(都道府県知事が行う緊急調査)
第二十六条 都道府県知事は、土石流、地滑り又は河道閉塞による湛水を発生原因とする重大な土砂災害の急迫した危険が予想されるものとして政令で定める状況があると認めるときは、基本指針に基づき、これらの自然現象を発生原因とする重大な土砂災害が想定される土地の区域及び時期を明らかにするため必要な調査(以下「緊急調査」という。)を行うものとする。ただし、次条第一項の規定により国土交通大臣が緊急調査を行う場合は、この限りでない。
2 都道府県知事は、緊急調査の結果、基本指針に基づき、前項の重大な土砂災害の危険がないと認めるとき、又はその危険が急迫したものでないと認めるときは、当該緊急調査を終了することができる。
(国土交通大臣が行う緊急調査)
第二十七条 国土交通大臣は、前条第一項の政令で定める状況があると認める場合であって、当該土砂災害の発生原因である自然現象が緊急調査を行うために特に高度な専門的知識及び技術を要するものとして政令で定めるものであるときは、基本指針に基づき、緊急調査を行うものとする。
2 国土交通大臣は、前項の規定により緊急調査を行おうとするときは、あらかじめ、緊急調査を行おうとする土地の区域を管轄する都道府県知事にその旨を通知しなければならない。次項において準用する前条第二項の規定により緊急調査を終了しようとするときも、同様とする。
3 前条第二項の規定は、国土交通大臣が行う緊急調査について準用する。
(緊急調査のための土地の立入り等)
第二十八条 都道府県知事若しくは国土交通大臣又はこれらの命じた者若しくは委任した者は、緊急調査のためにやむを得ない必要があるときは、これらの必要な限度において、他人の占有する土地に立ち入り、又は特別の用途のない他人の土地を作業場として一時使用することができる。
2 第五条(第一項及び第四項を除く。)の規定は、前項の規定による立入り及び一時使用について準用する。この場合において、同条第八項から第十項までの規定中「都道府県」とあるのは、「都道府県又は国」と読み替えるものとする。
(土砂災害緊急情報の通知及び周知等)
第二十九条 都道府県知事又は国土交通大臣は、緊急調査の結果、基本指針に基づき、第二十六条第一項に規定する自然現象の発生により一定の土地の区域において重大な土砂災害の急迫した危険があると認めるとき、又は当該土砂災害が想定される土地の区域若しくは時期が明らかに変化したと認めるときは、災害対策基本法第六十条第一項及び第五項の規定による避難のための立退きの勧告又は指示の判断に資するため、当該緊急調査により得られた当該土砂災害が想定される土地の区域及び時期に関する情報(次項において「土砂災害緊急情報」という。)を、都道府県知事にあっては関係のある市町村の長に、国土交通大臣にあっては関係のある都道府県及び市町村の長に通知するとともに、一般に周知させるため必要な措置を講じなければならない。
2 都道府県知事又は国土交通大臣は、土砂災害緊急情報のほか、緊急調査により得られた情報を、都道府県知事にあっては関係のある市町村の長に、国土交通大臣にあっては関係のある都道府県及び市町村の長に随時提供するよう努めるものとする。