第一條 砲兵工廠ハ陸軍所要ノ兵器彈藥ヲ製造及修理スル所トス
第二條 砲兵工廠ハ之ヲ東京及大阪ニ置キ其製造所ヲ設クルコト左ノ如シ
第三條 兵器ノ修理ハ東京大阪ニ在テハ直ニ工廠ニ於テ之ヲ執行シ其他ハ砲兵方面支署所在地ニ工廠ノ派出所ヲ置キ方面支署長ヲシテ其事ヲ管掌セシム但其經費ハ總テ工廠ノ負擔トス
第五條 第四條ニ揭クル職員ノ外砲兵上等監護及技手屬若干ヲ置ク但技手ニ限リ當分ノ內砲兵科下士ヲ混用スルコトヲ得
第六條 提理ハ陸軍大臣ニ隸シ工廠ノ事務ヲ總理シ兼テ工廠ニ屬スル建築工事ヲ掌トリ管掌ノ事務ニ於テハ其責ニ任ス
東京砲兵工廠提理ハ砲兵工科學舍ヲ監督シ其實業敎授ノ事ヲ管理ス
第十條 技師及砲兵上等監護技手屬ハ上官ノ命ヲ受ケ其事務ヲ分掌ス
第十一條 砲兵方面支署所在地ノ工廠派出所ニハ屬若干ヲ分派シ方面支署長ノ命ヲ受ケ兵器修理ニ關スル費用及材料ノ出納ヲ掌ラシム
第十二條 凡テ兵器彈藥ハ陸軍大臣ノ許可ヲ經ルニアラサレハ製造スルコトヲ得ス但砲兵會議議長ヨリ試驗ノ材料模範等ヲ要求スルトキハ此限ニアラス
第十三條 官廳又ハ人民ヨリ物品ノ製造ヲ依賴スルトキ軍用ノ製造事業ニ妨ケナキ限リハ之ニ應スルコトヲ得但軍用制式ノ製造ハ必ス陸軍大臣ノ許可ヲ經ヘシ
第十四條 工廠及製造所附近ノ地ニ騷擾警戒ノ事アレハ提理ヨリ地方衞戍司令官ニ牒吿シテ衞兵ノ派遣ヲ請ヒ守備ヲ嚴ニスヘシ