陸軍下士文官採用規則
法令番号: 勅令第八十三號
公布年月日: 明治20年12月29日
法令の形式: 勅令
朕陸軍下士文官採用規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十年十二月二十八日
內閣總理大臣 伯爵 伊藤博文
勅令第八十三號
陸軍下士文官採用規則
第一條 陸軍下士ニシテ左ニ揭クルモノハ文官奉職ヲ請願スルコトヲ得
一 戰役若クハ公務上ノ傷痍疾病ニ因リ免官シ尙文官ノ勤務ニ堪ル者
二 再服役以上滿期ノ下士ニシテ精勤證書ヲ所持スル者
第二條 陸軍下士ハ本人ノ請願ニ因リ試驗ヲ要セスシテ判任官トナルコトヲ得
第三條 海軍省ヲ除クノ外各官廳ニ於テ判任官ヲ任用スルニハ少クモ五人ニ付一人ハ陸軍下士ノ文官請願者ヲ以テス可キモノトス
第四條 文官タランコトヲ欲スル者ハ服役滿期前六箇月間又滿期若クハ免官後十二箇月間ニ之ヲ請願スヘシ
第五條 請願者ニ於テ敎官技術官タランコトヲ望ム者アルトキハ之ヲ採用セントスル官廳ニ於テ相當ノ試驗ヲ施行スルコトヲ得
第六條 請願者ノ名簿ハ本人請願ノ順序ニ從テ調製シ之ヲ陸軍省ニ備置ク可シ
第七條 請願者ノ採用ハ其同年內ニ係ルモノハ第一條各項ノ順序ニ從ヒ其同項內ニ於テハ服役時日ノ多キ者ヨリ採用シ其服役時日ノ同シキ者ハ請願時日ノ順序ニ從ヒ採用ス可シ
第八條 各官廳ニ於テ請願者ヲ採用スルトキハ陸軍省ニ照會シ直ニ本人ヲ其廳ニ呼出ス可シ
第九條 陸軍省ニ於テハ前條ノ照會ニ依リ第七條ニ照シ請願者ノ氏名及履歷書ヲ其官廳ニ交付ス可シ
第十條 請願者ニ於テ其請願ヲ取消サント欲スルトキハ陸軍省ニ屆出可シ
第十一條 本則施行ニ要スル細則ハ陸軍大臣之ヲ定ム可シ
朕陸軍下士文官採用規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十年十二月二十八日
内閣総理大臣 伯爵 伊藤博文
勅令第八十三号
陸軍下士文官採用規則
第一条 陸軍下士ニシテ左ニ掲クルモノハ文官奉職ヲ請願スルコトヲ得
一 戦役若クハ公務上ノ傷痍疾病ニ因リ免官シ尚文官ノ勤務ニ堪ル者
二 再服役以上満期ノ下士ニシテ精勤証書ヲ所持スル者
第二条 陸軍下士ハ本人ノ請願ニ因リ試験ヲ要セスシテ判任官トナルコトヲ得
第三条 海軍省ヲ除クノ外各官庁ニ於テ判任官ヲ任用スルニハ少クモ五人ニ付一人ハ陸軍下士ノ文官請願者ヲ以テス可キモノトス
第四条 文官タランコトヲ欲スル者ハ服役満期前六箇月間又満期若クハ免官後十二箇月間ニ之ヲ請願スヘシ
第五条 請願者ニ於テ教官技術官タランコトヲ望ム者アルトキハ之ヲ採用セントスル官庁ニ於テ相当ノ試験ヲ施行スルコトヲ得
第六条 請願者ノ名簿ハ本人請願ノ順序ニ従テ調製シ之ヲ陸軍省ニ備置ク可シ
第七条 請願者ノ採用ハ其同年内ニ係ルモノハ第一条各項ノ順序ニ従ヒ其同項内ニ於テハ服役時日ノ多キ者ヨリ採用シ其服役時日ノ同シキ者ハ請願時日ノ順序ニ従ヒ採用ス可シ
第八条 各官庁ニ於テ請願者ヲ採用スルトキハ陸軍省ニ照会シ直ニ本人ヲ其庁ニ呼出ス可シ
第九条 陸軍省ニ於テハ前条ノ照会ニ依リ第七条ニ照シ請願者ノ氏名及履歴書ヲ其官庁ニ交付ス可シ
第十条 請願者ニ於テ其請願ヲ取消サント欲スルトキハ陸軍省ニ届出可シ
第十一条 本則施行ニ要スル細則ハ陸軍大臣之ヲ定ム可シ