官吏恩給法及官吏遺族扶助法補則
法令番号: 法律第三十六號
公布年月日: 明治29年3月30日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル官吏恩給法及官吏遺族扶助法補則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十九年三月二十九日
內閣總理大臣臨時代理 樞密院議長 伯爵 黑田淸隆
海軍大臣 侯爵 西鄕從道
陸軍大臣 侯爵 大山巖
農商務大臣 子爵 榎本武揚
大藏大臣 子爵 渡邊國武
司法大臣兼內務大臣 芳川顯正
外務大臣臨時代理 文部大臣 侯爵 西園寺公望
文部大臣 侯爵 西園寺公望
遞信大臣 白根專一
法律第三十六號
官吏恩給法及官吏遺族扶助法補則
第一條 地方稅支辨ノ俸給ヲ受ケタル郡區長ノ在官月數ハ官吏ノ恩給及遺族扶助ニ關スル在官年數中ニ算入ス
第二條 明治二十三年七月一日以後ニ退官シタル文官判任以上ノ者ニシテ地方稅支辨ノ俸給ヲ受ケタル郡區長在官中ノ月數ヲ除算シ恩給ヲ受ケ若ハ之カ爲恩給ヲ受ケサリシ者ニハ其ノ月數ヲ算入シ恩給ヲ增加シ又ハ新ニ之ヲ給スルコトヲ得
第三條 第二條ニ相當スル者在官中又ハ退官ノ後死去シ其ノ遺族ニシテ扶助料若ハ一時扶助金ヲ受ケ又ハ之ヲ受ケサリシ者ニハ第一條ニ依リ算定シタル恩給年額若ハ在官年數ニ依リ其ノ扶助料若ハ一時扶助金ヲ增加シ又ハ新ニ之ヲ給スルコトヲ得
第四條 第二條、第三條ニ依リ新ニ恩給又ハ扶助料ヲ受クル者ハ左ノ方法ニ依リ最後ニ受ケタル退官賜金又ハ一時扶助金ノ一部ヲ返納セシム
新ニ受クヘキ恩給又ハ扶助料年額ニ其ノ退官又ハ死去以後新ニ恩給又ハ扶助料ヲ受クル日ニ至ルマテノ年數ヲ乘シ月數ハ其ノ月割額ヲ加ヘ退官賜金一時扶助金ヲ其ノ總額ニ對照シ若超過アルトキハ其ノ超過額ヲ新ニ受クヘキ恩給又ハ扶助料中ヨリ控除ス
第五條 恩給ヲ受クル者郡區書記ニ任用セラレタルトキハ其ノ間恩給ヲ停止ス
第六條 第二條、第三條ニ依リ給スル恩給及扶助料ハ此ノ法律施行ノ日ヨリ起算シテ之ヲ給ス
第七條 第二條、第三條ニ依リ受クヘキ恩給、扶助料又ハ一時扶助金ハ此ノ法律施行ノ日ヨリ一箇年內ニ請求セサレハ其ノ權利ヲ抛棄シタルモノトス
第八條 此ノ法律ニ於テ特別ノ規定ヲ設ケサルモノハ總テ官吏恩給法及官吏遺族扶助法ノ例ニ依ル
第九條 此ノ法律ハ明治二十九年四月一日ヨリ施行ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル官吏恩給法及官吏遺族扶助法補則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十九年三月二十九日
内閣総理大臣臨時代理 枢密院議長 伯爵 黒田清隆
海軍大臣 侯爵 西郷従道
陸軍大臣 侯爵 大山巌
農商務大臣 子爵 榎本武揚
大蔵大臣 子爵 渡辺国武
司法大臣兼内務大臣 芳川顕正
外務大臣臨時代理 文部大臣 侯爵 西園寺公望
文部大臣 侯爵 西園寺公望
逓信大臣 白根専一
法律第三十六号
官吏恩給法及官吏遺族扶助法補則
第一条 地方税支弁ノ俸給ヲ受ケタル郡区長ノ在官月数ハ官吏ノ恩給及遺族扶助ニ関スル在官年数中ニ算入ス
第二条 明治二十三年七月一日以後ニ退官シタル文官判任以上ノ者ニシテ地方税支弁ノ俸給ヲ受ケタル郡区長在官中ノ月数ヲ除算シ恩給ヲ受ケ若ハ之カ為恩給ヲ受ケサリシ者ニハ其ノ月数ヲ算入シ恩給ヲ増加シ又ハ新ニ之ヲ給スルコトヲ得
第三条 第二条ニ相当スル者在官中又ハ退官ノ後死去シ其ノ遺族ニシテ扶助料若ハ一時扶助金ヲ受ケ又ハ之ヲ受ケサリシ者ニハ第一条ニ依リ算定シタル恩給年額若ハ在官年数ニ依リ其ノ扶助料若ハ一時扶助金ヲ増加シ又ハ新ニ之ヲ給スルコトヲ得
第四条 第二条、第三条ニ依リ新ニ恩給又ハ扶助料ヲ受クル者ハ左ノ方法ニ依リ最後ニ受ケタル退官賜金又ハ一時扶助金ノ一部ヲ返納セシム
新ニ受クヘキ恩給又ハ扶助料年額ニ其ノ退官又ハ死去以後新ニ恩給又ハ扶助料ヲ受クル日ニ至ルマテノ年数ヲ乗シ月数ハ其ノ月割額ヲ加ヘ退官賜金一時扶助金ヲ其ノ総額ニ対照シ若超過アルトキハ其ノ超過額ヲ新ニ受クヘキ恩給又ハ扶助料中ヨリ控除ス
第五条 恩給ヲ受クル者郡区書記ニ任用セラレタルトキハ其ノ間恩給ヲ停止ス
第六条 第二条、第三条ニ依リ給スル恩給及扶助料ハ此ノ法律施行ノ日ヨリ起算シテ之ヲ給ス
第七条 第二条、第三条ニ依リ受クヘキ恩給、扶助料又ハ一時扶助金ハ此ノ法律施行ノ日ヨリ一箇年内ニ請求セサレハ其ノ権利ヲ抛棄シタルモノトス
第八条 此ノ法律ニ於テ特別ノ規定ヲ設ケサルモノハ総テ官吏恩給法及官吏遺族扶助法ノ例ニ依ル
第九条 此ノ法律ハ明治二十九年四月一日ヨリ施行ス