第一條 北海道國有未開地ノ賣拂、付與、交換及貸付ノ處分ハ此ノ法律ニ依ル
第二條 前條ノ賣拂及貸付ハ此ノ法律ニ於テ特ニ規定スル場合ノ外競爭ニ付セス
第三條 開墾牧畜若ハ植樹等ニ供セムトスル土地ハ無償ニテ貸付シ全部成功ノ後無償ニテ付與スヘシ
第一項ノ貸付地ハ全部成功ニ至ラスト雖土地整理上支障ナシト認ムル場合ニ於テハ其ノ成功地ノ全部若ハ一部ヲ付與スルコトヲ得
第四條 公用若ハ公共ノ利益トナルヘキ事業ニ供セムトスル土地ハ直ニ賣拂、付與又ハ有償若ハ無償ニテ貸付スルコトヲ得
第五條 市街地、市街豫定地其ノ他土地ノ狀況ニ由リ必要ト認ムル土地ハ競爭ニ付シ直ニ賣拂フコトヲ得
第六條 社寺地又ハ墓地ニ供セムトスル土地其ノ他事業ノ目的ニ由リ必要ト認ムル土地ハ直ニ賣拂フコトヲ得
第七條 素地ノ儘使用セムトスル土地ハ有償若ハ無償貸付ヲナスコトヲ得
第八條 民有地ト交換スルコトヲ得ヘキ土地ハ其ノ評定價格相均キモノニ限ル
植樹又ハ泥炭地ノ開墾ニ限リ特ニ二十箇年以內ノ期間ヲ以テ貸付スルコトヲ得
天災其ノ他避クヘカラサル事故ニ由リ貸付期間內ニ成功スルコト能ハサルトキハ貸付期間ノ半期間マテ延期スルコトヲ得
第十條 第三條ニ依リ貸付シタル土地ハ豫定ノ事業成功ノ程度ニ從ヒ隨時其ノ成否ヲ㸃檢シ豫定ノ如ク成功セサルトキハ未成功地ノ全部ヲ返還セシムヘシ
前項ノ場合ニ於テ拓殖上又ハ土地整理上支障アリト認ムルトキハ其ノ成功地ノ一部若ハ全部ヲ無償ニテ返還セシムルコトアルヘシ
第十一條 貸付地ニシテ公用又ハ公共ノ利益トナルヘキ事業ニ供セムトスルトキハ之ヲ返還セシムルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ建設物其ノ他ノ物件アルトキハ所有者ノ請求ニ由リ評定ノ上移轉料ヲ辨償シ又ハ評定價格ヲ以テ之ヲ買收シ且土地ニ對シテ費シタル直接ノ費用ハ之ヲ辨償スルモノトス但シ第三條ニ依リ貸付シタル土地ニ關シテハ其ノ評定價格土地ニ對シテ費シタル直接ノ費用ヨリ多額ナルトキハ其ノ價格ニ由リテ辨償スルモノトス
第十二條 左ノ場合ニ於テ天災其ノ他避クヘカラサル事故ニ由ルモノヽ外賣拂、付與及貸付處分ヲ取消スモノトス但シ賣拂ニ係ルモノハ其ノ旣納ノ代價ヲ還付スヘシ
一 第三條ニ依リ貸付シタル土地ニシテ一箇年以內ニ事業ニ著手セサルトキ
二 第四條及第六條ニ依リ賣拂、付與又ハ有償貸付ヲナシタル土地ニシテ三箇年以內ニ豫定ノ目的ニ使用セサルトキ
三 第四條及第七條ニ依リ無償貸付ヲナシタル土地ニシテ二箇年以內ニ豫定ノ目的ニ使用セサルトキ
第十三條 左ノ場合ニ於テ伐採シタル樹木アルトキハ其ノ相當代價ヲ辨償セシムルモノトス
一 第三條ニ依レル貸付中ノ土地ヲ自己ノ便宜ニヨリ貸付期間內ニ返還シ又ハ第十條ニ依リ返還セシメタルトキ
二 第四條及第七條ニ依リ無償ニテ貸付シタル土地ヲ豫定ノ目的ニ使用セスシテ返還シ又ハ第十二條ノ處分ヲナシタルトキ
第十四條 第十條ニ依リ貸付地ヲ返還セシメ若ハ自己ノ便宜ニヨリ貸付中ノ土地ヲ返還シタル場合又ハ第十二條ニ依リ賣拂、付與及貸付處分ノ取消ヲナシタル場合ニ於テ其ノ土地ニ存在スル建設物其ノ他ノ物件アルトキハ所有者ハ行政廳ノ定メタル期間內ニ於テ之ヲ除去スヘシ若其ノ期間內ニ除去セサルトキハ其ノ物件ハ國ノ所有ニ歸ス
第十五條 左ノ貸付地ニ限リ行政廳ノ許可ヲ得テ其ノ貸付地ノ上ニ有スル權利ヲ債務ノ擔保ニ供シ又ハ賣買、讓與スルコトヲ得
二 行政廳ニ於テ特ニ指定シタル區域內ニ於ケル貸付地
第十六條 第三條ニ依リ貸付シタル土地ハ貸付期間滿了後一箇年以內ニ其ノ土地ノ付與ヲ請求スヘシ一箇年ヲ經過シテ請求セサルトキハ其ノ權利ヲ抛棄シタルモノトス
第十七條 第三條ニ依リ貸付ヲ受ケタル者ハ其ノ土地ノ全部ヲ成功スルニ非サレハ他ノ土地ノ無償貸付ヲ受クルヲ得ス但シ相當ノ資力アリテ成功スルヲ得ル者ト認ムルトキハ此ノ限ニ在ラス
第十八條 此ノ法律ニ依リ賣拂、付與又ハ交換シタル土地ハ其ノ民有トナリタル年ノ翌年ヨリ二十箇年ノ後ニ非サレハ地租及地方稅ヲ課セス
第十九條 第十條及第十二條ノ處分ニ不服アル者ハ訴願又ハ行政訴訟ヲ提起スルコトヲ得