警視庁官制
法令番号: 勅令第三十四號
公布年月日: 明治24年4月2日
法令の形式: 勅令
朕警視廳官制ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十四年四月一日
內閣總理大臣 伯爵 山縣有朋
內務大臣 伯爵 西鄕從道
勅令第三十四號
警視廳官制
第一條 警視廳ニ職員ヲ置ク左ノ如シ
警視總監
警視
技師
消防司令長
警察醫長
典獄
警部
警視屬
技手
消防士
警察醫
監獄書記
看守長
消防機關士
第二條 總監ハ一人勅任トス
第三條 警視ハ三十六人奏任トス
第四條 消防司令長ハ一人奏任二等以下トス
第五條 警察醫長ハ一人奏任三等以下トス
第六條 典獄ハ一人奏任四等以下トス
第七條 警部警視屬消防士警察醫監獄書記ハ判任トシ看守長消防機關士ハ判任三等以下トス
警部警視屬消防士警察醫監獄書記看守長消防機關士ノ定員ハ四百十六人トシ其各官ノ定員ハ警視總監內務大臣ノ認可ヲ經テ之ヲ定ム
第八條 技師技手ハ警視廳ノ須要ニ依リ判任官俸給豫算定額內ニ於テ技術官官等俸給令ニ依リ之ヲ置クコトヲ得
第九條 警視總監ハ內務大臣ノ指揮監督ニ屬シ東京府下ノ警察消防及監獄ノ事務ヲ總理ス
第十條 警視總監ハ各省ノ主務ニ關スル警察事務ニ就テハ各省大臣ノ指揮監督ヲ承ケ高等警察事務ニ就テハ內閣總理大臣及內務大臣ノ指揮ヲ承ク
第十一條 警視總監ハ東京府下ノ警察事務ニ付其職權若クハ特別ノ委任ニ依リ法律命令ノ範圍內ニ於テ管內一般又ハ其一部ニ警察令ヲ發スルコトヲ得
警察令ハ特ニ施行ノ日ヲ揭クルモノヲ除クノ外官報ニ依リ部內ニ公布シタル後七日ヲ以テ施行ノ期限トス但伊豆七島ハ其島役場ニ到達シタル翌日ヨリ起算ス
第十二條 警察令ハ內務大臣其他主務ノ大臣ニ於テ公益ヲ害シ成規ニ違ヒ又ハ權限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ之ヲ取消又ハ中止セラルヽコトアルヘシ
第十三條 警視總監ハ其主務ニ付テハ東京府下ノ郡長及町村長ヲ指揮ス
第十四條 警視總監ハ所部ノ官吏ヲ統督シ奏任官ノ進退ハ內務大臣ニ具狀シ判任官以下ハ之ヲ專行ス
第十五條 警視總監ハ法律命令ノ定ムル所ニ從ヒ所部ノ官吏ヲ懲戒ス其奏任官ニ係ルモノハ內務大臣ニ具狀シ判任官以下ハ之ヲ專行ス
第十六條 警視總監ハ其廳ノ豫算定額內ニ於テ奏任官以下特別ノ勤勞アル者ヲ賞與スルコトヲ得其奏任官ニ係ルモノハ內務大臣ニ具狀シ判任官以下ハ之ヲ專行ス
第十七條 警視總監ハ須要ニ依リ判任官俸給豫算定額內ニ於テ雇員ヲ使用スルコトヲ得
第十八條 警視總監ハ內務大臣ノ認可ヲ經テ警察署ヲ廢置スルコトヲ得
第十九條 警視總監ハ廳中處務ノ細則ヲ設クルコトヲ得
第二十條 警視總監事故アルトキハ巡査本部長其職務ヲ代理ス
第二十一條 警視ハ總監ノ命ヲ承ケテ警察ニ關スル事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ統督ス
第二十二條 消防司令長ハ總監ノ命ヲ承ケ水火消防ニ關スル事務ヲ掌理シ消防士以下ヲ統督ス
第二十三條 警察醫長ハ總監ノ命ヲ承ケ警察監獄ニ關スル醫務ヲ掌理シ警察醫及監獄醫ヲ統督ス
第二十四條 典獄ハ總監ノ命ヲ承ケ監獄ニ關スル事務ヲ掌理シ監獄書記以下ヲ統督ス
第二十五條 警部ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察ニ關スル事務ヲ分掌シ巡査ヲ指揮監督ス
第二十六條 警視屬ハ上官ノ指揮ヲ承ケ總監官房及各局ニ分屬シ庶務ニ從事ス
第二十七條 消防士ハ消防司令長ノ命ヲ承ケ消防組ヲ指揮監督ス
第二十八條 警察醫ハ警察醫長ノ命ヲ承ケ警察ニ關スル醫務ヲ掌ル
第二十九條 監獄書記ハ典獄ノ命ヲ承ケ監獄ニ關スル庶務ニ從事ス
典獄事故アルトキハ總監ノ命ヲ承ケ上席書記其職務ヲ代理ス
第三十條 看守長ハ典獄ノ命ヲ承ケ監獄ノ戒護ヲ掌リ看守ヲ指揮監督ス
第三十一條 消防機關士ハ上官ノ指揮ヲ承ケ蒸汽喞筒ノ運用ヲ掌ル
第三十二條 巡査及看守ニ關スル規定ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第三十三條 警視總監官房ニ左ノ二部ヲ置ク
第一部
第二部
第三十四條 第一部ニ左ノ二課ヲ置ク其分掌左ノ如シ
第一課
一 新聞紙雜誌及政治風俗ニ關スル出版物竝政社集會ニ關スル事項
第二課
一 外國人ニ關スル事項
第三十五條 第二部ニ左ノ三課ヲ置ク其分掌左ノ如シ
第一課
一 機密文書竝官吏ノ進退賞罰其他身分ニ關スル事項
第二課
一 公文ノ接受發送竝官印廳印ノ管守ニ關スル事項
第三課
一 公文ノ編纂保存統計竝書籍ノ管理ニ關スル事項
第三十六條 警視廳ノ事務ヲ分掌セシムル爲メニ左ノ局部署ヲ置ク
警務局
會計局
醫務局
巡査本部
消防署
監獄署
第三十七條 警務局ニ左ノ三課ヲ置ク其分掌左ノ如シ
第一課
一 營業及風俗警察竝銃砲火藥刀劒等ニ關スル事項
第二課
一 交通警察竝田野森林河海堤防取締及水火災遺流失物埋藏物等ニ關スル事項
第三課
一 衞生警察ニ關スル事項
第三十八條 會計局ニ左ノ三課ヲ置ク其分掌左ノ如シ
第一課
一 經費豫算決算及金錢出納ニ關スル事項
第二課
一 金錢物品出納ノ檢査ニ關スル事項
第三課
一 需用物品ノ調度及地所建物ニ關スル事項
一 官沒竝保管ノ金錢物品及不用物品ニ關スル事項
第三十九條 醫務局ニ於テハ警察監獄ニ關スル醫務及分析等ニ關スル事務ヲ掌ル
第四十條 巡査本部ニ左ノ三課ヲ置ク其分掌左ノ如シ
第一課
一 警察署警察分署派出所等ノ廢置及警察區畫ニ關スル事項
一 警察署以下處務規程及其職員ノ配置竝禮式服裝ニ關スル事項
一 巡査召募及敎習ニ關スル事項
第二課
一 刑事警察ニ關スル事項
第三課
一 警衞ニ關スル事項
第四十一條 巡査本部ニ部長及副長各一人其他ノ各局部ニ局部長一人各課ニ課長一人課僚若干人ヲ置ク
第四十二條 巡査本部長ハ奏任一等以下其他ノ局部長ハ奏任二等以下ノ警視ヲ以テ之ニ補シ巡査本部副長ハ奏任三等以下ノ警視ヲ以テ之ニ補ス
課長課僚ハ警部又ハ屬ヲ以テ之ニ充ツ
醫務局長ハ警察醫長ヲ以テ之ニ補シ警察醫ヲ以テ課僚トス
第四十三條 巡査本部長ハ警察事務ニ就キ警察署長以下ヲ指揮スルコトヲ得
第四十四條 第四十一條ノ外總監官房ニ參事官及巡視官各二人ヲ置ク
參事官ハ總監ノ諮詢ニ應シ意見ヲ具ヘ及審議立案ヲ掌ル
巡視官ハ總監ノ命ヲ承ケ常ニ警察全般ヲ巡視シ其警察署ニ關スル事項ハ巡査本部長ニ報吿シ其他ハ總監ニ具狀スヘシ
第四十五條 參事官巡視官ハ奏任二等以下ノ警視ヲ以テ之ニ補ス
第四十六條 消防署ハ水火消防ニ關スル事務ヲ掌ル
第四十七條 消防署ニ署長一人課僚若干人ヲ置ク
署長ハ消防司令長ヲ以テ之ニ補シ課僚ハ消防士消防機關士ヲ以テ之ニ充ツ
第四十八條 東京市內ニ消防分署若干ヲ置キ分署長一人課僚若干人ヲ置ク
消防分署長ハ消防士ヲ以テ之ニ補シ課僚ハ消防士消防機關士ヲ以テ之ニ充ツ
第四十九條 監獄署ニ左ノ二課ヲ置ク其分掌左ノ如シ
第一課
一 文書ノ接受發送保存統計ニ關スル事項
一 囚人ノ出入名籍願訴特赦假出獄給與品差入品所有貨物ニ關スル事項
一 作業工錢器具材料製品ニ關スル事項
一 第二課ノ主掌ニ屬セサル事項
第二課
一 囚人ノ戒護書信接見ニ關スル事項
一 囚人ノ行狀賞罰ニ關スル事項
第五十條 監獄署ニ署長一人各課ニ課長一人課僚若干人ヲ置ク
署長ハ典獄ヲ以テ之ニ補シ第一課長及其課僚ハ監獄書記、第二課長及其課僚ハ看守長ヲ以テ之ニ充ツ
第五十一條 東京府下ニ監獄支署若干ヲ置キ支署長一人課僚若干人ヲ置ク
支署長ハ監獄書記ヲ以テ之ニ補シ課僚ハ監獄書記看守長ヲ以テ之ニ充ツ
第五十二條 東京府下ニ警察署若干ヲ置キ其部內ニ便宜分署ヲ置ク
第五十三條 警察署ニ署長一人課僚若干人ヲ置ク
署長ハ奏任三等以下ノ警視ヲ以テ之ニ補シ課僚ハ警部ヲ以テ之ニ充ツ
第五十四條 警察分署ニ分署長一人ヲ置キ警部ヲ以テ之ニ補シ警部若干人ヲ以テ課僚ニ充ルコトヲ得
第五十五條 警視廳職員ノ外監獄醫敎誨師ヲ置キ判任ノ待遇トス其定員ハ總監之ヲ定メ內務大臣ノ認可ヲ受ク可シ
朕警視庁官制ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十四年四月一日
内閣総理大臣 伯爵 山県有朋
内務大臣 伯爵 西郷従道
勅令第三十四号
警視庁官制
第一条 警視庁ニ職員ヲ置ク左ノ如シ
警視総監
警視
技師
消防司令長
警察医長
典獄
警部
警視属
技手
消防士
警察医
監獄書記
看守長
消防機関士
第二条 総監ハ一人勅任トス
第三条 警視ハ三十六人奏任トス
第四条 消防司令長ハ一人奏任二等以下トス
第五条 警察医長ハ一人奏任三等以下トス
第六条 典獄ハ一人奏任四等以下トス
第七条 警部警視属消防士警察医監獄書記ハ判任トシ看守長消防機関士ハ判任三等以下トス
警部警視属消防士警察医監獄書記看守長消防機関士ノ定員ハ四百十六人トシ其各官ノ定員ハ警視総監内務大臣ノ認可ヲ経テ之ヲ定ム
第八条 技師技手ハ警視庁ノ須要ニ依リ判任官俸給予算定額内ニ於テ技術官官等俸給令ニ依リ之ヲ置クコトヲ得
第九条 警視総監ハ内務大臣ノ指揮監督ニ属シ東京府下ノ警察消防及監獄ノ事務ヲ総理ス
第十条 警視総監ハ各省ノ主務ニ関スル警察事務ニ就テハ各省大臣ノ指揮監督ヲ承ケ高等警察事務ニ就テハ内閣総理大臣及内務大臣ノ指揮ヲ承ク
第十一条 警視総監ハ東京府下ノ警察事務ニ付其職権若クハ特別ノ委任ニ依リ法律命令ノ範囲内ニ於テ管内一般又ハ其一部ニ警察令ヲ発スルコトヲ得
警察令ハ特ニ施行ノ日ヲ掲クルモノヲ除クノ外官報ニ依リ部内ニ公布シタル後七日ヲ以テ施行ノ期限トス但伊豆七島ハ其島役場ニ到達シタル翌日ヨリ起算ス
第十二条 警察令ハ内務大臣其他主務ノ大臣ニ於テ公益ヲ害シ成規ニ違ヒ又ハ権限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ之ヲ取消又ハ中止セラルヽコトアルヘシ
第十三条 警視総監ハ其主務ニ付テハ東京府下ノ郡長及町村長ヲ指揮ス
第十四条 警視総監ハ所部ノ官吏ヲ統督シ奏任官ノ進退ハ内務大臣ニ具状シ判任官以下ハ之ヲ専行ス
第十五条 警視総監ハ法律命令ノ定ムル所ニ従ヒ所部ノ官吏ヲ懲戒ス其奏任官ニ係ルモノハ内務大臣ニ具状シ判任官以下ハ之ヲ専行ス
第十六条 警視総監ハ其庁ノ予算定額内ニ於テ奏任官以下特別ノ勤労アル者ヲ賞与スルコトヲ得其奏任官ニ係ルモノハ内務大臣ニ具状シ判任官以下ハ之ヲ専行ス
第十七条 警視総監ハ須要ニ依リ判任官俸給予算定額内ニ於テ雇員ヲ使用スルコトヲ得
第十八条 警視総監ハ内務大臣ノ認可ヲ経テ警察署ヲ廃置スルコトヲ得
第十九条 警視総監ハ庁中処務ノ細則ヲ設クルコトヲ得
第二十条 警視総監事故アルトキハ巡査本部長其職務ヲ代理ス
第二十一条 警視ハ総監ノ命ヲ承ケテ警察ニ関スル事務ヲ掌理シ部下ノ官吏ヲ統督ス
第二十二条 消防司令長ハ総監ノ命ヲ承ケ水火消防ニ関スル事務ヲ掌理シ消防士以下ヲ統督ス
第二十三条 警察医長ハ総監ノ命ヲ承ケ警察監獄ニ関スル医務ヲ掌理シ警察医及監獄医ヲ統督ス
第二十四条 典獄ハ総監ノ命ヲ承ケ監獄ニ関スル事務ヲ掌理シ監獄書記以下ヲ統督ス
第二十五条 警部ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察ニ関スル事務ヲ分掌シ巡査ヲ指揮監督ス
第二十六条 警視属ハ上官ノ指揮ヲ承ケ総監官房及各局ニ分属シ庶務ニ従事ス
第二十七条 消防士ハ消防司令長ノ命ヲ承ケ消防組ヲ指揮監督ス
第二十八条 警察医ハ警察医長ノ命ヲ承ケ警察ニ関スル医務ヲ掌ル
第二十九条 監獄書記ハ典獄ノ命ヲ承ケ監獄ニ関スル庶務ニ従事ス
典獄事故アルトキハ総監ノ命ヲ承ケ上席書記其職務ヲ代理ス
第三十条 看守長ハ典獄ノ命ヲ承ケ監獄ノ戒護ヲ掌リ看守ヲ指揮監督ス
第三十一条 消防機関士ハ上官ノ指揮ヲ承ケ蒸汽喞筒ノ運用ヲ掌ル
第三十二条 巡査及看守ニ関スル規定ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第三十三条 警視総監官房ニ左ノ二部ヲ置ク
第一部
第二部
第三十四条 第一部ニ左ノ二課ヲ置ク其分掌左ノ如シ
第一課
一 新聞紙雑誌及政治風俗ニ関スル出版物並政社集会ニ関スル事項
第二課
一 外国人ニ関スル事項
第三十五条 第二部ニ左ノ三課ヲ置ク其分掌左ノ如シ
第一課
一 機密文書並官吏ノ進退賞罰其他身分ニ関スル事項
第二課
一 公文ノ接受発送並官印庁印ノ管守ニ関スル事項
第三課
一 公文ノ編纂保存統計並書籍ノ管理ニ関スル事項
第三十六条 警視庁ノ事務ヲ分掌セシムル為メニ左ノ局部署ヲ置ク
警務局
会計局
医務局
巡査本部
消防署
監獄署
第三十七条 警務局ニ左ノ三課ヲ置ク其分掌左ノ如シ
第一課
一 営業及風俗警察並銃砲火薬刀剣等ニ関スル事項
第二課
一 交通警察並田野森林河海堤防取締及水火災遺流失物埋蔵物等ニ関スル事項
第三課
一 衛生警察ニ関スル事項
第三十八条 会計局ニ左ノ三課ヲ置ク其分掌左ノ如シ
第一課
一 経費予算決算及金銭出納ニ関スル事項
第二課
一 金銭物品出納ノ検査ニ関スル事項
第三課
一 需用物品ノ調度及地所建物ニ関スル事項
一 官没並保管ノ金銭物品及不用物品ニ関スル事項
第三十九条 医務局ニ於テハ警察監獄ニ関スル医務及分析等ニ関スル事務ヲ掌ル
第四十条 巡査本部ニ左ノ三課ヲ置ク其分掌左ノ如シ
第一課
一 警察署警察分署派出所等ノ廃置及警察区画ニ関スル事項
一 警察署以下処務規程及其職員ノ配置並礼式服装ニ関スル事項
一 巡査召募及教習ニ関スル事項
第二課
一 刑事警察ニ関スル事項
第三課
一 警衛ニ関スル事項
第四十一条 巡査本部ニ部長及副長各一人其他ノ各局部ニ局部長一人各課ニ課長一人課僚若干人ヲ置ク
第四十二条 巡査本部長ハ奏任一等以下其他ノ局部長ハ奏任二等以下ノ警視ヲ以テ之ニ補シ巡査本部副長ハ奏任三等以下ノ警視ヲ以テ之ニ補ス
課長課僚ハ警部又ハ属ヲ以テ之ニ充ツ
医務局長ハ警察医長ヲ以テ之ニ補シ警察医ヲ以テ課僚トス
第四十三条 巡査本部長ハ警察事務ニ就キ警察署長以下ヲ指揮スルコトヲ得
第四十四条 第四十一条ノ外総監官房ニ参事官及巡視官各二人ヲ置ク
参事官ハ総監ノ諮詢ニ応シ意見ヲ具ヘ及審議立案ヲ掌ル
巡視官ハ総監ノ命ヲ承ケ常ニ警察全般ヲ巡視シ其警察署ニ関スル事項ハ巡査本部長ニ報告シ其他ハ総監ニ具状スヘシ
第四十五条 参事官巡視官ハ奏任二等以下ノ警視ヲ以テ之ニ補ス
第四十六条 消防署ハ水火消防ニ関スル事務ヲ掌ル
第四十七条 消防署ニ署長一人課僚若干人ヲ置ク
署長ハ消防司令長ヲ以テ之ニ補シ課僚ハ消防士消防機関士ヲ以テ之ニ充ツ
第四十八条 東京市内ニ消防分署若干ヲ置キ分署長一人課僚若干人ヲ置ク
消防分署長ハ消防士ヲ以テ之ニ補シ課僚ハ消防士消防機関士ヲ以テ之ニ充ツ
第四十九条 監獄署ニ左ノ二課ヲ置ク其分掌左ノ如シ
第一課
一 文書ノ接受発送保存統計ニ関スル事項
一 囚人ノ出入名籍願訴特赦仮出獄給与品差入品所有貨物ニ関スル事項
一 作業工銭器具材料製品ニ関スル事項
一 第二課ノ主掌ニ属セサル事項
第二課
一 囚人ノ戒護書信接見ニ関スル事項
一 囚人ノ行状賞罰ニ関スル事項
第五十条 監獄署ニ署長一人各課ニ課長一人課僚若干人ヲ置ク
署長ハ典獄ヲ以テ之ニ補シ第一課長及其課僚ハ監獄書記、第二課長及其課僚ハ看守長ヲ以テ之ニ充ツ
第五十一条 東京府下ニ監獄支署若干ヲ置キ支署長一人課僚若干人ヲ置ク
支署長ハ監獄書記ヲ以テ之ニ補シ課僚ハ監獄書記看守長ヲ以テ之ニ充ツ
第五十二条 東京府下ニ警察署若干ヲ置キ其部内ニ便宜分署ヲ置ク
第五十三条 警察署ニ署長一人課僚若干人ヲ置ク
署長ハ奏任三等以下ノ警視ヲ以テ之ニ補シ課僚ハ警部ヲ以テ之ニ充ツ
第五十四条 警察分署ニ分署長一人ヲ置キ警部ヲ以テ之ニ補シ警部若干人ヲ以テ課僚ニ充ルコトヲ得
第五十五条 警視庁職員ノ外監獄医教誨師ヲ置キ判任ノ待遇トス其定員ハ総監之ヲ定メ内務大臣ノ認可ヲ受ク可シ