通信・放送融合技術の開発の促進に関する法律
法令番号: 法律第四十四号
公布年月日: 平成13年6月8日
法令の形式: 法律
通信・放送融合技術の開発の促進に関する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十三年六月八日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第四十四号
通信・放送融合技術の開発の促進に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、通信・放送機構(以下「機構」という。)に、通信・放送融合技術の開発を行う者に対する支援に関する業務を行わせるための措置を講ずることにより、通信・放送融合技術を用いて提供される電気通信の役務の普及を図り、もって高度情報通信ネットワーク社会の形成に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「通信・放送融合技術」とは、インターネットを利用する電気通信の送信の役務及びデジタル信号による送信をする放送(公衆によって直接受信されることを目的とする無線通信又は有線電気通信の送信をいう。)の役務を合わせて利用することができるようにするための基盤となる通信・放送技術(通信・放送機構法(昭和五十四年法律第四十六号。以下「機構法」という。)第二条第五号に規定する通信・放送技術をいう。)をいう。
2 この法律において「通信・放送融合技術開発システム」とは、通信・放送融合技術の開発に必要な相当の規模の電気通信システム(電気通信設備の集合体であって、電気通信の業務を一体的に行うよう構成されたものをいう。)及びこれに係るプログラム(電子計算機に対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。)であって、通信・放送融合技術の開発を行う者の共用に供されるものをいう。
(基本方針)
第三条 総務大臣は、通信・放送融合技術の開発の促進を図るための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 通信・放送融合技術の開発に関する基本的な方向
二 通信・放送融合技術の内容に関する事項
三 次条の規定に基づき機構が整備する通信・放送融合技術開発システムの内容に関する事項
四 その他通信・放送融合技術の開発の促進に関する重要事項
3 総務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(機構の業務の特例)
第四条 機構は、機構法第二十八条第一項に規定する業務のほか、この法律の目的を達成するため、基本方針に従って、次の業務を行う。
一 通信・放送融合技術の開発を行う者に対する助成金を交付すること。
二 通信・放送融合技術開発システムを整備し、通信・放送融合技術の開発を行う者の共用に供すること。
三 前二号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
(機構法の適用)
第五条 前条の規定により機構の業務が行われる場合には、機構法第三十三条の二中「研究開発推進業務」とあるのは「研究開発推進業務及び通信・放送融合技術の開発の促進に関する法律(以下「通信・放送融合技術法」という。)第四条第二号に掲げる業務(これに附帯する業務を含む。)」と、「及び研究開発債務保証業務」とあるのは「並びに研究開発債務保証業務及び同条第一号に掲げる業務(これに附帯する業務を含む。)」と、機構法第三十八条中「この法律」とあるのは「この法律及び通信・放送融合技術法」と、機構法第三十九条、第四十条第一項及び第四十五条第一号中「この法律」とあるのは「この法律又は通信・放送融合技術法」と、機構法第四十三条第二項第一号中「又は第二十九条第一項の規定による認可」とあるのは「の規定による認可又は第二十九条第一項の規定による認可(通信・放送融合技術法第四条に規定する業務に係るものを除く。)」と、同項第二号中「部分」とあるのは「部分(通信・放送融合技術法第四条に規定する業務に係る部分を除く。)」と、機構法第四十五条第三号中「第二十八条第一項」とあるのは「第二十八条第一項及び通信・放送融合技術法第四条」とする。
(試験研究機関の協力等)
第六条 機構は、第四条第二号に掲げる業務に関し、総務省の試験研究機関又は独立行政法人通信総合研究所に対して、必要な助言及び協力を求めることができる。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
総務大臣 片山虎之助
財務大臣 塩川正十郎
内閣総理大臣 小泉純一郎