税関官制
法令番号: 勅令第二百二號
公布年月日: 明治30年6月22日
法令の形式: 勅令
朕稅關官制ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年六月十七日
內閣總理大臣兼大藏大臣 伯爵 松方正義
勅令第二百二號
稅關官制
第一條 稅關ハ大藏大臣ノ管理ニ屬シ左ノ事務ヲ掌ル
一 各開港ニ於ケル西洋形船舶及外國通航ノ日本形船舶ノ出入及港內艀舟ノ取締ニ關スル事項
二 貨物ノ輸出入ニ關スル事項
三 各開港外ニ於ケル外國貿易取締ニ關スル事項
四 各開港外ニ於ケル輸出入貨物搭載ノ船舶出入ニ關スル事項
五 海關稅及稅外諸收入ノ徵收ニ關スル事項
六 稅關管理ノ倉庫ニ關スル事項
七 私設保稅倉庫監督ニ關スル事項
八 保稅倉庫藏置ノ貨物運搬取締ニ關スル事項
第二條 左ノ六港ニ稅關ヲ置ク
武藏國橫濱
攝津國神戶
攝津國大阪
肥前國長崎
渡島國函館
越後國新潟
第三條 前條稅關ノ外必要ノ場所ニ稅關支署又ハ稅關監視署ヲ設置ス其ノ設置ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第四條 各稅關ニ稅關長一人ヲ置ク奏任トス
第五條 各稅關ヲ通シテ左ノ職員ヲ置ク
檢査官 二人 奏任
鑑定官 七人 奏任
監視官 二人 奏任
屬 二百四十二人 判任
鑑定官補 四十五人 判任
技手 八人 判任
監吏 三十九人 判任
監吏補 三百八十五人 判任
第六條 稅關長ハ大藏大臣ノ指揮監督ヲ承ケ稅關ニ關スル一切ノ事務ヲ掌理ス
第七條 檢査官ハ稅關長ノ指揮ヲ承ケ輸出入申吿書其ノ他諸文書ノ監査ニ關スル事務ヲ掌理ス
第八條 鑑定官ハ稅關長ノ指揮ヲ承ケ輸出入貨物ノ檢査鑑定ニ關スル事務ヲ掌理ス
第九條 監視官ハ稅關長ノ指揮ヲ承ケ監吏監吏補ヲ監督シテ關稅警察ニ關スル事務ヲ掌理ス
第十條 屬ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第十一條 鑑定官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ輸出入貨物ノ檢査鑑定ノ事務ニ從事ス
第十二條 技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ工事ニ從事ス
第十三條 監吏ハ上官ノ指揮ヲ承ケ監吏補ヲ監督シテ關稅警察ニ從事ス
第十四條 監吏補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ監吏ノ事務ヲ助ク
第十五條 各稅關支署ニ署長一人ヲ置キ稅關屬ヲ以テ之ニ充ツ
第十六條 各稅關監視署ニ署長一人ヲ置キ稅關監吏若ハ監吏補ヲ以テ之ニ充ツ
第十七條 稅關支署長ハ稅關長ノ指揮ヲ承ケ其ノ署主管ノ事務ニ從事シ部下ノ官吏ヲ監督ス
第十八條 稅關監視署長ハ上官ノ指揮ヲ承ケ水陸監視ノ事務ニ從事シ部下ノ官吏ヲ監督ス
朕税関官制ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年六月十七日
内閣総理大臣兼大蔵大臣 伯爵 松方正義
勅令第二百二号
税関官制
第一条 税関ハ大蔵大臣ノ管理ニ属シ左ノ事務ヲ掌ル
一 各開港ニ於ケル西洋形船舶及外国通航ノ日本形船舶ノ出入及港内艀舟ノ取締ニ関スル事項
二 貨物ノ輸出入ニ関スル事項
三 各開港外ニ於ケル外国貿易取締ニ関スル事項
四 各開港外ニ於ケル輸出入貨物搭載ノ船舶出入ニ関スル事項
五 海関税及税外諸収入ノ徴収ニ関スル事項
六 税関管理ノ倉庫ニ関スル事項
七 私設保税倉庫監督ニ関スル事項
八 保税倉庫蔵置ノ貨物運搬取締ニ関スル事項
第二条 左ノ六港ニ税関ヲ置ク
武蔵国横浜
摂津国神戸
摂津国大阪
肥前国長崎
渡島国函館
越後国新潟
第三条 前条税関ノ外必要ノ場所ニ税関支署又ハ税関監視署ヲ設置ス其ノ設置ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第四条 各税関ニ税関長一人ヲ置ク奏任トス
第五条 各税関ヲ通シテ左ノ職員ヲ置ク
検査官 二人 奏任
鑑定官 七人 奏任
監視官 二人 奏任
属 二百四十二人 判任
鑑定官補 四十五人 判任
技手 八人 判任
監吏 三十九人 判任
監吏補 三百八十五人 判任
第六条 税関長ハ大蔵大臣ノ指揮監督ヲ承ケ税関ニ関スル一切ノ事務ヲ掌理ス
第七条 検査官ハ税関長ノ指揮ヲ承ケ輸出入申告書其ノ他諸文書ノ監査ニ関スル事務ヲ掌理ス
第八条 鑑定官ハ税関長ノ指揮ヲ承ケ輸出入貨物ノ検査鑑定ニ関スル事務ヲ掌理ス
第九条 監視官ハ税関長ノ指揮ヲ承ケ監吏監吏補ヲ監督シテ関税警察ニ関スル事務ヲ掌理ス
第十条 属ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第十一条 鑑定官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ輸出入貨物ノ検査鑑定ノ事務ニ従事ス
第十二条 技手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ工事ニ従事ス
第十三条 監吏ハ上官ノ指揮ヲ承ケ監吏補ヲ監督シテ関税警察ニ従事ス
第十四条 監吏補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ監吏ノ事務ヲ助ク
第十五条 各税関支署ニ署長一人ヲ置キ税関属ヲ以テ之ニ充ツ
第十六条 各税関監視署ニ署長一人ヲ置キ税関監吏若ハ監吏補ヲ以テ之ニ充ツ
第十七条 税関支署長ハ税関長ノ指揮ヲ承ケ其ノ署主管ノ事務ニ従事シ部下ノ官吏ヲ監督ス
第十八条 税関監視署長ハ上官ノ指揮ヲ承ケ水陸監視ノ事務ニ従事シ部下ノ官吏ヲ監督ス