海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第六十八号
公布年月日: 平成10年5月27日
法令の形式: 法律
海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
国事行為臨時代行名
平成十年五月二十七日
内閣総理大臣 橋本龍太郎
法律第六十八号
海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律
海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和四十五年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する。
第二十三条中第一号を削り、第二号を第一号とし、第三号を第二号とし、第四号を第三号とする。
第二十四条中「前条第三号」を「前条第二号」に改める。
第二十六条第一項中「港湾管理者及び漁港管理者以外の」を削り、「運輸大臣の認可を受けなければならない」を「あらかじめ、運輸大臣に届け出なければならない」に改め、同条第二項を削り、同条第三項中「前二項」を「前項」に改め、第二号を削り、第三号を第二号とし、第四号を第三号とし、同項に次の一号を加え、同項を同条第二項とする。
四 他の廃油処理事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがないものであること。
第二十六条に次の一項を加える。
3 運輸大臣は、港湾管理者及び漁港管理者以外の廃油処理事業者が第一項の規定により届け出た廃油処理規程が前項各号のいずれかに適合していないと認めるときは、当該廃油処理事業者に対し、期限を定めてその廃油処理規程を変更すべきことを命ずることができる。
第二十七条を次のように改める。
(差別的取扱いの禁止)
第二十七条 廃油処理事業者は、特定の者に対して不当な差別的取扱いをしてはならない。
第三十条第一項及び第三項中「第二十三条第三号」を「第二十三条第二号」に改める。
第三十三条第一項中第二号を削り、第三号を第二号とする。
第四十条の見出し中「有害液体物質」を「油、有害液体物質」に改め、同条中「有害液体物質」を「油、有害液体物質」に改め、「この条」の下に「及び第四十一条の二第二号」を加える。
第四十一条第五項中「規定する措置」の下に「(第四十二条の三十八第二項において「油濁損害防止措置」という。)」を加え、同条の次に次の二条を加える。
(関係行政機関の長等に対する防除措置の要請)
第四十一条の二 海上保安庁長官は、次に掲げる場合において、特に必要があると認めるときは、関係行政機関の長又は関係地方公共団体(港務局を含む。)の長その他の執行機関(以下「関係行政機関の長等」という。)に対し、政令で定めるところにより、排出された油、有害液体物質、廃棄物その他の物の除去その他の海洋の汚染を防止するため必要な措置を講ずることを要請することができる。
一 第三十九条第一項から第三項まで及び第四十条の規定により措置を講ずべき者がその措置を講ぜず、又はこれらの者が講ずる措置のみによつては海洋の汚染を防止することが困難であると認められるとき。
二 本邦の領海の外側の海域にある政令で定める外国船舶(以下この号及び第四十二条の三十七第二項において「特定外国船舶」という。)から大量の特定油の排出があつた場合又は特定外国船舶からの排出に係る第四十条に規定する場合であつて、当該特定外国船舶の船舶所有者及び第三十九条第二項第三号に掲げる者若しくは当該特定外国船舶から油、有害液体物質、廃棄物その他の物を排出したと認められる者が海洋の汚染を防止するための必要な措置を講ぜず、又はこれらの者が講ずる措置のみによつては海洋の汚染を防止することが困難であると認められるとき。
(関係行政機関の長等の措置に要した費用の負担)
第四十一条の三 関係行政機関の長等は、前条第一号に掲げる場合において、同条の規定により海上保安庁長官が要請した措置を講じたときは、当該措置に要した費用で政令で定める範囲のものについて、当該措置に係る排出された油、有害液体物質、廃棄物その他の物が積載されていた船舶の船舶所有者又はこれらの物が管理されていた海洋施設等の設置者に負担させることができる。ただし、第四十一条第一項ただし書に規定する場合は、この限りでない。
2 関係行政機関の長等は、前項の規定による負担金を徴収しようとするときは、当該負担金の納付義務者に対し、負担金の額、納付期限及び納付方法その他必要な事項を通知しなければならない。
3 関係行政機関の長等は、前項の通知を受けた納付義務者が納付期限までに同項の負担金を納付しないときは、期限を指定してこれを督促しなければならない。
4 関係行政機関の長等は、前項の規定により督促をするときは、納付義務者に対し、督促状を発する。この場合において、督促状により指定すべき期限は、督促状を発する日から起算して二十日以上経過した日でなければならない。
5 関係行政機関の長等は、第三項の規定による督促を受けた納付義務者がその指定の期限までに負担金及び第七項の規定による延滞金を納付しないときは、国税の滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。
6 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税の例による。
7 関係行政機関の長等は、第三項の規定により督促をしたときは、負担金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納付期限の翌日からその負担金の完納の日又は財産の差押えの日の前日までの日数により計算した額の延滞金を徴収することができる。ただし、やむを得ない事情があると認められる場合は、この限りでない。
8 第四十一条第三項から第五項までの規定は、第一項の場合について準用する。この場合において、同条第三項から第五項までの規定中「第一項」とあるのは「第四十一条の三第一項」と、同条第五項中「前各項」とあるのは「第四十一条の三第一項から第七項まで並びに同条第八項において準用する前二項」と読み替えるものとする。
第四十二条の三十七に次の一項を加える。
2 海上保安庁長官は、前項の規定によるほか、特定外国船舶から大量の特定油の排出があり、緊急に排出特定油の防除のための措置を講ずる必要がある場合において、当該特定外国船舶の船舶所有者及び第三十九条第二項第三号に掲げる者が当該措置を講じていないと認められるときは、当該措置のうち必要と認めるものを講ずべきことを、センターに対し、指示することができる。
第四十二条の三十八第一項中「前条」を「前条第一項」に、「若しくは」を「又は」に改め、同条第二項及び第三項を次のように改める。
2 国は、センターが前条第二項の規定により海上保安庁長官が指示した措置を講じたときは、センターに対し、予算の範囲内において、当該措置に要した費用で政令で定める範囲のものを交付する。ただし、当該措置が油濁損害防止措置に該当するときは、その措置に要した費用については、この限りでない。
3 第四十一条第四項及び第五項並びに第四十一条の三第二項から第七項までの規定は、第一項の場合について準用する。この場合において、第四十一条第四項及び第五項中「第一項」とあり、並びに第四十一条の三第二項中「前項」とあるのは「第四十二条の三十八第一項」と、第四十一条第五項中「前各項」とあるのは「第四十二条の三十八第一項並びに同条第三項において準用する前項及び第四十一条の三第二項から第七項まで」と、第四十一条の三第五項中「国税の滞納処分の例により」とあるのは「国税の滞納処分の例により、海上保安庁長官の認可を受けて」と読み替えるものとする。
第四十二条の三十八第四項から第八項までを削る。
第五十七条第二号中「、第二十七条」を削る。
第五十八条第十一号中「認可を受けないで若しくは認可を受けた廃油処理規程によらないで廃油を処理した者又は同条第二項の規定による届出をしないで若しくは」を「届出をしないで又は」に改め、同条中第十七号を第十八号とし、第十二号から第十六号までを一号ずつ繰り下げ、第十一号の次に次の一号を加える。
十二 第二十六条第三項の規定による命令に違反した者
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(以下「旧法」という。)第二十六条第一項の規定により認可を受けている廃油処理規程は、この法律による改正後の海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(以下「新法」という。)第二十六条第一項の規定により届け出た廃油処理規程とみなす。
2 この法律の施行の際現にされている旧法第二十六条第一項の規定による廃油処理規程の認可の申請は、新法第二十六条第一項の規定によりした届出とみなす。
第三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(運輸省設置法の一部改正)
第四条 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第十一号中「、認可し」を削る。
大蔵大臣 松永光
運輸大臣 藤井孝男
内閣総理大臣 橋本龍太郎