(目的)
第一条 この法律は、簡易保険福祉事業団(以下「事業団」という。)に、その業務の特例として、郵便局の用に供する土地に郵便局の庁舎と一棟を成す建物で事務所、会議場等の施設の用に供するものを建設し、及び管理する業務を行わせることにより当該土地の高度利用を図るとともに、その業務を通じて郵政事業の経営基盤の強化に資することを目的とする。
(事業団の業務の特例)
第二条 事業団は、簡易保険福祉事業団法(昭和三十七年法律第六十四号。以下「事業団法」という。)第十九条に規定する業務のほか、前条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一 国と一棟の建物を区分して所有するため、郵政大臣から都市部に所在する郵便物の取集め及び配達の事務を取り扱う郵便局その他郵政省令で定める郵便局の用に供する土地で郵政事業特別会計に所属するものの貸付けを受け、事務所、会議場等の施設の用に供する建物の建設及びこれらの施設の賃貸その他の管理を行うこと。
2 事業団は、前項第一号に規定する施設の賃貸の業務を行うには、当該施設の国又は地方公共団体による公用又は公共の用のための利用に配意しなければならない。
3 事業団は、第一項に規定する業務を行う場合においては、当該業務の円滑な実施及び郵政業務との調和を確保するための基準として郵政省令で定める基準に従って行わなければならない。
(事業団への土地の貸付け)
第三条 事業団が前条第一項第一号の業務を行う場合は、事業団は、同号に規定する土地について、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第十八条第一項ただし書の規定により貸付けを受けることができる法人とする。
(区分経理)
第四条 事業団は、第二条第一項に規定する業務に係る経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。
(利益及び損失の処理並びに納付金)
第五条 事業団は、前条に規定する特別の勘定において、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額のうち政令で定める基準により計算した額を積立金として整理しなければならない。
2 事業団は、前条に規定する特別の勘定において、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
3 事業団は、前条に規定する特別の勘定において、第一項の規定による残余の額から同項の規定により積立金として整理した額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を郵政事業特別会計に納付しなければならない。
4 前項の規定による納付金の納付の手続については、政令で定める。
(長期借入金)
第六条 事業団は、郵政大臣の認可を受けて、第二条第一項に規定する業務に必要な長期借入金をすることができる。
2 事業団は、毎事業年度、前項に規定する長期借入金の償還計画を立てて、郵政大臣の認可を受けなければならない。
(余裕金の運用)
第七条 事業団法第二十七条第一項の規定は、第四条に規定する特別の勘定に係る業務上の余裕金の運用について準用する。
(事業団法の適用)
第八条 この法律の規定により事業団の業務が行われる場合には、事業団法第二十八条中「するとき」とあるのは「するとき(郵便局の用に供する土地の高度利用のための簡易保険福祉事業団の業務の特例等に関する法律(以下「高度利用特例法」という。)第二条第一項第一号の規定による建物の賃貸をしようとするときを除く。)」と、事業団法第三十条、第三十一条第二項、第三十二条第一項及び第三十八条第一号中「この法律」とあるのは「この法律又は高度利用特例法」と、事業団法第三十五条第一号中「又は第二十八条」とあるのは「若しくは第二十八条又は高度利用特例法第六条」と、同条第四号中「第二十七条第一項第一号若しくは第二号」とあるのは「第二十七条第一項第一号若しくは第二号(これらの規定を高度利用特例法第七条において準用する場合を含む。)」と、事業団法第三十八条第三号中「第十九条」とあるのは「第十九条又は高度利用特例法第二条第一項」と、同条第四号中「第二十七条」とあるのは「第二十七条(高度利用特例法第七条において準用する場合を含む。)」とする。