朕帝國大學官制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年八月十日
內閣總理大臣 伯爵 伊藤博文
文部大臣 井上毅
勅令第八十三號
帝國大學官制
第一條 帝國大學ニ職員ヲ置ク左ノ如シ
總長
書記官
書記
第二條 總長ハ一人勅任トス文部大臣ノ監督ヲ承ケ帝國大學令ノ規定ニ依リ帝國大學一般ノ事ヲ掌リ所屬職員ヲ統督ス
總長ハ高等官ノ進退ニ關シテハ文部大臣ニ具狀シ判任官ニ關シテハ之ヲ專行ス
第三條 書記官ハ專任一人奏任トス總長ノ命ヲ承ケ庶務會計ヲ掌理ス
第四條 書記ハ判任トス庶務會計ニ從事ス
帝國大學及分科大學書記ハ通計五十二人ヲ以テ定員トス
第五條 第一條職員ノ外帝國大學ニ舍監四人ヲ置キ敎授助敎授ヨリ文部大臣之ヲ補ス
舍監ハ總長ノ命ヲ承ケ寄宿生ノ取締ニ關スル事ヲ掌ル
第六條 各分科大學ニ職員ヲ置ク左ノ如シ
敎授
助敎授
助手
書記
第七條 敎授ハ奏任又ハ勅任トス各分科大學ニ置ク所ノ講座ヲ擔任シ學生ヲ敎授シ其ノ硏究ヲ指導ス
敎授ニシテ分科大學長及醫科大學醫院長ニ補セラレタル者ハ講座ヲ擔任セサルコトアルヘシ
專任敎授ハ七十五人ヲ以テ定員トシ其ノ勅任トナス者ハ十二人以內トス
第八條 助敎授ハ奏任トス敎授ヲ助ケテ授業及實驗ニ從事ス
專任助敎授ハ三十五人ヲ以テ定員トス
第九條 助手ハ判任トス敎官ノ指揮ヲ承ケ學術技藝ニ關スル職務ニ服ス
助手ハ八十人ヲ以テ定員トス
第十條 第六條職員ノ外各分科大學ニ學長一人ヲ置キ其ノ分科大學敎授ヨリ文部大臣之ヲ補ス
分科大學長ハ帝國大學令ノ規定ニ依リ帝國大學總長監督ノ下ニ於テ各其ノ分科大學ノ事ヲ掌ル
第十一條 醫科大學附屬醫院ニ醫院長ヲ置キ醫科大學敎授ヨリ文部大臣之ヲ補ス
醫院長ハ帝國大學總長監督ノ下ニ於テ醫院ノ事務ヲ掌理シ所屬職員ヲ監督ス
第十二條 理科大學附屬東京天文臺ニ天文臺長ヲ置キ理科大學敎授ヨリ文部大臣之ヲ補ス
天文臺長ハ帝國大學總長監督ノ下ニ於テ東京天文臺ノ事ヲ掌理ス
第十三條 本令ハ明治二十六年九月十一日ヨリ施行ス
朕帝国大学官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年八月十日
内閣総理大臣 伯爵 伊藤博文
文部大臣 井上毅
勅令第八十三号
帝国大学官制
第一条 帝国大学ニ職員ヲ置ク左ノ如シ
総長
書記官
書記
第二条 総長ハ一人勅任トス文部大臣ノ監督ヲ承ケ帝国大学令ノ規定ニ依リ帝国大学一般ノ事ヲ掌リ所属職員ヲ統督ス
総長ハ高等官ノ進退ニ関シテハ文部大臣ニ具状シ判任官ニ関シテハ之ヲ専行ス
第三条 書記官ハ専任一人奏任トス総長ノ命ヲ承ケ庶務会計ヲ掌理ス
第四条 書記ハ判任トス庶務会計ニ従事ス
帝国大学及分科大学書記ハ通計五十二人ヲ以テ定員トス
第五条 第一条職員ノ外帝国大学ニ舎監四人ヲ置キ教授助教授ヨリ文部大臣之ヲ補ス
舎監ハ総長ノ命ヲ承ケ寄宿生ノ取締ニ関スル事ヲ掌ル
第六条 各分科大学ニ職員ヲ置ク左ノ如シ
教授
助教授
助手
書記
第七条 教授ハ奏任又ハ勅任トス各分科大学ニ置ク所ノ講座ヲ担任シ学生ヲ教授シ其ノ研究ヲ指導ス
教授ニシテ分科大学長及医科大学医院長ニ補セラレタル者ハ講座ヲ担任セサルコトアルヘシ
専任教授ハ七十五人ヲ以テ定員トシ其ノ勅任トナス者ハ十二人以内トス
第八条 助教授ハ奏任トス教授ヲ助ケテ授業及実験ニ従事ス
専任助教授ハ三十五人ヲ以テ定員トス
第九条 助手ハ判任トス教官ノ指揮ヲ承ケ学術技芸ニ関スル職務ニ服ス
助手ハ八十人ヲ以テ定員トス
第十条 第六条職員ノ外各分科大学ニ学長一人ヲ置キ其ノ分科大学教授ヨリ文部大臣之ヲ補ス
分科大学長ハ帝国大学令ノ規定ニ依リ帝国大学総長監督ノ下ニ於テ各其ノ分科大学ノ事ヲ掌ル
第十一条 医科大学附属医院ニ医院長ヲ置キ医科大学教授ヨリ文部大臣之ヲ補ス
医院長ハ帝国大学総長監督ノ下ニ於テ医院ノ事務ヲ掌理シ所属職員ヲ監督ス
第十二条 理科大学附属東京天文台ニ天文台長ヲ置キ理科大学教授ヨリ文部大臣之ヲ補ス
天文台長ハ帝国大学総長監督ノ下ニ於テ東京天文台ノ事ヲ掌理ス
第十三条 本令ハ明治二十六年九月十一日ヨリ施行ス