農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第百七十七号
公布年月日: 平成14年12月18日
法令の形式: 法律
農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十四年十二月十八日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第百七十七号
農水産業協同組合貯金保険法及び農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律
(農水産業協同組合貯金保険法の一部改正)
第一条 農水産業協同組合貯金保険法(昭和四十八年法律第五十三号)の一部を次のように改正する。
目次中「第六十条の二」を「第六十条の三」に、「第四章 貯金等債権の買取り(第七十条―第七十三条)」を
第三章の二
資金決済に関する債権者の保護(第六十九条の二―第六十九条の四)
第四章
貯金等債権の買取り(第七十条―第七十三条)
に改める。
第一条中「保護」の下に「及び経営困難農水産業協同組合に係る資金決済の確保」を加える。
第二条第九項中「の規定」を「(同項の規定を第五十六条の二第二項において準用する場合を含む。)及び第五十六条の二第一項の規定(以下「保険金計算規定」という。)」に改める。
第十五条中「、第四章、第五章」を「から第五章まで」に改める。
第三十四条第三号の次に次の一号を加える。
三の二 第六十九条の三の規定による資金の貸付け
第三十四条第八号中「第百十二条」の下に「において準用する第六十九条の三」を加える。
第五十一条の見出しを「(一般貯金等に係る保険料の額)」に改め、同条第一項中「保険料の」を「貯金等(決済用貯金(次条第一項に規定する決済用貯金をいう。次項において同じ。)以外の貯金等に限るものとし、外貨貯金その他政令で定める貯金等を除く。以下「一般貯金等」という。)に係る保険料の」に、「)における貯金等(外貨貯金その他の政令で定める貯金等を除く。)」を「次条第一項において同じ。)における一般貯金等」に改め、同条第二項中「費用」の下に「(決済用貯金に係るものを除く。)」を加え、同条の次に次の一条を加える。
(決済用貯金に係る保険料の額)
第五十一条の二 次に掲げる要件のすべてに該当する貯金(外貨貯金その他政令で定める貯金を除く。以下「決済用貯金」という。)に係る保険料の額は、各農水産業協同組合につき、当該保険料を納付すべき日の属する年の前年の四月一日からその属する年の三月三十一日までの間の各日における決済用貯金の額の合計額を平均した額に、機構が委員会の議決を経て定める率を乗じて計算した金額とする。
一 その契約又は取引慣行に基づき第六十九条の二第一項に規定する政令で定める取引に用いることができるものであること。
二 その貯金者がその払戻しをいつでも請求することができるものであること。
三 利息が付されていないものであること。
2 前条第二項から第五項までの規定は、前項に規定する率について準用する。この場合において、同条第二項中「係るものを除く。」とあるのは、「係るものに限る。」と読み替えるものとする。
第五十六条の見出しを「(一般貯金等に係る保険金の額等)」に改め、同条第一項中「保険金」を「一般貯金等(他人の名義をもつて有するものその他の政令で定める一般貯金等を除く。以下「支払対象一般貯金等」という。)に係る保険金」に、「貯金等(外貨貯金その他の政令で定める貯金等を除く。以下この条、次条、第六十条及び第六十条の二において同じ。)」を「支払対象一般貯金等」に、「(同条第三項の仮払金の支払又は第百十一条第一項の貸付けに係る貯金等の払戻しにより現に有しないこととなつたものを含む。)に限る。次項及び次条」を「に限るものとし、同条第三項の仮払金(支払対象一般貯金等に係るものに限る。以下この条において同じ。)の支払又は第百十一条において準用する第六十九条の三第一項の貸付けに係る支払対象一般貯金等の払戻しにより現に有しないこととなつたものを含む。次項」に改め、「で、前条第一項の請求があつたもの」を削り、同条第二項中「前項」を「支払対象一般貯金等に係る保険金の額は、前項」に改め、「を保険金の額」を削り、同項各号中「貯金等」を「支払対象一般貯金等」に改め、同条第三項中「第百十一条第一項の貸付けに係る貯金等」を「第百十一条において準用する第六十九条の三第一項の貸付けに係る支払対象一般貯金等」に、「保険金」を「支払対象一般貯金等に係る保険金」に、「同条第一項の貸付けに係る貯金等」を「第百十一条において準用する第六十九条の三第一項の貸付けに係る支払対象一般貯金等」に改める。
第五十六条の二第一項中「、前条第一項から第三項までの規定」を「、保険金計算規定」に改め、同項第一号中「当該資産管理機関等の貯金等に係る債権」を「当該資産管理機関等の支払対象貯金等(支払対象一般貯金等又は支払対象決済用貯金をいう。以下同じ。)に係る債権(当該支払対象貯金等を有する貯金者等が第五十五条第一項の請求をした時において現に有するものに限るものとし、同条第三項の仮払金の支払又は第六十九条の三第一項(第百十一条において準用する場合を含む。)の貸付けに係る支払対象貯金等の払戻しにより現に有しないこととなつたものを含む。以下この条において同じ。)」に、「有する貯金等」を「有する支払対象貯金等」に、「個人別管理資産額相当貯金等債権」を「個人別管理資産額相当支払対象貯金等債権」に、「当該加入者等の貯金等」を「当該加入者等の支払対象貯金等」に、「前条第一項から第三項までの規定」を「保険金計算規定」に改め、同項第二号及び第三号中「貯金等」を「支払対象貯金等」に、「前条第一項から第三項までの規定」を「保険金計算規定」に改め、同条第二項中「前条第二項」を「第五十六条第二項」に改め、同項各号中「貯金等に」を「支払対象貯金等に」に、「個人別管理資産額相当貯金等債権」を「個人別管理資産額相当支払対象貯金等債権」に改め、同条第四項を次のように改める。
4 第一項の場合における第二条第九項の規定の適用については、同項中「及び第五十六条の二第一項」とあるのは、「、第五十六条の二第一項並びに第五十六条の三第一項及び第二項」とする。
第五十六条の二第五項を削り、同条を第五十六条の三とし、第五十六条の次に次の一条を加える。
(決済用貯金に係る保険金の額)
第五十六条の二 決済用貯金(他人の名義をもつて有するものその他の政令で定める決済用貯金を除く。以下「支払対象決済用貯金」という。)に係る保険金の額は、一の保険事故が発生した農水産業協同組合の各貯金者につき、その発生した日において現にその者が当該農水産業協同組合に対して有する支払対象決済用貯金に係る債権(その者が第五十五条第一項の請求をした時において現に有するものに限るものとし、同条第三項の仮払金(支払対象決済用貯金に係るものに限る。次項において同じ。)の支払又は第六十九条の三第一項(第百十一条において準用する場合を含む。次項において同じ。)の貸付けに係る支払対象決済用貯金の払戻しにより現に有しないこととなつたものを含む。)のうち元本の額(その額が同一人について二以上あるときは、その合計額)に相当する金額とする。
2 前条第三項の規定は、その有する支払対象決済用貯金に関し保険事故に係る貯金者が当該保険事故について第五十五条第三項の仮払金の支払を受けている場合又は第六十九条の三第一項の貸付けに係る支払対象決済用貯金の払戻しを受けている場合について準用する。この場合において、前条第三項中「前二項の規定にかかわらず、これらの規定」とあるのは、「第五十六条の二第一項の規定にかかわらず、当該規定」と読み替えるものとする。
第六十条第一項中「第五十六条第一項から第三項までの規定」を「保険金計算規定」に、「貯金等」を「支払対象貯金等」に改め、同条第二項及び第三項中「貯金等」を「支払対象貯金等」に改める。
第六十条の二第一項中「貯金等(」を「支払対象貯金等(」に、「貯金等債権」を「支払対象貯金等債権」に、「貯金等の」を「支払対象貯金等の」に改め、第三章第三節中同条の次に次の一条を加える。
(決済用貯金に係る保険金の支払等のための措置)
第六十条の三 農水産業協同組合は、保険事故が発生した場合における支払対象決済用貯金に係る保険金の支払又は支払対象決済用貯金の払戻しの円滑の確保を図るため、電子情報処理組織の整備その他の主務省令で定める措置を講じなければならない。
2 主務大臣は、前項に規定する措置が講ぜられていないと認めるときは、農水産業協同組合に対し、その必要の限度において、期限を付して当該措置を講ずるよう命ずることができる。
第六十一条第二項第三号中「第五十六条第一項から第三項までの規定」を「保険金計算規定」に改める。
第三章の次に次の一章を加える。
第三章の二 資金決済に関する債権者の保護
(決済債務の保護)
第六十九条の二 為替取引その他の農水産業協同組合が行う資金決済に係る取引として政令で定める取引に関し農水産業協同組合が負担する債務(外国通貨で支払が行われるものを除き、農水産業協同組合その他の金融業を営む者で政令で定める者以外の者の委託に起因するものその他主務省令で定めるものに限る。以下「決済債務」という。)であつて、かつ、支払対象決済用貯金の払戻しを行う場合に消滅するもの以外のもの(以下「特定決済債務」という。)については、これを支払対象決済用貯金に係る債務と、特定決済債務に係る債権を支払対象決済用貯金に係る債権と、特定決済債務に係る債権者を貯金者と、特定決済債務の額を支払対象決済用貯金の額と、特定決済債務の弁済を支払対象決済用貯金の払戻しとそれぞれみなして、この法律の規定(第六十条の二、この章及び第七十三条の規定並びに第百十一条の規定及び当該規定に係る罰則を除く。)を適用する。この場合において、第五十一条の二第一項中「次に掲げる要件のすべてに該当する貯金(外貨貯金その他政令で定める貯金を除く。以下「決済用貯金」という。)に係る保険料」とあるのは「特定決済債務に係る保険料」と、第五十六条の二第一項中「決済用貯金(他人の名義をもつて有するものその他の政令で定める決済用貯金を除く。以下「支払対象決済用貯金」という。)に係る保険金」とあるのは「特定決済債務に係る保険金」と、「のうち元本の額」とあるのは「の額」と、同条第二項中「その有する支払対象決済用貯金」とあるのは「その有する特定決済債務に係る債権」と、第五十七条の二第四項中「貯金等」とあるのは「特定決済債務」と、第六十条の三第一項中「支払対象決済用貯金」とあるのは「特定決済債務」とする。
2 決済債務が一般貯金等の払戻しを行う場合に消滅するものであるときは、当該決済債務の額に相当する金額の当該一般貯金等については、決済用貯金とみなす。
(決済債務の弁済のための資金の貸付け)
第六十九条の三 機構は、次に掲げる者から決済債務の弁済(第五十六条の二第一項及び同条第二項において準用する第五十六条第三項の規定により計算した保険金の額に対応する支払対象決済用貯金又は特定決済債務につき行うものに限る。)のために必要とする資金の貸付けの申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、委員会の議決を経て、当該決済債務に係る第五十六条の二第一項及び同条第二項において準用する第五十六条第三項の規定により計算した保険金の額の合計額に達するまでを限り、当該申込みに係る貸付けを行う旨の決定をすることができる。
一 第八十三条第一項又は第二項の規定により管理を命ずる処分を受けた農水産業協同組合
二 破産の宣告を受けた者(当該破産の宣告を受ける前において農水産業協同組合であつた者に限る。)
三 民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第六十四条第一項の規定による管財人による管理を命ずる処分を受けた経営困難農水産業協同組合
四 民事再生法第七十九条第一項の規定による保全管理人による管理を命ずる処分を受けた経営困難農水産業協同組合
2 第六十五条第四項の規定は前項の規定による決定をしようとするときについて、同条第五項の規定は前項の規定による決定をしたときについて、同条第六項の規定は前項の規定により貸付けを行う旨の決定をしたときについて、それぞれ準用する。この場合において、同条第五項中「を当事者とする合併等又は信用事業再建措置に係る」とあるのは、「に係る」と読み替えるものとする。
3 第一項の規定により次の各号に掲げる者に対してされた貸付けは、当該農水産業協同組合に係る破産手続又は再生手続における機構以外の債権者との関係においては、当該各号に定める決定より前にされたものとみなす。
一 第一項第二号に掲げる者 当該破産宣告
二 再生手続開始の決定を受けた経営困難農水産業協同組合 当該再生手続開始の決定
4 第一項の決定に基づく資金の貸付けに要すると見込まれる費用は、第六十五条第二項の適用については、同項の資金援助に要すると見込まれる費用とみなす。
5 第一項第二号に掲げる者は、同項の貸付けに係るこの法律の規定の適用については、農水産業協同組合とみなす。
(決済債務に係る破産法等の特例)
第六十九条の四 決済債務を負担する農水産業協同組合及び決済債権者(当該決済債務に係る債権を有し、かつ、当該農水産業協同組合に対して他の決済債務を負担する他の農水産業協同組合その他の金融機関(当該他の農水産業協同組合その他の金融機関から当該決済債務に係る債権を取得し、又は当該他の決済債務を引き受けた者を含む。)をいう。以下この項において同じ。)が、相互に負担する決済債務を継続的に相殺することによりその全部又は一部を消滅させることを内容とする契約を当該農水産業協同組合に係る保険事故が発生する前に締結している場合において、当該契約の対象となる決済債務が当該農水産業協同組合に係る支払の停止等(支払の停止又は破産若しくは再生手続開始の申立てをいう。以下この項において同じ。)より後に生じたときであつて当該農水産業協同組合に係る前条第一項(第百十一条において準用する場合を含む。)の規定による貸付けを行う旨の決定があつたときは、当該決済債権者は、破産法第百四条及び民事再生法第九十三条の規定にかかわらず、その有する債権に係る当該農水産業協同組合が負担する次の各号に掲げる決済債務をその負担する当該各号に定める決済債務と相殺することができる。
一 当該支払の停止等より前に生じた決済債務 当該支払の停止等から当該支払の停止等に係る破産宣告若しくは再生手続開始の決定(以下この号において「破産宣告等」という。)までの間に生じた当該農水産業協同組合に対して負担する決済債務(当該支払の停止等より前に生じた原因に基づくものを除く。)又は当該破産宣告等より後に生じた当該農水産業協同組合に対して負担する決済債務
二 当該支払の停止等より後に生じた決済債務 当該農水産業協同組合に対して負担する決済債務
2 民法第六百五十三条の規定は、決済債務に係る当該農水産業協同組合が締結している委任契約については、適用しない。
第八十五条第五項中「(平成十一年法律第二百二十五号)」を削る。
第百十一条及び第百十二条を次のように改める。
(貯金等の払戻しのための資金の貸付け)
第百十一条 第六十九条の三の規定は、同条第一項各号に掲げる者から支払対象貯金等の払戻し(保険金計算規定により計算した保険金の額に対応する支払対象貯金等につき行うものに限る。)のために必要とする資金の貸付けの申込みを受けた場合について準用する。この場合において、同項中「当該決済債務に係る第五十六条の二第一項及び同条第二項において準用する第五十六条第三項の規定」とあるのは、「当該支払対象貯金等に係る保険金計算規定」と読み替えるものとする。
(資産価値の減少防止のための資金の貸付け)
第百十二条 第六十九条の三(第三項及び第四項を除く。)の規定は、同条第一項各号に掲げる者(同項第一号に掲げる者にあつては、破産又は再生手続開始の申立てがあつた後に限る。)からその保有する貸付債権その他の資産の価値の減少を防止するために必要とする資金の貸付けの申込みを受けた場合について準用する。この場合において、同項中「当該決済債務に係る第五十六条の二第一項及び同条第二項において準用する第五十六条第三項の規定により計算した保険金の額の合計額に達するまでを限り」とあるのは、「その必要の限度において」と読み替えるものとする。
第百十七条第六項第二号中「第五十七条の二第四項」の下に「及び第六十条の三第一項」を加える。
第百二十九条第一項第二号中「、第百十一条第二項及び第百十二条第二項」を「及び第六十九条の三第二項(第百十一条及び第百十二条において準用する場合を含む。)」に改め、同条第二項中「、第百十一条第二項及び第百十二条第二項」を「及び第六十九条の三第二項(第百十一条及び第百十二条において準用する場合を含む。)」に、「、第百十一条第一項又は第百十二条第一項」を「又は第六十九条の三第一項(第百十一条及び第百十二条において準用する場合を含む。)」に改める。
第百三十二条第一項中第四号を第五号とし、第三号を第四号とし、第二号を第三号とし、第一号の次に次の一号を加える。
二 第六十条の三第二項の規定による命令に違反したとき。
第百三十三条第一号中「第六十五条第四項」の下に「(第六十九条第四項及び第六十九条の三第二項(第百十一条及び第百十二条において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)」を加える。
附則第六条の三の次に次の一条を加える。
(決済用貯金に関する特例)
第六条の三の二 特定貯金(附則第六条の二第一項第一号に規定する特定貯金をいう。)であつて決済用貯金に該当しないものについては、平成十五年四月一日から平成十七年三月三十一日までの間、決済用貯金とみなす。この場合における第五十六条の二第一項の規定の適用については、同項中「元本の額(その額」とあるのは、「元本の額及び利息等の額の合算額(その合算額」とする。
(農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律の一部改正)
第二条 農水産業協同組合の再生手続の特例等に関する法律(平成十二年法律第九十五号)の一部を次のように改正する。
目次中「第四十六条」を「第四十六条の二」に改める。
第二十八条の見出しを「(決済債務の弁済等の許可)」に改め、同条第一項中「第百十一条第一項の規定」を「第六十九条の三第一項(同法第百十一条において準用する場合を含む。)の規定」に、「第百十一条第一項の貯金等」を「第六十九条の三第一項に規定する決済債務の弁済又は同法第百十一条に規定する支払対象貯金等」に改め、同条第二項中「同時に、」の下に「弁済を行う決済債務の種類又は」を加え、「払戻しの限度額及び払戻し」を「弁済又は払戻し(以下「弁済等」という。)の限度額及び弁済等」に改める。
第三章第二節中第四十六条の次に次の一条を加える。
(決済債務の弁済等の許可)
第四十六条の二 破産の宣告を受けた農水産業協同組合に対し農水産業協同組合貯金保険法第六十九条の三第一項(同法第百十一条において準用する場合を含む。)の規定による資金の貸付けを行う旨の決定があるときは、破産法第十六条の規定にかかわらず、裁判所は、破産管財人の申立てにより、農水産業協同組合貯金保険法第六十九条の三第一項に規定する決済債務の弁済又は同法第百十一条に規定する支払対象貯金等の払戻しを許可することができる。
2 裁判所は、前項の許可と同時に、弁済を行う決済債務の種類又は払戻しを行う貯金等の種別、弁済等の限度額及び弁済等をする期間を定めなければならない。この場合においては、当該期間の末日は、裁判所の定めた債権届出の期間の末日より前の日でなければならないものとする。
3 裁判所は、前項の規定による定めをするときは、あらかじめ、機構の意見を聴かなければならない。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成十五年四月一日から施行する。
(経過措置)
第二条 農水産業協同組合(この法律による改正後の農水産業協同組合貯金保険法(以下「新貯金保険法」という。)第二条第一項に規定する農水産業協同組合をいう。以下同じ。)が、新貯金保険法第五十条の規定により平成十五年六月三十日までに納付する次の各号に掲げる保険料の額は、新貯金保険法第五十一条第一項及び第五十一条の二第一項の規定(以下「保険料計算規定」という。)にかかわらず、各農水産業協同組合につき、当該各号に定める金額とする。
一 一般貯金等(新貯金保険法第五十一条第一項に規定する一般貯金等をいい、新貯金保険法第六十九条の二第二項の規定により決済用貯金とみなされるもの及び新貯金保険法附則第六条の三の二の規定により決済用貯金とみなされる特定貯金に該当するものを除く。次条第一号において同じ。)に係る保険料 平成十四年四月一日から平成十五年三月三十一日までの間の各日(日曜日その他政令で定める日を除く。以下同じ。)におけるその他貯金等(新貯金保険法附則第六条の二第一項第二号に規定するその他貯金等をいう。)の額の合計額を平均した額に、保険料率(新貯金保険法第五十一条第一項に規定する保険料率をいう。以下同じ。)を乗じて得た金額
二 決済用貯金(新貯金保険法第五十一条の二第一項に規定する決済用貯金をいい、新貯金保険法第六十九条の二第二項の規定により決済用貯金とみなされる一般貯金等及び新貯金保険法附則第六条の三の二の規定により決済用貯金とみなされる特定貯金を含む。次条第二号において同じ。)に係る保険料(新貯金保険法第六十九条の二第一項の規定により決済用貯金に係る保険料とみなされる特定決済債務に係る保険料を含む。次条第二号及び附則第四条第二号において同じ。) 平成十四年四月一日から平成十五年三月三十一日までの間の各日における特定貯金(新貯金保険法附則第六条の二第一項第一号に規定する特定貯金をいう。)の額の合計額を平均した額に、新貯金保険法第五十一条の二第一項に規定する率を乗じて得た金額
第三条 特定決済債務(新貯金保険法第六十九条の二第一項に規定する特定決済債務をいう。以下同じ。)について各日においてその額を計算することが困難なものとして主務大臣の承認を受けた農水産業協同組合が、新貯金保険法第五十条の規定により平成十六年六月三十日までに納付する次の各号に掲げる保険料の額は、保険料計算規定にかかわらず、各農水産業協同組合につき、当該各号に定める金額とする。
一 一般貯金等に係る保険料 平成十五年四月一日から平成十六年三月三十一日までの間の各日における一般貯金等の額の合計額を平均した額に、保険料率を乗じて得た金額
二 決済用貯金に係る保険料 次に掲げる金額を合算した額に、新貯金保険法第五十一条の二第一項に規定する率を乗じて得た金額
イ 平成十五年四月一日から平成十六年三月三十一日までの間の各日における決済用貯金の額の合計額を平均した額
ロ 平成十五年四月一日から平成十六年三月三十一日までの間の各日における特定決済債務の額の合計額を平均した額に準ずる額として政令で定めるところにより計算された額
第四条 一般貯金等(新貯金保険法第五十一条第一項に規定する一般貯金等をいい、新貯金保険法第六十九条の二第二項の規定により決済用貯金とみなされるものを除く。第一号において同じ。)のうち政令で定めるもの(第一号において「要調整一般貯金等」という。)、決済用貯金(新貯金保険法第五十一条の二第一項に規定する決済用貯金をいい、新貯金保険法第六十九条の二第二項の規定により決済用貯金とみなされる一般貯金等を含む。第二号において同じ。)のうち政令で定めるもの(第二号において「要調整決済用貯金」という。)及び特定決済債務について各日においてその額を計算することが困難なものとして主務大臣の承認を受けた農水産業協同組合が、新貯金保険法第五十条の規定により平成十七年からこの法律の施行の日(以下「施行日」という)から起算して五年を超えない範囲内において政令で定める日の属する年までの各年の六月三十日までに納付する次の各号に掲げる保険料の額は、保険料計算規定にかかわらず、各農水産業協同組合につき、当該各号に定める金額とする。
一 一般貯金等に係る保険料 次に掲げる金額を合算した額に、保険料率を乗じて得た金額
イ 当該保険料を納付すべき日の属する年の前年の四月一日からその属する年の三月三十一日までの間の各日における要調整一般貯金等以外の一般貯金等の額の合計額を平均した額
ロ 当該保険料を納付すべき日の属する年の前年の四月一日からその属する年の三月三十一日までの間の各日における要調整一般貯金等の額の合計額を平均した額に準ずる額として政令で定めるところにより計算された額
二 決済用貯金に係る保険料 次に掲げる金額を合算した額に、新貯金保険法第五十一条の二第一項に規定する率を乗じて得た金額
イ 当該保険料を納付すべき日の属する年の前年の四月一日からその属する年の三月三十一日までの間の各日における要調整決済用貯金以外の決済用貯金の額の合計額を平均した額
ロ 当該保険料を納付すべき日の属する年の前年の四月一日からその属する年の三月三十一日までの間の各日における要調整決済用貯金及び特定決済債務の額の合計額を平均した額に準ずる額として政令で定めるところにより計算された額
第五条 新貯金保険法第五十六条から第五十六条の三まで及び第六十九条の二の規定は、施行日以後に発生する保険事故(新貯金保険法第四十九条第二項に規定する保険事故をいう。以下同じ。)に係る保険金の計算について適用し、施行日前に発生した保険事故に係る保険金の計算については、なお従前の例による。
第六条 新貯金保険法附則第六条の三の二の規定により決済用貯金とみなされる特定貯金に係る平成十七年三月三十一日までに発生した保険事故に係る保険金の額については、当該特定貯金は、平成十七年四月一日以後も決済用貯金とみなす。この場合における新貯金保険法第五十六条の二第一項の規定の適用については、同項中「元本の額(その額」とあるのは、「元本の額及び利息等の額の合算額(その合算額」とする。
(権限の委任)
第七条 内閣総理大臣は、附則第三条及び第四条の規定による権限を金融庁長官に委任する。
2 金融庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の一部を財務局長又は財務支局長に委任することができる。
(罰則の適用に関する経過措置)
第八条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第九条 附則第二条から第六条まで及び前条に定めるもののほか、この法律の施行に際し必要な経過措置は、政令で定める。
内閣総理大臣 小泉純一郎
財務大臣 塩川正十郎
農林水産大臣 大島理森