砲兵工廠条例
法令番号: 勅令第二百四十三號
公布年月日: 明治26年12月18日
法令の形式: 勅令
朕砲兵工廠條例ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年十二月十六日
陸軍大臣 伯爵 大山巖
勅令第二百四十三號
砲兵工廠條例
第一條 砲兵工廠ハ陸軍大臣ノ管理ニ屬シ陸軍所要ノ兵器彈藥ヲ製造修理シ及海軍所要ノ火藥ヲ製造スル所トス
第二條 砲兵工廠ハ之ヲ東京及大阪ニ置キ其ノ製造所ヲ設クルコト左ノ如シ
東京砲兵工廠
小銃製造所
銃包製造所
砲具製造所
目黑火藥製造所
板橋火藥製造所
岩鼻火藥製造所
大阪砲兵工廠
火砲製造所
砲架製造所
彈丸製造所
火具製造所
第三條 兵器ノ修理ハ東京大阪ニ在テハ直ニ工廠ニ於テ之ヲ執行シ其ノ他ハ砲兵方面支署所在地ニ工廠ノ派出所ヲ置キ方面支署長ヲシテ其ノ事ヲ管掌セシム但其ノ經費ハ總テ工廠ノ負擔トス
第四條 砲兵工廠ニ左ノ職員ヲ置ク
提理 砲兵大中佐
副提理 砲兵少佐
檢査官 砲兵少佐大中尉
製造所長 砲兵少佐大尉若クハ技師
所員 砲兵大中尉若クハ技師
軍醫
軍吏
技師
第五條 第四條ニ揭クル職員ノ外屬技手ヲ置ク但之ニ代ユルニ砲兵上等監護及砲兵科下士ヲ用井ルコトヲ得
第六條 提理ハ陸軍大臣ニ隸シ工廠ノ事務ヲ總理シ特ニ工廠ニ屬スル建築工事ヲ掌リ管掌ノ事務ニ於テハ其ノ責ニ任ス
東京砲兵工廠提理ハ砲兵工科學舍ヲ管理ス
第七條 副提理ハ提理ヲ補佐シ特ニ經理事務ヲ擔任ス
第八條 檢査官ハ製造ノ兵器彈藥及其ノ材料ノ檢査ヲ掌ル
第九條 製造所長ハ製造所ノ工務ヲ擔任シ所員ハ所長ノ命ヲ受ケ所務ニ從事ス
東京砲兵工廠製造所長ハ砲兵工科學舍ノ實業敎授ヲ擔任ス
第十條 砲兵方面支署所在地ノ工廠派出所ニハ屬ヲ分派シ方面支署長ノ命ヲ受ケ兵器修理ニ關スル費用及材料ノ出納ヲ掌ラシム
第十一條 軍用制式ノ兵器彈藥ハ陸軍大臣ノ許可ヲ經ルニアラサレハ製造スルコトヲ得ス但海軍造兵廠長ヨリ要求スル火藥竝砲兵會議議長ヨリ試驗用ノ爲メ要求スルモノハ此限ニアラス
第十二條 官廳又ハ人民ヨリ物品ノ製造ヲ依賴スルトキハ軍用ノ製造事業ニ妨ケナキ限リハ之ニ應スルコトヲ得
第十三條 工廠及製造所附近ノ地ニ騷擾警戒ノ事アレハ提理ヨリ衞戍司令官ニ牒吿シテ衞兵ノ派遣ヲ請フコトヲ得
附 則
第十四條 連發銃竝海岸砲創製中各工廠ニ佐官一人ヲ置ク
朕砲兵工廠条例ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年十二月十六日
陸軍大臣 伯爵 大山巌
勅令第二百四十三号
砲兵工廠条例
第一条 砲兵工廠ハ陸軍大臣ノ管理ニ属シ陸軍所要ノ兵器弾薬ヲ製造修理シ及海軍所要ノ火薬ヲ製造スル所トス
第二条 砲兵工廠ハ之ヲ東京及大阪ニ置キ其ノ製造所ヲ設クルコト左ノ如シ
東京砲兵工廠
小銃製造所
銃包製造所
砲具製造所
目黒火薬製造所
板橋火薬製造所
岩鼻火薬製造所
大阪砲兵工廠
火砲製造所
砲架製造所
弾丸製造所
火具製造所
第三条 兵器ノ修理ハ東京大阪ニ在テハ直ニ工廠ニ於テ之ヲ執行シ其ノ他ハ砲兵方面支署所在地ニ工廠ノ派出所ヲ置キ方面支署長ヲシテ其ノ事ヲ管掌セシム但其ノ経費ハ総テ工廠ノ負担トス
第四条 砲兵工廠ニ左ノ職員ヲ置ク
提理 砲兵大中佐
副提理 砲兵少佐
検査官 砲兵少佐大中尉
製造所長 砲兵少佐大尉若クハ技師
所員 砲兵大中尉若クハ技師
軍医
軍吏
技師
第五条 第四条ニ掲クル職員ノ外属技手ヲ置ク但之ニ代ユルニ砲兵上等監護及砲兵科下士ヲ用井ルコトヲ得
第六条 提理ハ陸軍大臣ニ隷シ工廠ノ事務ヲ総理シ特ニ工廠ニ属スル建築工事ヲ掌リ管掌ノ事務ニ於テハ其ノ責ニ任ス
東京砲兵工廠提理ハ砲兵工科学舎ヲ管理ス
第七条 副提理ハ提理ヲ補佐シ特ニ経理事務ヲ担任ス
第八条 検査官ハ製造ノ兵器弾薬及其ノ材料ノ検査ヲ掌ル
第九条 製造所長ハ製造所ノ工務ヲ担任シ所員ハ所長ノ命ヲ受ケ所務ニ従事ス
東京砲兵工廠製造所長ハ砲兵工科学舎ノ実業教授ヲ担任ス
第十条 砲兵方面支署所在地ノ工廠派出所ニハ属ヲ分派シ方面支署長ノ命ヲ受ケ兵器修理ニ関スル費用及材料ノ出納ヲ掌ラシム
第十一条 軍用制式ノ兵器弾薬ハ陸軍大臣ノ許可ヲ経ルニアラサレハ製造スルコトヲ得ス但海軍造兵廠長ヨリ要求スル火薬並砲兵会議議長ヨリ試験用ノ為メ要求スルモノハ此限ニアラス
第十二条 官庁又ハ人民ヨリ物品ノ製造ヲ依頼スルトキハ軍用ノ製造事業ニ妨ケナキ限リハ之ニ応スルコトヲ得
第十三条 工廠及製造所附近ノ地ニ騒擾警戒ノ事アレハ提理ヨリ衛戍司令官ニ牒告シテ衛兵ノ派遣ヲ請フコトヲ得
附 則
第十四条 連発銃並海岸砲創製中各工廠ニ佐官一人ヲ置ク