第一條 內務大臣ニ於テ公共ノ利害ニ重大ノ關係アリト認定シタル河川ハ官報ヲ以テ之ヲ吿示スヘシ
內務大臣ニ於テ河川法ノ全部若ハ一部ヲ施行スヘキ區域及時期ヲ定メタルトキ亦同シ
第二條 府縣知事ニ於テ河川ノ支川若ハ派川ト認定シタルモノハ其ノ地方ノ公布式ニ依リ之ヲ吿示スヘシ
第三條 沿岸、沿堤及河川附近ノ土地ノ區域ハ府縣知事之ヲ定メ內務大臣ノ定ムル方法ニ依リ之ヲ吿示スヘシ
第四條 河川法第八條ニ依リ內務大臣ニ於テ自ラ工事ヲ施行シ又ハ河川ニ關スル工事ニ因リ特ニ利益ヲ受クル公共團體ノ行政廳ニ命シテ工事ヲ施行セシムル場合ニ於テハ官報ヲ以テ其ノ工事ヲ施行スヘキ河川竝ニ其ノ區域及起工年度ヲ吿示スヘシ
前項ノ工事ヲ終了シタルトキハ官報ヲ以テ之ヲ吿示スヘシ
第五條 河川法第六條但書ニ依リ內務大臣ニ於テ河川ノ管理又ハ維持修繕ヲナストキハ內務省直轄ノ土木事業ニ準シテ土木監督署長之ヲ行フ
第六條 河川法第三十八條ニ依リ府縣知事ニ於テ土石、砂礫、芝草、竹木及運搬具ノ供給ヲナサシメントスルトキハ少クトモ五日前ニ其ノ供給セシムヘキ物件ノ種類、數量及補償金額等ヲ其ノ所有者ニ通知スヘシ
第七條 河川法第三十九條ニ依リ府縣知事ニ於テ堤外地、沿岸若ハ沿堤土地ニ立入リ又ハ之ヲ材料置場等ニ供セントスルトキハ少クトモ五日前ニ又之ニ現在スル建設物其ノ他ノ障害物ヲ除却セントスルトキハ少クトモ十五日前ニ其ノ場所若ハ建設物等ヲ其ノ所有者ニ通知スヘシ
第八條 河川法施行前ニ確定シタル河川ニ關スル費用ノ豫算ハ河川法施行ノ爲其ノ效力ヲ失ハス
前項豫算ニ依リ執行スヘキ事項ハ從前ノ規程又ハ慣習ニ依リ既ニ定リタル執行者ニ於テ之ヲ行フ
第九條 河川法施行前ニ私人ノ所有權ヲ認メタル河川ノ敷地ニシテ荒地ニアラサルモノハ從前ノ所有者若ハ其ノ相續人ノ請求ニ因リ府縣知事ハ公益ヲ妨ケサル限ニ於テ其ノ占用ヲ許可スヘシ
第十條 府縣知事ニ於テ從前ノ所有者若ハ其ノ相續人ニ前條ノ占用ヲ許可セサルトキ又ハ之ヲ禁止スルトキハ府縣ハ內務大臣ノ認可ヲ得テ相當ノ補償金ヲ下付スヘシ
公共ノ利益トナルヘキ事業ノ爲前項處分ノ必要ヲ生スルトキハ府縣知事ハ其ノ事業ノ許可ノ條件トシテ其ノ執行者ヲシテ補償金ノ全部若ハ一部ヲ負擔セシムルコトヲ妨ケス
河川ニ關スル工事ニ因リ下付ノ必要アル第一項ノ補償金ハ其ノ工事ノ豫算費用中ニ算入スヘシ
第十一條 河川法若ハ之ニ基キテ發スル命令ニ依リ行政廳ノ許可ヲ受クヘキ事項ニシテ其ノ施行ノ際ニ現存スルモノハ河川法若ハ之ニ基キテ發スル命令ニ依リ許可ヲ受ケタルモノト看做ス但其ノ施行ノ日ヨリ三箇月以內ニ府縣知事ニ於テ更ニ許可ヲ受クヘキコトヲ命シタルモノハ此ノ限ニアラス
河川法施行前許可ニ附シタル條件ハ河川法若ハ之ニ基キテ發スル命令ニ牴觸セサル程度ニ於テ效力ヲ有ス
第十二條 河川法施行前ニ許可シタル通航料ノ徵收ハ從前ノ規程ニ依ル但徵收ノ期限ナキモノハ府縣知事ニ於テ河川法施行後三十箇年以內ノ期限ヲ定メテ之ヲ許可スヘシ
第十三條 內務大臣ハ河川法ニ規定シタル私人ノ義務ニ關シ其ノ發スル所ノ命令ニ二十五圓以內ノ罰金若ハ二十五日以下ノ禁錮ノ罰則ヲ附スルコトヲ得
府縣知事及警視總監ハ河川法ニ規定シタル私人ノ義務ニ關シ其ノ發スル所ノ命令ニ十圓以內ノ罰金若ハ拘留ノ罰則ヲ附スルコトヲ得
第十四條 河川法第四條、第五條、第十三條、第十五條、第十六條、第十九條、第四十五條及第四十六條第二項ニ依リテ發スル命令ハ府縣令ヲ以テスルコトヲ得但東京府ニ在テハ第十六條及第十九條中警察ニ係ル事項ハ警視廳令ヲ以テスルコトヲ得