輸出保険法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和六十二年三月三十日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第三号
輸出保険法の一部を改正する法律
輸出保険法(昭和二十五年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
貿易保険法
目次中「第四章 輸出金融保険(第六条―第十条)」を「第四章 削除」に、「第五章 海外投資保険(第十四条の二―第十四条の五)」を
第四章の三
前払輸入保険(第十四条の二―第十四条の六)
第四章の四
仲介貿易保険(第十四条の七―第十四条の十一)
第五章
海外投資保険(第十四条の十二―第十四条の十五)
第五章の二
再保険(第十四条の十六)
に、「第七章 輸出保険審議会(第十六条―第十八条)」を「第七章 貿易保険審議会(第十六条―第十八条)」に改める。
第一条中「輸出貿易」を「外国貿易」に改める。
第一条の二第十項第三号中「外国法人(本邦法人又は本邦人が株式等の所有その他の方法によりその経営を実質的に支配しているものに限る。)の社債」を「本邦外において行う事業に必要な長期資金を調達するために発行される外国政府等若しくは外国法人の公債、社債」に、「これに」を「これらに」に、「当該外国法人に対する」を「外国政府等、外国法人若しくは外国人に対する当該資金に充てられる」に、「以下」を「第五号に規定するものを除く。以下」に、「当該外国法人の」を「当該資金に充てられるこれらの者の」に改め、「保証債務」の下に「(第五号に規定するものを除く。)」を加え、同項第五号中「第三号に規定する外国法人」を「本邦法人又は本邦人が株式等の所有その他の方法によりその経営を実質的に支配しているもの」に改め、同項を同条第十六項とし、同条第九項の次に次の六項を加える。
10 この法律において「前払輸入契約」とは、貨物を輸入する契約のうち、その輸入貨物の代金又は賃借料の全部又は一部を当該輸入貨物の船積期日前に支払うことを条件とする契約であつて、政令で定める事項についての定めがあるものをいう。
11 この法律において「前払輸入者」とは、前払輸入契約の当事者であつて、貨物を輸入するものをいう。
12 この法律において「仲介貿易契約」とは、本邦法人又は本邦人が一の外国の地域において生産され、加工され、又は集荷される貨物を他の外国の地域に販売し、又は賃貸する契約であつて、政令で定める事項についての定めがあるものをいう。
13 この法律において「仲介貿易者」とは、仲介貿易契約の当事者であつて、貨物を販売し、又は賃貸するものをいう。
14 この法律において「仲介貿易代金貸付契約」とは、仲介貿易契約に基づく仲介貿易貨物の代金又は賃貸料の支払に充てられる資金を外国政府等、外国法人又は外国人に貸し付ける契約であつて、政令で定める事項についての定めがあるものをいう。
15 この法律において「仲介貿易代金貸付者」とは、仲介貿易代金貸付契約の当事者であつて、資金を貸し付けるものをいう。
第一条の二の二を次のように改める。
第一条の二の二 一の契約が、次項に規定する場合のほか、輸出契約及び技術提供契約のいずれにも該当する場合、輸出契約及び仲介貿易契約のいずれにも該当する場合又は技術提供契約及び仲介貿易契約のいずれにも該当する場合には、当該一の契約は、当該契約に基づく輸出貨物の代金の額又は賃貸料の合計額(以下「輸出代金等」という。)が当該契約に基づく技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供の対価の額(以下「技術提供対価等」という。)に等しく若しくはこれを超え、又は当該契約に基づく仲介貿易貨物の代金の額若しくは賃貸料の合計額(以下「仲介貿易代金等」という。)に等しく若しくはこれを超えるときは輸出契約と、技術提供対価等が輸出代金等を超え、又は仲介貿易代金等に等しく若しくはこれを超えるときは技術提供契約と、仲介貿易代金等が輸出代金等又は技術提供対価等を超えるときは仲介貿易契約とみなす。
2 一の契約が輸出契約、技術提供契約及び仲介貿易契約のいずれにも該当する場合には、当該一の契約は、技術提供対価等が輸出代金等を超え、かつ、仲介貿易代金等に等しく又はこれを超えるときは技術提供契約と、仲介貿易代金等が輸出代金等及び技術提供対価等を超えるときは仲介貿易契約と、その他のときは輸出契約とみなす。
3 前二項の規定により輸出契約とみなされる一の契約の当事者であつて、貨物の輸出及び技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供又は仲介貿易貨物の販売若しくは賃貸をするものは、輸出者とみなす。
4 第一項又は第二項の規定により一の契約が輸出契約とみなされる場合には、第三章、第三章の二及び第四章の二の規定の適用については、当該契約に基づく技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供又は仲介貿易貨物の販売若しくは賃貸及び当該技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供の対価又はその仲介貿易貨物の代金若しくは賃貸料は、それぞれ、貨物(第五条の二第二項、第五条の六の二第二項又は第十条の二第二項の規定を適用する場合にあつては、これらの項の政令で定める貨物)の輸出及びその輸出貨物の代金とみなす。
5 第一項又は第二項の規定により一の契約が技術提供契約とみなされる場合には、第三章、第三章の二及び第四章の二の規定の適用については、当該契約の当事者であつて技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供及び貨物の輸出又は仲介貿易貨物の販売若しくは賃貸をするもの、当該契約に基づく貨物の輸出又は仲介貿易貨物の販売若しくは賃貸並びにその輸出貨物の代金若しくは賃貸料又はその仲介貿易貨物の代金若しくは賃貸料は、それぞれ、技術提供者、技術の提供又はこれに伴う労務の提供(第十条の二第二項の規定を適用する場合にあつては、外国における技術の提供又はこれに伴う労務の提供であつて同項の政令で定めるもの)及びこれらの対価とみなす。
6 第一項又は第二項の規定により一の契約が仲介貿易契約とみなされる場合には、第四章の四の規定の適用については、当該契約の当事者であつて仲介貿易貨物の販売若しくは賃貸及び貨物の輸出又は技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供をするもの、当該契約に基づく貨物の輸出又は技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供並びにその輸出貨物の代金若しくは賃貸料又は当該技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供の対価は、それぞれ、仲介貿易者、仲介貿易貨物の販売又は賃貸及びその仲介貿易貨物の代金とみなす。
第一条の三の見出し中「輸出保険」を「貿易保険」に改め、同条中「輸出保険」を「貿易保険」に改め、「、輸出金融保険」を削り、「輸出保証保険」の下に「、前払輸入保険、仲介貿易保険」を加える。
第一条の四中「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
第一条の五中「輸出保険」を「貿易保険」に、「基く」を「基づく」に改める。
第一条の六中「又は輸出金融保険」を削り、「基く」を「基づく」に改める。
第一条の七中「輸出保険」を「貿易保険」に改め、第四号を削り、第三号を第四号とし、第二号の二を第三号とし、第六号を第八号とし、第五号の次に次の二号を加える。
六 一会計年度内に引き受ける前払輸入保険の保険金額の総額
七 一会計年度内に引き受ける仲介貿易保険の保険金額の総額
第三条中「第一条の二の二第一項」の下に「又は第二項」を、「技術提供契約」の下に「又は仲介貿易契約」を加え、「同項」を「同条第一項又は第二項」に、「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
第五条の二第二項中「基いて」を「基づいて」に、「左の」を「次の」に、「てん補する輸出保険」を「てん補する貿易保険」に改める。
第五条の六の二第二項中「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
第五条の七第二項中「買取」を「買取り」に、「そ求」を「そ求」に、「てん補すべき」を「てん補すべき」に、「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
第四章を次のように改める。
第四章 削除
第六条から第十条まで 削除
第十条の二第二項中「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
第十四条の五中「第十四条の三第一項又は第二項」を「第十四条の十三第一項から第四項まで」に、「こえる」を「超える」に改め、同条を第十四条の十五とする。
第十四条の四中「事故元本」を「非常事故元本、信用事故元本、履行遅滞元本」に、「事故配当金請求権等」を「非常事故配当金請求権等、信用事故配当金請求権等若しくは履行遅滞利子請求権」に、「事故求償権」を「非常事故求償権、信用事故求償権、履行遅滞求償権」に改め、同条を第十四条の十四とする。
第十四条の三第一項中「又は第五号」を削り、「事故元本」を「非常事故元本」に、「、同項第二号の損害又は同項第五号イ若しくはロの事由」を「又は同項第二号の損害」に、「事故配当金請求権等」を「非常事故配当金請求権等」に、「事故求償権」を「非常事故求償権」に、「、同項第二号の損害又は同項第五号ハの主たる債務者の破産若しくは同号ニの主たる債務者の債務の不履行」を「又は同項第二号の損害」に改め、同条第四項中「第一項」の下に「、第三項」を加え、「又は第五号」を「、第五号又は第六号イ若しくはハ」に改め、「第一項第二号」の下に「、第三項第一号」を加え、同項第二号中「行なわれた」を「行われた」に改め、同項を同条第六項とし、同条第三項中「前二項」を「前各項」に改め、同項第一号中「又は第五号イ若しくはロ」を「、第五号又は第六号イ若しくはロ」に改め、同項第二号中「又は第五号イ若しくはロ」を「、第五号又は第六号イ」に改め、同項第三号中「第一項各号」の下に「、第二項各号、第三項各号」を加え、同項を同条第五項とし、同条第二項の次に次の二項を加える。
3 前条第二項第五号又は第六号イ若しくはハのいずれかに該当する事由により受けた損失に係る海外投資保険において政府がてん補すべき額は、元本に係る損失にあつては当該事由に係る元本(以下「信用事故元本」という。)の取得のための対価の額から、配当金請求権等に係る損失にあつては当該事由に係る配当金請求権等(以下「信用事故配当金請求権等」という。)に基づき取得し得ベき配当金等の額から、保証債務に係る損失にあつては当該事由に係る保証債務の履行により取得する求償権(以下「信用事故求償権」という。)に基づき取得し得べき金額から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、前条第二項第五号に該当する事由に係る場合にあつては百分の五十の範囲内において政令で定める割合を、同項第六号イ又はハに該当する事由に係る場合にあつては百分の九十の範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額とする。
一 当該事由の発生により取得した金額又は取得し得べき金額
二 損失を軽減するために必要な処置を講じて回収した金額
4 前条第二項第六号ロ又はニのいずれかに該当する事由により受けた損失に係る海外投資保険において政府がてん補すべき額は、公債等の元本に係る損失にあつては当該事由に係る公債等の元本(以下「履行遅滞元本」という。)について償還期限後六月を経過した時までに回収することができない金額から、公債等の利子の支払請求権に係る損失にあつては当該事由に係る公債等の利子の支払請求権(以下「履行遅滞利子請求権」という。)に基づき取得し得べき利子について支払期限後六月を経過した時までに回収することができない金額から、保証債務に係る損失にあつては当該事由に係る保証債務の履行により取得した求償権(以下「履行遅滞求償権」という。)に基づき取得し得べき金額について当該求償権の取得の日から六月を経過する日までに回収することができない金額から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、百分の九十の範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額とする。
一 当該事由の発生により支出を要しなくなつた金額
二 損失を軽減するために必要な処置を講じて回収した金額
第十四条の三を第十四条の十三とする。
第十四条の二第二項中「輸出保険」を「貿易保険」に改め、同項第一号の二中「第一条の二第十項第二号」を「第一条の二第十六項第二号」に、「第五号を」を「第五号及び第六号を」に改め、同項第二号中「第一条の二第十項第四号」を「第一条の二第十六項第四号」に改め、同号イ中「第一条の二第十項第二号」を「第一条の二第十六項第二号」に改め、同項第五号中「第一条の二第十項第五号」を「第一条の二第十六項第五号」に改め、同号を同項第六号とし、同項第四号の次に次の一号を加える。
五 第一条の二第十六項第一号から第三号までに掲げる海外投資について、次のいずれかに該当する事由が生じたこと。
イ 海外投資(保証債務の負担を除く。)の相手方(第一条の二第十六項第二号に掲げる海外投資にあつては、株式等の取得の相手方を除く。)の破産(第二号に掲げるものを除き、海外投資を行つた者の責めに帰することができないものに限る。)
ロ 保証債務に係る主たる債務者の破産(保証債務を負担した者の責めに帰することができないものに限る。)によつてその債務の不履行が生じたことによる保証債務の履行(第一号の二又は第二号に該当する場合におけるものを除く。)
第十四条の二を第十四条の十二とする。
第五章の前に次の二章を加える。
第四章の三 前払輸入保険
(保険契約)
第十四条の二 政府は、前払輸入保険を引き受けることができる。
2 前払輸入保険は、前払輸入者が前払輸入契約に基づいて輸入貨物を輸入することができなくなつた場合に次の各号の一に該当する事由によつて当該前払輸入契約に基づいて当該輸入貨物の船積期日前に支払つた代金又は賃借料(以下「前払金」という。)の返還を受けることができないことにより受ける損失をてん補する貿易保険とする。
一 外国において実施される為替取引の制限又は禁止
二 外国における戦争、革命又は内乱
三 前二号に掲げるもののほか、本邦外において生じた事由であつて、前払輸入契約の当事者の責めに帰することができないもの
四 前払輸入契約の相手方の破産
五 前払輸入契約の相手方の前払金に係る債務の六月以上の履行遅滞(前払輸入者の責めに帰することができないものに限る。)
(保険価額)
第十四条の三 前払輸入保険においては、前払金の額を保険価額とする。
2 前払輸入保険の保険金額が保険価額に百分の九十七・五の範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額を超えるときは、その超える部分については、保険契約は、無効とする。
(保険金)
第十四条の四 前払輸入保険において政府がてん補すべき額は、保険価額のうち第十四条の二第二項各号の一に該当する事由により前払輸入者が前払金の返還の期限(同項第五号に該当する事由によるときは、前払金の返還の期限後六月を経過した時。以下この章において同じ。)までに返還を受けることができない前払金の額から次の各号に掲げる金額を控除した残額に、保険金額の保険価額に対する割合を乗じて得た金額とする。
一 当該事由の発生により支出を要しなくなつた金額
二 前払金の返還の期限後に回収した金額
(前払金の回収)
第十四条の五 保険金の支払を受けた前払輸入者は、当該前払輸入契約に基づく前払金の回収に努めなければならない。
(回収金の納付)
第十四条の六 保険金の支払を受けた前払輸入者は、その支払の請求をした後回収した金額から前払金の返還の期限以後保険金の支払を受けた日の前日までの利息を控除した残額に支払を受けた保険金の額の第十四条の四に規定する残額に対する割合を乗じて得た金額を政府に納付しなければならない。
第四章の四 仲介貿易保険
(保険契約)
第十四条の七 政府は、仲介貿易保険を引き受けることができる。
2 仲介貿易保険は、仲介貿易者が仲介貿易契約に基づいて仲介貿易貨物を販売し、若しくは賃貸した場合に次の各号の一に該当する事由によつて当該仲介貿易貨物の代金若しくは賃貸料を回収することができないことにより受ける損失(仕向国における戦争、革命又は内乱により仲介貿易貨物のうち第五条の二第二項の政令で定める貨物について生じた損失以外の仲介貿易貨物について生じた損失を除く。)又は仲介貿易代金貸付者が仲介貿易代金貸付契約に基づいて資金を貸し付けた場合に次の各号の一に該当する事由によつて当該貸付金を回収することができないことにより受ける損失をてん補する貿易保険とする。
一 外国において実施される為替取引の制限又は禁止
二 外国における戦争、革命又は内乱
三 前二号に掲げるもののほか、本邦外において生じた事由であつて、仲介貿易契約又は仲介貿易代金貸付契約の当事者の責めに帰することができないもの
四 仲介貿易契約又は仲介貿易代金貸付契約の相手方の破産
五 仲介貿易契約又は仲介貿易代金貸付契約の相手方の六月以上の債務の履行遅滞(仲介貿易者又は仲介貿易代金貸付者の責めに帰することができないものに限る。)
(保険価額)
第十四条の八 仲介貿易保険においては、仲介貿易契約に基づく仲介貿易貨物の代金若しくは賃貸料又は仲介貿易代金貸付契約に基づく貸付金(二以上の時期に分割して代金の決済又は貸付金の償還を受けるべきときは、一の時期において決済又は償還を受けるべき当該代金又は貸付金の部分。以下同じ。)の額を保険価額とする。
2 仲介貿易保険の保険金額が保険価額に百分の九十七・五の範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額を超えるときは、その超える部分については、保険契約は、無効とする。
(保険金)
第十四条の九 仲介貿易保険において政府がてん補すべき額は、保険価額のうち第十四条の七第二項各号の一に該当する事由により仲介貿易者又は仲介貿易代金貸付者がそれぞれ決済期限又は償還期限(同項第五号に該当する事由によるときは、決済期限又は償還期限後六月を経過した時。以下この章において同じ。)までに回収することができない代金若しくは賃貸料又は貸付金の額から次の各号に掲げる金額を控除した残額に、保険金額の保険価額に対する割合を乗じて得た金額とする。
一 当該事由の発生により支出を要しなくなつた金額
二 決済期限又は償還期限後に回収した金額
(代金等の回収)
第十四条の十 保険金の支払を受けた仲介貿易者又は仲介貿易代金貸付者は、当該仲介貿易契約に基づく仲介貿易貨物の代金若しくは賃貸料又は当該仲介貿易代金貸付契約に基づく貸付金の回収に努めなければならない。
(回収金の納付)
第十四条の十一 保険金の支払を受けた仲介貿易者又は仲介貿易代金貸付者は、その支払の請求をした後回収した金額から決済期限又は償還期限以後保険金の支払を受けた日の前日までの利息を控除した残額に支払を受けた保険金の額の第十四条の九に規定する残額に対する割合を乗じて得た金額を政府に納付しなければならない。
第五章の次に次の一章を加える。
第五章の二 再保険
(再保険)
第十四条の十六 政府は、この法律によりてん補される損失と同種の損失についての保険(再保険を含む。)の事業を行う国際機関、外国政府等又は外国法人を相手方として、これらの者が負う保険責任につき再保険を引き受け、又はこの法律により政府が負う保険責任につき再保険を行うことができる。
2 政府の引き受ける再保険の再保険料率は、この法律による政府の保険事業の健全な運営に支障を生ずることのないように定めなければならない。
3 政府は、一会計年度内に引き受ける再保険の再保険金額の総額が会計年度ごとに国会の議決を経た金額を超えない範囲内において、再保険契約を締結するものとする。
「第七章 輸出保険審議会」を「第七章 貿易保険審議会」に改める。
第十六条第一項中「輸出保険審議会」を「貿易保険審議会」に改め、同条第二項中「輸出保険」を「貿易保険」に、「に関する」を「(第十四条の十六第一項の規定に基づく再保険を含む。)に関する」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和六十二年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一 題名の改正規定、目次の改正規定中第七章に係る部分、第一条の改正規定、第一条の三の見出しの改正規定、同条の改正規定中「輸出保険」を「貿易保険」に改める部分、第一条の四の改正規定、第一条の五の改正規定、第一条の七及び第三条の改正規定中「輸出保険」を「貿易保険」に改める部分、第五条の二第二項の改正規定、第五条の六の二第二項の改正規定、第五条の七第二項の改正規定、第十条の二第二項の改正規定、第十四条の二第二項の改正規定中「輸出保険」を「貿易保険」に改める部分、第七章の章名の改正規定、第十六条第一項の改正規定、同条第二項の改正規定中「輸出保険」を「貿易保険」に改める部分、次条第一項の規定、附則第四条の規定(輸出保険特別会計法(昭和二十五年法律第六十八号)の題名の改正規定、同法第一条の改正規定及び同法附則第三項第一号の改正規定に限る。)、附則第五条の規定、附則第六条の規定並びに附則第七条の規定(通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)第四条第十六号及び第五条第一項第十一号の改正規定中「輸出保険」を「貿易保険」に改める部分並びに同法第十一条第四号の改正規定に限る。)昭和六十二年四月一日
二 目次の改正規定中第四章に係る部分、第一条の三の改正規定中「、輸出金融保険」を削る部分、第一条の六の改正規定、第一条の七の改正規定中第四号を削り、第三号を第四号とし、第二号の二を第三号とする部分、第四章の改正規定、次条第二項の規定及び附則第四条のうち輸出保険特別会計法第四条第一項の改正規定中「、第十条」を削る部分 昭和六十三年四月一日
(経過措置等)
第二条 前条ただし書第一号に定める日から昭和六十三年三月三十一日までの間におけるこの法律による改正後の貿易保険法第六条第二項の規定の適用については、同項中「輸出保険」とあるのは、「貿易保険」とする。
2 前条ただし書第二号に定める日前に成立した輸出金融保険の保険関係については、なお従前の例による。
第三条 この法律の施行前に政府が引き受けた海外投資保険については、なお従前の例による。
(輸出保険特別会計法の一部改正)
第四条 輸出保険特別会計法の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
貿易保険特別会計法
第一条中「輸出保険法」を「貿易保険法」に、「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
第四条第一項中「保険料」の下に「、受入再保険料」を加え、「、第十条」を削り、「第十条の六」の下に「、第十四条の六、第十四条の十一」を加え、「第十四条の五」を「第十四条の十五」に改め、「納付される回収金」の下に「並びに法第十四条の十六第一項の規定により再保険を引き受けた契約に基づき納付される回収金」を、「(以下「納付金」という。)」の下に「、受入再保険金」を、「保険金」の下に「、支払再保険金、支払再保険料、法第十四条の十六第一項の規定により再保険を行つた契約に基づき納付する返納金(以下「返納金」という。)」を加える。
第十一条の二第一項中「保険金」の下に「及び支払再保険金」を加え、同条第二項中「保険料」の下に「、受入再保険料」を加え、「及び納付金」を「、納付金及び受入再保険金」に改め、「保険金」の下に「、支払再保険金、支払再保険料及び返納金」を加える。
附則第三項第一号中「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
(退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律の一部改正)
第五条 退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律(昭和二十五年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。
第一条中「輸出保険特別会計」を「貿易保険特別会計」に改める。
(日本輸出入銀行法による貸付金の利息の特例等に関する法律の一部改正)
第六条 日本輸出入銀行法による貸付金の利息の特例等に関する法律(昭和四十六年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。
第三条中「こえ」を「超え」に、「輸出保険法」を「輸出保険法の一部を改正する法律(昭和六十二年法律第三号)による改正前の輸出保険法」に、「行なう」を「行う」に改める。
(通商産業省設置法の一部改正)
第七条 通商産業省設置法の一部を次のように改正する。
第四条第十六号中「輸出保険」を「貿易保険」に、「に関する」を「(貿易保険法(昭和二十五年法律第六十七号)の規定に基づく再保険を含む。)に関する」に改める。
第五条第一項第十一号中「輸出保険」を「貿易保険」に、「を行う」を「(貿易保険法の規定に基づく再保険を含む。)を行う」に改める。
第十一条第四号中「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
大蔵大臣 宮澤喜一
通商産業大臣 田村元
内閣総理大臣 中曽根康弘
輸出保険法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和六十二年三月三十日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第三号
輸出保険法の一部を改正する法律
輸出保険法(昭和二十五年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
貿易保険法
目次中「第四章 輸出金融保険(第六条―第十条)」を「第四章 削除」に、「第五章 海外投資保険(第十四条の二―第十四条の五)」を
第四章の三
前払輸入保険(第十四条の二―第十四条の六)
第四章の四
仲介貿易保険(第十四条の七―第十四条の十一)
第五章
海外投資保険(第十四条の十二―第十四条の十五)
第五章の二
再保険(第十四条の十六)
に、「第七章 輸出保険審議会(第十六条―第十八条)」を「第七章 貿易保険審議会(第十六条―第十八条)」に改める。
第一条中「輸出貿易」を「外国貿易」に改める。
第一条の二第十項第三号中「外国法人(本邦法人又は本邦人が株式等の所有その他の方法によりその経営を実質的に支配しているものに限る。)の社債」を「本邦外において行う事業に必要な長期資金を調達するために発行される外国政府等若しくは外国法人の公債、社債」に、「これに」を「これらに」に、「当該外国法人に対する」を「外国政府等、外国法人若しくは外国人に対する当該資金に充てられる」に、「以下」を「第五号に規定するものを除く。以下」に、「当該外国法人の」を「当該資金に充てられるこれらの者の」に改め、「保証債務」の下に「(第五号に規定するものを除く。)」を加え、同項第五号中「第三号に規定する外国法人」を「本邦法人又は本邦人が株式等の所有その他の方法によりその経営を実質的に支配しているもの」に改め、同項を同条第十六項とし、同条第九項の次に次の六項を加える。
10 この法律において「前払輸入契約」とは、貨物を輸入する契約のうち、その輸入貨物の代金又は賃借料の全部又は一部を当該輸入貨物の船積期日前に支払うことを条件とする契約であつて、政令で定める事項についての定めがあるものをいう。
11 この法律において「前払輸入者」とは、前払輸入契約の当事者であつて、貨物を輸入するものをいう。
12 この法律において「仲介貿易契約」とは、本邦法人又は本邦人が一の外国の地域において生産され、加工され、又は集荷される貨物を他の外国の地域に販売し、又は賃貸する契約であつて、政令で定める事項についての定めがあるものをいう。
13 この法律において「仲介貿易者」とは、仲介貿易契約の当事者であつて、貨物を販売し、又は賃貸するものをいう。
14 この法律において「仲介貿易代金貸付契約」とは、仲介貿易契約に基づく仲介貿易貨物の代金又は賃貸料の支払に充てられる資金を外国政府等、外国法人又は外国人に貸し付ける契約であつて、政令で定める事項についての定めがあるものをいう。
15 この法律において「仲介貿易代金貸付者」とは、仲介貿易代金貸付契約の当事者であつて、資金を貸し付けるものをいう。
第一条の二の二を次のように改める。
第一条の二の二 一の契約が、次項に規定する場合のほか、輸出契約及び技術提供契約のいずれにも該当する場合、輸出契約及び仲介貿易契約のいずれにも該当する場合又は技術提供契約及び仲介貿易契約のいずれにも該当する場合には、当該一の契約は、当該契約に基づく輸出貨物の代金の額又は賃貸料の合計額(以下「輸出代金等」という。)が当該契約に基づく技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供の対価の額(以下「技術提供対価等」という。)に等しく若しくはこれを超え、又は当該契約に基づく仲介貿易貨物の代金の額若しくは賃貸料の合計額(以下「仲介貿易代金等」という。)に等しく若しくはこれを超えるときは輸出契約と、技術提供対価等が輸出代金等を超え、又は仲介貿易代金等に等しく若しくはこれを超えるときは技術提供契約と、仲介貿易代金等が輸出代金等又は技術提供対価等を超えるときは仲介貿易契約とみなす。
2 一の契約が輸出契約、技術提供契約及び仲介貿易契約のいずれにも該当する場合には、当該一の契約は、技術提供対価等が輸出代金等を超え、かつ、仲介貿易代金等に等しく又はこれを超えるときは技術提供契約と、仲介貿易代金等が輸出代金等及び技術提供対価等を超えるときは仲介貿易契約と、その他のときは輸出契約とみなす。
3 前二項の規定により輸出契約とみなされる一の契約の当事者であつて、貨物の輸出及び技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供又は仲介貿易貨物の販売若しくは賃貸をするものは、輸出者とみなす。
4 第一項又は第二項の規定により一の契約が輸出契約とみなされる場合には、第三章、第三章の二及び第四章の二の規定の適用については、当該契約に基づく技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供又は仲介貿易貨物の販売若しくは賃貸及び当該技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供の対価又はその仲介貿易貨物の代金若しくは賃貸料は、それぞれ、貨物(第五条の二第二項、第五条の六の二第二項又は第十条の二第二項の規定を適用する場合にあつては、これらの項の政令で定める貨物)の輸出及びその輸出貨物の代金とみなす。
5 第一項又は第二項の規定により一の契約が技術提供契約とみなされる場合には、第三章、第三章の二及び第四章の二の規定の適用については、当該契約の当事者であつて技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供及び貨物の輸出又は仲介貿易貨物の販売若しくは賃貸をするもの、当該契約に基づく貨物の輸出又は仲介貿易貨物の販売若しくは賃貸並びにその輸出貨物の代金若しくは賃貸料又はその仲介貿易貨物の代金若しくは賃貸料は、それぞれ、技術提供者、技術の提供又はこれに伴う労務の提供(第十条の二第二項の規定を適用する場合にあつては、外国における技術の提供又はこれに伴う労務の提供であつて同項の政令で定めるもの)及びこれらの対価とみなす。
6 第一項又は第二項の規定により一の契約が仲介貿易契約とみなされる場合には、第四章の四の規定の適用については、当該契約の当事者であつて仲介貿易貨物の販売若しくは賃貸及び貨物の輸出又は技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供をするもの、当該契約に基づく貨物の輸出又は技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供並びにその輸出貨物の代金若しくは賃貸料又は当該技術の提供若しくはこれに伴う労務の提供の対価は、それぞれ、仲介貿易者、仲介貿易貨物の販売又は賃貸及びその仲介貿易貨物の代金とみなす。
第一条の三の見出し中「輸出保険」を「貿易保険」に改め、同条中「輸出保険」を「貿易保険」に改め、「、輸出金融保険」を削り、「輸出保証保険」の下に「、前払輸入保険、仲介貿易保険」を加える。
第一条の四中「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
第一条の五中「輸出保険」を「貿易保険」に、「基く」を「基づく」に改める。
第一条の六中「又は輸出金融保険」を削り、「基く」を「基づく」に改める。
第一条の七中「輸出保険」を「貿易保険」に改め、第四号を削り、第三号を第四号とし、第二号の二を第三号とし、第六号を第八号とし、第五号の次に次の二号を加える。
六 一会計年度内に引き受ける前払輸入保険の保険金額の総額
七 一会計年度内に引き受ける仲介貿易保険の保険金額の総額
第三条中「第一条の二の二第一項」の下に「又は第二項」を、「技術提供契約」の下に「又は仲介貿易契約」を加え、「同項」を「同条第一項又は第二項」に、「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
第五条の二第二項中「基いて」を「基づいて」に、「左の」を「次の」に、「てん補する輸出保険」を「てん補する貿易保険」に改める。
第五条の六の二第二項中「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
第五条の七第二項中「買取」を「買取り」に、「そ求」を「そ求」に、「てん補すべき」を「てん補すべき」に、「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
第四章を次のように改める。
第四章 削除
第六条から第十条まで 削除
第十条の二第二項中「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
第十四条の五中「第十四条の三第一項又は第二項」を「第十四条の十三第一項から第四項まで」に、「こえる」を「超える」に改め、同条を第十四条の十五とする。
第十四条の四中「事故元本」を「非常事故元本、信用事故元本、履行遅滞元本」に、「事故配当金請求権等」を「非常事故配当金請求権等、信用事故配当金請求権等若しくは履行遅滞利子請求権」に、「事故求償権」を「非常事故求償権、信用事故求償権、履行遅滞求償権」に改め、同条を第十四条の十四とする。
第十四条の三第一項中「又は第五号」を削り、「事故元本」を「非常事故元本」に、「、同項第二号の損害又は同項第五号イ若しくはロの事由」を「又は同項第二号の損害」に、「事故配当金請求権等」を「非常事故配当金請求権等」に、「事故求償権」を「非常事故求償権」に、「、同項第二号の損害又は同項第五号ハの主たる債務者の破産若しくは同号ニの主たる債務者の債務の不履行」を「又は同項第二号の損害」に改め、同条第四項中「第一項」の下に「、第三項」を加え、「又は第五号」を「、第五号又は第六号イ若しくはハ」に改め、「第一項第二号」の下に「、第三項第一号」を加え、同項第二号中「行なわれた」を「行われた」に改め、同項を同条第六項とし、同条第三項中「前二項」を「前各項」に改め、同項第一号中「又は第五号イ若しくはロ」を「、第五号又は第六号イ若しくはロ」に改め、同項第二号中「又は第五号イ若しくはロ」を「、第五号又は第六号イ」に改め、同項第三号中「第一項各号」の下に「、第二項各号、第三項各号」を加え、同項を同条第五項とし、同条第二項の次に次の二項を加える。
3 前条第二項第五号又は第六号イ若しくはハのいずれかに該当する事由により受けた損失に係る海外投資保険において政府がてん補すべき額は、元本に係る損失にあつては当該事由に係る元本(以下「信用事故元本」という。)の取得のための対価の額から、配当金請求権等に係る損失にあつては当該事由に係る配当金請求権等(以下「信用事故配当金請求権等」という。)に基づき取得し得ベき配当金等の額から、保証債務に係る損失にあつては当該事由に係る保証債務の履行により取得する求償権(以下「信用事故求償権」という。)に基づき取得し得べき金額から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、前条第二項第五号に該当する事由に係る場合にあつては百分の五十の範囲内において政令で定める割合を、同項第六号イ又はハに該当する事由に係る場合にあつては百分の九十の範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額とする。
一 当該事由の発生により取得した金額又は取得し得べき金額
二 損失を軽減するために必要な処置を講じて回収した金額
4 前条第二項第六号ロ又はニのいずれかに該当する事由により受けた損失に係る海外投資保険において政府がてん補すべき額は、公債等の元本に係る損失にあつては当該事由に係る公債等の元本(以下「履行遅滞元本」という。)について償還期限後六月を経過した時までに回収することができない金額から、公債等の利子の支払請求権に係る損失にあつては当該事由に係る公債等の利子の支払請求権(以下「履行遅滞利子請求権」という。)に基づき取得し得べき利子について支払期限後六月を経過した時までに回収することができない金額から、保証債務に係る損失にあつては当該事由に係る保証債務の履行により取得した求償権(以下「履行遅滞求償権」という。)に基づき取得し得べき金額について当該求償権の取得の日から六月を経過する日までに回収することができない金額から、次の各号に掲げる金額を控除した残額に、百分の九十の範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額とする。
一 当該事由の発生により支出を要しなくなつた金額
二 損失を軽減するために必要な処置を講じて回収した金額
第十四条の三を第十四条の十三とする。
第十四条の二第二項中「輸出保険」を「貿易保険」に改め、同項第一号の二中「第一条の二第十項第二号」を「第一条の二第十六項第二号」に、「第五号を」を「第五号及び第六号を」に改め、同項第二号中「第一条の二第十項第四号」を「第一条の二第十六項第四号」に改め、同号イ中「第一条の二第十項第二号」を「第一条の二第十六項第二号」に改め、同項第五号中「第一条の二第十項第五号」を「第一条の二第十六項第五号」に改め、同号を同項第六号とし、同項第四号の次に次の一号を加える。
五 第一条の二第十六項第一号から第三号までに掲げる海外投資について、次のいずれかに該当する事由が生じたこと。
イ 海外投資(保証債務の負担を除く。)の相手方(第一条の二第十六項第二号に掲げる海外投資にあつては、株式等の取得の相手方を除く。)の破産(第二号に掲げるものを除き、海外投資を行つた者の責めに帰することができないものに限る。)
ロ 保証債務に係る主たる債務者の破産(保証債務を負担した者の責めに帰することができないものに限る。)によつてその債務の不履行が生じたことによる保証債務の履行(第一号の二又は第二号に該当する場合におけるものを除く。)
第十四条の二を第十四条の十二とする。
第五章の前に次の二章を加える。
第四章の三 前払輸入保険
(保険契約)
第十四条の二 政府は、前払輸入保険を引き受けることができる。
2 前払輸入保険は、前払輸入者が前払輸入契約に基づいて輸入貨物を輸入することができなくなつた場合に次の各号の一に該当する事由によつて当該前払輸入契約に基づいて当該輸入貨物の船積期日前に支払つた代金又は賃借料(以下「前払金」という。)の返還を受けることができないことにより受ける損失をてん補する貿易保険とする。
一 外国において実施される為替取引の制限又は禁止
二 外国における戦争、革命又は内乱
三 前二号に掲げるもののほか、本邦外において生じた事由であつて、前払輸入契約の当事者の責めに帰することができないもの
四 前払輸入契約の相手方の破産
五 前払輸入契約の相手方の前払金に係る債務の六月以上の履行遅滞(前払輸入者の責めに帰することができないものに限る。)
(保険価額)
第十四条の三 前払輸入保険においては、前払金の額を保険価額とする。
2 前払輸入保険の保険金額が保険価額に百分の九十七・五の範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額を超えるときは、その超える部分については、保険契約は、無効とする。
(保険金)
第十四条の四 前払輸入保険において政府がてん補すべき額は、保険価額のうち第十四条の二第二項各号の一に該当する事由により前払輸入者が前払金の返還の期限(同項第五号に該当する事由によるときは、前払金の返還の期限後六月を経過した時。以下この章において同じ。)までに返還を受けることができない前払金の額から次の各号に掲げる金額を控除した残額に、保険金額の保険価額に対する割合を乗じて得た金額とする。
一 当該事由の発生により支出を要しなくなつた金額
二 前払金の返還の期限後に回収した金額
(前払金の回収)
第十四条の五 保険金の支払を受けた前払輸入者は、当該前払輸入契約に基づく前払金の回収に努めなければならない。
(回収金の納付)
第十四条の六 保険金の支払を受けた前払輸入者は、その支払の請求をした後回収した金額から前払金の返還の期限以後保険金の支払を受けた日の前日までの利息を控除した残額に支払を受けた保険金の額の第十四条の四に規定する残額に対する割合を乗じて得た金額を政府に納付しなければならない。
第四章の四 仲介貿易保険
(保険契約)
第十四条の七 政府は、仲介貿易保険を引き受けることができる。
2 仲介貿易保険は、仲介貿易者が仲介貿易契約に基づいて仲介貿易貨物を販売し、若しくは賃貸した場合に次の各号の一に該当する事由によつて当該仲介貿易貨物の代金若しくは賃貸料を回収することができないことにより受ける損失(仕向国における戦争、革命又は内乱により仲介貿易貨物のうち第五条の二第二項の政令で定める貨物について生じた損失以外の仲介貿易貨物について生じた損失を除く。)又は仲介貿易代金貸付者が仲介貿易代金貸付契約に基づいて資金を貸し付けた場合に次の各号の一に該当する事由によつて当該貸付金を回収することができないことにより受ける損失をてん補する貿易保険とする。
一 外国において実施される為替取引の制限又は禁止
二 外国における戦争、革命又は内乱
三 前二号に掲げるもののほか、本邦外において生じた事由であつて、仲介貿易契約又は仲介貿易代金貸付契約の当事者の責めに帰することができないもの
四 仲介貿易契約又は仲介貿易代金貸付契約の相手方の破産
五 仲介貿易契約又は仲介貿易代金貸付契約の相手方の六月以上の債務の履行遅滞(仲介貿易者又は仲介貿易代金貸付者の責めに帰することができないものに限る。)
(保険価額)
第十四条の八 仲介貿易保険においては、仲介貿易契約に基づく仲介貿易貨物の代金若しくは賃貸料又は仲介貿易代金貸付契約に基づく貸付金(二以上の時期に分割して代金の決済又は貸付金の償還を受けるべきときは、一の時期において決済又は償還を受けるべき当該代金又は貸付金の部分。以下同じ。)の額を保険価額とする。
2 仲介貿易保険の保険金額が保険価額に百分の九十七・五の範囲内において政令で定める割合を乗じて得た金額を超えるときは、その超える部分については、保険契約は、無効とする。
(保険金)
第十四条の九 仲介貿易保険において政府がてん補すべき額は、保険価額のうち第十四条の七第二項各号の一に該当する事由により仲介貿易者又は仲介貿易代金貸付者がそれぞれ決済期限又は償還期限(同項第五号に該当する事由によるときは、決済期限又は償還期限後六月を経過した時。以下この章において同じ。)までに回収することができない代金若しくは賃貸料又は貸付金の額から次の各号に掲げる金額を控除した残額に、保険金額の保険価額に対する割合を乗じて得た金額とする。
一 当該事由の発生により支出を要しなくなつた金額
二 決済期限又は償還期限後に回収した金額
(代金等の回収)
第十四条の十 保険金の支払を受けた仲介貿易者又は仲介貿易代金貸付者は、当該仲介貿易契約に基づく仲介貿易貨物の代金若しくは賃貸料又は当該仲介貿易代金貸付契約に基づく貸付金の回収に努めなければならない。
(回収金の納付)
第十四条の十一 保険金の支払を受けた仲介貿易者又は仲介貿易代金貸付者は、その支払の請求をした後回収した金額から決済期限又は償還期限以後保険金の支払を受けた日の前日までの利息を控除した残額に支払を受けた保険金の額の第十四条の九に規定する残額に対する割合を乗じて得た金額を政府に納付しなければならない。
第五章の次に次の一章を加える。
第五章の二 再保険
(再保険)
第十四条の十六 政府は、この法律によりてん補される損失と同種の損失についての保険(再保険を含む。)の事業を行う国際機関、外国政府等又は外国法人を相手方として、これらの者が負う保険責任につき再保険を引き受け、又はこの法律により政府が負う保険責任につき再保険を行うことができる。
2 政府の引き受ける再保険の再保険料率は、この法律による政府の保険事業の健全な運営に支障を生ずることのないように定めなければならない。
3 政府は、一会計年度内に引き受ける再保険の再保険金額の総額が会計年度ごとに国会の議決を経た金額を超えない範囲内において、再保険契約を締結するものとする。
「第七章 輸出保険審議会」を「第七章 貿易保険審議会」に改める。
第十六条第一項中「輸出保険審議会」を「貿易保険審議会」に改め、同条第二項中「輸出保険」を「貿易保険」に、「に関する」を「(第十四条の十六第一項の規定に基づく再保険を含む。)に関する」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和六十二年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
一 題名の改正規定、目次の改正規定中第七章に係る部分、第一条の改正規定、第一条の三の見出しの改正規定、同条の改正規定中「輸出保険」を「貿易保険」に改める部分、第一条の四の改正規定、第一条の五の改正規定、第一条の七及び第三条の改正規定中「輸出保険」を「貿易保険」に改める部分、第五条の二第二項の改正規定、第五条の六の二第二項の改正規定、第五条の七第二項の改正規定、第十条の二第二項の改正規定、第十四条の二第二項の改正規定中「輸出保険」を「貿易保険」に改める部分、第七章の章名の改正規定、第十六条第一項の改正規定、同条第二項の改正規定中「輸出保険」を「貿易保険」に改める部分、次条第一項の規定、附則第四条の規定(輸出保険特別会計法(昭和二十五年法律第六十八号)の題名の改正規定、同法第一条の改正規定及び同法附則第三項第一号の改正規定に限る。)、附則第五条の規定、附則第六条の規定並びに附則第七条の規定(通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)第四条第十六号及び第五条第一項第十一号の改正規定中「輸出保険」を「貿易保険」に改める部分並びに同法第十一条第四号の改正規定に限る。)昭和六十二年四月一日
二 目次の改正規定中第四章に係る部分、第一条の三の改正規定中「、輸出金融保険」を削る部分、第一条の六の改正規定、第一条の七の改正規定中第四号を削り、第三号を第四号とし、第二号の二を第三号とする部分、第四章の改正規定、次条第二項の規定及び附則第四条のうち輸出保険特別会計法第四条第一項の改正規定中「、第十条」を削る部分 昭和六十三年四月一日
(経過措置等)
第二条 前条ただし書第一号に定める日から昭和六十三年三月三十一日までの間におけるこの法律による改正後の貿易保険法第六条第二項の規定の適用については、同項中「輸出保険」とあるのは、「貿易保険」とする。
2 前条ただし書第二号に定める日前に成立した輸出金融保険の保険関係については、なお従前の例による。
第三条 この法律の施行前に政府が引き受けた海外投資保険については、なお従前の例による。
(輸出保険特別会計法の一部改正)
第四条 輸出保険特別会計法の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
貿易保険特別会計法
第一条中「輸出保険法」を「貿易保険法」に、「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
第四条第一項中「保険料」の下に「、受入再保険料」を加え、「、第十条」を削り、「第十条の六」の下に「、第十四条の六、第十四条の十一」を加え、「第十四条の五」を「第十四条の十五」に改め、「納付される回収金」の下に「並びに法第十四条の十六第一項の規定により再保険を引き受けた契約に基づき納付される回収金」を、「(以下「納付金」という。)」の下に「、受入再保険金」を、「保険金」の下に「、支払再保険金、支払再保険料、法第十四条の十六第一項の規定により再保険を行つた契約に基づき納付する返納金(以下「返納金」という。)」を加える。
第十一条の二第一項中「保険金」の下に「及び支払再保険金」を加え、同条第二項中「保険料」の下に「、受入再保険料」を加え、「及び納付金」を「、納付金及び受入再保険金」に改め、「保険金」の下に「、支払再保険金、支払再保険料及び返納金」を加える。
附則第三項第一号中「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
(退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律の一部改正)
第五条 退職職員に支給する退職手当支給の財源に充てるための特別会計等からする一般会計への繰入及び納付に関する法律(昭和二十五年法律第六十二号)の一部を次のように改正する。
第一条中「輸出保険特別会計」を「貿易保険特別会計」に改める。
(日本輸出入銀行法による貸付金の利息の特例等に関する法律の一部改正)
第六条 日本輸出入銀行法による貸付金の利息の特例等に関する法律(昭和四十六年法律第四十五号)の一部を次のように改正する。
第三条中「こえ」を「超え」に、「輸出保険法」を「輸出保険法の一部を改正する法律(昭和六十二年法律第三号)による改正前の輸出保険法」に、「行なう」を「行う」に改める。
(通商産業省設置法の一部改正)
第七条 通商産業省設置法の一部を次のように改正する。
第四条第十六号中「輸出保険」を「貿易保険」に、「に関する」を「(貿易保険法(昭和二十五年法律第六十七号)の規定に基づく再保険を含む。)に関する」に改める。
第五条第一項第十一号中「輸出保険」を「貿易保険」に、「を行う」を「(貿易保険法の規定に基づく再保険を含む。)を行う」に改める。
第十一条第四号中「輸出保険」を「貿易保険」に改める。
大蔵大臣 宮沢喜一
通商産業大臣 田村元
内閣総理大臣 中曽根康弘