恩給法等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第百二十一号
公布年月日: 昭和41年7月8日
法令の形式: 法律
恩給法等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和四十一年七月八日
内閣総理大臣 佐藤栄作
法律第百二十一号
恩給法等の一部を改正する法律
(恩給法の一部改正)
第一条 恩給法(大正十二年法律第四十八号)の一部を次のように改正する。
第二条の次に次の一条を加える。
第二条ノ二 年金タル恩給ノ額ニ付テハ国民ノ生活水準、国家公務員ノ給与、物価其ノ他ノ諸事情ニ著シキ変動ガ生ジタル場合ニ於テハ変動後ノ諸事情ヲ総合勘案シ速ニ改定ノ措置ヲ講ズルモノトス
第六十五条第三項中「及未成年ノ子」を「、未成年ノ子及不具廃疾ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ成年ノ子」に改め、同条第四項及び第五項中「未成年ノ子」の下に「又ハ不具廃疾ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ成年ノ子」を加える。
第七十五条第三項を次のように改める。
前項ノ扶養遺族トハ扶助料ヲ受クル者ニ依リ生計ヲ維持シ又ハ之ト生計ヲ共ニスル公務員ノ祖父母、父母、未成年ノ子又ハ不具廃疾ニシテ生活資料ヲ得ルノ途ナキ成年ノ子ニシテ扶助料ヲ受クべキ要件ヲ具フルモノヲ謂フ
(恩給法の一部を改正する法律の一部改正)
第二条 恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号)の一部を次のように改正する。
附則第二十四条に次の一項を加える。
8 旧軍人以外の公務員(旧軍属を除く。)の恩給の基礎在職年を計算する場合においては、第二項及び第三項の規定にかかわらず、これらの規定により恩給の基礎在職年に算入されないこととされている加算年のうち第四項各号に掲げるもの及び前三項の規定により在職年に加えられることとされている年月数は、恩給の基礎在職年に算入するものとする。
附則第二十四条の五の見出し中「除算された加算年」を「加算年及び加算年月数とみなされる年月数」に改める。
附則第二十四条の六の前の見出しを削る。
附則第二十四条の七の次に次の一条を加える。
第二十四条の八 附則第二十四条の五第一項の規定は、旧軍人以外の公務員(旧軍属を除く。)で附則第二十四条第八項の規定の適用によりその在職年が普通恩給についての最短恩給年限に達することとなるもの又はこれらの者の遺族について準用する。この場合において、附則第二十四条の五第一項中「昭和三十六年十月一日」とあるのは、「昭和四十二年一月一日」と読み替えるものとする。
2 附則第二十四条の四第二項及び第三項並びに附則第二十四条の五第三項の規定は、前項の場合に準用する。この場合において、附則第二十四条の四第二項第四号中「昭和三十五年七月一日」とあるのは「昭和四十二年一月一日」と、附則第二十四条の五第三項中「普通恩給を受ける権利を取得した者の当該普通恩給の給与は昭和三十七年十月から、同項の規定により扶助料を受ける権利を取得した者の当該扶助料の給与は昭和三十六年十月から」とあるのは「普通恩給又は扶助料を受ける権利を取得した者の当該普通恩給又は扶助料の給与は、昭和四十二年一月から」と、「旧軍人、旧準軍人又は旧軍属」とあるのは「旧軍人以外の公務員(旧軍属を除く。)」と読み替えるものとする。
附則第二十六条中「及び第二十四条の七」を「から第二十四条の八まで」に改める。
附則第四十一条の次に次の一条を加える。
(日本赤十字社救護員期間のある者についての特例)
第四十一条の二 旧日本赤十字社令(明治四十三年勅令第二百二十八号)の規定に基づき事変地又は戦地において旧陸軍又は海軍の戦時衛生勤務(以下「戦地勤務」という。)に服した日本赤十字社の救護員(公務員に相当する救護員として政令で定めるものに限る。以下「救護員」という。)であつた者で公務員となつたものに係る普通恩給の基礎となるべき公務員としての在職年の計算については、救護員となる前の公務員としての在職年が普通恩給についての最短恩給年限に達している者の場合を除き、戦地勤務に服した月(公務員を退職した月に戦地勤務に服した場合においては、その翌月)から戦地勤務に服さなくなつた月(戦地勤務に服さなくなつた月に公務員となつた場合においては、その前月)までの年月数を加えたものによる。ただし、その年月数を公務員としての在職年に加えたものが普通恩給についての最短恩給年限をこえることとなる場合においては、当該最短恩給年限をこえる年月数については、この限りでない。
2 前項の事変地又は戦地の区域及びその区域が事変地又は戦地であつた期間は、政令で定める。
3 附則第二十四条の四第二項並びに前条第二項及び第四項の規定は、第一項の規定の適用により給すべき普通恩給又は扶助料について準用する。この場合において、附則第二十四条の四第二項第四号中「昭和三十五年七月一日」とあるのは「昭和四十一年十月一日」と、前条第二項中「当該最短恩給年限に達することとなるもののうち昭和三十六年九月三十日以前に退職し、若しくは死亡した者又はその遺族は、同年十月一日から」とあるのは「当該最短恩給年限に達することとなるもの又はその遺族は、昭和四十一年十月一日から」と、同条第四項中「昭和三十六年十月」とあるのは「昭和四十一年十月」と読み替えるものとする。
4 附則第二十四条の四第三項の規定は、公務員としての在職年(日本赤十字社の救護員となる前の公務員としての在職年を除く。)に基づき一時恩給又は一時扶助料を受けた者がある場合における前三項の規定により給すべき普通恩給又は扶助料の年額について準用する。
附則第四十二条第四項及び第五項中「前条」を「附則第四十一条」に改める。
(旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律の一部改正)
第三条 旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律(昭和三十一年法律第百七十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項中「当該旧軍人等で営内に居住すべき者」を「当該旧軍人等」に改め、同項ただし書を削る。
(恩給法等の一部を改正する法律の一部改正)
第四条 恩給法等の一部を改正する法律(昭和四十年法律第八十二号)の一部を次のように改正する。
附則第三条第一項の表中
昭和四十一年七月分から同年十二月分まで
三十分の三十
三十分の十五
三十分の十五
昭和四十二年一月分から同年六月分まで
三十分の三十
三十分の十
昭和四十一年七月分から同年九月分まで
三十分の三十
三十分の十五
三十分の十五
昭和四十一年十月分から同年十二月分まで
三十分の三十
三十分の十五
に改め、同条第二項の表中
昭和四十一年一月分から同年十二月分まで
昭和四十一年一月分から同年九月分まで
に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和四十一年十月一日から施行する。ただし、第二条(恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号。以下「法律第百五十五号」という。)附則第四十一条の次に一条を加える改正規定及び同法附則第四十二条の改正規定を除く。)の規定は、昭和四十二年一月一日から施行する。
(改正後の恩給法第六十五条の規定による加給)
第二条 昭和四十一年九月三十日において現に増加恩給を受ける者の改正後の恩給法第六十五条第三項から第五項まで(法律第百五十五号附則第二十二条第三項ただし書において準用する場合を含む。)の規定に該当する成年の子に係る加給は、同年十月分から行なう。
(改正後の恩給法第七十五条の規定による加給)
第三条 昭和四十一年九月三十日において現に恩給法第七十五条第一項第一号に規定する扶助料以外の扶助料を受ける者の改正後の同条第三項の規定に該当する成年の子に係る加給は、同年十月分から行なう。
(旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第四条 改正後の旧軍人等の遺族に対する恩給等の特例に関する法律(以下「法律第百七十七号」という。)に基づき給されることとなる扶助料又は遺族年金の給与は、昭和四十一年十月から始めるものとする。
2 恩給法第七十五条第一項第一号に規定する場合の扶助料を受ける者で、改正後の法律第百七十七号第三条の規定に基づく扶助料を受けることとなるものについては、昭和四十一年十月分以降、その扶助料を同条第二項の規定により計算して得た年額の扶助料に改定する。
第五条 前条に規定する扶助料又は遺族年金を受ける者のうち、昭和三十八年三月三十一日以前に死亡した者の妻(遺族年金を受ける者については、婚姻の届出をしないが、死亡した者と事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)であつたことによりその扶助料又は遺族年金を受ける者は、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法(昭和三十八年法律第六十一号)の適用については、同法第二条に規定する戦没者等の妻とみなす。
2 前項の規定により特別給付金を受ける権利を有するに至つた者に係る戦没者等の妻に対する特別給付金支給法第四条第二項に規定する国債の発行の日は、同法附則第二項の規定にかかわらず、昭和四十一年十一月一日とする。
(妻又は子に給する扶助料の年額についての特例)
第六条 法律第百五十五号附則第十四条第三号(同法附則第十八条第二項、附則第二十三条第六項及び附則第三十一条において準用する場合を含む。)の規定によりその年額が計算された扶助料でその扶助料を受ける者が妻又は子であるものの昭和四十一年十月分以降の年額は、その年額に、その年額と実在職年の年数が普通恩給についての所要最短在職年数である場合の扶助料の年額との差額に相当する額を加えた額とする。
2 昭和四十一年九月三十日以前に給与事由の生じた扶助料の同年同月分までの年額については、なお従前の例による。
(昭和二十三年六月三十日以前に給与事由の生じた恩給の年額の特例)
第七条 恩給法等の一部を改正する法律(昭和四十年法律第八十二号。以下「法律第八十二号」という。)附則第二条に規定する普通恩給又は扶助料(同条第二号及び第三号に規定する普通恩給及び扶助料を除く。)で昭和二十三年六月三十日以前に退職し、又は死亡した公務員に係るもののうち、その基礎在職年に算入されている実在職年の年数が普通恩給についての最短恩給年限以上であるものについては、昭和四十一年十月分以降、その年額を、その年額計算の基礎となつている俸給年額にそれぞれ対応する附則別表の仮定俸給年額(恩給法第二十条及び恩給法の一部を改正する法律(昭和二十六年法律第八十七号)による改正前の恩給法第二十四条に規定する公務員又はこれらの者の遺族に給する普通恩給又は扶助料については、同表の仮定俸給年額をこえない範囲内において政令で定める額)を退職又は死亡当時の俸給年額とみなし、恩給法の規定により算出して得た年額に改定する。ただし、改定年額が従前の年額に達しない者については、この改定を行なわない。
2 前項の規定は、恩給年額計算の基礎となつた俸給と都道府県(これに準ずるものを含む。)の退職年金に関する条例上の職員の俸給又は給料とが併給されていた者であつて、恩給年額計算の基礎となつた俸給の額が、これらの併給された俸給又は給料の合算額の二分の一以下であつたものについては適用しない。
3 改正後の法律第八十二号附則第三条の規定は、第一項の規定により年額を改定された普通恩給又は扶助料の年額について準用する。
(長期在職者の恩給年額についての特例)
第八条 普通恩給又は扶助料で、その基礎在職年に算入されている実在職年の年数が普通恩給についての最短恩給年限以上であるものの昭和四十一年十月分以降の年額については、普通恩給の年額が六万円未満であるときはこれを六万円とし、扶助料の年額が三万円未満であるときはこれを三万円とする。
2 前条第二項の規定は前項の規定により年額を改定される普通恩給又は扶助料を受ける者について、改正後の法律第八十二号附則第三条の規定は前項の規定により年額を改定された普通恩給又は扶助料の年額について準用する。
3 昭和四十一年九月三十日以前に給与事由の生じた普通恩給又は扶助料の同年同月分までの年額については、なお従前の例による。
(職権改定)
第九条 附則第六条第一項、附則第七条第一項又は前条第一項の規定による恩給年額の改定は、裁定庁が受給者の請求を待たずに行なう。
附則別表
恩給年額の計算の基礎となつている俸給年額
仮定俸給年額
一四七、七〇〇
一七七、四〇〇
一五三、七〇〇
一八二、五〇〇
一六一、四〇〇
一九四、八〇〇
一七二、一〇〇
二〇八、三〇〇
一八二、五〇〇
二二二、〇〇〇
二〇一、五〇〇
二二九、〇〇〇
二一六、八〇〇
二四九、二〇〇
二二九、〇〇〇
二六二、九〇〇
二四九、二〇〇
二九一、七〇〇
二六二、九〇〇
三〇六、七〇〇
二九一、七〇〇
三二三、四〇〇
三〇六、七〇〇
三五〇、三〇〇
三二三、四〇〇
三七七、五〇〇
三四一、四〇〇
三九五、六〇〇
三五〇、三〇〇
四〇〇、三〇〇
三五九、五〇〇
四一五、二〇〇
三七七、五〇〇
四三六、四〇〇
三九五、六〇〇
四五七、四〇〇
四〇〇、三〇〇
四七〇、四〇〇
四三六、四〇〇
四八三、一〇〇
四七〇、四〇〇
五三四、四〇〇
五〇八、七〇〇
五五九、九〇〇
五三四、四〇〇
五八五、六〇〇
五三九、五〇〇
六一一、三〇〇
五五九、九〇〇
六三六、八〇〇
六一一、三〇〇
六七〇、一〇〇
六七〇、一〇〇
七〇三、二〇〇
七六九、七〇〇
八〇二、八〇〇
八六九、二〇〇
九〇五、三〇〇
九四一、五〇〇
九六〇、〇〇〇
一、〇一三、九〇〇
一、〇五〇、〇〇〇
内閣総理大臣 佐藤栄作
大蔵大臣 福田赳夫
厚生大臣 鈴木善幸