予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第五十一号
公布年月日: 平成6年6月29日
法令の形式: 法律
予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成六年六月二十九日
内閣総理大臣 羽田孜
法律第五十一号
予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律
(予防接種法の一部改正)
第一条 予防接種法(昭和二十三年法律第六十八号)の一部を次のように改正する。
題名の次に次の目次を付する。
目次
第一章
総則(第一条・第二条)
第二章
予防接種の実施(第三条―第十条)
第三章
予防接種による健康被害の救済措置(第十一条―第十八条)
第四章
雑則(第十九条―第二十七条)
附則
第一条中「虞」を「おそれ」に、「まん延」を「まん延」に改め、「寄与する」の下に「とともに、予防接種による健康被害の迅速な救済を図る」を加える。
第二条第二項中第一号を削り、第二号を第一号とし、第三号から第六号までを一号ずつ繰り上げ、第七号及び第八号を削り、第九号を第六号とし、同号の次に次の一号を加える。
七 破傷風
第二条第二項中第十号を削り、第十一号を第八号とする。
第三条中「当該市町村の区域内に居住する者に対し、前条第二項第一号から第六号まで」を「前条第二項各号」に、「疾病について、政令で定める定期において」を「ものについて、当該市町村の区域内に居住する者であつて政令で定めるものに対し」に改め、「定める市」の下に「(第九条において「保健所を設置する市」という。)」を、「期日」の下に「又は期間」を加え、「定期の」を削り、同条ただし書を削り、同条に次の三項を加える。
2 都道府県知事は、前項に規定する疾病のうち政令で定めるものについて、当該疾病の発生状況等を勘案して、当該都道府県の区域のうち当該疾病に係る予防接種を行う必要がないと認められる区域を指定することができる。
3 前項の規定による指定があつたときは、その区域の全部が当該指定に係る区域に含まれる市町村の長は、第一項の規定にかかわらず、当該指定に係る疾病について予防接種を行うことを要しない。
4 厚生大臣は、第一項及び第二項の政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、公衆衛生審議会の意見を聴かなければならない。
第四条及び第五条を次のように改める。
第四条及び第五条 削除
第六条から第八条までを削る。
第九条第一項中「痘そう、コレラその他厚生大臣が定める疾病」を「第二条第二項各号に掲げる疾病のうち厚生大臣が定めるもの」に、「予防接種を受けるべき者の範囲及び期日」を「その対象者及びその期日又は期間」に改め、同条を第六条とし、同条の次に次の三条を加える。
第七条 市町村長又は都道府県知事は、第三条第一項又は前条第一項に規定する予防接種を行うに当たつては、当該予防接種を受けようとする者について、厚生省令で定める方法により健康状態を調べ、当該予防接種を受けることが適当でない者として厚生省令で定めるものに該当すると認めるときは、その者に対して当該予防接種を行つてはならない。
第八条 第三条第一項又は第六条第一項に規定する予防接種の対象者は、第三条第一項に規定する予防接種(当該予防接種に相当する予防接種であつて、市町村長以外の者により行われるものを含む。次項及び第十一条第一項において「定期の予防接種」という。)又は第六条第一項に規定する予防接種(当該予防接種に相当する予防接種であつて、同項の規定による指定があつた日以後当該指定に係る期日又は期間の満了の日までの間に都道府県知事及び市町村長以外の者により行われるものを含む。次項及び第十一条第一項において「臨時の予防接種」という。)を受けるよう努めなければならない。
2 第三条第一項又は第六条第一項に規定する予防接種の対象者が十六歳未満の者又は禁治産者であるときは、その保護者は、その者に定期の予防接種又は臨時の予防接種を受けさせるため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第九条 都道府県知事又は保健所を設置する市若しくは特別区の長は、第三条第一項又は第六条第一項に規定する予防接種の実施事務を保健所長に委任することができる。
第十条から第十三条までを削る。
第十四条を第十条とし、第十五条を削る。
「第三章 雑則」を「第三章 予防接種による健康被害の救済措置」に改める。
第十六条第一項中「第四条、第七条又は第十条の規定により」を「定期の予防接種又は臨時の」に改め、「(第五条、第八条又は第十一条の規定により当該予防接種を受けたものとみなされる者を含む。)」を削り、「第十八条第一項」を「第十三条第一項」に改め、第三章中同条を第十一条とし、第十七条から第十九条までを五条ずつ繰り上げ、第十九条の二を第十五条とし、第十九条の三を第十六条とし、第十九条の四を第十七条とし、同条の次に次の一条を加える。
第十八条 国は、第十二条第一号から第三号までに掲げる給付の支給に係る者であつて居宅において介護を受けるものの医療、介護等に関し、その家庭からの相談に応ずる事業その他の保健福祉事業の推進を図るものとする。
「第四章 罰則」を削る。
第二十条第一項中「第六条及び第九条第一項」を「第六条第一項」に改め、同条の前に次の章名及び一条を加える。
第四章 雑則
第十九条 国は、国民が正しい理解の下に予防接種を受けるよう、予防接種に関する知識の普及を図るものとする。
2 国は、予防接種による健康被害の発生を予防するため、予防接種事業に従事する者に対する研修の実施等必要な措置を講ずるものとする。
3 国は、予防接種による健康被害の発生状況に関する調査その他予防接種の有効性及び安全性の向上を図るために必要な調査及び研究を行うものとする。
第二十三条中「第三条又は第六条」を「第三条第一項」に改める。
第二十四条から第二十七条までを次のように改める。
第二十四条から第二十七条まで 削除
第三十二条の二中「第三条及び第六条」を「第三条第一項」に改める。
(結核予防法の一部改正)
第二条 結核予防法(昭和二十六年法律第九十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二十一条の二」を「第二十一条の三」に改める。
第十三条第三項ただし書を削り、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 第四条第一項又は第三項の規定により定期の健康診断を行うべき者は、当該健康診断の対象者のうち前二項に規定する定規の予防接種を受けた者であつて政令で定めるものに対して、政令で定める定期において、期日又は期間を指定して、ツベルクリン反応検査を行い、かつ、その反応が陰性である者に対して、定期の予防接種を行わなければならない。
第十四条中「それを受けるべき者」を「その対象者」に改め、「期日」の下に「又は期間」を加え、ただし書を削る。
第十六条から第十八条までを次のように改める。
(予防接種を行つてはならない者)
第十六条 事業者並びに学校及び施設の長(次条第一項及び第二項において「事業者等」という。)並びに市町村長又は都道府県知事は、第十三条各項又は第十四条に規定する予防接種を行うに当たつては、当該予防接種を受けようとする者について、厚生省令で定める方法により健康状態を調べ、当該予防接種を受けることが適当でない者として厚生省令で定めるものに該当すると認めるときは、その者に対して当該予防接種を行つてはならない。
(ツベルクリン反応検査及び予防接種を受ける責務)
第十七条 第十三条第二項から第四項までのツベルクリン反応検査の対象者は、これらの規定により行われるツベルクリン反応検査(これらの規定によりそれぞれ指定された期日又は期間満了前三月以内に事業者等及び市町村長以外の者により行われるツベルクリン反応検査であつて、第二十一条の規定に基づく省令で定める技術的基準(第三項において「検査基準」という。)に適合するものを含む。)を受けるよう努めなければならない。
2 第十三条各項の予防接種の対象者は、これらの規定により行われる予防接種(これらの規定によりそれぞれ指定された期日又は期間満了前三月以内に事業者等及び市町村長以外の者により行われる予防接種であつて、第二十一条の規定に基づく省令で定める技術的基準(次項において「予防接種基準」という。)に適合するものを含む。)を受けるよう努めなければならない。
3 第十四条の規定によりツベルクリン反応検査の対象者として指定された者は、同条の規定により行われるツベルクリン反応検査(同条の規定による指定があつた日以後当該指定に係る期日又は期間満了の日までの間に、都道府県知事以外の者により行われるツベルクリン反応検査であつて、検査基準に適合するものを含む。)を受けるよう努めるとともに、その反応が陰性であつたときは、同条の規定により行われる予防接種(その反応を判定した日から二週間以内に都道府県知事以外の者により行われる予防接種であつて、予防接種基準に適合するものを含む。)を受けるよう努めなければならない。
第十八条 削除
第十九条第一項中「若しくは」を「又は」に、「行い、又は前二条の規定による証明書の提出を受けた」を「行つた」に、「且つ」を「かつ」に改める。
第二十一条中「、第十七条及び第十八条に規定する証明書の記載事項」を削る。
第二十一条の二第一項中「第十六条の規定により」を「第十七条第二項に規定する予防接種又は同条第三項に規定する」に改め、「(第十七条第一項の規定により当該予防接種を受けたものとみなされる者を含む。)又は第十八条第一項の規定により予防接種を受けた者」を削り、「第十六条第一項」を「第十一条第一項」に改め、同条第二項中「第十六条第二項及び第十九条から第十九条の四まで」を「第十一条第二項及び第十四条から第十七条まで」に改め、第三章中同条の次に次の一条を加える。
(保健福祉事業)
第二十一条の三 国は、前条第一項に規定する給付(死亡一時金及び葬祭料を除く。)の支給に係る者であつて居宅において介護を受けるものの医療、介護等に関し、その家庭からの相談に応ずる事業その他の保健福祉事業の推進を図るものとする。
第五十一条中「左に」を「次に」に改め、同条第三号中「第十三条第一項又は第二項」を「第十三条第一項から第三項まで」に改める。
第五十二条第三号及び第五十四条第二号中「第十三条第一項又は第二項」を「第十三条第一項から第三項まで」に改める。
第五十五条中「左に」を「次に」に改め、同条第二号中「第十三条第一項又は第二項」を「第十三条第一項から第三項まで」に改める。
第六十二条中「三万円」を「三十万円」に改める。
第六十三条中「左の」を「次の」に、「一万円」を「十万円」に改め、同条第一号中「又は第十六条第二項」を削り、「者」の下に「(十六歳未満の者及び禁治産者を除く。)」を加え、同条第七号中「又は第十四条の規定によるツベルクリン反応検査若しくは予防接種」を削り、「次条」を「次条第一項」に改める。
第六十四条の見出し中「義務」を「義務等」に改め、同条中「この法律」を「第七条」に改め、「、ツベルクリン反応検査又は予防接種」を削り、同条に次の一項を加える。
2 この法律の規定により行われるツベルクリン反応検査(第四条第一項及び第三項並びに第五条に規定する健康診断において行われるものを除く。以下この項において同じ。)又は予防接種の対象者が十六歳未満の者又は禁治産者であるときは、その保護者は、その者にツベルクリン反応検査又は予防接種を受けさせるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成六年十月一日から施行する。
(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、疾病の流行の状況、予防接種の接種率の状況、予防接種による健康被害の発生の状況その他第一条の規定による改正後の予防接種法(以下「新予防接種法」という。)及び第二条の規定による改正後の結核予防法(以下「新結核予防法」という。)の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新予防接種法及び新結核予防法の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
(予防接種法の一部改正に伴う経過措置)
第三条 平成六年十月一日から平成七年三月三十一日までの間は、新予防接種法第三条第一項の規定中「前条第二項各号に掲げる疾病のうち政令で定めるものについて、当該市町村の区域内に居住する者であつて政令で定めるものに対し」とあるのは、「前条第二項各号に掲げる疾病のうち政令で定めるものについて、当該市町村の区域内に居住する者に対し、政令で定める定期において」とする。
第四条 この法律の施行前に第一条の規定による改正前の予防接種法(以下この条において「旧予防接種法」という。)第四条、第七条又は第十条の規定により予防接種を受けた者(旧予防接種法第五条、第八条又は第十一条の規定により当該予防接種を受けたものとみなされる者を含む。)は、新予防接種法第十一条第一項の規定の適用については、新予防接種法第八条第一項に規定する定期の予防接種又は同項に規定する臨時の予防接種を受けた者とみなす。
(結核予防法の一部改正に伴う経過措置)
第五条 この法律の施行前に第二条の規定による改正前の結核予防法(以下この条において「旧結核予防法」という。)第十六条の規定により予防接種を受けた者(旧結核予防法第十七条第一項の規定により当該予防接種を受けたものとみなされる者を含む。)及び旧結核予防法第十八条第一項の規定により予防接種を受けた者は、新結核予防法第二十一条の二第一項の規定の適用については、新結核予防法第十七条第二項に規定する予防接種又は同条第三項に規定する予防接種を受けた者とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第六条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律の一部改正)
第七条 予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律(昭和五十一年法律第六十九号)の一部を次のように改正する。
附則第三条第一項中「第十六条第一項」を「第十一条第一項」に改め、同条第二項中「第十六条第二項、第十九条から第十九条の四まで」を「第十一条第二項、第十四条から第十七条まで」に改める。
(地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律の一部改正)
第八条 地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律(平成六年法律第八十四号)の一部を次のように改正する。
附則第二十六条中「第三条」を「第三条第一項」に改める。
(その他の経過措置の政令への委任)
第九条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
厚生大臣 大内啓伍
内閣総理大臣 羽田孜