通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法
法令番号: 法律第107号
公布年月日: 昭和42年7月31日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

経済発展に伴う自動車台数の急増により、交通事故が著しく増加している。特に、自己防衛能力の乏しい児童幼児の通学路における事故や、南海電鉄踏切事故のような多数の死傷者を出す踏切事故が深刻な問題となっている。これらの事故防止は国民の切実な要望であり、国と地方公共団体が一体となって総合的な計画のもと、通学路の交通安全施設の整備及び踏切道の構造改良を緊急に実施する必要がある。このような観点から、本法案を提出するものである。

参照した発言:
第55回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第12号

審議経過

第55回国会

衆議院
(昭和42年7月10日)
参議院
(昭和42年7月14日)
(昭和42年7月21日)
通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法をここに公布する。
御名御璽
昭和四十二年七月三十一日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第百七号
通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法
目次
第一章
総則(第一条―第三条)
第二章
通学路に係る交通安全施設等の整備に関する緊急措置(第四条―第八条)
第三章
踏切道の構造改良及び踏切道に係る保安設備の整備に関する緊急措置(第九条―第二十条)
第四章
通学路に係る交通安全施設等整備事業及び踏切道整備事業の実施に関する費用(第二十一条―第二十六条)
第五章
通学路及び踏切道に係る交通規制等(第二十七条・第二十八条)
第六章
中央通学路及び踏切道交通安全対策協議会等(第二十九条―第三十一条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、緊急に交通の安全を確保する必要がある通学路及び踏切道について、国及び地方公共団体が一体となつて、総合的な計画のもとに通学路に係る交通安全施設等整備事業及び踏切道の構造改良に関する事業をすみやかに実施すること等により、これらの通学路及び踏切道における交通環境の改善を行ない、もつて交通事故の防止を図ることを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「道路」とは、道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路をいう。
2 この法律において「道路管理者」とは、道路法第十八条第一項に規定する道路管理者(同法第八十八条第二項の規定により建設大臣が維持を行なう道路にあつては、建設大臣)をいう。
3 この法律において「通学路」とは、児童又は幼児が小学校(盲学校、聾学校及び養護学校の小学部を含む。)又は幼稚園若しくは保育所に通うため通行する道路の区間で、これらの施設の敷地の出入口から五百メートルの区域内に存するものをいう。
4 この法律において「踏切道」とは、道路が鉄道(新設軌道を含む。)と交差する場合におけるその交差している道路の部分をいう。
5 この法律において「交通安全施設等整備事業」とは、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法(昭和四十一年法律第四十五号。以下「交通安全施設等整備事業法」という。)第二条第三項各号に掲げる事業(道路の改築(同項第二号イに規定する道路の改築を除く。)に伴つて行なわれるものを除く。)をいう。
6 この法律において「踏切道整備事業」とは、踏切道の構造改良及び踏切道に係る保安設備の整備に関する事業をいう。
7 この法律において「踏切道の構造改良」とは、踏切道の舗装及び拡幅をいう。
8 この法律において「踏切道に係る保安設備の整備」とは、踏切警報機及び踏切 遮断機の整備をいう。
(国及び地方公共団体の責務)
第三条 国及び地方公共団体は、緊急に交通の安全を確保する必要がある通学路及び踏切道について、一体となつて、総合的な計画のもとに、交通安全施設等整備事業、踏切道の構造改良に関する事業等をすみやかに実施するように努めるとともに、鉄道事業者が行なう踏切道に係る保安設備の整備に関する事業の実施の推進に努めなければならない。
第二章 通学路に係る交通安全施設等の整備に関する緊急措置
(市町村通学路交通安全施設等緊急整備計画)
第四条 都道府県公安委員会(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第百十四条の規定により権限の委任を受けた方面公安委員会を含む。以下同じ。)及び市町村道の道路管理者(以下この条においてこれらを「市町村計画作成者」という。)は、協議により、通学路における交通事故の発生状況、交通量その他の事情を考慮して総理府令、建設省令で定める基準に該当する通学路(市町村道(道路法第八十八条第二項の規定により建設大臣が維持を行なうものを除く。)であるものに限る。)であつて緊急に交通の安全を確保する必要があると認められるものについて、昭和四十二年度及び昭和四十三年度において実施すべき交通安全施設等整備事業に関する計画(以下「市町村通学路交通安全施設等緊急整備計画」という。)を作成しなければならない。
2 市町村計画作成者は、市町村通学路交通安全施設等緊急整備計画を作成する場合においては、市町村通学路及び踏切道交通安全対策協議会(当該市町村に市町村通学路及び踏切道交通安全対策協議会が置かれていないときは、関係者)の意見をきかなければならない。
3 市町村計画作成者は、昭和四十二年八月三十一日までに、市町村通学路交通安全施設等緊急整備計画を次条第一項に規定する都道府県計画作成者に提出しなければならない。
(都道府県総合通学路交通安全施設等緊急整備計画)
第五条 都道府県公安委員会並びに道路法第十三条第一項に規定する指定区間(以下「指定区間」という。)外の一般国道及び都道府県道の道路管理者(以下この条においてこれらを「都道府県計画作成者」という。)は、協議により、前条第一項の総理府令、建設省令で定める基準に該当する通学路(指定区間外の一般国道及び都道府県道(同法第八十八条第二項の規定により建設大臣が維持を行なうものを除く。)であるものに限る。)であつて緊急に交通の安全を確保する必要があると認められるものについて、昭和四十二年度及び昭和四十三年度において実施すべき交通安全施設等整備事業に関する計画を作成し、当該計画と前条第三項の規定により提出された市町村通学路交通安全施設等緊急整備計画とを調整して、当該都道府県の通学路に係る交通安全施設等整備事業に関する総合的な計画(以下「都道府県総合通学路交通安全施設等緊急整備計画」という。)を作成しなければならない。
2 都道府県計画作成者は、都道府県総合通学路交通安全施設等緊急整備計画を作成する場合においては、都道府県通学路及び踏切道交通安全対策協議会の意見をきかなければならない。
3 都道府県計画作成者は、昭和四十二年九月三十日までに、都道府県総合通学路交通安全施設等緊急整備計画を国家公安委員会及び建設大臣に提出しなければならない。
(指定区間内通学路等交通安全施設等緊急整備計画)
第六条 都道府県公安委員会及び建設大臣である道路管理者は、協議により、第四条第一項の総理府令、建設省令で定める基準に該当する通学路(指定区間内の一般国道及び道路法第八十八条第二項の規定により建設大臣が維持を行なう道路であるものに限る。)であつて緊急に交通の安全を確保する必要があると認められるものについて、昭和四十二年度及び昭和四十三年度において実施すべき交通安全施設等整備事業に関する計画(以下「指定区間内通学路等交通安全施設等緊急整備計画」という。)を作成しなければならない。
2 都道府県公安委員会及び建設大臣である道路管理者は、昭和四十二年九月三十日までに、指定区間内通学路等交通安全施設等緊急整備計画を国家公安委員会及び建設大臣に提出しなければならない。
3 前二項に規定する道路管理者である建設大臣の権限は、政令で定めるところにより、地方建設局長又は北海道開発局長に委任することができる。
(交通安全施設等整備事業法の規定による交通安全施設等整備事業として実施すべき事業に関する計画等)
第七条 国家公安委員会及び建設大臣は、協議により、第五条第三項及び前条第二項の規定により提出された都道府県総合通学路交通安全施設等緊急整備計画及び指定区間内通学路等交通安全施設等緊急整備計画に定める交通安全施設等整備事業のうち、昭和四十二年度及び昭和四十三年度において交通安全施設等整備事業法の規定による交通安全施設等整備事業として実施すべきものに関する計画の案を作成し、これに伴い、交通安全施設等整備事業法第四条第一項に規定する交通安全施設等整備事業三箇年計画を変更する案を作成しなければならない。
2 国家公安委員会及び建設大臣は、前項の計画の案を作成する場合においては、中央通学路及び踏切道交通安全対策協議会の意見をきかなければならない。
3 内閣総理大臣及び建設大臣は、昭和四十二年十一月三十日までに、第一項の規定により作成された交通安全施設等整備事業三箇年計画を変更する案についての交通安全施設等整備事業法第四条第五項において準用する同条第二項の規定による閣議の決定を求めなければならない。
4 前三項の規定に基づく交通安全施設等整備事業三箇年計画の変更に伴う交通安全施設等整備事業法第五条第一項後段の規定による変更に係る実施計画の提出は、昭和四十二年十二月三十一日までにしなければならない。
(地方単独通学路交通安全施設等整備事業の実施)
第八条 都道府県公安委員会は都道府県総合通学路交通安全施設等緊急整備計画又は指定区間内通学路等交通安全施設等緊急整備計画に従い、指定区間外の一般国道、都道府県道又は市町村道の道路管理者は都道府県総合通学路交通安全施設等緊急整備計画に従い、通学路に係る交通安全施設等整備事業(交通安全施設等整備事業法の規定による交通安全施設等整備事業として実施すべきものを除く。)を実施しなければならない。
第三章 踏切道の構造改良及び踏切道に係る保安設備の整備に関する緊急措置
(市町村踏切道緊急構造改良計画)
第九条 鉄道事業者(軌道経営者を含む。以下同じ。)及び市町村道の道路管理者は、協議により、踏切道における交通事故の発生状況、交通量その他の事情を考慮して運輸省令、建設省令で定める基準に該当する踏切道(市町村道(道路法第八十八条第二項の規定により建設大臣が維持を行なうものを除く。)であるものに限る。)であつて緊急に交通の安全を確保する必要があると認められるものについて、昭和四十二年度及び昭和四十三年度において実施すべき踏切道の構造改良に関する事業に関する計画(以下「市町村踏切道緊急構造改良計画」という。)を作成しなければならない。
2 鉄道事業者及び市町村道の道路管理者は、市町村踏切道緊急構造改良計画を作成する場合においては、市町村通学路及び踏切道交通安全対策協議会(当該市町村に市町村通学路及び踏切道交通安全対策協議会が置かれていないときは、関係者)の意見をきかなければならない。
3 鉄道事業者及び市町村道の道路管理者は、昭和四十二年八月三十一日までに、市町村踏切道緊急構造改良計画を第十一条第一項に規定する道路管理者に提出しなければならない。
(都道府県踏切道緊急構造改良計画)
第十条 鉄道事業者並びに指定区間外の一般国道及び都道府県道の道路管理者は、協議により、前条第一項の運輸省令、建設省令で定める基準に該当する踏切道(指定区間外の一般国道及び都道府県道(道路法第八十八条第二項の規定により建設大臣が維持を行なうものを除く。)であるものに限る。)であつて緊急に交通の安全を確保する必要があると認められるものについて、昭和四十二年度及び昭和四十三年度において実施すべき踏切道の構造改良に関する事業に関する計画(以下「都道府県踏切道緊急構造改良計画」という。)を作成しなければならない。
2 鉄道事業者並びに指定区間外の一般国道及び都道府県道の道路管理者は、都道府県踏切道緊急構造改良計画を作成する場合においては、都道府県通学路及び踏切道交通安全対策協議会の意見をきかなければならない。
(都道府県総合踏切道緊急構造改良計画)
第十一条 第九条第一項の鉄道事業者並びに前条第一項の鉄道事業者及び道路管理者は、協議により、都道府県踏切道緊急構造改良計画と第九条第三項の規定により提出された市町村踏切道緊急構造改良計画とを調整して、当該都道府県の踏切道の構造改良に関する事業に関する総合的な計画(以下「都道府県総合踏切道緊急構造改良計画」という。)を作成しなければならない。
2 前条第二項の規定は、前項の規定による都道府県総合踏切道緊急構造改良計画の作成について準用する。
3 第一項に規定する鉄道事業者及び道路管理者は、昭和四十二年九月三十日までに、都道府県総合踏切道緊急構造改良計画を運輸大臣及び建設大臣に提出しなければならない。
(指定区間内踏切道等緊急構造改良計画)
第十二条 鉄道事業者及び建設大臣である道路管理者は、協議により、第九条第一項の運輸省令、建設省令で定める基準に該当する踏切道(指定区間内の一般国道及び道路法第八十八条第二項の規定により建設大臣が維持を行なう道路であるものに限る。)であつて緊急に交通の安全を確保する必要があると認められるものについて、昭和四十二年度及び昭和四十三年度において実施すべき踏切道の構造改良に関する事業に関する計画(以下「指定区間内踏切道等緊急構造改良計画」という。)を作成しなければならない。
2 鉄道事業者及び建設大臣である道路管理者は、昭和四十二年九月三十日までに、指定区間内踏切道等緊急構造改良計画を運輸大臣及び建設大臣に提出しなければならない。
3 第六条第三項の規定は、前二項に規定する道路管理者である建設大臣の権限の委任について準用する。
(保安設備緊急整備計画)
第十三条 鉄道事業者は、踏切道における交通事故の発生状況、交通量その他の事情を考慮して運輸省令で定める基準に該当する踏切道であつて緊急に交通の安全を確保する必要があると認められるものについて、昭和四十二年度及び昭和四十三年度において実施すべき踏切道に係る保安設備の整備に関する事業に関する計画(以下「保安設備緊急整備計画」という。)を作成しなければならない。
2 第九条第二項又は第十条第二項の規定は、前項の規定による保安設備緊急整備計画の作成について準用する。
3 鉄道事業者は、昭和四十二年九月三十日までに、保安設備緊急整備計画を運輸大臣に提出しなければならない。
(踏切道整備事業を実施すべき踏切道の指定)
第十四条 運輸大臣及び建設大臣は、踏切道における交通事故の発生状況、交通量その他の事情を考慮して運輸省令、建設省令で定める基準に従い、緊急に交通の安全を確保する必要があると認められる踏切道を、昭和四十二年度及び昭和四十三年度において踏切道の構造改良に関する事業を実施すべき踏切道として指定するものとする。
2 運輸大臣は、踏切道における交通事故の発生状況、交通量その他の事情を考慮して運輸省令で定める基準に従い、緊急に交通の安全を確保する必要があると認められる踏切道を、昭和四十二年度及び昭和四十三年度において踏切道に係る保安設備の整備に関する事業を実施すべき踏切道として指定するものとする。
3 運輸大臣及び建設大臣又は運輸大臣は、第一項又は前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、当該鉄道事業者及び道路管理者並びに都道府県公安委員会又は当該鉄道事業者及び都道府県公安委員会の意見をきかなければならない。
4 運輸大臣及び建設大臣又は運輸大臣は、第一項又は第二項の規定による指定をしたときは、運輸省令、建設省令又は運輸省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
(踏切道緊急整備計画)
第十五条 運輸大臣及び建設大臣は、協議により、第十一条第三項、第十二条第二項及び第十三条第三項の規定により提出された都道府県総合踏切道緊急構造改良計画、指定区間内踏切道等緊急構造改良計画及び保安設備緊急整備計画に定める踏切道整備事業のうち、昭和四十二年度及び昭和四十三年度において実施すべき前条第一項の規定により指定した踏切道(以下「甲種指定踏切道」という。)及び同条第二項の指定により指定した踏切道(以下「乙種指定踏切道」という。)に係る踏切道整備事業に関する計画(以下「踏切道緊急整備計画」という。)の案を作成しなければならない。
2 運輸大臣及び建設大臣は、前項の規定により踏切道緊急整備計画の案を作成する場合においては、中央通学路及び踏切道交通安全対策協議会の意見をきかなければならない。
3 運輸大臣及び建設大臣は、前二項の規定により作成された踏切道緊急整備計画の案について、閣議の決定を求めなければならない。
4 運輸大臣及び建設大臣は、昭和四十二年十一月三十日までに、前項の規定による閣議の決定を求めなければならない。
5 踏切道緊急整備計画には、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 昭和四十二年度及び昭和四十三年度において行なうべき甲種指定踏切道及び乙種指定踏切道に係る踏切道整備事業の実施の目標
二 昭和四十二年度及び昭和四十三年度において行なうべき甲種指定踏切道及び乙種指定踏切道に係る踏切道整備事業の量
6 運輸大臣及び建設大臣は、第三項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、踏切道緊急整備計画を公表しなければならない。
7 第一項から第三項まで及び前二項の規定は、踏切道緊急整備計画を変更しようとする場合について準用する。
(踏切道整備事業の実施計画)
第十六条 鉄道事業者及び道路管理者は、踏切道緊急整備計画に即して、運輸省令、建設省令で定めるところにより、協議により、甲種指定踏切道の構造改良に関する事業の実施計画を作成し、運輸大臣及び建設大臣に提出しなければならない。これを変更する場合も、同様とする。
2 鉄道事業者は、踏切道緊急整備計画に即して、運輸省令で定めるところにより、乙種指定踏切道に係る保安設備の整備に関する事業の実施計画を作成し、運輸大臣に提出しなければならない。これを変更する場合も、同様とする。
3 前二項の実施計画は、交通事故の態様、交通及び踏切道の状況等を考慮して、効果的に交通事故を防止することができるように定めなければならない。
4 第一項前段の規定による実施計画の提出及び第二項前段の規定による実施計画の提出は、昭和四十二年十二月三十一日までにしなければならない。
5 運輸大臣及び建設大臣又は運輸大臣は、第一項又は第二項の実施計画が踏切道緊急整備計画に照らして適当でないと認めるときは、鉄道事業者及び道路管理者又は鉄道事業者にその変更を指示することができる。
6 第六条第三項の規定は、第一項に規定する道路管理者である建設大臣の権限の委任について準用する。
(踏切道整備事業の実施)
第十七条 道路管理者は、前条第一項の実施計画に従い、甲種指定踏切道の構造改良に関する事業を実施しなければならない。
2 鉄道事業者は、前条第二項の実施計画に従い、乙種指定踏切道に係る保安設備の整備に関する事業を実施しなければならない。
第十八条 道路管理者は、都道府県総合踏切道緊急構造改良計画又は指定区間内踏切道等緊急構造改良計画に従い、踏切道の構造改良に関する事業(踏切道緊急整備計画による踏切道の構造改良に関する事業として前条第一項の規定により実施すべきものを除く。)を実施しなければならない。
2 鉄道事業者は、保安設備緊急整備計画に従い、踏切道に係る保安設備の整備に関する事業(踏切道緊急整備計画による踏切道に係る保安設備の整備に関する事業として前条第二項の規定により実施すべきものを除く。)を実施しなければならない。
(鉄道事業者の協力)
第十九条 道路管理者が踏切道の構造改良に関する事業を実施する場合においては、鉄道事業者は、当該事業の実施について、道路管理者に協力しなければならない。
(踏切道改良促進法との関係)
第二十条 この法律の規定により道路管理者及び鉄道事業者が実施すべき踏切道整備事業に関しては、踏切道改良促進法(昭和三十六年法律第百九十五号)の規定は、適用がないものとする。
第四章 通学路に係る交通安全施設等整備事業及び踏切道整備事業の実施に関する費用
(通学路に係る交通安全施設等整備事業についての補助の特例)
第二十一条 国は、道路管理者が市町村道である通学路について実施する交通安全施設等整備事業のうち、交通安全施設等整備事業法の規定による交通安全施設等整備事業として実施するものに要する費用については、道路法第五十六条及び交通安全施設等整備事業法第七条第三項の規定にかかわらず、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その二分の一以上三分の二以内をその費用を負担する市町村に対して補助することができる。
(踏切道整備事業の実施に要する費用の負担)
第二十二条 この法律の規定による踏切道の構造改良に関する事業の実施に要する費用の負担については、鉄道事業者と道路管理者との協議により定める。
2 前項の費用のうち、同項の協議により道路管理者が負担すべき費用は、道路法の規定に基づき道路に関する工事について費用を負担すべき者が負担する。
3 前章の規定による踏切道に係る保安設備の整備に関する事業の実施に要する費用は、鉄道事業者が負担するものとする。
(踏切道の構造改良に関する事業についての補助の特例)
第二十三条 国は、前条第二項の規定により市町村が負担する費用のうち、当該市町村である道路管理者が実施する踏切道緊急整備計画による踏切道の構造改良に関する事業に要するものについては、道路法第五十六条の規定にかかわらず、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その二分の一以上三分の二以内を当該市町村に対して補助することができる。
(鉄道事業者に対する補助等)
第二十四条 国は、政令で定める鉄道事業者に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、乙種指定踏切道に係る保安設備の整備に関する事業の実施に要する費用の一部を補助することができる。
2 都道府県又は市町村は、前項の政令で定める鉄道事業者に対し、当該都道府県又は市町村の予算の範囲内において、政令で定めるところにより、乙種指定踏切道に係る保安設備の整備に関する事業の実施に要する費用の一部を補助することができる。
3 運輸大臣は、この法律の規定による踏切道整備事業の実施について、鉄道事業者が必要とする資金の確保に関する措置を講ずるように努めなければならない。
(地方単独通学路交通安全施設等整備事業に対する国の財政上の措置)
第二十五条 国は、第八条の規定により都道府県公安委員会又は指定区間外の一般国道、都道府県道若しくは市町村道の道路管理者が実施する通学路に係る交通安全施設等整備事業に要する費用について、地方債その他必要な財政上の措置を講ずるように努めなければならない。
(地方単独踏切道構造改良事業に対する国の財政上の措置)
第二十六条 国は、第十八条第一項の規定により道路管理者が都道府県総合踏切道緊急構造改良計画に従つて実施する踏切道の構造改良に関する事業に要する費用について、地方債その他必要な財政上の措置を講ずるように改めなければならない。
第五章 通学路及び踏切道に係る交通規制等
(通学路及び踏切道に係る交通規制)
第二十七条 都道府県公安委員会は、通学路に係る交通安全施設等整備事業及び踏切道整備事業の実施に即応して、通学路及び踏切道に係る交通の安全を確保するための計画的な交通規制の実施を図るものとする。
(踏切道の統合等)
第二十八条 道路管理者は、踏切道整備事業の実施に即応して、踏切道に係る交通の安全を確保するための計画的な踏切道の統合及び踏切道に係る車両の通行制限を図るものとする。
第六章 中央通学路及び踏切道交通安全対策協議会等
(中央通学路及び踏切道交通安全対策協議会)
第二十九条 総理府に、附属機関として、中央通学路及び踏切道交通安全対策協議会(以下「中央協議会」という。)を置く。
2 中央協議会は、通学路及び踏切道に係る交通の安全を確保するために必要な緊急措置に関する計画について審議し、及びその実施を推進するものとする。
3 中央協議会の構成員は、次の各号に掲げる者をもつて充てる。
一 大蔵大臣
二 文部大臣
三 厚生大臣
四 運輸大臣
五 建設大臣
六 自治大臣
七 内閣官房長官
八 総理府総務長官
九 国家公安委員会委員長
4 中央協議会の庶務は、内閣総理大臣官房において行なう。
5 前四項に定めるもののほか、中央協議会の運営その他中央協議会に関し必要な事項は、政令で定める。
(都道府県通学路及び踏切道交通安全対策協議会)
第三十条 都道府県に、都道府県通学路及び踏切道交通安全対策協議会(以下「都道府県協議会」という。)を置く。
2 都道府県協議会は、通学路及び踏切道に係る交通の安全を確保するために必要な緊急措置に関する計画について審議し、及びその実施を推進するものとする。
3 都道府県協議会は、会長及び委員をもつて組織する。
4 会長は、都道府県知事をもつて充てる。
5 委員は、次の各号に掲げる者をもつて充てる。
一 関係地方行政機関の長
二 都道府県の教育委員会の教育長
三 警視総監又は道府県の道府県警察本部長
四 都道府県の職員のうちから当該都道府県の知事が指名する者
五 都道府県の区域内の市町村の市町村長のうちから当該都道府県の知事が任命する者
六 学識経験のある者のうちから都道府県知事が任命する者
(市町村通学路及び踏切道交通安全対策協議会)
第三十一条 市町村は、条例で、市町村通学路及び踏切道交通安全対策協議会を置くことができる。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(経過規定)
2 この法律の施行前に踏切道改良促進法第三条第一項の規定により踏切道の構造改良に相当する踏切道の構造の改良の方法を定めて指定した踏切道については、この法律中踏切道の構造改良に関する規定は、適用しない。
(総理府設置法の一部改正)
3 総理府設置法(昭和二十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
第十五条第一項の表中同和対策協議会の項の次に次のように加える。
中央通学路及び踏切道交通安全対策協議会
通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法(昭和四十二年法律第百七号)の規定によりその権限に属せしめられた事項を行なうこと。
内閣総理大臣 佐藤栄作
大蔵大臣 水田三喜男
文部大臣 剱木亨弘
厚生大臣 坊秀男
運輸大臣 大橋武夫
建設大臣 西村英一
自治大臣 藤枝泉介