地方交付税法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第37号
公布年月日: 昭和59年5月23日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

地方財政の健全化のため、交付税特別会計における新規借入を原則として停止し、地方交付税総額について法律に基づく特例措置を講ずることとした。また、特別会計の既存借入金11.5兆円のうち、国負担分の5.8兆円を一般会計へ移管し、残りの借入金は利子を含めて地方負担とすることとした。これに伴い借入金の償還期間を昭和66年度から75年度に変更する。昭和59年度分の地方交付税総額は、利子支払いに必要な3,638億円を減額し、特例措置額1,760億円を加算した8兆5,227億円となり、前年度比3.9%減となる。なお、特例措置額1,760億円のうち300億円は、昭和66・67年度に各150億円ずつ減額することとしている。

参照した発言:
第101回国会 衆議院 本会議 第8号

審議経過

第101回国会

衆議院
(昭和59年2月28日)
(昭和59年3月1日)
参議院
(昭和59年3月23日)
(昭和59年3月27日)
衆議院
(昭和59年4月12日)
(昭和59年4月17日)
(昭和59年4月19日)
(昭和59年4月20日)
(昭和59年4月24日)
(昭和59年4月25日)
参議院
(昭和59年4月26日)
(昭和59年5月8日)
(昭和59年5月10日)
(昭和59年5月11日)
(昭和59年5月15日)
(昭和59年5月17日)
(昭和59年5月18日)
地方交付税法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十九年五月二十三日
内閣総理大臣 中曽根康弘
法律第三十七号
地方交付税法等の一部を改正する法律
(地方交付税法の一部改正)
第一条 地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)の一部を次のように改正する。
第十二条第一項の表道府県の項第八号中「昭和五十七年度」を「昭和五十八年度」に改め、同表道府県の項第九号中「昭和五十六年度まで」の下に「及び昭和五十八年度」を加え、同表道府県の項第十号中「昭和五十七年度」の下に「及び昭和五十八年度」を加え、同表市町村の項第九号中「昭和五十七年度」を「昭和五十八年度」に改め、同表市町村の項第十号中「昭和五十六年度まで」の下に「及び昭和五十八入年度」を加え、同表市町村の項第十一号中「昭和五十七年度」の下に「及び昭和五十八年度」を加え、同条第二項の表第三十七号中「昭和五十七年度」を「昭和五十八年度」に改め、同表第三十八号中「昭和五十六年度まで」の下に「及び昭和五十八年度」を加え、同表第三十九号中「昭和五十七年度」の下に「及び昭和五十八年度」を加える。
第十三条第五項の表道府県の項第八号中「昭和五十七年度」を「昭和五十八年度」に改め、同表道府県の項第九号中「昭和五十六年度まで」の下に「及び昭和五十八年度」を加え、同表道府県の項第十号中「昭和五十七年度」の下に「及び昭和五十八年度」を加え、同表市町村の項第八号中「昭和五十七年度」を「昭和五十八年度」に改め、同表市町村の項第九号中「昭和五十六年度まで」の下に「及び昭和五十八年度」を加え、同表市町村の項第十号中「昭和五十七年度」の下に「及び昭和五十八年度」を加える。
附則第三条から附則第五条までを次のように改める。
(交付税の総額についての特例措置)
第三条 政府は、地方財政の状況等にかんがみ、当分の間、第六条第二項の規定により算定した交付税の総額について、法律の定めるところにより、交付税の総額の安定的な確保に資するため必要な特例措置を講ずることとする。
(昭和五十九年度から昭和七十五年度までの各年度分の交付税の総額の特例)
第四条 昭和五十九年度から昭和七十五年度までの各年度に限り、当該各年度分として交付すべき交付税の総額は、第一号及び第二号に掲げる額の合算額から第三号及び第四号に掲げる額の合算額を減額した額とする。
一 第六条第二項の規定により算定した額
二 当該各年度における借入金の額に相当する額(昭和五十九年度にあつては、十一兆五千二百十八億七千八百万円とする。)
三 当該各年度の前年度における借入金の額に相当する額(昭和五十九年度にあつては、昭和五十八年度における借入金の額十一兆五千二百十八億七千八百万円とする。)
四 当該各年度における交付税及び譲与税配付金特別会計法(昭和二十九年法律第百三号)第十三条第一項の規定による一時借入金に係る利子及び同法附則第五条第一項の規定による借入金に係る利子の支払に充てるため必要な額(昭和五十九年度にあつては、三千六百三十八億円とする。)
2 昭和五十九年度分の交付税の総額については、前項の額に、前条の規定に基づく特例措置として、千七百六十億円を加算する。
3 昭和六十六年度及び昭和六十七年度にあつては、交付税の総額は、第一項の額からそれぞれ百五十億円を減額した額とする。
4 第一項第二号及び第三号の借入金の額は、交付税及び譲与税配付金特別会計法附則第五条第一項の規定による借入金の額としてそれぞれ当該各年度及び当該各年度の前年度の予算で定める額とする。
第五条 削除
附則第八条に次の一項を加える。
3 昭和五十八年度分の基準税額について第一項の規定により算定過少又は算定過大と認められる額を算定する場合において、同項中「これらの税目に係る当該年度の前年度分の基準税額」とあるのは、「道府県民税の所得割及び市町村民税の所得割並びに特別とん譲与税にあつてはこれらの税目に係る昭和五十八年度分の基準税額、道府県民税の法人税割及び法人の行う事業に対する事業税にあつてはこれらの税目に係る同年度分の基準税額からこれらの税目の減収補てんのため同年度において特別に発行を許可された地方債の額の百分の八十に相当する額を控除した額並びに市町村民税の法人税割にあつては当該税目に係る同年度分の基準税額から当該税目の減収補てんのため同年度において特別に発行を許可された地方債の額の百分の七十五に相当する額を控除した額」とする。
別表を次のように改める。
別表(第十二条関係)
地方団体の種類
経費の種類
測定単位
単位費用
道府県
一 警察費
警察職員数
一人につき
六、四四九、〇〇〇
二 土木費
1 道路橋りよう費
(1) 経常経費
道路の面積
千平方メートルにつき
二〇八、〇〇〇
(2) 投資的経費
道路の延長
一キロメートルにつき
三、九三四、〇〇〇
2 河川費
(1) 経常経費
河川の延長
一キロメートルにつき
七七、八〇〇
(2) 投資的経費
河川の延長
一キロメートルにつき
四四九、〇〇〇
3 港湾費
(1) 経常経費
港湾(漁港を含む。)における係留施設の延長
一メートルにつき二二、八〇〇
(2) 投資的経費
港湾(漁港を含む。)における外郭施設の延長
一メートルにつき七、九六〇
4 その他の土木費
(1) 経常経費
人口
一人につき
六四四
(2) 投資的経費
人口
一人につき
一、七九〇
三 教育費
1 小学校費
教職員数
一人につき
二、九九一、〇〇〇
2 中学校費
教職員数
一人につき
三、〇八四、〇〇〇
3 高等学校費
(1) 経常経費
教職員数
一人につき
五、一八九、〇〇〇
生徒数
一人につき
三五、九〇〇
(2) 投資的経費
生徒数
一人につき
三五、九〇〇
4 特殊教育諸学校費
(1) 経常経費
教職員数
一人につき
三、〇〇〇、〇〇〇
児童及び生徒の数
一人につき
一二六、〇〇〇
学級数
一学級につき
五八六、〇〇〇
(2) 投資的経費
学級数
一学級につき
七七七、〇〇〇
5 その他の教育費
人口
一人につき
二、五三〇
四 厚生労働費
1 生活保護費
町村部人口
一人につき
四、二五〇
2 社会福祉費
(1) 経常経費
人口
一人につき
二、〇〇〇
(2) 投資的経費
人口
一人につき
三六七
3 衛生費
人口
一人につき
四、〇三〇
4 労働費
人口
一人につき
四七七
失業者数
一人につき
五六一、〇〇〇
五 産業経済費
1 農業行政費
(1) 経常経費
農家数
一戸につき
五五、一〇〇
(2) 投資的経費
耕地の面積
一ヘクタールにつき
二一、四〇〇
2 林野行政費
(1) 経常経費
林野の面積
一ヘクタールにつき
二、五二〇
(2) 投資的経費
林野の面積
一ヘクタールにつき
三、四八〇
3 水産行政費
(1) 経常経費
水産業者数
一人につき
一三四、〇〇〇
(2) 投資的経費
水産業者数
一人につき
三八、七〇〇
4 商工行政費
人口
一人につき
一、三三〇
六 その他の行政費
1 徴税費
道府県税の税額
百万円につき
三九、六〇〇
2 恩給費
恩給受給権者数
一人につき
一、〇五五、〇〇〇
3 その他の諸費
(1) 経常経費
人口
一人につき
三、三六〇
(2) 投資的経費
人口
一人につき
二、六六〇
面積
一平方キロメートルにつき
六八四、〇〇〇
七 災害復旧費
災害復旧事業費の財源に充てるため発行を許可された地方債に係る元利償還金
千円につき
九五〇
八 地方税減収補てん債償還費
地方税の減収補てんのため昭和五十年度から昭和五十八年度までの各年度において特別に発行を許可された地方債の額
千円につき
一六八
九 財源対策債償還費
昭和五十一年度から昭和五十六年度まで及び昭和五十八年度の各年度の財源対策のため当該各年度において発行を許可された地方債の額
千円につき
一五六
十 地域財政特例対策債償還費
地域財政特例対策のため昭和五十七年度及び昭和五十八年度において特別に発行を許可された地方債の額
千円につき
八二
市町村
一 消防費
人口
一人につき
五、六七〇円
二 土木費
1 道路橋りよう費
(1) 経常経費
道路の面積
千平方メートルにつき
九一、二〇〇
(2) 投資的経費
道路の延長
一キロメートルにつき
四四一、〇〇〇
2 港湾費
(1) 経常経費
港湾(漁港を含む。)における係留施設の延長
一メートルにつき二〇、三〇〇
(2) 投資的経費
港湾(漁港を含む。)における外郭施設の延長
一メートルにつき七、九六〇
3 都市計画費
(1) 経常経費
都市計画区域における人口
一人につき
五四八
(2) 投資的経費
都市計画区域における人口
一人につき
二六三
4 公園費
(1) 経常経費
人口
一人につき
三一七
(2) 投資的経費
人口
一人につき
二四〇
5 下水道費
人口集中地区人口
一人につき
二一三
6 その他の土木費
(1) 経常経費
人口
一人につき
七四六
(2) 投資的経費
人口
一人につき
二三五
三 教育費
1 小学校費
(1) 経常経費
児童数
一人につき
二六、三〇〇
学級数
一学級につき
四九六、〇〇〇
学校数
一校につき
四、五六一、〇〇〇
(2) 投資的経費
学級数
一学級につき
三九九、〇〇〇
2 中学校費
(1) 経常経費
生徒数
一人につき
二四、五〇〇
学級数
一学級につき
六四三、〇〇〇
学校数
一校につき
四、五八六、〇〇〇
(2) 投資的経費
学級数
一学級につき
三九九、〇〇〇
3 高等学校費
(1) 経常経費
教職員数
一人につき
五、三六二、〇〇〇
生徒数
一人につき
三五、四〇〇
(2) 投資的経費
生徒数
一人につき
二一、〇〇〇
 4 その他の教育費
(1) 経常経費
人口
一人につき
四、三三〇
(2) 投資的経費
人口
一人につき
一八七
四 厚生労働費
1 生活保護費
市部人口
一人につき
三、八八〇
2 社会福祉費
(1) 経常経費
人口
一人につき
二、一二〇
(2) 投資的経費
人口
一人につき
四六六
3 保健衛生費
人口
一人につき
二、五六〇
4 清掃費
(1) 経常経費
人口
一人につき
三、九六〇
(2) 投資的経費
人口
一人につき
五〇八
5 労働費
失業者数
一人につき
五六一、〇〇〇
五 産業経済費
1 農業行政費
(1) 経常経費
農家数
一戸につき
二七、九〇〇
(2) 投資的経費
農家数
一戸につき
八、二〇〇
2 商工行政費
人口
一人につき
六〇八
3 その他の産業経済費
(1) 経常経費
林業、水産業及び鉱業の従業者数
一人につき
一九、三〇〇
(2) 投資的経費
林業、水産業及び鉱業の従業者数
一人につき
二〇、三〇〇
六 その他の行政費
1 徴税費
世帯数
一世帯につき
八、三〇〇
2 戸籍住民基本台帳費
世帯数
一世帯につき
三、五一〇
3 その他の諸費
(1) 経常経費
人口
一人につき
八、二六〇
面積
一平方キロメートルにつき
八三三、〇〇〇
(2) 投資的経費
人口
一人につき
一、五七〇
面積
一平方キロメートルにつき
二四九、〇〇〇
七 災害復旧費
災害復旧事業費の財源に充てるため発行を許可された地方債に係る元利償還金
千円につき
九五〇
八 辺地対策事業債償還費
辺地対策事業費の財源に充てるため発行を許可された地方債に係る元利償還金
千円につき
八〇〇
九 地方税減収補てん債償還費
地方税の減収補てんのため昭和五十年度から昭和五十八年度までの各年度において特別に発行を許可された地方債の額
千円につき
一六八
十 財源対策債償還費
昭和五十一年度から昭和五十六年度まで及び昭和五十八年度の各年度の財源対策のため当該各年度において発行を許可された地方債の額
千円につき
一五六
十一 地域財政特例対策債償還費
地域財政特例対策のため昭和五十七年度及び昭和五十八年度において特別に発行を許可された地方債の額
千円につき
八二
(交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部改正)
第二条 交付税及び譲与税配付金特別会計法(昭和二十九年法律第百三号)の一部を次のように改正する。
附則第五条第一項を次のように改める。
交付税及び譲与税配付金勘定においては、昭和五十九年度から昭和七十四年度までの各年度において、地方交付税交付金を支弁するため必要があるときは、昭和五十九年度分にあつては十一兆五千二百十八億七千八百万円(以下「昭和五十九年度分の借入金限度額」という。)、昭和六十年度から昭和六十五年度までの各年度にあつては、昭和五十九年度分の借入金限度額から昭和五十九年度分の借入金のうち一般会計に帰属させることとした五兆八千二百七十七億六千三百万円に相当する金額を控除して得た金額(以下「昭和六十年度分等の借入金限度額」という。)、昭和六十六年度から昭和七十四年度までの各年度にあつては、昭和六十年度分等の借入金限度額から次の表の上欄に掲げる当該年度までの各年度に応ずる同表の下欄に掲げる控除額を順次控除して得た金額を限り、予算で定めるところにより、同勘定の負担において借入金をすることができる。
年度
控除額
昭和六十六年度
三千六百三十四億円
昭和六十七年度
四千六百二十四億円
昭和六十八年度
五千二十四億円
昭和六十九年度
五千四百七十一億円
昭和七十年度
五千九百五十八億円
昭和七十一年度
六千四百五十一億円
昭和七十二年度
七千二十五億九千万円
昭和七十三年度
六千七百五十二億七千万円
昭和七十四年度
六千百三十五億円
附則第五条第三項を次のように改める。
3 第一項の規定による借入金の利子の支払に充てるため必要がある場合においては、予算で定める金額を限り、一般会計から交付税及び譲与税配付金勘定に繰り入れることができる。
附則第六条中「昭和五十八年度」を「昭和五十九年度」に改める。
附則第七条を次のように改める。
(一般会計からの繰入金)
第七条 第四条の規定による一般会計からの繰入金の額は、昭和五十九年度分にあつては、同条の規定により算定した額に千七百六十億円を加算した額とし、昭和六十六年度分及び昭和六十七年度分にあつては、同条の規定により算定した額からそれぞれ百五十億円を減額した額とする。
附 則
(施行期日等)
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 第一条の規定による改正後の地方交付税法の規定は、昭和五十九年度分の地方交付税から適用する。
(交付税及び譲与税配付金勘定の借入金の一般会計への帰属等)
3 昭和五十九年十月一日における交付税及び譲与税配付金特別会計の交付税及び譲与税配付金勘定における資金運用部からの借入金のうち五兆八千二百七十七億六千三百万円に相当する額の借入金は、同日において、一般会計に帰属させることとし、一般会計は、当該借入金を次の表の定めるところにより償還するものとする。
年度
償還額
昭和六十六年度
三千八百五十六億円
昭和六十七年度
四千六百六十六億円
昭和六十八年度
五千七十六億円
昭和六十九年度
五千五百九億円
昭和七十年度
五千九百六十二億円
昭和七十一年度
六千四百八十九億円
昭和七十二年度
七千五十三億九千万円
昭和七十三年度
六千七百七十八億三千万円
昭和七十四年度
六千五百五十五億円
昭和七十五年度
六千三百三十二億四千三百万円
大蔵大臣 竹下登
自治大臣 田川誠一
内閣総理大臣 中曽根康弘