(特定保安林の指定)
第八条 農林水産大臣は、第二条第一項の保安林整備計画に基づき、指定の目的に即して機能していないと認められる保安林(当該目的に即して機能することを確保するため、その区域内にある森林の全部又は一部について造林、保育、伐採その他の施業を早急に実施する必要があると認められるものに限る。)を特定保安林として指定することができる。
2 都道府県知事は、省令で定めるところにより、当該都道府県の区域内の保安林を特定保安林として指定すべき旨を農林水産大臣に申請することができる。
3 農林水産大臣は、特定保安林の指定をしようとするときは、当該指定をしようとする保安林の所在場所を管轄する都道府県知事に協議しなければならない。
4 農林水産大臣は、特定保安林の指定をしたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
5 前三項の規定は、特定保安林の指定の解除について準用する。
(地域森林計画の変更等)
第九条 都道府県知事は、当該都道府県の区域内の保安林が特定保安林として指定された場合において、当該特定保安林の区域内に森林法第五条第一項の規定によりたてられた地域森林計画の対象となつている民有林があるときは、当該地域森林計画を変更し、当該民有林につき、当該特定保安林が保安林の指定の目的に即して機能することを確保することを旨として、次に掲げる事項を追加して定めなければならない。同項の規定により地域森林計画をたてる場合において特定保安林の区域内の民有林で当該地域森林計画の対象となるものがあるときも、同様とする。
一 造林、保育、伐採その他の施業を早急に実施する必要があると認められる森林(以下「要整備森林」という。)の所在
二 要整備森林について実施すべき造林、保育、伐採その他の施業の方法及び時期に関する事項
(協議の勧告)
第十条 都道府県知事は、要整備森林について前条の規定により地域森林計画に定められている施業の方法に関する事項に従つて施業すべき旨の森林法第十条の五の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わないとき、又は従う見込みがないと認めるときは、その者に対し、当該要整備森林又は当該要整備森林の立木について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得しようとする者で都道府県知事の指定を受けたものと当該要整備森林又は当該要整備森林の立木についての所有権の移転又は使用及び収益を目的とする権利の設定若しくは移転に関し協議すべき旨を勧告することができる。
(伐採の許可の特例)
第十一条 要整備森林について第九条の規定により地域森林計画に定められている施業の方法及び時期に関する事項に従つて実施される立木の伐採については、森林法第三十四条第一項の規定は、適用しない。