混成酒税法
法令番号: 法律第三十號
公布年月日: 明治29年3月28日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル混成酒稅法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十九年三月二十七日
內閣總理大臣臨時代理 樞密院議長 伯爵 黑田淸隆
大藏大臣 子爵 渡邊國武
法律第三十號
混成酒稅法
第一條 此ノ稅法ニ於テ混成酒ト稱スルハ左ニ揭クルモノヲ謂フ
一 酒精ト他ノ物品トヲ混和シテ一種ノ飮料酒類トナシタルモノ
二 二種以上ノ飮料酒類ヲ混和シテ一種ノ飮料酒類トナシタルモノ
三 一種又ハ二種以上ノ飮料酒類ト他ノ物品ヲ混和シテ一種ノ飮料酒類トナシタルモノ
四 飮料酒類ニ酒精若ハ燒酎ト水ヲ混和シタルモノ
第二條 混成酒ヲ製造スル者ニハ其ノ造石數一石ニ付金六圓ノ割合ヲ以テ造石稅ヲ課ス
混成酒元用トシテ酒造稅法ニ揭クル酒類ヲ製造スル者ニハ該稅法ノ造石稅ヲ課ス
第三條 第一條第四號ノ混成酒ヲ製造スルモ別種ノ飮料トナラス單ニ酒造稅法ノ酒類ノ造石數ヲ增加スルニ止ルモノハ其ノ增加石數ノミニ課稅ス
第四條 造石稅ノ納期ヲ左ノ二期トス但シ廢業シタル者ハ卽納トス
第一期 其ノ年七月一日ヨリ同三十一日限
一月一日ヨリ六月三十日迄査定濟石數ニ係ル稅額
第二期 翌年一月一日ヨリ同三十一日限
七月一日ヨリ十二月三十一日迄査定濟石數ニ係ル稅額
第五條 混成酒ヲ製造スル者ハ收稅官吏ノ認許ヲ受クルニ非サレハ其ノ製造シタル酒類ヲ販賣シ又ハ製造場外ニ移出スルコトヲ得ス
第六條 第五條ヲ犯シタル者ハ五圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
第七條 酒造稅法第二條、第七條、第八條、第十一條、第十二條、第十八條、第十九條、第二十二條第一項、第二十四條、第二十五條、第二十八條、第二十九條、第三十條、第三十一條、第三十二條、第三十六條ハ混成酒ノ製造ニ適用ス
附 則
第八條 此ノ稅法ハ明治二十九年十月一日ヨリ施行ス
第九條 沖繩縣、東京府管下小笠原島伊豆七島ニハ當分此ノ稅法ヲ施行セス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル混成酒税法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十九年三月二十七日
内閣総理大臣臨時代理 枢密院議長 伯爵 黒田清隆
大蔵大臣 子爵 渡辺国武
法律第三十号
混成酒税法
第一条 此ノ税法ニ於テ混成酒ト称スルハ左ニ掲クルモノヲ謂フ
一 酒精ト他ノ物品トヲ混和シテ一種ノ飲料酒類トナシタルモノ
二 二種以上ノ飲料酒類ヲ混和シテ一種ノ飲料酒類トナシタルモノ
三 一種又ハ二種以上ノ飲料酒類ト他ノ物品ヲ混和シテ一種ノ飲料酒類トナシタルモノ
四 飲料酒類ニ酒精若ハ焼酎ト水ヲ混和シタルモノ
第二条 混成酒ヲ製造スル者ニハ其ノ造石数一石ニ付金六円ノ割合ヲ以テ造石税ヲ課ス
混成酒元用トシテ酒造税法ニ掲クル酒類ヲ製造スル者ニハ該税法ノ造石税ヲ課ス
第三条 第一条第四号ノ混成酒ヲ製造スルモ別種ノ飲料トナラス単ニ酒造税法ノ酒類ノ造石数ヲ増加スルニ止ルモノハ其ノ増加石数ノミニ課税ス
第四条 造石税ノ納期ヲ左ノ二期トス但シ廃業シタル者ハ即納トス
第一期 其ノ年七月一日ヨリ同三十一日限
一月一日ヨリ六月三十日迄査定済石数ニ係ル税額
第二期 翌年一月一日ヨリ同三十一日限
七月一日ヨリ十二月三十一日迄査定済石数ニ係ル税額
第五条 混成酒ヲ製造スル者ハ収税官吏ノ認許ヲ受クルニ非サレハ其ノ製造シタル酒類ヲ販売シ又ハ製造場外ニ移出スルコトヲ得ス
第六条 第五条ヲ犯シタル者ハ五円以上百円以下ノ罰金ニ処ス
第七条 酒造税法第二条、第七条、第八条、第十一条、第十二条、第十八条、第十九条、第二十二条第一項、第二十四条、第二十五条、第二十八条、第二十九条、第三十条、第三十一条、第三十二条、第三十六条ハ混成酒ノ製造ニ適用ス
附 則
第八条 此ノ税法ハ明治二十九年十月一日ヨリ施行ス
第九条 沖縄県、東京府管下小笠原島伊豆七島ニハ当分此ノ税法ヲ施行セス