中小小売商業振興法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第八十四号
公布年月日: 平成3年5月24日
法令の形式: 法律
中小小売商業振興法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成三年五月二十四日
内閣総理大臣 海部俊樹
法律第八十四号
中小小売商業振興法の一部を改正する法律
中小小売商業振興法(昭和四十八年法律第百一号)の一部を次のように改正する。
第一条中「店舗の共同化」を「店舗の集団化、共同店舗等の整備」に改める。
第二条中「次の各号」を「前項第二号から第五号まで」に改め、同条各号を削り、同条を同条第二項とし、同条に第一項として次の一項を加える。
この法律において「中小企業者」とは、次の各号の一に該当する者をいう。
一 資本の額又は出資の総額が一億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社及び個人であつて、工業、鉱業、運送業その他の業種(次号に掲げる業種及び第三号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
二 資本の額又は出資の総額が千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が五十人以下の会社及び個人であつて、小売業又はサービス業(次号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの並びに資本の額又は出資の総額が三千万円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が百人以下の会社及び個人であつて、卸売業(次号の政令で定める業種を除く。)に属する事業を主たる事業として営むもの
三 資本の額又は出資の総額がその業種ごとに政令で定める金額以下の会社並びに常時使用する従業員の数がその業種ごとに政令で定める数以下の会社及び個人であつて、その政令で定める業種に属する事業を主たる事業として営むもの
四 企業組合
五 協業組合
六 事業協同組合、事業協同小組合及び協同組合連合会、商工組合及び商工組合連合会並びに商店街振興組合及び商店街振興組合連合会(以下「組合等」という。)
第四条第一項中「事業協同組合、事業協同小組合若しくは協同組合連合会、商店街振興組合若しくは商店街振興組合連合会」を「商店街振興組合若しくは商店街振興組合連合会、事業協同組合、事業協同小組合若しくは協同組合連合会」に、「事業協同組合等」を「商店街振興組合等」に改め、同条第六項を同条第九項とし、同条第五項中「第二項」を「第三項」に、「店舗共同化計画」を「共同店舗等整備計画」に改め、「同項第三号」の下に「又は第四号」を加え、「会社の行なう」を「店舗又は共同店舗において行われる小売業に属する事業を所管する大臣に、共同店舗等の設置の事業に係る商店街整備等支援計画について第六項の規定による認定をしようとするときは、当該商店街整備等支援計画に係る共同店舗において行われる小売業に属する」に改め、同項を同条第八項とし、同条第四項中「店舗共同化計画又は連鎖化事業計画」を「店舗集団化計画、共同店舗等整備計画、電子計算機利用経営管理計画、連鎖化事業計画又は商店街整備等支援計画」に改め、同項第一号中「第一項」の下に「若しくは第二項」を加え、「第二項各号」を「第三項若しくは第四項各号」に、「前項」を「前二項」に改め、同項を同条第七項とし、同条第三項中「を販売し」の下に「、又は販売をあつせんし」を加え、「行なう」を「行う」に改め、同項を同条第五項とし、同項の次に次の一項を加える。
6 中小企業者が出資している会社であつて政令で定める要件に該当するもの(以下「特定会社」という。)若しくは民法(明治二十九年法律第八十九号)第三十四条の規定により設立された法人(以下「公益法人」という。)又は特定会社を設立しようとする者は、商店街の区域、団地又は建物の内部に集団して事業を営む中小小売商業者の経営の近代化を支援するため、共同店舗、アーケード、休憩所その他の施設又は設備を設置する事業について、商店街整備等支援計画を作成し、これを通商産業大臣に提出して、当該商店街整備等支援計画が政令で定める基準に適合するものである旨の認定を受けることができる。
第四条第二項中「同号に定める事業について」の下に「、第四号に掲げる会社は同号に定める事業について」を加え、「店舗共同化計画」を「共同店舗等整備計画」に改め、同項第一号中「共同店舗」の下に「又は休憩所、集会場その他の共同店舗と併設される施設若しくは共同店舗の設備(以下この項及び第八項において「共同店舗等」という。)」を加え、同項第二号中「店舗」の下に「又は休憩所、集会場その他の店舗と併設される施設若しくは店舗の設備(次号において「店舗等」という。)」を加え、同項第三号を次のように改める。
三 他の中小小売商業者と合併をしようとし、又は他の中小小売商業者とともに資本の額若しくは出資の総額の大部分を出資して会社を設立しようとする中小小売商業者 次に掲げる事業
イ 合併又は出資により設立される小売業に属する事業を主たる事業として営む会社(合併後存続する会社を含む。)の店舗等の設置の事業
ロ 出資により設立される会社及びその会社に出資しようとする中小小売商業者のための共同店舗等の設置の事業
第四条第二項に次の一号を加える。
四 二以上の中小小売商業者が資本の額又は出資の総額の大部分を出資している会社 当該会社及び当該会社に出資している中小小売商業者のための共同店舗等の設置の事業
第四条第二項を同条第三項とし、同項の次に次の一項を加える。
4 第一号に掲げる組合等は同号に定める事業について、第二号に掲げる組合等又は中小小売商業者は当該出資をしようとする他の組合等又は中小小売商業者と共同して同号に定める事業について、第三号に掲げる会社は同号に定める事業について、それぞれ電子計算機利用経営管理計画を作成し、これを主務大臣に提出して、当該電子計算機利用経営管理計画が政令で定める基準に適合するものである旨の認定を受けることができる。
一 組合等 電子計算機を利用して、中小小売商業者である組合員又は所属員の経営管理を合理化する事業の用に供する施設又は設備の設置の事業
二 他の組合等又は中小小売商業者とともに資本の額又は出資の総額の大部分を出資して会社を設立しようとする組合等又は中小小売商業者 電子計算機を利用して、当該会社に出資しようとする組合等の中小小売商業者である組合員若しくは所属員又は中小小売商業者の経営管理を合理化する事業の用に供する施設又は設備の設置の事業
三 二以上の組合等又は中小小売商業者が資本の額又は出資の総額の大部分を出資している会社 電子計算機を利用して、当該会社に出資している組合等の中小小売商業者である組合員若しくは所属員又は中小小売商業者の経営管理を合理化する事業の用に供する施設又は設備の設置の事業
第四条第一項の次に次の一項を加える。
2 事業協同組合、事業協同小組合又は協同組合連合会(第六条第一号において「事業協同組合等」という。)は、主として中小小売商業者である組合員又は所属員の経営の近代化を図るため、店舗を一の団地に集団して設置する事業(当該事業に併せてアーケード、街路灯その他の施設又は設備を設置する事業を含む。)について、店舗集団化計画を作成し、これを通商産業大臣に提出して、当該店舗集団化計画が政令で定める基準に適合するものである旨の認定を受けることができる。
第五条中「第三項」を「第六項」に改め、同条の次に次の三条を加える。
(中小企業近代化資金等助成法の特例)
第五条の二 中小企業近代化資金等助成法(昭和三十一年法律第百十五号)第三条第一項に規定する中小企業設備近代化資金の貸付事業に係る貸付金であつて、認定計画に基づき設置される設備に係るものについては、同法第五条の規定にかかわらず、その償還期間は、七年を超えない範囲内で政令で定める期間とする。
(中小企業信用保険法の特例)
第五条の三 中小企業信用保険法(昭和二十五年法律第二百六十四号)第三条第一項に規定する普通保険(以下「普通保険」という。)、同法第三条の二第一項に規定する無担保保険(以下「無担保保険」という。)又は同法第三条の三第一項に規定する特別小口保険(以下「特別小口保険」という。)の保険関係であつて、中小小売商業関連保証(同法第三条第一項、第三条の二第一項又は第三条の三第一項に規定する債務の保証であつて、第四条第一項から第五項までの規定による認定を受けた高度化事業計画に基づく高度化事業(同条第五項の規定による認定を受けた連鎖化事業計画に係る連鎖化事業に加盟する者(以下「加盟者」という。)が実施する事業であつて、当該連鎖化事業計画に基づく高度化事業と密接に関連するものを含む。)の実施に必要な資金に係るものをいう。以下同じ。)を受けた中小企業者に係るものについての次の表の上欄に掲げる同法の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。
第三条第一項
保険価額の合計額が
中小小売商業振興法第五条の三第一項に規定する中小小売商業関連保証(以下「中小小売商業関連保証」という。)に係る保険関係の保険価額の合計額とその他の保険関係の保険価額の合計額とがそれぞれ
第三条の二第一項、第三条の三第一項
保険価額の合計額が
中小小売商業関連保証に係る保険関係の保険価額の合計額とその他の保険関係の保険価額の合計額とがそれぞれ
第三条の二第三項、第三条の三第二項
当該保証をした
中小小売商業関連保証及びその他の保証ごとに、それぞれ当該保証をした
当該債務者
中小小売商業関連保証及びその他の保証ごとに、当該債務者
2 普通保険の保険関係であつて、中小小売商業関連保証に係るものについての中小企業信用保険法第三条第二項及び第五条の規定の適用については、同法第三条第二項中「百分の七十」とあり、及び同法第五条中「百分の七十(無担保保険、特別小口保険、公害防止保険、エネルギー対策保険、海外投資関係保険及び新事業開拓保険にあつては、百分の八十)」とあるのは、「百分の八十」とする。
3 普通保険、無担保保険又は特別小口保険の保険関係であつて、中小小売商業関連保証に係るものについての保険料の額は、中小企業信用保険法第四条の規定にかかわらず、保険金額に年百分の二以内において政令で定める率を乗じて得た額とする。
第五条の四 第四条第六項の規定による認定を受けた公益法人(その出資金額又は拠出された金額の二分の一以上が中小企業者により出資又は拠出されているものに限る。)であつて、当該認定を受けた商店街整備等支援計画に基づく高度化事業の実施に必要な資金に係る中小企業信用保険法第三条第一項又は第三条の二第一項に規定する債務の保証を受けたものについては、当該公益法人を同法第二条第一項の中小企業者とみなして、同法第三条、第三条の二及び第四条から第八条までの規定を適用する。この場合において、同法第三条第一項及び第三条の二第一項の規定の適用については、これらの規定中「借入れ」とあるのは、「中小小売商業振興法第四条第六項の規定による認定を受けた商店街整備等支援計画に基づく高度化事業の実施に必要な資金の借入れ」とする。
第六条第一号中「認定を受けた」の次に「商店街振興組合等若しくは同条第二項の規定による認定を受けた」を加え、「第二条各号」を「第二条第一項第二号から第五号まで」に改め、同条第二号中「第四条第二項」を「第四条第三項」に、「同項第三号」を「同項第三号イ」に改め、同条第三号中「第四条第三項」を「第四条第四項」に、「受けた者」を「受けた組合等」に改め、同条に次の二号を加える。
四 第四条第五項の規定による認定を受けた者
五 第四条第六項の規定による認定に係る同項に規定する特定会社又は同項の規定による認定を受けた公益法人
第十一条中「当該連鎖化事業に加盟する者(以下「加盟者」という。)」を「加盟者」に改め、「行なう」を「行う」に改める。
第十三条第一項中「第六条第一号又は第二号に掲げる者」を「第四条第一項から第三項まで又は第六項の規定による認定を受けた高度化事業計画に基づく高度化事業を実施する者」に、「認定計画に基づく高度化事業」を「当該事業」に改め、同条第二項中「第六条第三号に掲げる者」を「第四条第四項又は第五項の規定による認定を受けた高度化事業計画に基づく高度化事業を実施する者」に、「認定計画に基づく高度化事業」を「当該事業」に、「行なう」を「行う」に改める。
第十四条を次のように改める。
(主務大臣)
第十四条 この法律における主務大臣は、次のとおりとする。
一 第四条第四項に規定する電子計算機利用経営管理計画に関する事項については、通商産業大臣及び同項各号に定める事業により経営管理を合理化する中小小売商業者が販売する主たる商品の流通を所管する大臣
二 第四条第五項に規定する連鎖化事業計画に関する事項及び特定連鎖化事業に関する事項については、通商産業大臣及び連鎖化事業に係る主たる商品の流通を所管する大臣
第十五条中「第四条第五項」を「第四条第八項」に改める。
第十六条第一項中「三万円」を「十万円」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条 改正前の中小小売商業振興法(以下「旧法」という。)第四条第一項から第三項までの規定による認定を受けた計画に関する計画の変更の認定及び取消し並びに旧法第四条第一項から第三項までの規定による認定を受けた計画に基づく事業を実施する者に対する報告の徴収については、なお従前の例による。
2 旧法第四条第一項から第三項までの規定による認定を受けた計画に基づき設置される設備に係る貸付金についての中小企業近代化資金等助成法の適用については、なお従前の例による。
3 旧法第四条第一項から第三項までの規定による認定を受けた計画に基づく事業(旧法第四条第三項の規定による認定を受けた連鎖化事業計画に係る連鎖化事業に加盟する者が実施する事業であって、当該連鎖化事業計画に基づく事業と密接に関連するものを含む。)の実施に必要な資金に係る債務の保証についての中小企業信用保険法の適用については、なお従前の例による。
4 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
5 第一項の規定により従前の例によることとされる報告の徴収に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。ただし、旧法の規定中「三万円」とあるのは、「十万円」とする。
(地方税法の一部改正)
第三条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第五百八十六条第二項第十一号中「租税特別措置法第十一条第一項の表の第六号に掲げる個人又は同法第四十三条第一項の表の第七号に掲げる法人」を「商店街振興組合その他の政令で定める者」に、「から第三項まで」を「から第六項まで」に、「同条第四項」を「同条第七項」に改める。
第七百一条の三十四第三項第二十三号中「租税特別措置法第十一条第一項の表の第六号に掲げる個人又は同法第四十三条第一項の表の第七号に掲げる法人」を「商店街振興組合その他の政令で定める者」に、「から第三項まで」を「から第五項まで」に、「同条第四項」を「同条第七項」に改め、同条第五項中「中小小売商業振興法第二条」を「中小小売商業振興法第二条第二項」に、「第四条第四項第一号」を「第四条第七項第一号」に改め、同条第八項第二号中「中小小売商業振興法第二条」を「中小小売商業振興法第二条第二項」に、「第四条第四項」を「第四条第七項」に改める。
附則第三十二条の三第十二項中「第十項」を「第十一項」に改め、同項を同条第十三項とし、同条第十一項中「第十項」を「第十一項」に改め、同項を同条第十二項とし、同条第十項の次に次の一項を加える。
11 指定都市等は、事業所用家屋で中小小売商業振興法第四条第六項の規定による認定を受けた同項の商店街整備等支援計画に基づき設置される施設のうち公衆の利便を図るためのものとして政令で定めるものに係るものの新築又は増築で同項に規定する特定会社又は公益法人で政令で定める者(次条第七項及び第十五項において「特定会社等」という。)が建築主であるものに係る新増設事業所床面積に対しては、当該新築又は増築が平成八年三月三十一日までに行われたときに限り、第七百一条の三十二第一項の規定にかかわらず、新増設に係る事業所税を課することができない。この場合においては、第七百一条の三十四第十項の規定を準用する。
附則第三十二条の三の二中第十四項を第十六項とし、第十三項を第十四項とし、同項の次に次の一項を加える。
15 事業所用家屋で前条第十一項に規定する商店街整備等支援計画に基づき設置される施設のうち共同店舗その他中小小売商業振興法第二条第二項に規定する中小小売商業者その他政令で定める者の事業の用に供する施設で政令で定めるものに係るものの新築又は増築で特定会社等が建築主であるものに対して課する新増設に係る事業所税の課税標準となるべき新増設事業所床面積の算定については、当該新築又は増築が平成八年三月三十一日までに行われたときに限り、当該新築又は増築に係る新増設事業所床面積(第七百一条の三十四(新増設に係る事業所税に関する部分に限る。)の規定の適用を受けるものを除く。)から当該面積の二分の一に相当する面積を控除するものとする。この場合においては、第七百一条の四十一第八項の規定を準用する。
附則第三十二条の三の二第十二項中「第八項に」を「第九項に」に改め、同項を同条第十三項とし、同条中第十一項を第十二項とし、第十項を第十一項とし、同条第九項中「第七項」を「第八項」に改め、同項を同条第十項とし、同条中第八項を第九項とし、同条第七項中「第九項」を「第十項」に、「第十一項」を「第十二項」に改め、同項を同条第八項とし、同条第六項の次に次の一項を加える。
7 前条第十一項に規定する施設に係る事業所等において特定会社等が行う事業に対して課する事業に係る事業所税のうち資産割の課税標準となるべき事業所床面積の算定については、当該施設に係る事業所等が新設された日から五年を経過する日以後に最初に終了する事業年度分までに限り、当該施設に係る事業所等に係る事業所床面積(第七百一条の三十四(事業に係る事業所税に関する部分に限る。)の規定の適用を受けるものを除く。以下本項において同じ。)から当該施設に係る事業所床面積の二分の一に相当する面積を控除するものとする。この場合においては、第七百一条の四十一第八項の規定を準用する。
(地方税法の一部改正に伴う経過措置)
第四条 前条の規定による改正前の地方税法(以下この条において「旧地方税法」という。)第五百八十六条第二項第十一号に規定する土地又はその取得に対して課する特別土地保有税については、なお従前の例による。
2 旧地方税法第七百一条の三十四第三項第二十三号に規定する高度化事業計画に基づき設置する施設に係る地方税法第七百一条の三十二第一項に規定する事業に係る事業所税及び同条第二項に規定する新増設に係る事業所税については、なお従前の例による。
大蔵大臣 橋本龍太郎
厚生大臣 下条進一郎
農林水産大臣 近藤元次
通商産業大臣 中尾栄一
運輸大臣 村岡兼造
自治大臣 吹田幌
内閣総理大臣 海部俊樹