土地区画整理法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第52号
公布年月日: 昭和57年5月21日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

市街地の都市基盤施設整備の遅れや住宅地供給の停滞に対処するため、土地区画整理事業の円滑な施行と一層の推進を図る必要がある。そのため、地方住宅供給公社を土地区画整理事業の施行者として加え、土地区画整理事業の換地計画に関する専門的技術を有する人材の養成確保等を行うことを目的として、本法律案を提案する。

参照した発言:
第96回国会 衆議院 建設委員会 第9号

審議経過

第96回国会

衆議院
(昭和57年4月9日)
(昭和57年4月16日)
(昭和57年4月21日)
(昭和57年4月23日)
参議院
(昭和57年4月27日)
(昭和57年5月11日)
(昭和57年5月13日)
(昭和57年5月14日)
土地区画整理法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十七年五月二十一日
内閣総理大臣 鈴木善幸
法律第五十二号
土地区画整理法の一部を改正する法律
土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)の一部を次のように改正する。
目次中第一章に係る部分を次のように改める。
第一章
総則(第一条―第三条の五)
目次中「第四節 建設大臣、都道府県知事及び市町村長(第六十六条―第七十一条)」を
第四節
建設大臣、都道府県知事及び市町村長(第六十六条―第七十一条)
第五節
地方住宅供給公社(第七十一条の二―第七十一条の六)
に改める。
第一章中第三条の四を第三条の五とし、第三条の三の次に次の一条を加える。
(地方住宅供給公社の施行する土地区画整理事業)
第三条の四 地方住宅供給公社は、建設大臣(市のみが設立した地方住宅供給公社にあつては、都道府県知事)が地方住宅供給公社の行う住宅の用に供する宅地の造成と一体的に土地区画整理事業を施行しなければ当該宅地を居住環境の良好な集団住宅の用に供する宅地として造成することが著しく困難であると認める場合においては、施行区域の土地について、当該土地区画整理事業を施行することができる。
第四十一条第二項中「十円以下」を「督促状の郵送に要する費用を勘案して建設省令で定める額以下」に改める。
第七十条第一項中「本節」を「この条」に改め、同条第二項中「前項に規定する」を削る。
第二章に次の一節を加える。
第五節 地方住宅供給公社
(施行規程及び事業計画の認可)
第七十一条の二 地方住宅供給公社(以下「地方公社」という。)は、第三条の四の規定により土地区画整理事業を施行しようとする場合においては、施行規程及び事業計画を定め、建設省令で定めるところにより、建設大臣(市のみが設立した地方公社にあつては、都道府県知事)の認可を受けなければならない。
2 地方公社が第三条の四の規定により施行する土地区画整理事業については、市のみが設立した地方公社にあつては前項に規定する認可をもつて都市計画法第五十九条第一項に規定する認可と、その他の地方公社にあつては前項に規定する認可をもつて同条第二項に規定する認可とみなす。第四条第二項ただし書の規定は、この場合に準用する。
(施行規程及び事業計画)
第七十一条の三 地方公社は、前条第一項に規定する認可の申請をしようとする場合においては、第三項の規定により聴取した地方公共団体の長の意見を記載した書類を認可申請書に添付しなければならない。
2 第五十三条第二項の規定は、前条第一項の施行規程について、第六条の規定は、同項の事業計画について準用する。
3 地方公社は、前条第一項の事業計画を定めようとする場合においては、当該事業計画について、あらかじめ、施行地区となるべき区域をその区域に含む地方公共団体の長の意見を聴かなければならない。
4 建設大臣又は都道府県知事は、前条第一項に規定する認可の申請があつた場合においては、施行規程及び事業計画を二週間公衆の縦覧に供しなければならない。
5 利害関係者は、前項の規定により縦覧に供された施行規程及び事業計画について意見がある場合においては、縦覧期間満了の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、都道府県知事に意見書を提出することができる。ただし、都市計画において定められた事項については、この限りでない。
6 都道府県知事は、前項の規定により意見書の提出があつた場合においては、遅滞なく、当該意見書について都市計画地方審議会の意見を聴き、その意見を付して、これを建設大臣に送付しなければならない。ただし、当該意見書が市のみが設立した地方公社が定めた施行規程及び事業計画に係るものである場合においては、これを建設大臣に送付することを要しない。
7 都道府県知事は、第五項の期間内に地方公社(市のみが設立したものを除く。)が定めた施行規程及び事業計画について意見書の提出がなかつた場合においては、遅滞なく、その旨を建設大臣に報告しなければならない。
8 建設大臣(市のみが設立した地方公社が定めた施行規程及び事業計画に係る意見書については、都道府県知事)は、第五項の規定により提出された意見書の内容を審査し、その意見書に係る意見を採択すべきであると認める場合においては、地方公社に対し施行規程及び事業計画に必要な修正を加えるべきことを命じ、その意見書に係る意見を採択すべきでないと認める場合においては、その旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。
9 前項に規定する意見書の内容の審査については、行政不服審査法中処分についての異議申立ての審理に関する規定を準用する。
10 地方公社が第八項の規定により施行規程及び事業計画に必要な修正を加えた場合(政令で定める軽微な修正を加えた場合を除く。)においては、その修正に係る部分について、更に第四項からこの項までに規定する手続を行うべきものとする。
11 建設大臣又は都道府県知事は、前条第一項に規定する認可をした場合においては、遅滞なく、建設省令で定めるところにより、施行者の名称、事業施行期間、施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては、施行地区及び工区。以下この項において同じ。)その他建設省令で定める事項を公告し、かつ、関係都道府県知事及び関係市町村長に施行地区及び設計の概要を表示する図書を送付しなければならない。
12 市町村長は、第百三条第四項の公告の日まで、建設省令で定めるところにより、前項の図書を当該市町村の事務所において公衆の縦覧に供しなければならない。
13 地方公社は、第十一項の公告があるまでは、施行規程及び事業計画をもつて第三者に対抗することができない。
14 地方公社は、前条第一項の施行規程又は事業計画を変更しようとする場合においては、建設大臣(市のみが設立した地方公社にあつては、都道府県知事)の認可を受けなければならない。
15 第一項の規定は、前項に規定する認可の申請をしようとする場合について、第三項から第十項までの規定は、前条第一項の施行規程又は事業計画を変更しようとする場合(政令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)について、第十一項から第十三項までの規定は、前項に規定する認可をした場合について準用する。この場合において、第一項、第三項、第四項及び第十一項中「前条第一項」とあるのは「第十四項」と、第十一項中「を公告し」とあるのは「についての変更に係る事項を公告し」と、「施行地区及び設計の概要を」とあるのは「変更に係る施行地区又は設計の概要を」と、第十三項中「施行規程及び事業計画をもつて」とあるのは「施行規程又は事業計画の変更をもつて」と読み替えるものとする。
(土地区画整理審議会)
第七十一条の四 地方公社が施行する土地区画整理事業ごとに、地方公社に土地区画整理審議会(以下この節において「審議会」という。)を置く。
2 施行地区を工区に分けた場合においては、審議会は、工区ごとに置くことができる。
3 第五十六条第三項及び第四項並びに第五十七条から第六十四条までの規定は、前二項の規定により置かれる審議会について準用する。この場合において、第五十八条第三項、第七項及び第八項並びに第六十二条第一項中「都道府県知事又は市町村長」とあるのは「地方住宅供給公社理事長」と、第六十四条中「都道府県又は市町村」とあるのは「地方住宅供給公社」と読み替えるものとする。
(評価員)
第七十一条の五 第六十五条の規定は、地方公社が施行する土地区画整理事業について準用する。この場合において、同条第一項中「都道府県知事又は市町村長」とあるのは「地方住宅供給公社理事長」と、同条第一項及び第三項中「都道府県又は市町村」とあるのは「地方住宅供給公社」と読み替えるものとする。
(審議会の委員及び評価員の公務員たる性質)
第七十一条の六 審議会の委員及び前条において準用する第六十五条第一項の規定により選任される評価員は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第七十二条第一項中「又は市町村長」を「、市町村長又は地方住宅供給公社理事長(以下「地方公社理事長」という。)」に改める。
第七十三条第一項中「若しくは市町村」を「、市町村若しくは地方公社」に、「同条同項又は第六項」を「同項又は同条第六項」に、「因り」を「より」に改め、同条第四項中「若しくは市町村長」を「、市町村長若しくは地方公社理事長」に、「前条第一項又は第六項」を「同項又は同条第六項」に、「因り」を「より」に改める。
第七十四条中「若しくは市町村長」を「、市町村長若しくは地方公社理事長」に改める。
第七十五条の見出しを「(専門的技術等に関し必要な措置)」に改め、同条中「建設大臣に対し」の下に「、地方公社は建設大臣、都道府県知事及び市町村長に対し」を加え、同条に次の二項を加える。
2 建設大臣は、仮換地の指定及び換地処分の適正な実施その他土地区画整理事業の円滑な施行が進められるよう、広く当該事業に関する専門的知識の維持向上に努めるものとする。この場合において、建設大臣は、政令で定めるところにより、換地計画に関する専門的技術を有する者の養成確保を図るため必要な技術検定を行うことができる。
3 前項後段の技術検定を受けようとする者は、政令で定めるところにより、手数料を納付しなければならない。
第七十六条第一項中「左の」を「次の」に、「たい積」を「たい積」に改め、同項に次の一号を加える。
四 地方公社が施行する土地区画整理事業にあつては、施行規程及び事業計画の認可の公告又は事業計画の変更の認可の公告
第七十八条第三項中「若しくは市町村長」を「、市町村長若しくは地方公社理事長」に、「前条第一項又は第六項」を「同項又は同条第六項」に改める。
第七十九条第一項中「又は第四項」を「若しくは第四項又は第三条の四」に改める。
第八十六条第一項中「又は市町村長」を「、市町村長又は地方公社」に改める。
第八十八条第六項中「又は第四項」を「若しくは第四項又は第三条の四」に、「聞かなければ」を「聴かなければ」に改める。
第九十一条第一項、第九十二条第一項並びに第九十三条第一項及び第二項中「又は第四項」を「若しくは第四項又は第三条の四」に改める。
第九十五条第一項中「左の」を「次の」に改め、同項第一号中「と畜場」を「と畜場」に、「じんかい焼却場」を「ごみ焼却場」に改め、同項第三号中「養老施設」を「養護老人ホーム」に改め、同条第七項中「又は第四項」を「若しくは第四項又は第三条の四」に、「特別の定」を「特別の定め」に改める。
第九十六条第二項中「又は第四項」を「若しくは第四項又は第三条の四」に、「こえる」を「超える」に、「こえない」を「超えない」に改め、同条第三項中「又は第四項」を「若しくは第四項又は第三条の四」に改める。
第九十七条第一項中「又は市町村長」を「、市町村長又は地方公社」に改める。
第九十八条第三項中「又は第四項」を「若しくは第四項又は第三条の四」に、「聞かなければ」を「聴かなければ」に改める。
第百三条第三項中「又は市町村長」を「、市町村長又は地方公社」に改める。
第百四条第九項中「、第二項又は第三項の規定による」を「から第三項まで又は第三条の四の規定により施行する」に、「同条第四項の規定による」を「第三条第四項の規定により施行する」に改める。
第百八条第一項中「又は第四項」を「若しくは第四項又は第三条の四」に、「且つ」を「かつ」に改める。
第百九条第一項中「又は第四項」を「若しくは第四項又は第三条の四」に、「因り」を「より」に改める。
第百十条第三項中「第四項まで」の下に「又は第三条の四」を加え、「附した」を「付した」に改め、同条第四項中「又は第四項の規定による施行者は政令で」を「若しくは第四項又は第三条の四の規定による施行者は施行規程で」に、「十円以下」を「督促状の郵送に要する費用を勘案して建設省令で定める額以下」に改め、同条第五項中「又は第四項」を「若しくは第四項又は第三条の四」に改め、同条第八項中「第四項まで」の下に「又は第三条の四」を加え、「同条第二項」を「第四十二条第二項」に改める。
第百十八条第一項中「、第二項又は第三項」を「から第三項まで又は第三条の四」に改める。
第百二十条を削り、第百十九条の二第一項中「基き」を「基づき」に改め、同条を第百二十条とし、第百十九条の次に次の一条を加える。
第百十九条の二 地方公社は、地方公社が施行する土地区画整理事業の施行により利益を受ける地方公共団体に対し、その利益を受ける限度において、その土地区画整理事業に要する費用の一部を負担することを求めることができる。
2 前項の場合において、地方公共団体が負担する費用の額及び負担の方法は、地方公社と地方公共団体とが協議して定める。
3 前項に規定する協議が成立しない場合においては、当事者の申請に基づき、建設大臣が裁定する。この場合において、建設大臣は、当事者の意見を聴くとともに、自治大臣と協議しなければならない。
第百二十七条第十号を同条第十二号とし、同条第九号の次に次の二号を加える。
十 第七十一条の二第一項又は第七十一条の三第十四項の規定による認可
十一 第七十一条の三第八項(同条第十五項において準用する場合を含む。)の規定による通知
第百二十七条の二第一項中「又は都道府県」を「、都道府県又は地方公社」に、「又は市町村」を「、市町村又は市のみが設立した地方公社」に、「都道府県がした処分」を「都道府県又は地方公社(市のみが設立したものを除く。)がした処分」に改める。
第百二十八条第四項中「第十三条第三項」を「第十条第三項」に、「又は第六十九条第九項(同条第十三項及び第十六項において準用する場合を含む。)」を「、第六十九条第九項(同条第十三項及び第十六項において準用する場合を含む。)又は第七十一条の三第十一項(同条第十五項において準用する場合を含む。)」に改める。
第百三十条第一項中「第七十条第三項」の下に「及び第七十一条の四第三項」を加え、「あわせて」を「併せて」に、「但し」を「ただし」に改める。
第百三十六条中「、事業計画」を「事業計画」に改め、「場合において」の下に「、地方公社(市のみが設立したものを除く。)は第七十一条の二第一項の事業計画を定め、又は変更しようとする場合において」を加え、「聞かなければ」を「聴かなければ」に、「但し」を「ただし」に改める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第七十五条の見出しの改正規定及び同条に二項を加える改正規定は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の一部改正)
2 大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)の一部を次のように改正する。
第十一条第三項中「住宅・都市整備公団」の下に「又は地方住宅供給公社」を、「当該公団」の下に「又は地方住宅供給公社」を加える。
第二十一条第一項中「第三条の三第一項」を「第三条の四」に改める。
(住宅・都市整備公団法の一部改正)
3 住宅・都市整備公団法(昭和五十六年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
第四十七条第一項中「第百十九条の二」を「第百二十条」に改める。
建設大臣 始関伊平
内閣総理大臣 鈴木善幸