朕海軍兵學校條例ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年十一月二十九日
海軍大臣 伯爵 西鄕從道
勅令第二百十七號
海軍兵學校條例
第一條 海軍兵學校ハ海軍將校ト爲ルヘキ生徒ヲ敎育スル所トス
第二條 海軍兵學校ノ學科ハ砲術、水雷術、運用術、航海術、機關術及普通學トス
第三條 生徒ノ學年ハ四箇年トス
第四條 海軍兵學校ニ練習船ヲ附屬セシムルコトヲ得
第五條 海軍兵學校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長 海軍大佐 一人
副官 海軍大尉 二人內一人ハ敎官ヲ以テ兼補ス
敎頭 海軍少佐 一人
砲術敎官
海軍少佐 一人
海軍大尉 三人
水雷術敎官
海軍少佐 一人
海軍大尉 一人
運用術敎官
海軍少佐 一人
海軍大尉 三人
航海術敎官
海軍少佐 一人
海軍大尉 二人
機關術敎官
海軍機關少監若クハ大機關士 一人
海軍大機關士 一人
海軍大技士 一人
普通學敎官 海軍敎授 七人
監事長 海軍少佐 一人敎官ヲ以テ兼補ス
監事 海軍大尉 九人內八人ハ敎官ヲ以テ兼補ス
軍醫長 海軍軍醫少監 一人
軍醫
海軍大軍醫 一人
海軍少軍醫 一人
主計長 海軍大主計 一人
主計 海軍少主計 一人
本條砲術、水雷術、運用術、航海術敎官ノ內一人ハ敎頭ヲ以テ之ニ兼補ス
本條定員ノ外本職アル者ヲシテ敎官ニ兼務セシムルコトヲ得
第六條 校長ハ海軍大臣ニ隸シ校務ヲ管理シ紀律ヲ維持シ及生徒敎育ノ責ニ任ス
第七條 校長事故アルトキハ敎頭其ノ職務ヲ代理ス
第八條 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌理ス
第九條 敎頭ハ校長ノ命ヲ承ケ敎授ノ事ヲ監督ス
第十條 敎官ハ敎頭ノ命ヲ承ケ各學科ノ敎授ヲ擔任ス
第十一條 監事長ハ校長ノ命ヲ承ケ生徒ヲ監督シ其ノ紀律ヲ維持シ及其ノ體育ノ事ヲ掌ル
第十二條 監事ハ監事長ノ命ヲ承ケ服務ス
第十三條 軍醫長ハ校長ノ命ヲ承ケ醫務衞生ノ事ヲ掌ル
第十四條 軍醫ハ軍醫長ノ命ヲ承ケ服務ス
第十五條 主計長ハ校長ノ命ヲ承ケ會計給與ノ事ヲ掌ル
第十六條 主計ハ主計長ノ命ヲ承ケ服務ス
第十七條 第五條ニ揭タル職員ノ外左ノ諸員ヲ置キ上官ノ命ヲ承ケ服務セシム
海軍上等兵曹 敎員 三人
海軍機關師 敎員 一人
海軍下士 二十八人內十八人ハ敎員
海軍書記 五人
海軍卒 六十人
第十八條 生徒ハ年齡滿十六年以上十九年未滿ニシテ海軍將校タランコトヲ志願スル者ニ就キ身體檢査及學術試驗ヲ爲シ合格シタル者ヨリ其ノ成績順序ニ從ヒ所要ノ人員ヲ採用ス
第十九條 左ノ諸項ノ一ニ該ル者ハ生徒ニ採用セス
一 有妻ノ者
二 禁錮以上ノ刑ニ處セラレタル者及賭博犯ノ處分ヲ受ケタル者
三 復權ヲ得サル家資分散者破產者及身代限ノ處分ヲ受ケ負債ノ辨償ヲ終ヘサル者若クハ其ノ相續人
第二十條 生徒ノ召募及檢査格例ハ每年海軍大臣之ヲ吿示ス
第二十一條 生徒ハ入校ノ日ヨリ海軍兵籍ニ編入ス
第二十二條 生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ス
第二十三條 生徒ハ左ノ諸項ノ一ニ該ルトキハ退校セシム
一 品行不良或ハ怠惰ニシテ訓戒ヲ加フルモ改悛セサル者
二 試驗ノ成績不良ニシテ卒業ノ目的ナキ者
三 傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ先途役務ニ堪ヘ難シト認ムル者
附 則
第二十四條 本令ハ明治二十六年十二月二十日ヨリ施行ス但明治二十六年十二月三十一日マテハ機關生徒ヲ置クコトヲ得
朕海軍兵学校条例ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年十一月二十九日
海軍大臣 伯爵 西郷従道
勅令第二百十七号
海軍兵学校条例
第一条 海軍兵学校ハ海軍将校ト為ルヘキ生徒ヲ教育スル所トス
第二条 海軍兵学校ノ学科ハ砲術、水雷術、運用術、航海術、機関術及普通学トス
第三条 生徒ノ学年ハ四箇年トス
第四条 海軍兵学校ニ練習船ヲ附属セシムルコトヲ得
第五条 海軍兵学校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長 海軍大佐 一人
副官 海軍大尉 二人内一人ハ教官ヲ以テ兼補ス
教頭 海軍少佐 一人
砲術教官
海軍少佐 一人
海軍大尉 三人
水雷術教官
海軍少佐 一人
海軍大尉 一人
運用術教官
海軍少佐 一人
海軍大尉 三人
航海術教官
海軍少佐 一人
海軍大尉 二人
機関術教官
海軍機関少監若クハ大機関士 一人
海軍大機関士 一人
海軍大技士 一人
普通学教官 海軍教授 七人
監事長 海軍少佐 一人教官ヲ以テ兼補ス
監事 海軍大尉 九人内八人ハ教官ヲ以テ兼補ス
軍医長 海軍軍医少監 一人
軍医
海軍大軍医 一人
海軍少軍医 一人
主計長 海軍大主計 一人
主計 海軍少主計 一人
本条砲術、水雷術、運用術、航海術教官ノ内一人ハ教頭ヲ以テ之ニ兼補ス
本条定員ノ外本職アル者ヲシテ教官ニ兼務セシムルコトヲ得
第六条 校長ハ海軍大臣ニ隷シ校務ヲ管理シ紀律ヲ維持シ及生徒教育ノ責ニ任ス
第七条 校長事故アルトキハ教頭其ノ職務ヲ代理ス
第八条 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌理ス
第九条 教頭ハ校長ノ命ヲ承ケ教授ノ事ヲ監督ス
第十条 教官ハ教頭ノ命ヲ承ケ各学科ノ教授ヲ担任ス
第十一条 監事長ハ校長ノ命ヲ承ケ生徒ヲ監督シ其ノ紀律ヲ維持シ及其ノ体育ノ事ヲ掌ル
第十二条 監事ハ監事長ノ命ヲ承ケ服務ス
第十三条 軍医長ハ校長ノ命ヲ承ケ医務衛生ノ事ヲ掌ル
第十四条 軍医ハ軍医長ノ命ヲ承ケ服務ス
第十五条 主計長ハ校長ノ命ヲ承ケ会計給与ノ事ヲ掌ル
第十六条 主計ハ主計長ノ命ヲ承ケ服務ス
第十七条 第五条ニ掲タル職員ノ外左ノ諸員ヲ置キ上官ノ命ヲ承ケ服務セシム
海軍上等兵曹 教員 三人
海軍機関師 教員 一人
海軍下士 二十八人内十八人ハ教員
海軍書記 五人
海軍卒 六十人
第十八条 生徒ハ年齢満十六年以上十九年未満ニシテ海軍将校タランコトヲ志願スル者ニ就キ身体検査及学術試験ヲ為シ合格シタル者ヨリ其ノ成績順序ニ従ヒ所要ノ人員ヲ採用ス
第十九条 左ノ諸項ノ一ニ該ル者ハ生徒ニ採用セス
一 有妻ノ者
二 禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者及賭博犯ノ処分ヲ受ケタル者
三 復権ヲ得サル家資分散者破産者及身代限ノ処分ヲ受ケ負債ノ弁償ヲ終ヘサル者若クハ其ノ相続人
第二十条 生徒ノ召募及検査格例ハ毎年海軍大臣之ヲ告示ス
第二十一条 生徒ハ入校ノ日ヨリ海軍兵籍ニ編入ス
第二十二条 生徒ハ情願ヲ以テ退校スルコトヲ得ス
第二十三条 生徒ハ左ノ諸項ノ一ニ該ルトキハ退校セシム
一 品行不良或ハ怠惰ニシテ訓戒ヲ加フルモ改悛セサル者
二 試験ノ成績不良ニシテ卒業ノ目的ナキ者
三 傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ先途役務ニ堪ヘ難シト認ムル者
附 則
第二十四条 本令ハ明治二十六年十二月二十日ヨリ施行ス但明治二十六年十二月三十一日マテハ機関生徒ヲ置クコトヲ得