会社臨時特別税法
法令番号: 法律第11号
公布年月日: 昭和49年3月30日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

石油ショックや物不足に便乗して巨額の利益を得た企業のインフレ利得を吸収し、国民福祉に還元する必要性が強く求められている。超過利得税や臨時利得税構想には基本的な難点があり、社会党は法人臨時付加税案を提示したが、自民党は財界の要求に応じて後退を重ねた。野党四党は3月期決算に間に合う法案提出を求めたが、自民党は消極的な姿勢を示した。そこで社会党は、国民要求に応えるため、会社臨時特別税法案を単独で提案するに至った。本法案は、株式会社等を対象に、所得年5億円超の部分に10%の税率を課し、2年以内の期限付きで実施するものである。

参照した発言:
第72回国会 衆議院 大蔵委員会 第23号

審議経過

第72回国会

衆議院
(昭和49年3月28日)
(昭和49年3月28日)
参議院
(昭和49年3月28日)
(昭和49年3月29日)
(昭和49年3月30日)
(昭和49年4月12日)
会社臨時特別税法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十九年三月三十日
内閣総理大臣 田中角榮
法律第十一号
会社臨時特別税法
目次
第一章
総則(第一条―第三条)
第二章
課税標準及びその計算(第四条―第七条)
第三章
税額の計算(第八条―第十条)
第四章
申告及び納付等(第十一条―第十六条)
第五章
雑則(第十七条―第二十一条)
第六章
罰則(第二十二条―第二十七条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この法律は、最近における物価の高騰その他の我が国経済の異常な事態にかんがみ、臨時の措置として、会社臨時特別税を課税するため必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 内国会社 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第二条第三号(定義)に規定する内国法人である会社(保険業法(昭和十四年法律第四十一号)に規定する相互会社を含む。)をいう。
二 外国会社 法人税法第二条第四号に規定する外国法人である会社(保険業法に規定する相互会社に準ずるものとして政令で定めるものを含む。)をいう。
三 事業年度 法人税法第一編第五章(事業年度)に規定する事業年度をいう。
四 納税地 法人税法第一編第六章(納税地)に規定する納税地をいう。
五 国内源泉所得 法人税法第三編第一章(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得をいう。
六 更正の請求 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二十三条第二項(更正の請求)に規定する更正の請求をいう。
七 更正又は決定 国税通則法第二十四条(更正)若しくは第二十六条(再更正)の規定による更正又は同法第二十五条(決定)の規定による決定をいう。
八 会社臨時特別税申告書 第十一条第―項(課税標準及び税額の申告)(第十六条(外国会社の申告及び納付等)において準用する場合を含む。)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
九 期限後申告書又は修正申告書 それぞれ国税通則法第十八条第二項(期限後申告書)又は第十九条第三項(修正申告書)に規定する期限後申告書又は修正申告書をいう。
(納税義務者)
第三条 内国会社は、この法律により、次条第一項に規定する適用年度の課税標準法人税額につき、会社臨時特別税を納める義務がある。
2 外国会社は、国内源泉所得があるときは、この法律により、次条第一項に規定する適用年度の課税標準法人税額につき、会社臨時特別税を納める義務がある。
第二章 課税標準及びその計算
(内国会社に係る課税標準)
第四条 内国会社の会社臨時特別税の課税標準は、適用年度の課税標準法人税額とする。
2 前項に規定する適用年度とは、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から同日以後二年を経過する日までの期間内に終了する各事業年度をいう。ただし、事業年度の変更その他の事由により、当該各事業年度の月数の合計が二十四月に満たないこととなる内国会社又は当該月数の合計が二十四月を超えることとなる内国会社については、これらの会社の施行日以後最初に終了する事業年度の開始の日から同日以後二年を経過する日までの期間内の日を含む各事業年度をいう。
3 前項に規定する月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
4 前二項に定めるもののほか、施行日から同日以後二年を経過する日までの期間内に新たに設立された内国会社の適用年度その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(各事業年度の課税標準法人税額の計算)
第五条 内国会社の各事業年度(前条第一項に規定する適用年度に該当する各事業年度をいう。以下同じ。)の課税標準法人税額は、各事業年度の算出法人税額のうち年五億円(年五億円が当該各事業年度終了の時における資本の金額又は出資金額の年百分の二十に相当する金額に満たない場合には、当該金額とする。第二号において同じ。)を超える所得の金額に対応する部分の金額とし、当該金額は、当該算出法人税額に、第一号に掲げる金額のうちに占める第二号に掲げる金額の割合を乗じて計算した金額とする。
一 法人税の課税標準である各事業年度の所得の金額(清算中の各事業年度の所得の金額を含む。)
二 前号に掲げる金額から年五億円に相当する金額を控除した金額
2 前項に規定する算出法人税額とは、法人税法第六十七条から第七十条の二まで(同族会社の特別税率及び税額控除)の規定及び租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第六十三条(土地の譲渡等がある場合の特別税率)の規定を適用しないで計算した場合の各事業年度の所得に対する法人税の額(清算中の事業年度の所得に対する法人税の額を含み、国税通則法第二条第四号(定義)に規定する附帯税の額を除く。)をいう。
3 前条第二項ただし書に規定する内国会社の施行日から同日以後二年を経過する日までの期間内に最初に終了する事業年度の開始の日から二年を経過する日以前に開始し、かつ、同日後に終了する事業年度の課税標準法人税額は、第一項の規定にかかわらず、同項に規定する計算した金額のうち当該最初に終了する事業年度開始の日から同日以後二年を経過する日までの期間で同日を含む事業年度に係るものに対応する金額として政令で定めるところにより計算した金額とする。
4 事業年度が一年に満たない内国会社に対する第一項の規定の適用については、同項中「年五億円」とあるのは「五億円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」と、「の年百分の二十に相当する」とあるのは「に、百分の二十を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて算出した割合を乗じて計算した」とする。
5 前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
6 第二項から前項までに定めるもののほか、資本又は出資を有しない内国会社の資本の金額又は出資金額の計算その他第一項の課税標準法人税額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
(外国会社に係る課税標準)
第六条 外国会社の会社臨時特別税の課税標準は、国内源泉所得に係る第四条第一項(内国会社に係る課税標準)に規定する適用年度の課税標準法人税額とする。
(国内源泉所得に係る各事業年度の課税標準法人税額の計算)
第七条 外国会社の国内源泉所得に係る各事業年度の課税標準法人税額は、国内源泉所得に係る各事業年度の法人税の額を基礎として、政令で定めるところにより、第五条(各事業年度の課税標準法人税額の計算)の規定に準じて計算した金額とする。
第三章 税額の計算
(内国会社に係る税率)
第八条 内国会社に対して課する会社臨時特別税の額は、各事業年度の課税標準法人税額に百分の十の税率を乗じて計算した金額とする。
(外国税額の控除)
第九条 会社臨時特別税申告書を提出する内国会社が各事業年度において法人税法第六十九条第一項(外国税額の控除)に規定する外国法人税を納付し、かつ、同項の規定の適用を受ける場合において、当該外国法人税の額のうち同項の控除限度額を超える金額があるときは、当該事業年度の課税標準法人税額につき前条の規定を適用して計算した会社臨時特別税の額のうち、当該事業年度の所得でその源泉が国外にあるものに対応するものとして政令で定めるところにより計算した額を限度として、当該超える金額を第十二条(会社臨時特別税の期限内申告による納付)の規定により申告納付すべき会社臨時特別税の額から控除する。
2 法人税法第六十九条第七項及び第九項の規定は、前項の規定を適用する場合について準用する。
(外国会社に係る税率)
第十条 外国会社に対して課する会社臨時特別税の額は、国内源泉所得に係る各事業年度の課税標準法人税額に百分の十の税率を乗じて計算した金額とする。
第四章 申告及び納付等
(課税標準及び税額の申告)
第十一条 内国会社は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。ただし、第一号に掲げる課税標準法人税額がない場合には、当該申告書を提出することを要しない。
一 当該事業年度の課税標準である課税標準法人税額
二 前号に掲げる課税標準法人税額につき第八条(内国会社に係る税率)及び第九条(外国税額の控除)の規定を適用して計算した会社臨時特別税の額
三 前二号に掲げる金額の計算の基礎その他大蔵省令で定める事項
2 法人税法第七十五条(確定申告書の提出期限の延長)の規定は、会社臨時特別税申告書の提出期限について準用する。
(会社臨時特別税の期限内申告による納付)
第十二条 前条第一項の規定による申告書を提出した内国会社は、当該申告書に記載した同項第二号に掲げる金額があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する会社臨時特別税を国に納付しなければならない。
(更正の請求の特例)
第十三条 法人税法第八十二条(前事業年度の法人税額等の更正等に伴う更正の請求の特例)の規定は、会社臨時特別税申告書に記載すべき第十一条第一項第一号若しくは第二号(課税標準及び税額の申告)に掲げる金額又は同法第二条第三十一号(定義)に規定する確定申告書に記載すべき同法第七十四条第一項第一号から第五号まで(確定申告書の記載事項)に掲げる金額につき、修正申告書を提出し又は更正若しくは決定を受けた内国会社について、その修正申告書の提出又は更正若しくは決定に伴い、これらに係る事業年度後の事業年度の会社臨時特別税申告書に記載した、又は決定を受けた当該事業年度に係る第十一条第一項第一号又は第二号に掲げる金額(当該金額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の金額)が過大となる場合に、準用する。
(青色申告)
第十四条 内国会社が法人税法第百二十一条第一項(青色申告)の承認を受けている場合には、会社臨時特別税申告書及び当該申告書に係る修正申告書についても、青色の申告書により提出することができる。
(更正及び決定)
第十五条 法人税法第百三十条から第百三十二条まで(青色申告書に係る更正等)の規定は、内国会社の各事業年度の会社臨時特別税に係る課税標準又は会社臨時特別税の額の更正又は決定について準用する。
(外国会社の申告及び納付等)
第十六条 第十一条第一項(課税標準及び税額の申告)及び第十二条から第十四条まで(会社臨時特別税の期限内申告による納付等)並びに法人税法第七十五条(確定申告書の提出期限の延長)及び第百三十条から第百三十二条まで(青色申告書に係る更正等)の規定は、外国会社の各事業年度の課税標準法人税額に対する会社臨時特別税についての申告、納付、更正の請求、青色申告及び更正又は決定について準用する。
第五章 雑則
(代表者等の自署押印)
第十七条 法人税法第百五十一条(代表者等の自署押印)の規定は、会社(内国会社及び外国会社をいう。以下同じ。)の提出する会社臨時特別税申告書(当該申告書に係る修正申告書を含む。次条において同じ。)について準用する。
(申告書の公示)
第十八条 税務署長は、会社臨時特別税申告書に記載された各事業年度の第十一条第一項第二号(会社臨時特別税の納付税額)に掲げる税額がある会社について、大蔵省令で定めるところにより、その会社の名称、当該申告書に記載された課税標準法人税額及び会社臨時特別税の額その他の事項を公示しなければならない。
(当該職員の質問検査権)
第十九条 国税庁の当該職員又は会社の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は、会社臨時特別税に関する調査について必要があるときは、会社に質問し、又はその帳簿書類その他の物件を検査することができる。
2 国税庁の当該職員又は会社の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は、会社臨時特別税に関する調査について必要があるときは、会社に対し、金銭の支払若しくは物品の譲渡をする義務があると認められる者又は金銭の支払若しくは物品の譲渡を受ける権利があると認められる者に質問し、又はその事業に関する帳簿書類を検査することができる。
3 前二項の規定は、国税庁の当該職員及び納税地の所轄税務署又は所轄国税局の当該職員以外の当該職員のその所属する税務署又は国税局の所轄区域内に本店、支店、工場、営業所その他これらに準ずるものを有する会社に対する質問又は検査について準用する。
4 前三項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
5 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第一項又は第二項(これらの規定を第三項において準用する場合を含む。)の規定による質問又は検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
(会社臨時特別税に係る法人税法等の適用の特例)
第二十条 会社臨時特別税に関する次の表の第一欄に掲げる法律の適用については、同表の第二欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、同表の第四欄に掲げる字句とする。
法律
条項
読み替えられる字句
読み替えた字句
法人税法
第二条第十八号(定義)
法人税(
会社臨時特別税(附帯税を除く。)及び法人税(
第三十八条第一項(法人税額等の損金不算人)
法人税の額
会社臨時特別税の額及び法人税の額
延長の場合の利子税)
延長の場合の利子税)(会社臨時特別税法(昭和四十九年法律第十一号)第十一条第二項(会社臨時特別税の提出期限の延長)において準用する場合を含む。)
第六十七条第二項(同族会社の特別税率)
から、当該事業年度の所得
から、当該事業年度の会社臨時特別税法に規定する課税標準法人税額につき同法第八条(内国会社に係る税率)及び第九条(外国税額の控除)の規定により計算した会社臨時特別税の額及び当該事業年度の所得
第六十九条第二項(外国税額の控除)
控除限度額と
控除限度額及び会社臨時特別税控除限度額として政令で定める金額と
第八十二条(前事業年度の法人税額等の更正等に伴う更正の請求の特例)
掲げる金額につき
掲げる金額又は会社臨時特別税法第十一条第一項第一号若しくは第二号(課税標準又は税額の申告)に掲げる金額につき
第九十四条第一号(法人税額等の残余財産価額への算入)
法人税の
法人税又は会社臨時特別税の
所得に対する法人税
所得に対する法人税及び当該各事業年度の会社臨時特別税法に規定する課税標準法人税額に対する会社臨時特別税
国税通則法
第十五条第二項第三号(納税義務の成立)
法人税
法人税及び会社臨時特別税
第二十一条第二項(納税申告書の提出先等)、第三十条第二項(更正又は決定の所轄庁)、第三十三条第二項(賦課決定の所轄庁)及び第四十三条第二項(国税の徴収の所轄庁)
法人税
法人税、会社臨時特別税
第七十五条第四項第一号(国税に関する処分についての不服申立て)
又は法人税法
、法人税法又は会社臨時特別税法(昭和四十九年法律第十一号)
第八十五条第一項(納税地異動の場合における異議申立先等)及び第八十六条第一項(異議申立事件の決定機関の特例)
法人税
法人税、会社臨時特別税
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)
第三十六条第二号(実質課税額等の第二次納税義務)
法人税法第百三十二条(同族会社等の行為又は計算の否認)
法人税法第百三十二条(同族会社等の行為又は計算の否認)(会社臨時特別税法(昭和四十九年法律第十一号)第十五条(更正及び決定)及び第十六条(外国会社の申告及び納付等)において準用する場合を含む。)
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)
第五十三条第八項(道府県民税の外国税額控除)
控除限度額
控除限度額と会社臨時特別税法(昭和四十九年法律第十一号)第九条第一項(外国税額の控除)に規定する政令で定めるところにより計算した金額との合計額
第三百二十一条の八第八項(市町村民税の外国税額控除)
控除限度額及び
控除限度額及び会社臨時特別税法第九条第一項(外国税額の控除)に規定する政令で定めるところにより計算した金額と
政令で定めるもの
政令で定めるものとの合計額
2 前項に定めるもののほか、法人税又は会社臨時特別税に関する国税通則法の規定の適用については、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるところによる。
一 法人税又は会社臨時特別税の更正、決定又は国税通則法第三十二条第五項(賦課決定)に規定する賦課決定(以下「更正決定等」という。)に係る不服申立て若しくは訴えについての裁決、決定若しくは判決(以下「裁決等」という。)による原処分の異動又は更正の請求に基づく更正に伴つて課税標準等又は税額等(同法第十九条第一項(修正申告)に規定する課税標準等及び税額等をいう。以下同じ。)に異動を生ずべき会社臨時特別税又は法人税で当該裁決等又は更正を受けた者に係るものがある場合 同法第七十一条第一号(国税の更正、決定等の期間制限の特例)の規定の適用については、法人税及び会社臨時特別税は、これを一の税目に属する国税とみなす。
二 法人税又は会社臨時特別税の更正決定等について不服申立てがされている場合において、当該法人税又は会社臨時特別税と納税義務者及び事業年度を共通にする他の会社臨時特別税又は法人税についてされた更正決定等があるとき 国税通則法第九十条第一項若しくは第二項(他の審査請求に伴うみなす審査請求)、第百四条第二項(併合審理等)又は第百十五条第一項第二号(不服申立ての前置等)の規定の適用については、当該他の会社臨時特別税又は法人税についてされた更正決定等は、当該法人税又は会社臨時特別税の課税標準等又は税額等についてされた他の更正決定等とみなす。
3 前二項に定めるもののほか、会社臨時特別税に関する法人税法その他の法令の規定の適用に関し必要な技術的読替えその他の事項は、政令で定める。
(政令への委任)
第二十一条 第四条から前条まで(内国会社に係る課税標準等)に定めるもののほか、この法律の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第六章 罰則
第二十二条 偽りその他不正の行為により、第十一条第一項第二号(申告に係る会社臨時特別税額)(第十六条(外国会社の申告及び納付等)において準用する場合を含む。)に規定する会社臨時特別税の額につき会社臨時特別税を免れた場合には、会社の代表者、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の免れた会社臨時特別税の額が五百万円を超えるときは、情状により、同項の罰金は、五百万円を超えその免れた会社臨時特別税の額に相当する金額以下とすることができる。
第二十三条 正当な理由がなくて第十一条第一項(課税標準及び税額の申告)(第十六条(外国会社の申告及び納付等)において準用する場合を含む。)の規定による申告書をその提出期限までに提出しなかつた場合には、会社の代表者、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。
第二十四条 第十七条(代表者の自署押印)において準用する法人税法第百五十一条第一項から第三項まで(代表者等の自署押印)の規定に違反した者又はこれらの規定に違反する第十七条に規定する会社臨時特別税申告書の提出があつた場合のその行為をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。
第二十五条 次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 第十九条第一項又は第二項(当該職員の質問検査権)(これらの規定を同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による当該職員の質問に対して答弁せず若しくは偽りの答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ若しくは忌避した者
二 前号の検査に関し偽りの記載をした帳簿書類を提示した者
第二十六条 会社臨時特別税の調査に関する事務に従事している者又は従事していた者が、その事務に関して知ることのできた秘密を漏らし又は盗用したときは、これを二年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
第二十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第二十二条(会社臨時特別税を免れる罪)、第二十三条(申告書を提出しない罪)又は第二十五条(検査を拒む等の罪)の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金を科する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和四十九年三月三十一日から施行する。
(税率に関する経過措置)
2 会社の施行日から昭和四十九年四月三十日までの間に終了する事業年度の課税標準法人税額に対する第八条(内国会社に係る税率)及び第十条(外国会社に係る税率)の規定の適用については、これらの規定中「百分の十」とあるのは、「百分の十・八」とする。
(廃止)
3 この法律は、第一条(趣旨)に規定する事態が消滅したと認められるに至つたときは、施行日から二年以内においても、廃止するものとする。この場合においては、会社の施行日から一年以内に終了する事業年度についてこの法律が適用されることとなる等必要な措置を講じなければならない。
大蔵大臣 福田赳夫
内閣総理大臣 田中角榮
会社臨時特別税法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十九年三月三十日
内閣総理大臣 田中角栄
法律第十一号
会社臨時特別税法
目次
第一章
総則(第一条―第三条)
第二章
課税標準及びその計算(第四条―第七条)
第三章
税額の計算(第八条―第十条)
第四章
申告及び納付等(第十一条―第十六条)
第五章
雑則(第十七条―第二十一条)
第六章
罰則(第二十二条―第二十七条)
附則
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この法律は、最近における物価の高騰その他の我が国経済の異常な事態にかんがみ、臨時の措置として、会社臨時特別税を課税するため必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 内国会社 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第二条第三号(定義)に規定する内国法人である会社(保険業法(昭和十四年法律第四十一号)に規定する相互会社を含む。)をいう。
二 外国会社 法人税法第二条第四号に規定する外国法人である会社(保険業法に規定する相互会社に準ずるものとして政令で定めるものを含む。)をいう。
三 事業年度 法人税法第一編第五章(事業年度)に規定する事業年度をいう。
四 納税地 法人税法第一編第六章(納税地)に規定する納税地をいう。
五 国内源泉所得 法人税法第三編第一章(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得をいう。
六 更正の請求 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第二十三条第二項(更正の請求)に規定する更正の請求をいう。
七 更正又は決定 国税通則法第二十四条(更正)若しくは第二十六条(再更正)の規定による更正又は同法第二十五条(決定)の規定による決定をいう。
八 会社臨時特別税申告書 第十一条第―項(課税標準及び税額の申告)(第十六条(外国会社の申告及び納付等)において準用する場合を含む。)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
九 期限後申告書又は修正申告書 それぞれ国税通則法第十八条第二項(期限後申告書)又は第十九条第三項(修正申告書)に規定する期限後申告書又は修正申告書をいう。
(納税義務者)
第三条 内国会社は、この法律により、次条第一項に規定する適用年度の課税標準法人税額につき、会社臨時特別税を納める義務がある。
2 外国会社は、国内源泉所得があるときは、この法律により、次条第一項に規定する適用年度の課税標準法人税額につき、会社臨時特別税を納める義務がある。
第二章 課税標準及びその計算
(内国会社に係る課税標準)
第四条 内国会社の会社臨時特別税の課税標準は、適用年度の課税標準法人税額とする。
2 前項に規定する適用年度とは、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)から同日以後二年を経過する日までの期間内に終了する各事業年度をいう。ただし、事業年度の変更その他の事由により、当該各事業年度の月数の合計が二十四月に満たないこととなる内国会社又は当該月数の合計が二十四月を超えることとなる内国会社については、これらの会社の施行日以後最初に終了する事業年度の開始の日から同日以後二年を経過する日までの期間内の日を含む各事業年度をいう。
3 前項に規定する月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
4 前二項に定めるもののほか、施行日から同日以後二年を経過する日までの期間内に新たに設立された内国会社の適用年度その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
(各事業年度の課税標準法人税額の計算)
第五条 内国会社の各事業年度(前条第一項に規定する適用年度に該当する各事業年度をいう。以下同じ。)の課税標準法人税額は、各事業年度の算出法人税額のうち年五億円(年五億円が当該各事業年度終了の時における資本の金額又は出資金額の年百分の二十に相当する金額に満たない場合には、当該金額とする。第二号において同じ。)を超える所得の金額に対応する部分の金額とし、当該金額は、当該算出法人税額に、第一号に掲げる金額のうちに占める第二号に掲げる金額の割合を乗じて計算した金額とする。
一 法人税の課税標準である各事業年度の所得の金額(清算中の各事業年度の所得の金額を含む。)
二 前号に掲げる金額から年五億円に相当する金額を控除した金額
2 前項に規定する算出法人税額とは、法人税法第六十七条から第七十条の二まで(同族会社の特別税率及び税額控除)の規定及び租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第六十三条(土地の譲渡等がある場合の特別税率)の規定を適用しないで計算した場合の各事業年度の所得に対する法人税の額(清算中の事業年度の所得に対する法人税の額を含み、国税通則法第二条第四号(定義)に規定する附帯税の額を除く。)をいう。
3 前条第二項ただし書に規定する内国会社の施行日から同日以後二年を経過する日までの期間内に最初に終了する事業年度の開始の日から二年を経過する日以前に開始し、かつ、同日後に終了する事業年度の課税標準法人税額は、第一項の規定にかかわらず、同項に規定する計算した金額のうち当該最初に終了する事業年度開始の日から同日以後二年を経過する日までの期間で同日を含む事業年度に係るものに対応する金額として政令で定めるところにより計算した金額とする。
4 事業年度が一年に満たない内国会社に対する第一項の規定の適用については、同項中「年五億円」とあるのは「五億円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」と、「の年百分の二十に相当する」とあるのは「に、百分の二十を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて算出した割合を乗じて計算した」とする。
5 前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
6 第二項から前項までに定めるもののほか、資本又は出資を有しない内国会社の資本の金額又は出資金額の計算その他第一項の課税標準法人税額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
(外国会社に係る課税標準)
第六条 外国会社の会社臨時特別税の課税標準は、国内源泉所得に係る第四条第一項(内国会社に係る課税標準)に規定する適用年度の課税標準法人税額とする。
(国内源泉所得に係る各事業年度の課税標準法人税額の計算)
第七条 外国会社の国内源泉所得に係る各事業年度の課税標準法人税額は、国内源泉所得に係る各事業年度の法人税の額を基礎として、政令で定めるところにより、第五条(各事業年度の課税標準法人税額の計算)の規定に準じて計算した金額とする。
第三章 税額の計算
(内国会社に係る税率)
第八条 内国会社に対して課する会社臨時特別税の額は、各事業年度の課税標準法人税額に百分の十の税率を乗じて計算した金額とする。
(外国税額の控除)
第九条 会社臨時特別税申告書を提出する内国会社が各事業年度において法人税法第六十九条第一項(外国税額の控除)に規定する外国法人税を納付し、かつ、同項の規定の適用を受ける場合において、当該外国法人税の額のうち同項の控除限度額を超える金額があるときは、当該事業年度の課税標準法人税額につき前条の規定を適用して計算した会社臨時特別税の額のうち、当該事業年度の所得でその源泉が国外にあるものに対応するものとして政令で定めるところにより計算した額を限度として、当該超える金額を第十二条(会社臨時特別税の期限内申告による納付)の規定により申告納付すべき会社臨時特別税の額から控除する。
2 法人税法第六十九条第七項及び第九項の規定は、前項の規定を適用する場合について準用する。
(外国会社に係る税率)
第十条 外国会社に対して課する会社臨時特別税の額は、国内源泉所得に係る各事業年度の課税標準法人税額に百分の十の税率を乗じて計算した金額とする。
第四章 申告及び納付等
(課税標準及び税額の申告)
第十一条 内国会社は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。ただし、第一号に掲げる課税標準法人税額がない場合には、当該申告書を提出することを要しない。
一 当該事業年度の課税標準である課税標準法人税額
二 前号に掲げる課税標準法人税額につき第八条(内国会社に係る税率)及び第九条(外国税額の控除)の規定を適用して計算した会社臨時特別税の額
三 前二号に掲げる金額の計算の基礎その他大蔵省令で定める事項
2 法人税法第七十五条(確定申告書の提出期限の延長)の規定は、会社臨時特別税申告書の提出期限について準用する。
(会社臨時特別税の期限内申告による納付)
第十二条 前条第一項の規定による申告書を提出した内国会社は、当該申告書に記載した同項第二号に掲げる金額があるときは、当該申告書の提出期限までに、当該金額に相当する会社臨時特別税を国に納付しなければならない。
(更正の請求の特例)
第十三条 法人税法第八十二条(前事業年度の法人税額等の更正等に伴う更正の請求の特例)の規定は、会社臨時特別税申告書に記載すべき第十一条第一項第一号若しくは第二号(課税標準及び税額の申告)に掲げる金額又は同法第二条第三十一号(定義)に規定する確定申告書に記載すべき同法第七十四条第一項第一号から第五号まで(確定申告書の記載事項)に掲げる金額につき、修正申告書を提出し又は更正若しくは決定を受けた内国会社について、その修正申告書の提出又は更正若しくは決定に伴い、これらに係る事業年度後の事業年度の会社臨時特別税申告書に記載した、又は決定を受けた当該事業年度に係る第十一条第一項第一号又は第二号に掲げる金額(当該金額につき修正申告書の提出又は更正があつた場合には、その申告又は更正後の金額)が過大となる場合に、準用する。
(青色申告)
第十四条 内国会社が法人税法第百二十一条第一項(青色申告)の承認を受けている場合には、会社臨時特別税申告書及び当該申告書に係る修正申告書についても、青色の申告書により提出することができる。
(更正及び決定)
第十五条 法人税法第百三十条から第百三十二条まで(青色申告書に係る更正等)の規定は、内国会社の各事業年度の会社臨時特別税に係る課税標準又は会社臨時特別税の額の更正又は決定について準用する。
(外国会社の申告及び納付等)
第十六条 第十一条第一項(課税標準及び税額の申告)及び第十二条から第十四条まで(会社臨時特別税の期限内申告による納付等)並びに法人税法第七十五条(確定申告書の提出期限の延長)及び第百三十条から第百三十二条まで(青色申告書に係る更正等)の規定は、外国会社の各事業年度の課税標準法人税額に対する会社臨時特別税についての申告、納付、更正の請求、青色申告及び更正又は決定について準用する。
第五章 雑則
(代表者等の自署押印)
第十七条 法人税法第百五十一条(代表者等の自署押印)の規定は、会社(内国会社及び外国会社をいう。以下同じ。)の提出する会社臨時特別税申告書(当該申告書に係る修正申告書を含む。次条において同じ。)について準用する。
(申告書の公示)
第十八条 税務署長は、会社臨時特別税申告書に記載された各事業年度の第十一条第一項第二号(会社臨時特別税の納付税額)に掲げる税額がある会社について、大蔵省令で定めるところにより、その会社の名称、当該申告書に記載された課税標準法人税額及び会社臨時特別税の額その他の事項を公示しなければならない。
(当該職員の質問検査権)
第十九条 国税庁の当該職員又は会社の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は、会社臨時特別税に関する調査について必要があるときは、会社に質問し、又はその帳簿書類その他の物件を検査することができる。
2 国税庁の当該職員又は会社の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は、会社臨時特別税に関する調査について必要があるときは、会社に対し、金銭の支払若しくは物品の譲渡をする義務があると認められる者又は金銭の支払若しくは物品の譲渡を受ける権利があると認められる者に質問し、又はその事業に関する帳簿書類を検査することができる。
3 前二項の規定は、国税庁の当該職員及び納税地の所轄税務署又は所轄国税局の当該職員以外の当該職員のその所属する税務署又は国税局の所轄区域内に本店、支店、工場、営業所その他これらに準ずるものを有する会社に対する質問又は検査について準用する。
4 前三項の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
5 国税庁、国税局又は税務署の当該職員は、第一項又は第二項(これらの規定を第三項において準用する場合を含む。)の規定による質問又は検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
(会社臨時特別税に係る法人税法等の適用の特例)
第二十条 会社臨時特別税に関する次の表の第一欄に掲げる法律の適用については、同表の第二欄に掲げる規定中同表の第三欄に掲げる字句は、同表の第四欄に掲げる字句とする。
法律
条項
読み替えられる字句
読み替えた字句
法人税法
第二条第十八号(定義)
法人税(
会社臨時特別税(附帯税を除く。)及び法人税(
第三十八条第一項(法人税額等の損金不算人)
法人税の額
会社臨時特別税の額及び法人税の額
延長の場合の利子税)
延長の場合の利子税)(会社臨時特別税法(昭和四十九年法律第十一号)第十一条第二項(会社臨時特別税の提出期限の延長)において準用する場合を含む。)
第六十七条第二項(同族会社の特別税率)
から、当該事業年度の所得
から、当該事業年度の会社臨時特別税法に規定する課税標準法人税額につき同法第八条(内国会社に係る税率)及び第九条(外国税額の控除)の規定により計算した会社臨時特別税の額及び当該事業年度の所得
第六十九条第二項(外国税額の控除)
控除限度額と
控除限度額及び会社臨時特別税控除限度額として政令で定める金額と
第八十二条(前事業年度の法人税額等の更正等に伴う更正の請求の特例)
掲げる金額につき
掲げる金額又は会社臨時特別税法第十一条第一項第一号若しくは第二号(課税標準又は税額の申告)に掲げる金額につき
第九十四条第一号(法人税額等の残余財産価額への算入)
法人税の
法人税又は会社臨時特別税の
所得に対する法人税
所得に対する法人税及び当該各事業年度の会社臨時特別税法に規定する課税標準法人税額に対する会社臨時特別税
国税通則法
第十五条第二項第三号(納税義務の成立)
法人税
法人税及び会社臨時特別税
第二十一条第二項(納税申告書の提出先等)、第三十条第二項(更正又は決定の所轄庁)、第三十三条第二項(賦課決定の所轄庁)及び第四十三条第二項(国税の徴収の所轄庁)
法人税
法人税、会社臨時特別税
第七十五条第四項第一号(国税に関する処分についての不服申立て)
又は法人税法
、法人税法又は会社臨時特別税法(昭和四十九年法律第十一号)
第八十五条第一項(納税地異動の場合における異議申立先等)及び第八十六条第一項(異議申立事件の決定機関の特例)
法人税
法人税、会社臨時特別税
国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)
第三十六条第二号(実質課税額等の第二次納税義務)
法人税法第百三十二条(同族会社等の行為又は計算の否認)
法人税法第百三十二条(同族会社等の行為又は計算の否認)(会社臨時特別税法(昭和四十九年法律第十一号)第十五条(更正及び決定)及び第十六条(外国会社の申告及び納付等)において準用する場合を含む。)
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)
第五十三条第八項(道府県民税の外国税額控除)
控除限度額
控除限度額と会社臨時特別税法(昭和四十九年法律第十一号)第九条第一項(外国税額の控除)に規定する政令で定めるところにより計算した金額との合計額
第三百二十一条の八第八項(市町村民税の外国税額控除)
控除限度額及び
控除限度額及び会社臨時特別税法第九条第一項(外国税額の控除)に規定する政令で定めるところにより計算した金額と
政令で定めるもの
政令で定めるものとの合計額
2 前項に定めるもののほか、法人税又は会社臨時特別税に関する国税通則法の規定の適用については、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定めるところによる。
一 法人税又は会社臨時特別税の更正、決定又は国税通則法第三十二条第五項(賦課決定)に規定する賦課決定(以下「更正決定等」という。)に係る不服申立て若しくは訴えについての裁決、決定若しくは判決(以下「裁決等」という。)による原処分の異動又は更正の請求に基づく更正に伴つて課税標準等又は税額等(同法第十九条第一項(修正申告)に規定する課税標準等及び税額等をいう。以下同じ。)に異動を生ずべき会社臨時特別税又は法人税で当該裁決等又は更正を受けた者に係るものがある場合 同法第七十一条第一号(国税の更正、決定等の期間制限の特例)の規定の適用については、法人税及び会社臨時特別税は、これを一の税目に属する国税とみなす。
二 法人税又は会社臨時特別税の更正決定等について不服申立てがされている場合において、当該法人税又は会社臨時特別税と納税義務者及び事業年度を共通にする他の会社臨時特別税又は法人税についてされた更正決定等があるとき 国税通則法第九十条第一項若しくは第二項(他の審査請求に伴うみなす審査請求)、第百四条第二項(併合審理等)又は第百十五条第一項第二号(不服申立ての前置等)の規定の適用については、当該他の会社臨時特別税又は法人税についてされた更正決定等は、当該法人税又は会社臨時特別税の課税標準等又は税額等についてされた他の更正決定等とみなす。
3 前二項に定めるもののほか、会社臨時特別税に関する法人税法その他の法令の規定の適用に関し必要な技術的読替えその他の事項は、政令で定める。
(政令への委任)
第二十一条 第四条から前条まで(内国会社に係る課税標準等)に定めるもののほか、この法律の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第六章 罰則
第二十二条 偽りその他不正の行為により、第十一条第一項第二号(申告に係る会社臨時特別税額)(第十六条(外国会社の申告及び納付等)において準用する場合を含む。)に規定する会社臨時特別税の額につき会社臨時特別税を免れた場合には、会社の代表者、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、三年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の免れた会社臨時特別税の額が五百万円を超えるときは、情状により、同項の罰金は、五百万円を超えその免れた会社臨時特別税の額に相当する金額以下とすることができる。
第二十三条 正当な理由がなくて第十一条第一項(課税標準及び税額の申告)(第十六条(外国会社の申告及び納付等)において準用する場合を含む。)の規定による申告書をその提出期限までに提出しなかつた場合には、会社の代表者、代理人、使用人その他の従業者でその違反行為をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。
第二十四条 第十七条(代表者の自署押印)において準用する法人税法第百五十一条第一項から第三項まで(代表者等の自署押印)の規定に違反した者又はこれらの規定に違反する第十七条に規定する会社臨時特別税申告書の提出があつた場合のその行為をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。
第二十五条 次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 第十九条第一項又は第二項(当該職員の質問検査権)(これらの規定を同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による当該職員の質問に対して答弁せず若しくは偽りの答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ若しくは忌避した者
二 前号の検査に関し偽りの記載をした帳簿書類を提示した者
第二十六条 会社臨時特別税の調査に関する事務に従事している者又は従事していた者が、その事務に関して知ることのできた秘密を漏らし又は盗用したときは、これを二年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
第二十七条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第二十二条(会社臨時特別税を免れる罪)、第二十三条(申告書を提出しない罪)又は第二十五条(検査を拒む等の罪)の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金を科する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和四十九年三月三十一日から施行する。
(税率に関する経過措置)
2 会社の施行日から昭和四十九年四月三十日までの間に終了する事業年度の課税標準法人税額に対する第八条(内国会社に係る税率)及び第十条(外国会社に係る税率)の規定の適用については、これらの規定中「百分の十」とあるのは、「百分の十・八」とする。
(廃止)
3 この法律は、第一条(趣旨)に規定する事態が消滅したと認められるに至つたときは、施行日から二年以内においても、廃止するものとする。この場合においては、会社の施行日から一年以内に終了する事業年度についてこの法律が適用されることとなる等必要な措置を講じなければならない。
大蔵大臣 福田赳夫
内閣総理大臣 田中角栄