(協議会)
第八条 特定地域において、地方運輸局長、関係地方公共団体の長、一般乗用旅客自動車運送事業者等、一般乗用旅客自動車運送事業の事業用自動車の運転者の組織する団体及び地域住民は、次条第一項に規定する地域計画の作成、当該地域計画の実施に係る連絡調整その他当該特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化の推進に関し必要な協議を行うための協議会(以下単に「協議会」という。)を組織することができる。
2 協議会は、必要があると認めるときは、次に掲げる者をその構成員として加えることができる。
一 一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に資する他の事業を営む者
3 前二項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
(地域計画)
第九条 協議会は、基本方針に基づき、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化を推進するための計画(以下「地域計画」という。)を作成することができる。
2 地域計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化の推進に関する基本的な方針
三 前号の目標を達成するために行う特定事業その他の事業及びその実施主体に関する事項
四 前三号に掲げるもののほか、地域計画の実施に関し当該協議会が必要と認める事項
3 地域計画は、都市計画その他法律の規定による地域の交通に関する計画との調和が保たれ、かつ、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第四項の基本構想に即したものでなければならない。
4 地域計画は、その作成に係る合意をした協議会の構成員である一般乗用旅客自動車運送事業者が当該地域計画に係る特定地域内の営業所に配置する事業用自動車の台数の合計が当該特定地域内の営業所に配置される事業用自動車の総台数の過半数であるものでなければならない。
5 協議会は、地域計画を作成したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、国土交通大臣に送付しなければならない。
6 国土交通大臣は、前項の規定により地域計画の送付を受けたときは、協議会に対し、必要な助言をすることができる。
7 第三項から前項までの規定は、地域計画の変更について準用する。
(地域計画に定められた事業の実施)
第十条 地域計画の作成に係る合意をした協議会の構成員であって、当該地域計画に定められた事業の実施主体とされたものは、当該地域計画に従い、事業を実施しなければならない。
2 協議会は、地域計画の目標を達成するために必要があると認めるときは、当該地域計画に定められた事業の実施主体とされた者以外の者に対し、当該地域計画に定められた事業の実施のために必要な協力を要請することができる。
(特定事業計画の認定)
第十一条 地域計画において特定事業に関する事項が定められたときは、当該地域計画の作成に係る合意をした協議会の構成員であって、特定事業の実施主体とされた一般乗用旅客自動車運送事業者は、単独で又は共同して、当該地域計画に即して特定事業を実施するための計画(以下「特定事業計画」という。)を作成し、これを国土交通大臣に提出して、その特定事業計画が一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化を適切かつ確実に推進するために適当である旨の認定を申請することができる。
2 特定事業計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
三 特定事業の実施に必要な資金の額及びその調達方法
五 前各号に掲げるもののほか、特定事業の実施のために必要な事項として国土交通省令で定める事項
3 特定事業計画には、特定事業と相まって、地域計画に基づく一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化を推進するため、一般乗用旅客自動車運送事業の譲渡又は譲受け、一般乗用旅客自動車運送事業者たる法人の合併又は分割、一般乗用旅客自動車運送事業の供給輸送力の減少その他経営の合理化に資する措置として国土交通省令で定めるもの(以下「事業再構築」という。)について、次に掲げる事項を定めることができる。
四 前三号に掲げるもののほか、その実施のために必要な事項として国土交通省令で定める事項
4 国土交通大臣は、第一項の規定による認定の申請があった場合において、その特定事業計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
一 特定事業計画に定める事項が基本方針に照らし適切なものであること。
二 特定事業計画に定める事項が特定事業(当該特定事業計画に事業再構築に関する事項が定められている場合にあっては、特定事業及び事業再構築。以下同じ。)を確実に遂行するため適切なものであること。
三 特定事業計画に定める事項が道路運送法第十五条第一項又は第三十六条第一項若しくは第二項の認可を要するものである場合にあっては、その内容が同法第十五条第二項又は第三十六条第三項において準用する同法第六条各号に掲げる基準に適合すること。
四 特定事業計画に共同事業再構築(二以上の一般乗用旅客自動車運送事業者が共同して行う事業再構築をいう。以下同じ。)に関する事項が定められている場合にあっては、次のイ及びロに適合すること。
イ 共同事業再構築を行う一般乗用旅客自動車運送事業者と他の一般乗用旅客自動車運送事業者との間の適正な競争が確保されるものであること。
ロ 一般乗用旅客自動車運送の利用者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがあるものでないこと。
5 前項の認定を受けた者は、当該認定に係る特定事業計画を変更しようとするときは、国土交通大臣の認定を受けなければならない。
6 第四項の規定は、前項の変更の認定について準用する。
7 第四項の認定及び第五項の変更の認定に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
(公正取引委員会との関係)
第十二条 国土交通大臣は、二以上の一般乗用旅客自動車運送事業者の申請に係る特定事業計画(共同事業再構築に係る事項が記載されているものに限る。第三項において同じ。)について前条第四項の認定(同条第五項の変更の認定を含む。以下同じ。)をしようとする場合において、必要があると認めるときは、当該認定に係る申請書の写しを公正取引委員会に送付するとともに、公正取引委員会に対し、当該送付に係る特定事業計画に従って行おうとする共同事業再構築が一般乗用旅客自動車運送事業における競争に及ぼす影響に関する事項その他の必要な事項について意見を述べるものとする。この場合において、国土交通大臣は、当該特定事業計画に係る特定地域の一般乗用旅客自動車運送事業における市場の状況その他の当該意見の裏付けとなる根拠を示すものとする。
2 公正取引委員会は、必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、前項の規定による送付を受けた特定事業計画について意見を述べるものとする。
3 国土交通大臣及び公正取引委員会は、国土交通大臣が前条第四項の認定をした特定事業計画に従ってする共同事業再構築について、当該認定後の経済的事情の変化により、一般乗用旅客自動車運送事業者間の適正な競争を阻害し、又は一般乗用旅客自動車運送の利用者及び関連事業者の利益を不当に害することとならないよう、相互に緊密に連絡するものとする。
(道路運送法の特例)
第十三条 第十一条第四項の認定を受けた者(以下「認定事業者」という。)がその認定に係る特定事業計画(以下「認定特定事業計画」という。)に基づき実施する特定地域の住民の福祉の増進を図るための運送として国土交通省令で定めるものに係る旅客の運賃及び料金を定める場合においては、道路運送法第九条の三第一項の規定にかかわらず、あらかじめ、当該運賃及び料金を国土交通大臣に届け出ることをもって足りる。
2 認定事業者が認定特定事業計画に基づき一般乗用旅客自動車運送事業の事業計画(道路運送法第五条第一項第三号の事業計画をいう。第十五条第一項において同じ。)の変更をする場合においては、当該認定事業者が当該認定を受けたことをもって、同法第十五条第一項の認可を受け、又は同条第三項若しくは第四項の規定による届出をしたものとみなす。
3 認定事業者が認定特定事業計画(事業再構築に関する事項が定められているものに限る。)に基づき一般乗用旅客自動車運送事業の譲渡若しくは譲受け又は一般乗用旅客自動車運送事業者たる法人の合併若しくは分割をする場合においては、当該認定事業者が当該認定を受けたことをもって、道路運送法第三十六条第一項又は第二項の認可を受けたものとみなす。
(認定の取消し等)
第十四条 国土交通大臣は、認定事業者が正当な理由がなく認定特定事業計画に従って特定事業を実施していないと認めるときは、当該認定事業者に対し、認定特定事業計画に従って当該特定事業を実施すべきことを勧告することができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定による勧告を受けた認定事業者が当該勧告に従わないときは、その認定を取り消すことができる。
3 国土交通大臣は、認定特定事業計画が第十一条第四項各号のいずれかに適合しないものとなったと認めるときは、認定事業者に対して、当該認定特定事業計画の変更を指示し、又はその認定を取り消すことができる。