(賃率等の決定の特例)
第十条の二 当分の間、鉄道の普通旅客運賃の賃率、航路の普通旅客運賃又は車扱貨物運賃の賃率は、第三条第一項、第四条又は第七条第二項の規定にかかわらず、運輸大臣の認可を受けて日本国有鉄道が定める賃率又は運賃による。
2 日本国有鉄道の一の事業年度の決算における繰越欠損金の額が、昭和五十一年十一月五日に日本国有鉄道法(昭和二十三年法律第二百五十六号)第五十四条の五の政令で定められた債務の昭和五十一年三月三十一日における未償還元金の合計額に相当する額を超えないこととなつたときは、当該決算の完結後、前項の規定により新たな賃率又は運賃を定めることはできないものとする。
第十条の三 前条第一項の規定により賃率又は運賃を定めることができる間においては、運輸大臣は、同項の賃率若しくは運賃又は第九条の二の運賃若しくは料金(以下「賃率等」という。)の認可をしようとするときは、当該認可に係る新たな賃率等の実施の日の属する日本国有鉄道の事業年度(以下「実施年度」という。)において実施されるすべての新たな賃率等の実施による収入の増加見込額の総額が、実施年度の日本国有鉄道の経費の増加見込額を超えないように、これをしなければならない。
2 前項の新たな賃率等の実施による収入の増加見込額は、新たな賃率等が実施年度の初日から末日まで実施されるとした場合における実施年度の収入の見込額から、新たな賃率等の実施により廃止される賃率等が実施年度の初日から末日まで実施されたとした場合における実施年度の収入の見込額を控除して得た額とする。
3 第一項の実施年度の日本国有鉄道の経費の増加見込額は、実施年度の前事業年度(以下単に「前事業年度」という。)の日本国有鉄道の経費の額に物価等変動率(日本国有鉄道の経費の変動に影響する物価及び賃金の変動を示す指標として、政令で定めるところにより、実施年度の初日の属する年の前年及び前々年の卸売物価指数、消費者物価指数及び賃金指数を基礎とし、日本国有鉄道の経費の構成を勘案して算定される率をいう。以下同じ。)を乗じて得た額から、前事業年度の日本国有鉄道の経費の額(前事業年度において実施された新たな賃率等がなかつた場合又はこれに準ずるものとして政令で定める場合は、実施年度の前々事業年度の日本国有鉄道の経費の額)を控除して得た額とする。この場合において、前事業年度の決算が完結していないときは、実施年度の前々事業年度の日本国有鉄道の経費の額に物価等変動率を乗じて得た額を前事業年度の日本国有鉄道の経費の額とする。
4 第一項及び前項の日本国有鉄道の経費は、日本国有鉄道法第三条第一項第一号及び第二号に掲げる業務並びにこれらの業務に係る同項第五号に掲げる業務に係る日本国有鉄道の経費に限るものとする。