(目的)
第一条 この法律は、最近の経済情勢の変化により母子家庭の母の就業が一層困難となっていることにかんがみ、支給開始後一定期間を経過した場合等における児童扶養手当の支給が制限される措置の導入に際して、母子家庭の母の就業の支援に関する特別の措置を講じ、もって母子家庭の福祉を図ることを目的とする。
(母子家庭の母の就業の支援に関する施策の充実)
第二条 厚生労働大臣は、この法律の施行の日から平成二十年三月三十一日までの期間(以下「対象期間」という。)に係る母子及び寡婦福祉法(昭和三十九年法律第百二十九号)第十一条第一項に規定する基本方針(以下この条において「基本方針」という。)については、母子家庭の母の就業に関する状況を踏まえ、その就業の支援に特別の配慮がなされたものとしなければならない。
2 厚生労働大臣及び関係行政機関の長は、基本方針において母子家庭の母の就業の支援に関して講じようとする施策の充実が図られるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
3 母子及び寡婦福祉法第十一条第二項第三号に規定する母子家庭及び寡婦自立促進計画(以下この項において「自立促進計画」という。)を策定する同号に規定する都道府県等は、対象期間に係る自立促進計画については、基本方針に即し、母子家庭の母の就業の支援に特別の配慮がなされたものとしなければならない。
(国会に対する報告等)
第三条 政府は、毎年、対象期間に係る各年度における母子家庭の母の就業の支援に関して講じようとする施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない。
2 政府は、国会に対し、対象期間に係る各年度における母子家庭の母の就業の支援に関する施策の実施の状況を報告しなければならない。
(母子福祉資金貸付金の貸付けに関する特別の配慮)
第四条 政府は、対象期間に係る母子及び寡婦福祉法第十六条に規定する母子福祉資金貸付金の貸付けについて、母子家庭の母の就業が促進されるように特別の配慮をして、同条に規定する政令を定めなければならない。
(民間事業者に対する協力の要請)
第五条 国は、民間事業者に対し、母子家庭の母の就業の促進を図るために必要な協力を求めるように努めるものとする。
(母子福祉団体等の受注機会の増大への配慮)
第六条 国は、母子家庭の母の就業の促進を図るため、母子及び寡婦福祉法第六条第六項に規定する母子福祉団体その他母子家庭の母の福祉を増進することを主たる目的とする社会福祉法人、民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人又は特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人であって、その受注に係る業務を行う者が主として母子家庭の母であるものの受注の機会の増大が図られるように配慮するものとする。この場合において、国の物品及び役務の調達に当たっては、予算の適正な使用に留意するものとする。
(地方公共団体の施策)
第七条 地方公共団体は、前二条の規定に基づく国の施策に準じて、母子家庭の母の就業の促進を図るために必要な施策を講ずるように努めるものとする。