(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十年十月一日から施行する。ただし、次条から附則第十二条まで及び附則第二十一条の規定は、公布の日から施行する。
(設立委員)
第二条 財務大臣は、設立委員を命じ、輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社(以下「会社」という。)の設立に関して発起人の職務を行わせる。
(定款)
第三条 設立委員は、定款を作成して、財務大臣の認可を受けなければならない。
2 財務大臣は、前項の認可をしようとするときは、あらかじめ、法務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣及び国土交通大臣に協議しなければならない。
(会社の設立に際して発行する株式)
第四条 会社の設立に際して発行する株式に関する次に掲げる事項及び会社が発行することができる株式の総数は、定款で定めなければならない。
一 株式の数(会社を種類株式発行会社(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第十三号に規定する種類株式発行会社をいう。)として設立しようとする場合にあっては、その種類及び種類ごとの数)
二 株式の払込金額(株式一株と引き換えに払い込む金銭又は給付する金銭以外の財産の額をいう。)
2 会社の設立に際して発行する株式については、会社法第四百四十五条第二項の規定にかかわらず、附則第六条の規定により独立行政法人通関情報処理センター(以下「センター」という。)が会社の設立に際し出資した財産の額の二分の一を超える額を資本金として計上しないことができる。この場合において、同法第四百四十五条第一項中「この法律」とあるのは、「この法律又は電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律(平成二十年法律第四十六号)」とする。
(株式の引受け)
第五条 会社の設立に際して発行する株式の総数は、センターが引き受けるものとし、設立委員は、これをセンターに割り当てるものとする。
2 前項の規定により割り当てられた株式による会社の設立に関する株式引受人としての権利は、政府が行使する。
(出資)
第六条 センターは、会社の設立に際し、会社に対し、附則第十二条第二項の規定により各出資者に分配される財産を除き、その財産の全部を出資するものとする。
(創立総会)
第七条 会社の設立に係る会社法第六十五条第一項の規定の適用については、同項中「第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後」とあるのは、「電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律(平成二十年法律第四十六号)附則第五条第一項の規定による株式の割当後」とする。
(会社の成立)
第八条 附則第六条の規定によりセンターが行う出資に係る給付は、この法律の施行の時に行われるものとし、会社は、会社法第四十九条の規定にかかわらず、その時に成立する。
(設立の登記)
第九条 会社は、会社法第九百十一条第一項の規定にかかわらず、会社の成立後遅滞なく、その設立の登記をしなければならない。
(政府への無償譲渡)
第十条 センターが出資によって取得する会社の株式は、会社の成立の時に、政府に無償譲渡されるものとする。
(会社法の適用除外)
第十一条 会社法第三十条及び第二編第一章第三節の規定は、会社の設立については、適用しない。
(センターの解散等)
第十二条 センターは、会社の成立の時において解散するものとし、次項の規定により各出資者に分配される財産を除き、その一切の権利及び義務は、その時において会社が承継する。
2 前項の規定による解散に際し、センターは、その資産の価額から負債の金額を控除して残額を生ずるときは、当該残額に相当する額の財産を、政府を除く各出資者に対し、その出資額のセンターの資本金の額に対する割合に応じて分配するものとする。この場合において、各出資者に分配する財産の額は、その出資額を限度とする。
3 センターの平成二十年四月一日に始まる事業年度(次項及び第五項において「最終事業年度」という。)は、センターの解散の日の前日に終わるものとする。
4 センターの最終事業年度に係る独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第三十八条に規定する財務諸表、事業報告書及び決算報告書の作成等については、会社が従前の例により行うものとする。
5 センターの最終事業年度における業務の実績及び独立行政法人通則法第二十九条第二項第一号に規定する中期目標の期間における業務の実績については、会社が従前の例により評価を受けるものとする。
6 第一項の規定によりセンターが解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(商号に関する経過措置)
第十三条 この法律による改正後の電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律(以下「新法」という。)第八条の規定は、この法律の施行の際現にその商号中に輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社という文字を使用している者については、この法律の施行後六月間は、適用しない。
(事業計画に関する経過措置)
第十四条 会社の成立の日の属する事業年度の事業計画については、新法第十四条第一項中「毎事業年度の開始前に」とあるのは、「会社の成立後遅滞なく」とする。
(秘密保持義務に関する経過措置)
第十五条 センターの役員若しくは職員又はこれらの職にあった者に係るこの法律による改正前の電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律第十六条の規定によるその職務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない義務については、この法律の施行後も、なお従前の例による。
(行政事件訴訟法の適用に関する経過措置)
第十六条 この法律の施行前に行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)の規定に基づき提起されたセンターを被告とする抗告訴訟(附則第十二条第一項の規定により会社が承継することとなる権利及び義務に関するものに限る。)の管轄については、なお従前の例による。
(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律の適用に関する経過措置)
第十七条 この法律の施行前に独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成十三年法律第百四十号)の規定に基づきセンターがした行為及びセンターに対してなされた行為(附則第十二条第一項の規定により会社が承継することとなる権利及び義務に関するものに限る。)については、なお従前の例による。
(独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律の適用に関する経過措置)
第十八条 この法律の施行前に独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十九号。以下この条において「独立行政法人等個人情報保護法」という。)の規定に基づきセンターがした行為及びセンターに対してなされた行為(附則第十二条第一項の規定により会社が承継することとなる権利及び義務に関するものに限る。)については、なお従前の例による。
2 次に掲げる者が、正当な理由がないのに、センターが保有していた個人の秘密に属する事項が記録された独立行政法人等個人情報保護法第二条第四項に規定する個人情報ファイルであって同項第一号に係るもの(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)を提供したときは、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
二 センターから独立行政法人等個人情報保護法第二条第二項に規定する個人情報の取扱いの委託を受けた者が受託した業務に従事していた者
3 前項各号に掲げる者が、その業務に関して知り得たセンターが保有していた独立行政法人等個人情報保護法第二条第三項に規定する保有個人情報を自己又は第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
4 前二項の規定は、日本国外においてこれらの項の罪を犯した者にも適用する。
(非課税)
第十九条 附則第九条の規定により会社が受ける設立の登記については、登録免許税を課さない。
(罰則の適用に関する経過措置)
第二十条 この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第二十一条 附則第二条から前条までに規定するもののほか、会社の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(関税法の一部改正)
第二十二条 関税法(昭和二十九年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。
第七条の五第二号中「電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律」を「電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律」に改める。
(政府保有株式の処分)
第二十三条 政府は、この法律の施行後できる限り速やかに、その保有する株式(新法第七条の規定により保有していなければならない議決権に係る株式を除く。)を売却するものとする。
(会社の在り方の検討)
第二十四条 政府は、この法律の施行後十年以内に、この法律の施行の状況等を勘案しつつ、会社の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うものとする。