏員之ヲ引率シ當該隊長又ハ海兵團長ニ交付セシム
第十二條 徵兵事務條例中警備隊司令官警備隊司令部附軍醫ノ職務ハ沖繩警備隊區ニ在テハ警備隊區司令官警備隊區司令部附軍醫、市長市書記ノ職務ハ沖繩縣ニ在テハ區長區書記、郡市長郡市書記ノ職務ハ北海道ニ在テハ北海道廳支廳長同支廳ノ屬、町村長ノ職務ハ沖繩縣及小笠原島ニ在テハ町村長ニ準スヘキ者之ヲ行フ
第十三條 北海道廳紗那支廳管下及小笠原島ニ於ケル聯隊區徵兵官タル聯隊區司令官ノ職務ハ聯隊區副官若ハ他ノ將校ヲシテ臨時之ヲ行ハシムルコトヲ得
北海道廳紗那支廳管下及小笠原島ニ於ケル徵兵事務執行ノ際ハ徵兵事務條例第十四條ノ軍醫ノ外仍軍醫一名ヲ以テ聯隊區徵兵醫官ト爲スコトヲ得
附 則
第十四條 本則中警備隊區ニ係ル事項ハ明治三十一年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第十五條 第五條第一項及第二項ノ願出期日ハ明治三十一年ニ限リ四月二十日迄トス
朕徴兵事務条例補則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十一年三月十二日
海軍大臣 侯爵 西郷従道
内務大臣 子爵 芳川顕正
陸軍大臣 子爵 桂太郎
勅令第四十一号
徴兵事務条例補則
第一条 徴兵事務条例中北海道及沖縄県並小笠原島ニ実施シ難キ諸件ハ当分本則ニ依ル
第二条 北海道庁支庁ノ管轄区域及沖縄県ノ区並小笠原島ハ各之ヲ徴募区ト為ス
第三条 連隊区徴兵参事員又ハ警備隊区徴兵参事員ハ一徴募区ニ四名トシ地方長官之ヲ命ス其ノ任期等ハ地方長官ノ定ムル所ニ依ル
第四条 沖縄県及小笠原島ニ在テ徴兵参事員ハ徴兵事務条例第十一条ニ掲クル外明治三十年勅令第二百五十八号第二項若ハ第三項ノ徴集免除又ハ徴集猶予ニ関スル事件ヲ審議シ意見ヲ徴兵官ニ具申スルヲ任トス
第五条 明治三十年勅令第二百五十八号第二項ニ当ル者ハ従来ノ経歴及産業ノ現況ヲ詳記シ三月一日迄三月一日以後事故ノ生シタル者ハ其ノ都度以下同シニ警備隊区徴兵官ニ願出ヘシ
明治三十年勅令第二百五十八号第三項ニ当ル者ハ其ノ移住ノ年月日及生業ノ状況ヲ詳記シ毎年三月一日迄ニ連隊区徴兵官ニ願出ヘシ
本条ノ願書ニハ町村長ニ準スヘキ者ノ奥書証印ヲ受クヘキモノトス
第六条 壮丁若ハ其ノ家族ニ於テ明治三十年勅令第二百五十八号第二項及第三項ニ依ル警備隊区徴兵官又ハ連隊区徴兵官ノ裁決ニ不服アルトキハ徴兵事務条例第五章ノ規程ニ依リ訴願スルコトヲ得
第七条 沖縄県ニ在テ島司郡区長ハ明治三十年勅令第二百五十八号第二項ニ依ル徴集免除ニ関スル書類ノ調査及事実ノ審覈ニ任ス
第八条 北海道及沖縄県ニ在テハ師管徴兵官ノ認可ヲ得某徴募区ノ徴兵署ヲ他ノ徴募区内ニ設クルコトヲ得
第九条 沖縄警備隊区ノ壮丁ハ之ヲ第六師団第十二師団及海軍諸兵ニ徴集ス
沖縄警備隊区ニ於ケル現役兵及補充兵ノ要員ヲ其ノ区ノ壮丁ヲ以テ充スコト能ハサルトキハ其ノ不足員ハ第六師管及第十二師管若ハ其ノ一ヨリ補充ス
第十条 沖縄警備隊区ニ於ケル現役兵及補充兵ノ配賦ハ壮丁ノ総員ヨリ明治三十年勅令第二百五十八号第二項ニ当ルヘキ予定ノ人員ヲ除算シタルモノヲ以テ率トス
第十一条 沖縄警備隊区ヨリ徴集ノ現役兵入営ノトキハ地方吏員之ヲ引率シ当該隊長又ハ海兵団長ニ交付セシム
第十二条 徴兵事務条例中警備隊司令官警備隊司令部附軍医ノ職務ハ沖縄警備隊区ニ在テハ警備隊区司令官警備隊区司令部附軍医、市長市書記ノ職務ハ沖縄県ニ在テハ区長区書記、郡市長郡市書記ノ職務ハ北海道ニ在テハ北海道庁支庁長同支庁ノ属、町村長ノ職務ハ沖縄県及小笠原島ニ在テハ町村長ニ準スヘキ者之ヲ行フ
第十三条 北海道庁紗那支庁管下及小笠原島ニ於ケル連隊区徴兵官タル連隊区司令官ノ職務ハ連隊区副官若ハ他ノ将校ヲシテ臨時之ヲ行ハシムルコトヲ得
北海道庁紗那支庁管下及小笠原島ニ於ケル徴兵事務執行ノ際ハ徴兵事務条例第十四条ノ軍医ノ外仍軍医一名ヲ以テ連隊区徴兵医官ト為スコトヲ得
附 則
第十四条 本則中警備隊区ニ係ル事項ハ明治三十一年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第十五条 第五条第一項及第二項ノ願出期日ハ明治三十一年ニ限リ四月二十日迄トス