都市緑地保全法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第三十七号
公布年月日: 平成13年5月25日
法令の形式: 法律
都市緑地保全法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成十三年五月二十五日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第三十七号
都市緑地保全法の一部を改正する法律
都市緑地保全法(昭和四十八年法律第七十二号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二章 緑地保全地区(第三条─第十三条)」を
第二章
緑地保全地区
第一節
緑地保全地区に関する都市計画等(第三条─第九条)
第二節
管理協定(第九条の二─第九条の八)
第三節
雑則(第十条─第十三条)
に、「第三章の三 緑地管理機構(第二十条の六─第二十条の十一)」を
第三章の三
緑化施設整備計画の認定(第二十条の五の二─第二十条の五の九)
第三章の四
緑地管理機構(第二十条の六─第二十条の十一)
に改める。
第二条の二第二項第三号ロ中(3)を(4)とし、(2)の次に次のように加える。
(3) 第九条の二第一項の規定による管理協定に基づく緑地の管理に関する事項
第二条の二第二項第三号中ハをニとし、ロの次に次のように加える。
ハ 緑地保全地区以外の区域であつて重点的に緑地の保全に配慮を加えるべき地区及び当該地区における緑地の保全に関する事項
第二条の二第六項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第七項とし、同条第五項を同条第六項とし、同条第四項中「第十二条において」を「以下」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 市町村は、基本計画を定めようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
第二章中第三条の前に次の節名を付する。
第一節 緑地保全地区に関する都市計画等
第五条第九項第五号を同項第六号とし、同項第四号中「第二十条の二第一項」の下に「又は第二項」を加え、同号を同項第五号とし、同項第三号の次に次の一号を加える。
四 第九条の二第一項の規定により締結された管理協定において定められた当該管理協定区域内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備に関する事項に従つて行う行為
第九条の次に次の一節及び節名を加える。
第二節 管理協定
(管理協定の締結等)
第九条の二 地方公共団体又は第二十条の六第一項の規定により指定された緑地管理機構で第二十条の七第一号に掲げる業務のうち管理協定に基づく緑地の管理に関するものを行うものは、緑地保全地区内の緑地の保全のため必要があると認めるときは、当該緑地保全地区内の土地又は木竹の所有者又は使用及び収益を目的とする権利(臨時設備その他一時使用のため設定されたことが明らかなものを除く。)を有する者(以下この節において「土地の所有者等」と総称する。)と次に掲げる事項を定めた協定(以下「管理協定」という。)を締結して、当該土地の区域内の緑地の管理を行うことができる。
一 管理協定の目的となる土地の区域(以下「管理協定区域」という。)
二 管理協定区域内の緑地の管理の方法に関する事項
三 管理協定区域内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備が必要な場合にあつては、当該施設の整備に関する事項
四 管理協定の有効期間
五 管理協定に違反した場合の措置
2 管理協定については、管理協定区域内の土地の所有者等の全員の合意がなければならない。
3 管理協定の内容は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 基本計画との調和が保たれ、かつ、基本計画に第二条の二第二項第三号ロ(3)に掲げる事項が定められている場合にあつては当該事項に従つて管理を行うものであること。
二 土地及び木竹の利用を不当に制限するものでないこと。
三 第一項各号に掲げる事項について国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
4 地方公共団体又は第一項の緑地管理機構は、管理協定に同項第三号に掲げる事項を定めようとする場合においては、当該事項について、あらかじめ、都道府県知事(当該土地が指定都市の区域内に存する場合にあつては当該指定都市の長、当該土地が中核市の区域内にある場合にあつては当該中核市の長)と協議し、その同意を得なければならない。ただし、都道府県が当該都道府県の区域(指定都市の区域及び中核市の区域を除く。)内の土地について、指定都市が当該指定都市の区域内の土地について、又は中核市が当該中核市の区域内の土地について管理協定を締結する場合は、この限りでない。
5 第一項の緑地管理機構が管理協定を締結しようとするときは、あらかじめ、都道府県知事の認可を受けなければならない。
(管理協定の縦覧等)
第九条の三 地方公共団体又は都道府県知事は、それぞれ管理協定を締結しようとするとき又は前条第五項の規定による管理協定の認可の申請があつたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該管理協定を当該公告の日から二週間関係人の縦覧に供さなければならない。
2 前項の規定による公告があつたときは、関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、当該管理協定について、地方公共団体又は都道府県知事に意見書を提出することができる。
(管理協定の認可)
第九条の四 都道府県知事は、第九条の二第五項の規定による管理協定の認可の申請が、次の各号のいずれにも該当するときは、当該管理協定を認可しなければならない。
一 申請手続が法令に違反しないこと。
二 管理協定の内容が、第九条の二第三項各号に掲げる基準に適合するものであること。
(管理協定の公告等)
第九条の五 地方公共団体又は都道府県知事は、それぞれ管理協定を締結し又は前条の認可をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、かつ、当該管理協定の写しをそれぞれ当該地方公共団体又は当該都道府県の事務所に備えて公衆の縦覧に供するとともに、管理協定区域である旨を当該区域内に明示しなければならない。
(管理協定の変更)
第九条の六 第九条の二第二項から第五項まで及び前三条の規定は、管理協定において定めた事項の変更について準用する。
(管理協定の効力)
第九条の七 第九条の五(前条において準用する場合を含む。)の規定による公告のあつた管理協定は、その公告のあつた後において当該管理協定区域内の土地の所有者等となつた者に対しても、その効力があるものとする。
(都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律の特例)
第九条の八 第九条の二第一項の緑地管理機構が管理協定に基づき管理する樹木又は樹木の集団で都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律(昭和三十七年法律第百四十二号。以下「樹木保存法」という。)第二条第一項の規定に基づき保存樹又は保存樹林として指定されたものについての樹木保存法の規定の適用については、樹木保存法第五条第一項中「所有者」とあるのは「所有者及び都市緑地保全法第二十条の六第一項の規定により指定された緑地管理機構」と、樹木保存法第六条第二項及び第八条中「所有者」とあるのは「都市緑地保全法第二十条の六第一項の規定により指定された緑地管理機構」と、樹木保存法第九条中「所有者」とあるのは「所有者又は都市緑地保全法第二十条の六第一項の規定により指定された緑地管理機構」とする。
第三節 雑則
第十条に次の一項を加える。
2 国は、地方公共団体が行う緑地保全地区内の緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備(基本計画、管理協定又は第二十条の二第一項若しくは第二項の規定により締結された市民緑地契約において定められた当該施設の整備に関する事項に従つて行われるものに限る。)に要する費用については、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その一部を補助することができる。
第十二条中「この章の規定により」を「この章(前節を除く。以下この条において同じ。)の規定により」に改める。
第二十条の二中第五項を第六項とし、第二項から第四項までを一項ずつ繰り下げ、第一項の次に次の一項を加える。
2 地方公共団体又は前項の緑地管理機構は、緑地保全地区又は第二条の二第二項第三号ハの地区内の緑地の保全のため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、同項の規定による土地の所有者の申出がない場合であつても、当該地区内における同項に規定する土地の所有者と市民緑地契約を締結して、当該土地に市民緑地を設置し、これを管理することができる。
第二十条の五を次のように改める。
(樹木保存法の特例の準用)
第二十条の五 第九条の八の規定は、第二十条の二第一項の緑地管理機構が管理する市民緑地内の樹木又は樹木の集団で樹木保存法第二条第一項の規定に基づき保存樹又は保存樹林として指定されたものについて準用する。
第二十条の六第一項中「法人」の下に「又は特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項の特定非営利活動法人」を加える。
第二十条の七第一号中「市民緑地」を「管理協定に基づく緑地の管理並びに市民緑地」に改め、同条中第五号を第八号とし、第二号から第四号までを三号ずつ繰り下げ、第一号の次に次の三号を加える。
二 住民等の利用に供する認定緑化施設の管理を行うこと。
三 認定事業者の委託に基づき、認定計画に従つた緑化施設の整備又は認定緑化施設の管理を行うこと。
四 認定事業者に対し、認定計画に従つた緑化施設の整備に必要な資金のあつせんを行うこと。
第二十条の八中「前条第一号」の下に「又は第二号」を加える。
第三章の三を第三章の四とし、第三章の二の次に次の一章を加える。
第三章の三 緑化施設整備計画の認定
(緑化施設整備計画の認定)
第二十条の五の二 第二条の二第二項第三号ニの地区内の建築物の敷地内(当該建築物の屋上、空地その他の屋外に限る。)において緑化施設を整備しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、当該緑化施設の整備に関する計画(以下「緑化施設整備計画」という。)を作成し、市町村長の認定を申請することができる。
2 緑化施設整備計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 緑化施設を整備する建築物の敷地の位置及び面積
二 整備する緑化施設の概要、規模及び配置
三 緑化施設の整備の実施期間
四 緑化施設の整備の資金計画
五 その他国土交通省令で定める事項
(緑化施設整備計画の認定基準)
第二十条の五の三 市町村長は、前条第一項の認定の申請があつた場合において、当該申請に係る緑化施設整備計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、緑化施設整備計画の認定をすることができる。
一 緑化施設を整備する建築物の敷地面積が、国土交通省令で定める規模以上であること。
二 緑化施設の面積の建築物の敷地面積に対する割合が、国土交通省令で定める割合以上であること。
三 緑化施設整備計画の内容が、基本計画と調和が保たれ、かつ、良好な都市環境の形成に貢献するものであること。
四 緑化施設の整備の実施期間が、緑化施設整備計画を確実に遂行するため適切なものであること。
五 緑化施設整備計画を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分であること。
2 前項第二号の緑化施設の面積は、国土交通省令で定めるところにより算出するものとする。
(緑化施設整備計画の変更)
第二十条の五の四 緑化施設整備計画の認定を受けた者(以下「認定事業者」という。)は、当該認定を受けた緑化施設整備計画(以下「認定計画」という。)の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、市町村長の認定を受けなければならない。
2 前条の規定は、前項の変更の認定について準用する。
(報告の徴収)
第二十条の五の五 市町村長は、認定事業者に対し、認定計画(前条第一項の変更の認定があつたときは、その変更後のもの。以下同じ。)に係る緑化施設の整備の状況について報告を求めることができる。
(改善命令)
第二十条の五の六 市町村長は、認定事業者が認定計画に従つて緑化施設の整備を行つていないと認めるときは、当該認定事業者に対し、相当の期間を定めて、その改善に必要な措置を命ずることができる。
(認定の取消し)
第二十条の五の七 市町村長は、認定事業者が前条の規定による処分に違反したときは、緑化施設整備計画の認定を取り消すことができる。
(住民等の利用に供する認定緑化施設の管理)
第二十条の五の八 地方公共団体又は第二十条の六第一項の規定により指定された緑地管理機構は、認定事業者との契約に基づき、認定計画に従つて整備された緑化施設(以下「認定緑化施設」という。)のうち住民等の利用に供するものを管理することができる。
(樹木保存法の特例の準用)
第二十条の五の九 第九条の八の規定は、前条の緑地管理機構が同条の規定に基づき管理する認定緑化施設内の樹木又は樹木の集団で樹木保存法第二条第一項の規定に基づき保存樹又は保存樹林として指定されたものについて準用する。
第二十三条中「の一」を「のいずれか」に、「二十万円」を「三十万円」に改め、同条第二号中「第十一条第一項」の下に「又は第二十条の五の五」を加える。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の日以後この法律による改正後の都市緑地保全法(以下この条において「新法」という。)第二条の二の規定に基づき緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画(以下この条において「基本計画」という。)が定められるまでの間においては、この法律の施行の際現にこの法律による改正前の都市緑地保全法第二条の二の規定に基づき定められている基本計画を新法第二条の二の規定に基づき定められた基本計画とみなす。
(租税特別措置法の一部改正)
第三条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第三十四条第二項第三号及び第六十五条の三第一項第三号中「規定により買い取られる場合」の下に「(都市緑地保全法第八条第三項の規定により買い取られる場合には、政令で定める場合に限る。)」を加える。
財務大臣 塩川正十郎
国土交通大臣 林寛子
内閣総理大臣 小泉純一郎