経済協力開発機構金融支援基金への加盟に伴う措置に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和五十一年五月二十九日
内閣総理大臣 三木武夫
経済協力開発機構金融支援基金への加盟に伴う措置に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、経済協力開発機構金融支援基金(以下「基金」という。)へ加盟するために必要な措置を講じ、及び経済協力開発機構金融支援基金を設立する協定(以下「協定」という。)の円滑な履行を確保することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 特別引出権 協定第三条第一項(a)に規定する特別引出権をいう。
二 実際上交換可能通貨 協定第七条第五項(b)に規定する実際上交換可能通貨をいう。
三 貸付予約 協定第七条第二項に規定する貸付予約をいう。
(基金との取引等)
第三条 政府は、当分の間、外国為替資金特別会計の負担において、次に掲げる取引を行うことができる。
一 二十三億四千万特別引出権に相当する金額の範囲内で行う実際上交換可能通貨による基金への貸付け(基金に対する貸付予約を含む。)又は他の加盟国(基金の加盟国をいう。以下同じ。)が基金に対して有する貸付債権の当該他の加盟国からの実際上交換可能通貨による譲受け
二 基金からの実際上交換可能通貨による借入れ又は我が国が基金に対して有する貸付債権の他の加盟国への実際上交換可能通貨による譲渡し
(基金への貸付け等のための資金の借入れ等)
第四条 政府は、前条第一号に掲げる貸付け(同号に規定する貸付予約の履行を含む。)又は譲受けのため必要がある場合には、外国為替資金特別会計の負担において、同号に規定する金額の範囲内で、日本銀行、外国為替及び外国貿易管理法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第十一条に規定する外国為替公認銀行又は外国にある外国銀行から、実際上交換可能通貨により預入を受け又は借入れを行うことができる。
(実施規定)
第五条 前二条に定めるもののほか、協定の履行のため必要な事項は、政令で定める。
附 則
2 大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第十三条第九号中「及びアフリカ開発基金」を「、アフリカ開発基金及び経済協力開発機構金融支援基金」に改める。
3 外国為替資金特別会計法(昭和二十六年法律第五十六号)の一部を次のように改正する。
附則中第十七項を第二十一項とし、第十六項を第二十項とし、第十五項を第十九項とし、第十四項の次に次の四項を加える。
15 外国為替資金に属する実際上交換可能通貨(経済協力開発機構金融支援基金への加盟に伴う措置に関する法律(昭和五十一年法律第三十八号。以下「加盟措置法」という。)第二条第二号に規定する実際上交換可能通貨をいう。以下同じ。)は、加盟措置法第三条第一号に掲げる貸付け(同号に規定する貸付予約の履行を含む。)及び譲受けのために充てることができるものとし、同条第二号に掲げる取引並びに加盟措置法第四条の規定による預入の受入れ及び借入れに係る実際上交換可能通貨は、外国為替資金に受け入れられるものとする。
16 加盟措置法第三条各号に掲げる取引並びに加盟措置法第四条の規定による預入の受入れ及び借入れに係る利子又は手数料の収入又は支出は、この会計の歳入又は歳出とし、当該収入又は支出は、第十三条及び第十四条に規定する収納済額の合計額又は支出済額等の合計額に含めるものとする。
17 この会計の負担に属する加盟措置法第三条第二号に掲げる借入れ及び加盟措置法第四条の規定による借入れに係る利子の支出に必要な金額は、毎会計年度、国債整理基金特別会計に繰り入れなければならない。
18 加盟措置法第三条各号に掲げる取引並びに加盟措置法第四条の規定による預入の受入れ及び借入れにより発生する加盟措置法第二条第一号に規定する特別引出権をもつて表示される債権又は債務の価額並びに当該価額の改定及びこれに伴う損益の処理については、政令で定める。