放送法及び電波法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第96号
公布年月日: 平成26年6月27日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

放送をめぐる社会経済情勢の変化に対応するため、NHKのインターネットを通じた放送番組等の提供対象の拡大、民間基幹放送事業者の経営基盤強化計画の認定制度創設、認定放送持ち株会社の認定要件緩和等の措置を講じる必要がある。特に、NHKのインターネット配信業務の柔軟化、外国人向けテレビ国際放送の国内提供、経営状況が悪化している民間放送事業者への支援制度の整備、認定放送持ち株会社の議決権保有範囲の拡大などを実施する。

参照した発言:
第186回国会 衆議院 総務委員会 第22号

審議経過

第186回国会

衆議院
(平成26年5月20日)
(平成26年5月22日)
(平成26年5月27日)
(平成26年5月29日)
参議院
(平成26年6月10日)
(平成26年6月12日)
(平成26年6月17日)
(平成26年6月19日)
(平成26年6月20日)
放送法及び電波法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十六年六月二十七日
内閣総理大臣 安倍晋三
法律第九十六号
放送法及び電波法の一部を改正する法律
(放送法の一部改正)
第一条 放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二款 業務(第百六条―第百十六条)」を
第二款
業務(第百六条―第百十六条)
第三款
経営基盤強化計画の認定(第百十六条の二―第百十六条の六)
に改める。
第二条中第二十九号を第三十号とし、第二十八号を第二十九号とし、第二十七号を第二十八号とし、第二十六号の次に次の一号を加える。
二十七 「認定放送持株会社」とは、第百五十九条第一項の認定を受けた会社又は同項の認定を受けて設立された会社をいう。
第二条に次の二号を加える。
三十一 「特定役員」とは、法人又は団体の役員のうち、当該法人又は団体の業務の執行に対し相当程度の影響力を有する者として総務省令で定めるものをいう。
三十二 「支配関係」とは、次のいずれかに該当する関係をいう。
イ 一の者及び当該一の者の子会社(第百五十八条第一項に規定する子会社をいう。)その他当該一の者と総務省令で定める特別の関係にある者が有する法人又は団体の議決権の数の当該法人又は団体の議決権の総数に占める割合が十分の一以上三分の一以下の範囲内で総務省令で定める割合を超える場合における当該一の者と当該法人又は団体の関係
ロ 一の法人又は団体の特定役員で他の法人又は団体の特定役員の地位を兼ねる者の数の当該他の法人又は団体の特定役員の総数に占める割合が五分の一以上三分の一以下の範囲内で総務省令で定める割合を超える場合における当該一の法人又は団体と当該他の法人又は団体との関係
ハ イ及びロに掲げるもののほか、一の者が株式の所有、役員の兼任その他の事由を通じて法人又は団体の経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして総務省令で定める場合における当該一の者と当該法人又は団体の関係
第七条第三項第一号中「第百六十三条に規定する子会社地上基幹放送事業者がない」を「同一の認定放送持株会社の関係会社(第百五十八条第二項に規定する関係会社をいう。)である基幹放送事業者(その基幹放送に係る放送対象地域(第九十一条第二項第二号の放送対象地域をいう。第十四条において同じ。)が全国である者を除く。)が二以上含まれていない」に改め、同項第二号中「すべて」を「全て」に改める。
第十四条中「(第九十一条第二項第二号の放送対象地域をいう。)」を削る。
第二十条第二項第二号中「放送した」の下に「又は放送する」を、「資料」の下に「その他の協会が放送した又は放送する放送番組に対する理解の増進に資する情報」を加え、「既放送番組等」を「放送番組等」に改め、「該当するもの」の下に「及び協会のテレビジョン放送による国内基幹放送の全ての放送番組を当該国内基幹放送と同時に一般の利用に供すること」を加え、同項第三号中「既放送番組等」を「放送番組等」に改め、「行う者」の下に「(放送事業者及び外国放送事業者を除く。)」を、「提供すること」の下に「(協会のテレビジョン放送による国内基幹放送の全ての放送番組を当該国内基幹放送と同時に提供することを除く。)」を加え、同項第四号中「(前号に掲げるものを除く。)」を削り、同項中第八号を第九号とし、第五号から第七号までを一号ずつ繰り下げ、第四号の次に次の一号を加える。
五 テレビジョン放送による外国人向け協会国際衛星放送の放送番組及びその編集上必要な資料を放送事業者に提供すること。
第二十条第九項を次のように改める。
9 協会は、第二項第二号又は第三号の業務を行おうとするときは、次に掲げる事項について実施基準を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
一 第二項第二号又は第三号の業務の種類、内容及び実施方法
二 第二項第二号又は第三号の業務の実施に要する費用に関する事項
三 第二項第二号の業務にあつては、当該業務に関する料金その他の提供条件に関する事項
四 その他総務省令で定める事項
第二十条第十一項を同条第十五項とし、同条第十項中「第二項第八号」を「第二項第九号」に改め、同項を同条第十四項とし、同条第九項の次に次の四項を加える。
10 総務大臣は、前項の認可の申請が、次の各号のいずれにも該当すると認めるときは、同項の認可をするものとする。
一 第十五条の目的の達成に資するものであること。
二 第二項第二号又は第三号の業務の種類、内容及び実施方法が適正かつ明確に定められていること。
三 第二項第二号又は第三号の業務の種類、内容及び実施方法が、協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者について、第六十四条第一項の規定により協会とその放送の受信についての契約をしなければならないこととされている趣旨に照らして、不適切なものでないこと。
四 第二項第二号又は第三号の業務の実施に過大な費用を要するものでないこと。
五 第二項第二号の業務にあつては、特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。
六 第二項第二号の業務にあつては、利用者(同号に規定する一般の利用について、協会と契約を締結する者をいう。)の利益を不当に害するものでないこと。
11 総務大臣は、第九項の実施基準が、前項各号のいずれかに該当しないと認めるときは、協会に対し、期限を定めて、その実施基準を変更すべき旨の勧告をすることができる。
12 総務大臣は、協会が前項の規定による勧告に従わなかつたときは、第九項の規定による認可を取り消すことができる。
13 協会は、少なくとも三年ごとに、第二項第二号又は第三号の業務に関する技術の発達及び需要の動向その他の事情を勘案し、当該業務の実施の状況について評価を行うとともに、その結果に基づき当該業務の改善を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第二十五条の前の見出しを「(国際放送等の実施)」に改め、同条中「用いて」の下に「国際放送又は」を加える。
第二十九条第一項第一号ヘ中「廃止(」の下に「放送局の開設、休止及び廃止にあつては、」を加え、同号ト中「に限る。)」の下に「並びに国際放送(外国の放送局を用いて行われるものに限る。以下このトにおいて同じ。)」を、「廃止」の下に「(国際放送及び協会国際衛星放送の開始、休止及び廃止にあつては、経営委員会が軽微と認めたものを除く。)」を加え、同号ワ中「基準」を「実施基準」に改め、同号ラ中「第二十条第十項」を「第二十条第十四項」に改める。
第三十一条第三項第一号中「禁錮」を「禁錮」に改め、同項第六号中「放送事業者」の下に「、認定放送持株会社」を加え、「、第百六十条に規定する認定放送持株会社」を削る。
第五十二条第四項中「放送事業者」の下に「、認定放送持株会社」を加え、「、第百六十条に規定する認定放送持株会社」を削る。
第六十条第二項中「第百六十条に規定する」を削る。
第七十三条第二項中「第二十条第二項第二号及び第三項の」を「次に掲げる」に改め、同項に次の各号を加える。
一 第二十条第二項第二号及び第三号の業務
二 第二十条第三項の業務
第八十五条第二項ただし書中「第二十条第二項第六号」を「第二十条第二項第七号」に改める。
第八十六条第一項ただし書中「不可抗力による」を「次の各号のいずれかに該当する」に改め、同項に次の各号を加える。
一 不可抗力により廃止し、又は休止する場合
二 一の外国の放送局を用いて行われる協会国際衛星放送(当該協会国際衛星放送を受信することができる者の数を勘案して総務省令で定めるものを除く。)の放送区域の全部が当該一の外国の放送局以外の放送局を用いて行われる協会国際衛星放送の放送区域に含まれる場合において当該一の外国の放送局を用いて行われる協会国際衛星放送の業務を廃止し、又は休止するときその他これに準ずる場合として総務省令で定める場合
三 外国の放送局を用いて行われる国際放送の業務を廃止し、又は休止する場合
第八十六条第三項を同条第四項とし、同条第二項中「前項」を「第一項」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 協会は、その放送の業務を廃止したときは、前項の認可を受けた場合を除き、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
第八十六条に次の一項を加える。
5 総務大臣が第九十三条第一項の認定を受けた協会の放送の業務について第二項の廃止の届出を受けた場合については、第百五条中「第百条」とあるのは、「第八十六条第二項」と読み替えて、同条の規定を適用する。
第九十三条第一項第六号ニ中「業務を執行する役員」を「特定役員」に改め、同条第二項を削り、同条第三項中「第一項」を「前項」に改め、同項を同条第二項とし、同条中第四項を第三項とし、第五項を第四項とし、第六項を第五項とする。
第九十七条第一項中「第九十三条第三項第七号」を「第九十三条第二項第七号」に改める。
第五章第二節に次の一款を加える。
第三款 経営基盤強化計画の認定
(指定放送対象地域の指定)
第百十六条の二 総務大臣は、国内基幹放送(協会及び学園の放送を除く。以下この款において同じ。)に係る放送対象地域のうち、当該放送対象地域における国内基幹放送の役務に対する需要の減少その他の経済事情の変動により当該放送対象地域の第九十一条第二項第三号に規定する目標を達成することが困難となるおそれがあり、かつ、当該目標を変更することが同号に規定する放送系の数に関する放送対象地域間における格差その他の事情を勘案して適切でないと認められるものを、指定放送対象地域として指定することができる。
2 総務大臣は、指定放送対象地域について前項に規定する指定の事由がなくなつたと認めるときは、当該指定放送対象地域について同項の規定による指定を解除するものとする。
3 第一項の規定による指定及び前項の規定による指定の解除は、告示によつて行う。
(経営基盤強化計画の認定)
第百十六条の三 指定放送対象地域に係る国内基幹放送を行う基幹放送事業者は、単独で又は他の国内基幹放送事業者(国内基幹放送を行う基幹放送事業者をいう。以下この款において同じ。)と共同して、経営基盤強化(業務の合理化、組織の再編成その他の行為による業務の効率の向上を通じて、国内基幹放送事業者(指定放送対象地域に係る国内基幹放送を行うものに限る。)の収益性の向上を図ることをいう。以下この条において同じ。)に関する計画(以下この款において「経営基盤強化計画」という。)を作成し、総務省令で定めるところにより、これを総務大臣に提出して、その認定を受けることができる。
2 経営基盤強化計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 経営基盤強化の実施期間
二 経営基盤強化による収益性の向上の程度
三 経営基盤強化の内容
四 経営基盤強化に伴う労務に関する事項
五 第百十六条の六の規定による審議機関の設置等の特例の適用を受けようとする場合にあつては、その旨及び次に掲げる事項
イ 特定放送番組同一化(二以上の国内基幹放送(当該二以上の国内基幹放送に係る放送対象地域が相互に重複せず、かつ、当該放送対象地域のいずれか又は全てが指定放送対象地域である場合に限る。)の放送時間の全部又は一部について、同一の放送番組の放送を同時に行うこと(放送時間の一部について同一の放送番組の放送を同時に行う場合にあつては、当該二以上の国内基幹放送のうちいずれの国内基幹放送についても、当該国内基幹放送の放送時間の合計に対する当該同一の放送番組の放送を同時に行う放送時間の割合が総務省令で定める割合を超える場合に限る。)をいう。以下この条及び第百十六条の六において同じ。)の内容
ロ 地域性確保措置(特定放送番組同一化の対象となる二以上の国内基幹放送に係るそれぞれの放送対象地域における放送番組に対する当該放送対象地域固有の需要を満たすために講ずる措置をいう。次項第四号において同じ。)の内容
六 その他総務省令で定める事項
3 総務大臣は、第一項の認定の申請があつた場合において、その経営基盤強化計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
一 経営基盤強化計画に係る経営基盤強化が、当該経営基盤強化計画を提出する国内基幹放送事業者が国内基幹放送(指定放送対象地域に係るものに限る。)の業務を維持するため最大限の努力をするものであること。
二 経営基盤強化計画に係る経営基盤強化が円滑かつ確実に実施されるものであること。
三 経営基盤強化計画に係る経営基盤強化の実施により従業員の地位が不当に害されるものでないこと。
四 第百十六条の六の規定による審議機関の設置等の特例の適用を受けようとするものにあつては、その地域性確保措置の内容が、当該特定放送番組同一化の対象となる二以上の国内基幹放送に係るそれぞれの放送対象地域における放送番組に対する当該放送対象地域固有の需要を満たすために適切なものであること。
五 経営基盤強化計画に係る経営基盤強化の実施が放送の普及及び健全な発達のために適切であること。
4 総務大臣は、第一項の認定をしたときは、当該認定に係る経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者の氏名又は名称、経営基盤強化の実施期間その他総務省令で定める事項を公表するものとする。
(認定経営基盤強化計画の変更等)
第百十六条の四 前条第一項の認定に係る経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者は、当該経営基盤強化計画を変更しようとするときは、総務省令で定めるところにより、変更後の経営基盤強化計画を総務大臣に提出して、その認定を受けなければならない。ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
2 前条第一項の認定に係る経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者は、前項ただし書の総務省令で定める軽微な変更に該当する変更をしたときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
3 前条第三項の規定は第一項の規定による変更の認定について、同条第四項の規定は第一項の規定による変更の認定又は前項の規定による変更の届出について準用する。
4 総務大臣は、前条第一項の認定に係る経営基盤強化計画(第一項の規定による変更の認定又は第二項の規定による変更の届出があつたときは、その変更後のもの。以下この款において「認定経営基盤強化計画」という。)を提出した国内基幹放送事業者に対し、認定経営基盤強化計画の実施状況について報告を求めることができる。
5 総務大臣は、認定経営基盤強化計画が前条第三項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるとき、又は認定経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者が当該認定経営基盤強化計画に従つて事業を実施していないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
6 総務大臣は、前項の規定による認定の取消しをしたときは、その旨を公表するものとする。
(基幹放送の業務の認定等に関する特例)
第百十六条の五 認定経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者(国内基幹放送(指定放送対象地域に係るものに限る。以下この項、次項第一号及び第三項において同じ。)を行う認定基幹放送事業者に限る。)が第九十六条第一項の認定の更新を申請した場合における第九十三条第一項の規定の適用については、同項第二号中「経理的基礎及び技術的能力」とあるのは、「技術的能力」とする。ただし、当該申請に係る国内基幹放送の業務を維持するに足りる経理的基礎を有しないことを理由として当該申請に係る認定の更新を拒否したとしても、当該国内基幹放送に係る放送対象地域において第九十一条第二項第三号に規定する目標を達成することができると認められる場合については、この限りでない。
2 前項の規定は、次の各号に掲げる者がそれぞれ当該各号に定める認可を申請した場合について準用する。この場合において、同項中「第九十三条第一項」とあるのは、「第九十八条第六項において準用する第九十三条第一項」と読み替えるものとする。
一 認定経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者(国内基幹放送を行う認定基幹放送事業者に限る。)が当該認定経営基盤強化計画に従つて当該国内基幹放送の業務を行う事業を譲渡し、又は認定経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者(国内基幹放送を行う認定基幹放送事業者たる法人に限る。)が当該認定経営基盤強化計画に従つて合併若しくは分割(当該国内基幹放送の業務を行う事業を承継させるものに限る。)をした場合における当該事業を譲り受けた者又は合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割により当該事業を承継した法人 第九十八条第二項の認可
二 認定経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者(特定地上基幹放送局(当該特定地上基幹放送局を用いて行われる国内基幹放送に係る放送対象地域が指定放送対象地域であるものに限る。以下この条において同じ。)の免許人たる法人に限る。)が当該認定経営基盤強化計画に従つて分割をした場合において電波法第二十条第四項前段の規定の適用があるときにおける分割により地上基幹放送(指定放送対象地域に係るものに限る。以下この項及び第四項において同じ。)の業務を行う事業を承継した法人 第九十八条第三項前段の認可
三 認定経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者(特定地上基幹放送局の免許人に限る。)が当該認定経営基盤強化計画に従つて当該基幹放送局を譲渡し、譲受人が当該基幹放送局を譲渡人の地上基幹放送の業務の用に供する業務を行おうとする場合において電波法第二十条第四項後段の規定の適用があるときにおける当該譲渡人 第九十八条第三項後段の認可
四 認定経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者(特定地上基幹放送局の免許人に限る。)が当該認定経営基盤強化計画に従つて地上基幹放送の業務を行う事業を譲渡し、その譲渡人が当該基幹放送局を譲受人の地上基幹放送の業務の用に供する業務を行おうとする場合において電波法第二十条第四項後段の規定の適用があるときにおける当該譲受人 第九十八条第三項後段の認可
3 認定経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者(特定地上基幹放送局の免許人に限る。)が電波法第十三条第一項ただし書の再免許を申請した場合における同法第七条第二項の規定の適用については、同項第三号中「経理的基礎及び技術的能力」とあるのは、「技術的能力」とする。ただし、当該申請に係る国内基幹放送の業務を維持するに足りる経理的基礎を有しないことを理由として当該申請に係る再免許を拒否したとしても、当該国内基幹放送に係る放送対象地域において第九十一条第二項第三号に規定する目標を達成することができると認められる場合については、この限りでない。
4 前項の規定は、次の各号に掲げる者がそれぞれ当該各号に定める許可を申請した場合について準用する。この場合において、同項中「第七条第二項」とあるのは、「第二十条第六項において準用する同法第七条第二項」と読み替えるものとする。
一 認定経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者(特定地上基幹放送局の免許人たる法人に限る。)が当該認定経営基盤強化計画に従つて合併又は分割(当該特定地上基幹放送局をその用に供する事業の全部を承継させるものに限る。)をした場合における合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により当該事業の全部を承継した法人 電波法第二十条第二項の許可
二 認定経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者(特定地上基幹放送局の免許人に限る。)が当該認定経営基盤強化計画に従つて当該特定地上基幹放送局をその用に供する事業の全部の譲渡しをした場合における譲受人 電波法第二十条第三項の許可
三 認定経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者(地上基幹放送の業務を行う認定基幹放送事業者に限る。)が当該認定経営基盤強化計画に従つて当該地上基幹放送の業務の用に供する基幹放送局の免許人と合併をし、又は当該地上基幹放送の業務を行う事業の当該免許人への譲渡しをした場合における合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は譲受人 電波法第二十条第五項前段の許可
四 認定経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者(地上基幹放送の業務を行う認定基幹放送事業者に限る。)が当該認定経営基盤強化計画に従つて当該地上基幹放送の業務の用に供する基幹放送局を譲り受けた場合における当該国内基幹放送事業者 電波法第二十条第五項後段の許可
(審議機関の設置等の特例)
第百十六条の六 認定経営基盤強化計画を提出した二以上の国内基幹放送事業者が当該認定経営基盤強化計画に従つて特定放送番組同一化を行う場合には、当該二以上の国内基幹放送事業者は、共同して審議機関を置くことができる。この場合においては、第七条第二項の規定による審議機関の委員の委嘱は、これらの国内基幹放送事業者が共同して行う。
2 認定経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者が当該認定経営基盤強化計画に従つて特定放送番組同一化を行う場合における当該国内基幹放送事業者(当該国内基幹放送事業者が特定地上基幹放送事業者でない場合にあつては、その基幹放送局設備を当該国内基幹放送事業者の国内基幹放送の業務の用に供する基幹放送局提供事業者)に対する第九十二条の規定の適用については、同条中「その基幹放送局を用いて行われる基幹放送に係る放送対象地域」とあるのは「第百十六条の三第二項第五号イに規定する特定放送番組同一化の対象となる二以上の国内基幹放送に係るそれぞれの放送対象地域を併せて一の放送対象地域とみなした場合における当該みなされた一の放送対象地域」と、「当該基幹放送」とあるのは「当該二以上の国内基幹放送のいずれか」とする。
3 認定放送持株会社の関係会社(第百五十八条第二項に規定する関係会社をいう。)である認定経営基盤強化計画を提出した国内基幹放送事業者が当該認定経営基盤強化計画に従つて特定放送番組同一化を行う場合における当該国内基幹放送事業者に対する第百六十三条の規定の適用については、同条中「その放送対象地域」とあるのは「その第百十六条の三第二項第五号イに規定する特定放送番組同一化の対象となる二以上の国内基幹放送に係るそれぞれの放送対象地域を併せて一の放送対象地域とみなした場合における当該みなされた一の放送対象地域」と、「当該放送対象地域」とあるのは「当該みなされた一の放送対象地域」とする。
第百五十八条第一項中「総株主等の議決権(総株主又は総出資者の議決権(株式会社にあつては、株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下この条及び第百六十四条第一項において同じ。)をいう。以下この条において同じ。)」を「総株主又は総出資者の議決権」に、「総株主等の議決権の」を「総株主又は総出資者の議決権の」に改め、同条第二項を次のように改める。
2 この章において「関係会社」とは、会社が他の会社に対して支配関係を有する場合における当該他の会社をいう。
第百五十九条第一項中「二以上の基幹放送事業者(当該二以上の基幹放送事業者に一以上の地上基幹放送の業務を行う者が含まれる場合に限る。以下この条、次条第一号並びに第百六十六条第二項第一号及び第二号において同じ。)をその子会社とし、若しくはしようとする会社又は二以上の基幹放送事業者をその子会社とする会社を設立しようとする」を「次の各号のいずれかに該当する」に改め、同項に次の各号を加える。
一 一以上の地上基幹放送の業務を行う基幹放送事業者をその子会社とし、又はしようとする会社であつて、二以上の基幹放送事業者をその関係会社とし、又はしようとするもの
二 一以上の地上基幹放送の業務を行う基幹放送事業者をその子会社とする会社であつて、二以上の基幹放送事業者をその関係会社とするものを設立しようとする者
第百五十九条第二項第三号中「価額)」の下に「その他当該基幹放送事業者の適切な経営管理を行うために必要な資産として総務省令で定める資産の額」を加え、同項第五号イ中「業務を執行する役員」を「特定役員」に改め、同条第三項第四号を同項第五号とし、同項第三号中「子会社」を「関係会社(関係会社となる会社を含む。)」に改め、「基幹放送事業者」の下に「(申請対象会社の子会社である地上基幹放送の業務を行う基幹放送事業者を除く。)」を加え、同号を同項第四号とし、同項第二号の次に次の一号を加える。
三 申請対象会社の子会社である地上基幹放送の業務を行う基幹放送事業者の名称及び住所並びに代表者の氏名
第百六十条中「前条第一項の認定を受けた会社又は認定を受けて設立された会社(以下「認定放送持株会社」という。)」を「認定放送持株会社」に改め、同条第一号中「二以上の基幹放送事業者を子会社として保有する」を「次のいずれにも該当する」に改め、同号に次のように加える。
イ 一以上の地上基幹放送の業務を行う基幹放送事業者を子会社とすること。
ロ 二以上の基幹放送事業者を関係会社とすること。
第百六十条第二号中「第四号」を「第五号」に改める。
第百六十二条中「子会社」を「関係会社」に改める。
第百六十三条の見出しを「(関係会社の責務)」に改め、同条中「子会社地上基幹放送事業者(認定放送持株会社の子会社である地上基幹放送の業務を行う基幹放送事業者をいう。)」を「認定放送持株会社の関係会社である基幹放送事業者(その基幹放送に係る放送対象地域が全国である者を除く。)」に改める。
第百六十四条第一項中「と株式の所有関係その他の」を「の子会社その他その者と」に、「すべて」を「全て」に改め、同条第二項中「未満」を「以下」に改める。
第百六十六条第二項第一号中「二以上の基幹放送事業者を子会社として保有する」を「次のいずれにも該当する」に改め、同号に次のように加える。
イ 一以上の地上基幹放送の業務を行う基幹放送事業者を子会社とすること。
ロ 二以上の基幹放送事業者を関係会社とすること。
第百六十六条第二項第二号中「二以上の基幹放送事業者を子会社として保有する」を「前号イ及びロのいずれにも該当する」に改める。
第百七十七条第一項第一号中「又は第四項」を「若しくは第四項」に、「制定又は変更」を「制定若しくは変更又は第百十六条の二第一項の規定による指定放送対象地域の指定」に改め、同項第二号中「提供基準」を「実施基準」に、「同条第十項」を「同条第十四項」に改め、「許可)」の下に「、第百十六条の三第一項(経営基盤強化計画の認定)」を加え、同項第四号中「第百四条」を「第二十条第十二項(実施基準の認可の取消し)、第百四条」に改め、「業務に関する認定の取消し)」の下に「、第百十六条の四第五項(経営基盤強化計画の認定の取消し)」を加え、同項第五号中「基幹放送局設備)」の下に「、同条第三十一号(特定役員)、同条第三十二号(支配関係)」を加え、「若しくは第二項第一号若しくは第三号」を削り、「同条第五項」を「同条第四項」に改める。
第百八十五条第二号中「第十項」を「第十四項」に改める。
第百八十七条第一号中「第九十三条第三項第七号」を「第九十三条第二項第七号」に改める。
第百九十一条第一項第二号中「第八十六条第二項」を「第八十六条第二項若しくは第三項」に改める。
第百九十三条を次のように改める。
第百九十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。
一 第百十六条の四第四項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
二 第百七十五条(第八十一条第六項において準用する場合を含む。)の規定による資料の提出を怠り、又は虚偽の資料を提出した者
(電波法の一部改正)
第二条 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。
第五条第四項第二号中「業務を執行する役員」を「放送法第二条第三十一号の特定役員」に改める。
第九十九条の三第三項第一号中「禁錮」を「禁錮」に改め、同項第三号中「放送事業者」の下に「、同条第二十七号に規定する認定放送持株会社」を加え、「、同法第百六十条に規定する認定放送持株会社」を削る。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一条中放送法第二十条第二項の改正規定(同項中第八号を第九号とし、第五号から第七号までを一号ずつ繰り下げ、第四号の次に一号を加える部分に限る。)、同条第十項の改正規定、同法第二十九条第一項第一号ヘの改正規定及び同号トの改正規定(「廃止」の下に「(国際放送及び協会国際衛星放送の開始、休止及び廃止にあつては、経営委員会が軽微と認めたものを除く。)」を加える部分に限る。)並びに次条、附則第五条及び第九条から第十一条までの規定は、公布の日から施行する。
(準備行為)
第二条 第一条の規定による改正後の放送法(以下「新放送法」という。)第二十条第九項の認可及び新放送法第百七十七条の規定による電波監理審議会に対する諮問並びにこれらに関し必要な手続その他の行為は、これらの規定の例により、この法律の施行前においても行うことができる。
(放送番組審議機関に関する経過措置)
第三条 この法律の施行の際現に第一条の規定による改正前の放送法(以下「旧放送法」という。)第七条第三項の規定により二以上の放送事業者が共同して置いている放送番組審議機関については、新放送法第七条第三項第一号の規定にかかわらず、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して六月を経過する日までの間は、なお従前の例による。
(外国の放送局を用いて行われる国際放送に関する経過措置)
第四条 日本放送協会(附則第六条において「協会」という。)は、この法律の施行の際現に外国の放送局(新放送法第二条第二十号に規定する放送局をいう。)を用いて国際放送(同条第五号に規定する国際放送をいう。)を行っている場合には、施行日から起算して三月以内に、放送区域、放送事項その他総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならない。
(経営委員会に関する経過措置)
第五条 附則第一条ただし書に規定する規定の施行の日から施行日の前日までの間における新放送法第二十九条第一項第一号トの規定の適用については、同号ト中「国際放送及び協会国際衛星放送」とあるのは、「協会国際衛星放送」とする。
(特別の勘定に関する経過措置)
第六条 新放送法第七十三条第二項の規定は、施行日以後に開始する協会の事業年度から適用し、施行日前に開始した協会の事業年度については、なお従前の例による。
(基幹放送の業務の認定の取消し等に関する経過措置)
第七条 この法律の施行の際現に旧放送法第九十三条第一項の認定を受けている者であって、この法律の施行の際に新放送法第九十三条第一項第四号(新放送法第百六十二条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に適合しないものに関する新放送法第百四条第三号(新放送法第百六十二条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定の適用については、施行日から起算して一年を経過する日(その日前に新放送法第九十三条第一項第四号に適合することとなった場合にあっては、当該適合することとなった日)までの間は、新放送法第二条第三十二号の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2 この法律の施行の際現に第二条の規定による改正前の電波法(以下この項において「旧電波法」という。)の規定により特定地上基幹放送局(旧電波法第六条第二項に規定する特定地上基幹放送局をいう。)の免許を受けている者であって、この法律の施行の際に第二条の規定による改正後の電波法(以下この項において「新電波法」という。)第七条第二項第四号ロ(新放送法第百六十二条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に適合しないものに関する新電波法第七十六条第四項第五号(新放送法第百六十二条第四項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定の適用については、施行日から起算して一年を経過する日(その日前に新電波法第七条第二項第四号ロに適合することとなった場合にあっては、当該適合することとなった日)までの間は、新放送法第二条第三十二号の規定にかかわらず、なお従前の例による。
(認定放送持株会社の届出に関する経過措置)
第八条 この法律の施行の際現に旧放送法第百五十九条第一項の認定を受けている認定放送持株会社(旧放送法第百六十条に規定する認定放送持株会社をいう。)であって、基幹放送事業者(新放送法第二条第二十三号に規定する基幹放送事業者をいう。)を新放送法第百五十八条第二項に規定する関係会社(旧放送法第百五十八条第一項に規定する子会社を除く。)としているものは、施行日から起算して三月以内に、当該基幹放送事業者の名称及び住所並びに代表者の氏名その他の総務省令で定める事項を総務大臣に届け出なければならない。
(処分等の効力)
第九条 この法律(附則第一条ただし書に規定する規定にあっては、当該規定)の施行前に旧放送法の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であって、新放送法に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、新放送法の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則の適用に関する経過措置)
第十条 この法律(附則第一条ただし書に規定する規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第十一条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
(検討)
第十二条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新放送法の施行状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、新放送法第百十六条の三第一項に規定する経営基盤強化計画の認定に係る制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
総務大臣 新藤義孝
内閣総理大臣 安倍晋三