明治10年頃までは年間900人程度だった海外渡航者が、明治24-25年には年間1万2-3千人に増加した。出稼ぎ労働者も明治18-22年の年間3千人から、24-27年には7千人と倍増している。この急増に伴い、渡航者が困難に陥るケースや、移民を困らせる弊害も発生していた。明治27年に勅令で移民保護規則を定めたが、保証金などの関係で法的効力が必要な部分が多く、2年以上の実施経験を踏まえて本法案を提出することとなった。
参照した発言: 第9回帝国議会 衆議院 本会議 第27号