海上衝突予防法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第百五十七号
公布年月日: 昭和39年7月7日
法令の形式: 法律
海上衝突予防法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十九年七月七日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百五十七号
海上衝突予防法の一部を改正する法律
海上衝突予防法(昭和二十八年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
目次を次のように改める。
目次
第一章
総則(第一条)
第二章
灯火等(第二条―第十四条)
第三章
霧中航行等(前文・第十五条・第十六条)
第四章
航法(前文・第十七条―第二十七条)
第五章
針路信号等(第二十八条)
第六章
雑則(第二十九条―第三十一条)
附則
第一条第二項中「遵守しなければならない。また」を「遵守しなければならず」に改め、同項に後段として次のように加える。
また、この法律に規定する灯火は、視界が制限される状態にある場合その他必要があると認められる場合は、日出から日没までの間においても、表示することができる。
第一条第三項第七号中「当該船舶の登録に係る証書に記載する長さ及び幅」を「全長及び最大幅」に改め、同項第十三号を削り、同項第十二号中「サイレンを含むものとする」を「この法律に規定する短音及び長音を発することができる装置をいう」に改め、同号を同項第十三号とし、同項第九号から第十一号までを一号ずつ繰り下げ、同項第八号の次に次の一号を加える。
九 船舶が互いに他の船舶の視野の内にある場合とは、船船が互いに視覚によつて他の船舶を見ることができる場合に限るものとする。
第一条第三項に次の一号を加える。
十四 「漁ろうに従事している」とは、網、なわ(引きなわを除く。)又はトロール(けた網その他の漁具を水中で引くことをいう。以下同じ。)により漁ろうをしていることをいう。
「第二章 灯火、形象物等」を「第二章 灯火等」に改める。
第二条第一項第一号中「明りような白灯」を「白灯」に、「二十点(二百二十五度)」を「二百二十五度(二十点)」に、「二点(二十二度三十分)」を「二十二度三十分(二点)」に、「十点(百十二度三十分)」を「百十二度三十分(十点)」に改め、同項第二号中「及び他の船舶又は水上航空機を引いている船舶」を削り、同項第三号中「四・五七メートル下方」を「四・五七メートル下方で、後方の灯火より常に低く見える位置」に、「十二・二〇メートル」を「十二・一九メートル」に改め、同項第四号及び第五号中「十点(百十二度三十分)」を「百十二度三十分(十点)」に、「二点(二十二度三十分)」を「二十二度三十分(二点)」に改め、同条第二項第一号中「明りような白灯」を「白灯」に改める。
第三条の見出し中「灯下」を「灯火等」に改め、同条第一項中「明りような白灯」を「白灯」に、「水上航空機が二以上であつて、その」を「水上航空機の」に、「上方又は下方一・八三メートルの位置」を「垂直線上の上方又は下方でこれらの白灯の間隔と同一の距離を隔てた位置」に、「すべての白灯」を「白灯」に、「増掲した灯火以外の二個の白燈のうち一個は、」を「これらの白灯のうち、一個は」に、「増掲した灯火は、」を「その他のものは」に改める。
第三条中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 動力船は、航行中、他の船舶又は水上航空機を引いている場合において、引かれている船舶又は水上航空機の最後部のものの船尾又は機尾と引いている船舶の船尾との距離が百八十三メートルをこえるときは、最も見えやすい場所に、日出から日沿までの間、直径〇・六一メートル以上で黒色のひし形の形象物一個を掲げなければならない。
第四条の見出し中「灯火及び形象物」を「灯火等」に改め、同条第一項後段中「、夜間は」を削り、同条第二項に後段として次のように加える。
この場合においては、当該水上航空機は、第二条第二項第一号の灯火を掲げてはならない。
第四条第三項前段中「又は水中作業をしている」を「、水中作業、海上補給作業又は航空機の発着作業に従事している」に、「それぞれ一・八三メートル以上隔てて」を「、それぞれ一・八三メートル以上隔てて、かつ、灯火にあつては等間隔に、」に改め、同項後段中「、夜間は」を削り、「第二号」の下に「又は第七条第二項第一号」を加える。
第四条第五項中「第三項」を「第四項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項中「前三項」を「前四項」に、「げん灯」を「げん灯又は両色灯及び船尾灯又は機尾灯」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 掃海作業に従事している船舶は、前部マストの頂部及び危険の存する側のヤードの端に、夜間は、少なくとも二海里離れた周囲から視認される性能を有する緑灯各一個を、昼間は、直径〇・六一メートル以上の黒球各一個を掲げなければならない。これらの緑灯又は黒球の表示は、当該船舶の後方半海里の水域のうち、当該側方四分の一海里の範囲内が危険であることを示すものとする。
第五条の見出し中「灯火」を「灯火等」に改め、同条第一項を次のように改める。
航行中の帆船は、第二条第一項第四号及び第五号のげん灯を掲げなければならず、また、他の船舶に引かれて航行している場合を除き、前部マストの最上部に、二個の燈火を明らかに区別できるように分離して垂直線上に連掲することができる。これらの二個の燈火は、上方のものを紅燈、下方のものを緑燈とし、同項第一号の構造及び装置を有し、かつ、少なくとも二海里離れた所から視認される性能を有するものでなければならない。
第五条第二項に後段として次のように加える。
動力船及び帆船以外の引かれている航行中の船舶は、同条第一項第四号及び第五号のげん燈を掲げなければならない。
第五条に次の一項を加える。
5 引かれている航行中の船舶は、引かれている船舶の最後部のものの船尾と引いている船舶の船尾との距離が百八十三メートルをこえる場合は、最も見えやすい場所に、日出から日没までの間、第三条第三項の形象物一個を掲げなければならない。
第六条の見出し中「小形船舶」を「荒天時等」に改め、同条第一項中「小形の船舶」を「船舶」に、「二点(二十二度三十分)」を「二十二度三十分(二点)」に改める。
第七条から第九条までを次のように改める。
(小形動力船等の灯火等)
第七条 長さ十九・八○メートル未満(ろかい又は帆を用いているものにあつては、長さ十二・一九メートル未満)の船舶は、航行中、第二条、第三条及び第五条の灯火を掲げることを要しない。ただし、これらの灯火を掲げない場合は、次項から第七項までの規定によらなければならない。
2 長さ十九・八○メートル未満の動力船の灯火の表示については、次の各号による。
一 船舶の前部の最も見えやすい場所で、げん縁上二・七四メートル以上の高さの位置に、第二条第一項第一号の構造及び装置を有し、かつ、少なくとも三海里離れた所から視認される性能を有する白灯一個を掲げなければならない。
二 第二条第一項第四号及び第五号の構造及び装置を有するげん灯を掲げ、又は前号の白灯から少なくとも〇・九一メートル下方の位置に、緑紅の両色灯一個を、その緑色若しくは紅色の射光がそれぞれ正船首方向から右げん若しくは左げん正横後二十二度三十分(二点)の間を照らすように掲げなければならない。これらの灯火は、少なくとも一海里離れた所から視認される性能を有するものでなければならない。
3 長さ十九・八○メートル未満の動力船が他の船舶又は水上航空機を引き、又は押している場合の灯火の表示については、次の各号による。
一 前項第一号の灯火を掲げないで、白灯二個を一・二二メートル以上隔てて垂直線上に連掲しなければならない。これらの白灯は、同号の灯火と同一の構造及び性能でなければならず、かつ、これらの白灯のうち一個は、同号の灯火と同一の位置に掲げなければならない。ただし、一本マストの船舶は、これらの灯火をそのマストに掲げることができる。
二 第十条の船尾灯に代えて、引かれているものの操だの目標として、小形の白灯一個を煙突又は後部マストの後に正横の前方から見えないように掲げることができる。
4 長さ十二・一九メートル未満の動力船は、第二項第一号の規定にかかわらず、同号の白灯をげん縁上二・七四メートル未満の高さの位置に掲げることができる。ただし、その位置は、同項第二号の灯火より〇・九一メートル以上高くなければならない。
5 長さ十二・一九メートル未満のろかい又は帆を用いている船舶(小形ろかい舟を除く。)は、最も見えやすい場所に、少なくとも一海里離れた所から視認される性能を有する緑紅の両色灯一個を、その緑色又は紅色の射光がそれぞれ左げん側又は右げん側から見えないように掲げなければならない。ただし、この灯火を掲げることができない場合は、これを直ちに使用できるように備えておき、衝突を防ぐために十分な時間、その緑色又は紅色の射光がそれぞれ左げん側又は右げん側から見えないように示すことをもつて足りる。
6 第一項の船舶(小形ろかい舟を除く。)は、引かれて航行している場合は、動力船にあつては、第二項第一号又は第四項の白灯を掲げてはならず、動力船及びろかい又は帆を用いている船船以外の船舶にあつては、第二項第二号又は前項のげん灯又は両色灯を掲げなければならず、また、引かれている船舶が二隻以上ある場合は、その最後部の船舶以外の船舶は、第十条の船尾灯に代えて、第三項第二号の小形の白灯一個を掲げることができる。第一項の船舶(小形ろかい舟を除く。)が船首方向に押されて航行している場合は、第二項第二号のげん灯のみを各げんの前端に掲げ、又は同号若しくは前項の両色灯のみを前端に掲げなければならない。この場合において、二隻以上の船舶が一団となつて船首方向に押されているときは、これらの船舶は、一隻の船舶とみなすものとし、その一団の全長が十九・八○メートルをこえるものについては、第五条第四項本文の規定によるものとする。
7 小形ろかい舟は、ろかいを用いていると帆を用いているとにかかわらず、白色の携帯電灯又は点火した白灯のみを直ちに使用できるように備えておき、衝突を防ぐために十分な時間、これを示さなければならない。
8 第一項の船舶は、第四条第一項及び第十一条第五項の灯火又は形象物を掲げることを要しない。これらの船舶は、第四条第三項及び第十一条第三項の形象物の大きさについては、これらの規定によるものより小さいものとすることができる。
(水先船の灯火等)
第八条 水先業務に従事している水先動力船の航行中における灯火の表示については、次の各号による。この場合においては、次の各号以外の灯火を表示してはならない。
一 マストの最上部で船体上六・一〇メートル以上の高さの位置に、少なくとも三海里離れた周囲から視認される性能を有する白灯一個を掲げ、その下方二・四〇メートルの位置に、これと同一の性能を有する紅灯一個を掲げなければならない。ただし、長さ十九・八○メートル未満の水先動力船にあつては、マストの最上部でげん縁上二・七四メートル以上の高さの位置に同白灯を掲げ、その下方一・二二メートルの位置に同紅灯を掲げることができる。
二 当該水先動力船の長さに応じ、第二条第一項第四号及び第五号又は前条第二項第二号若しくは第五項のげん灯又は両色灯を掲げ、かつ、第十条の船尾灯を掲げなければならない。
三 十分間をこえない間隔で炎火を表示しなければならない。ただし、炎火に代えて断続的に周囲を照らす白灯一個を用いることができる。
2 水先業務に従事している水先帆船の航行中における灯火の表示については、次の各号による。この場合においては、次の各号以外の灯火を表示してはならない。
一 マストの最上部に前項第一号の白灯を掲げなければならない。
二 当該水先帆船の長さに応じ、第五条第一項のげん灯又は前条第五項の両色灯を直ちに使用できるように備えておき、他の船舶と間近かに接近するときは、その緑色又は紅色の射光がそれぞれ左げん側又は右げん側から見えないように短い間隔で示さなければならない。また、第十条の船尾灯を掲げなければならない。
三 十分間をこえない間隔で炎火を表示しなければならない。
3 水先業務に従事している水先船は、航行中でない場合は、第一項第一号及び第三号又は前項第一号及び第三号の灯火及び炎火を表示しなければならず、かつ、停泊している場合は、第十一条の停泊灯を掲げなければならない。
4 水先船は、水先業務に従事していない場合は、その種類及び長さが同一である他の船舶が表示すべき灯火又は形象物と同一の灯火又は形象物を表示しなければならない。
(漁船の灯火等)
第九条 漁船は、漁ろうに従事している場合のほかは、その種類及び長さが同一である他の船舶が表示すべき灯火又は形象物と同一の灯火又は形象物を表示しなければならない。
2 漁ろうに従事している船舶は、航行中及び停泊中、次項から第八項までの灯火又は形象物のみを表示しなければならず、かつ、これらの灯火及び形象物は、少なくとも二海里離れた所から視認される性能を有するものでなければならない。
3 トロールにより漁ろうに従事している船舶の灯火の表示については、次の各号による。
一 二個の灯火を垂直線上に一・二二メートル以上三・六五メートル以下の間隔で連掲しなければならない。これらの灯火は、上方のものを緑灯、下方のものを白灯とし、いずれも周囲から視認されるものでなければならず、かつ、下方の灯火は、げん灯からこれらの二個の灯火の間隔の二倍以上の高さの位置に掲げなければならない。
二 前号の灯火のほか、第二条第一項第一号の白灯と同一の構造の白灯一個を掲げることができる。この白灯は、前号の白灯よりも低く、かつ、後方の位置に掲げなければならない。
4 トロール以外の方法により漁ろうに従事している船舶は、前項第一号の灯火を掲げなければならない。ただし、上方の灯火は紅灯とするものとし、また、その船舶の長さが十二・一九メートル未満の場合は、紅灯をげん縁上二・七四メートル以上の高さの位置に、白灯を紅灯から少なくとも〇・九一メートル下方の位置に掲げることができる。
5 前二項の船舶は、対水速力を有するときは、当該船舶の種類及び長さに応じ、第二条第一項第四号及び第五号又は第七条第二項第二号若しくは第五項のげん灯又は両色灯を掲げ、かつ、第十条の船尾灯を掲げなければならない。
6 第四項の船舶は、水平距離百五十三メートルをこえて漁具を船外に出している場合は、漁具を出している方向に同項の灯火から一・八三メートル以上六・一〇メートル以下の水平距離を隔てた場所に周囲を照らす白灯一個を増掲しなければならない。この白灯は、第三項第一号の白灯の高さをこえず、かつ、げん灯よりも低くない位置に置かなければならない。
7 漁ろうに従事している船舶は、接近してくる船舶の注意を喚起するために必要がある場合は、炎火を用い、又は他の船舶の運航に支障を及ぼすおそれのない方法で、接近してくる船舶に危険のある方向を示すように探照灯を用いることができる。また、これらの船舶は、作業灯を用いることができる。ただし、この条に規定する灯火の視認及びその特性の識別を妨げないように、作業灯の照度及びしやへいに注意しなければならない。
8 漁ろうに従事している船舶は、昼間は、底の直径が〇・六一メートル以上の二個の同形の円すいをその頂点で上下に結合させた形の黒色の形象物(長さ十九・八○メートル未満の船舶にあつては、かごで足りる。)一個を、最も見えやすい場所に示さなければならない。また、水平距離百五十三メートルをこえて漁具を船外に出している場合は、漁具を出している方向に黒色の円すい形の形象物一個を頂点を上にして示さなければならない。
第十条第一項中「船尾においてできる限りげん灯と同一の高さの位置」を「別に定めのある場合を除き、船尾」に、「十二点(百三十五度)」を「百三十五度(十二点)」に、「六点(六十七度三十分)」を「六十七度三十分(六点)」に改める。
第十一条第一項中「明りような白灯」を「白灯」に改め、同項に後段として次のように加える。
また、これらの船舶は、船尾又はその近くの場所でこの灯火から少なくとも四・五七メートル下方の位置に、少なくとも二海里離れた所から視認される性能を有する白灯一個をできる限り周囲から視認されるように掲げることができる。
第十一条第二項を次のように改める。
2 長さ四十五・七五メートル以上の船舶は、停泊している場合は、夜間においては、船首の近くで船体上六・一〇メートル以上の高さの位置に白灯一個を掲げ、かつ、船尾又はその近くの場所でこの灯火から少なくとも四・五七メートル下方の位置に白灯一個を掲げなければならない。これらの灯火は、少なくとも三海里離れた所から視認される性能を有するものでなければならず、かつ、できる限り周囲から視認されるように置かなければならない。
第十一条第七項中「一海里」を「一海里以上」に改める。
第十三条の見出し中「灯火及び形象物」を「灯火等」に改め、同条第一項中「又は水上航空機が二以上である場合」を「若しくは水上航空機が二以上である場合又は漁船が集団で漁ろうに従事している場合」に改め、「妨げるものではなく、また、船舶所有者が、その船舶の属する国の政府の許可を受け、且つ登録及び公告された識別信号を使用することを」を削る。
第十四条中「円すい形象物」を「円すい形の形象物」に、「上にして」を「下にして」に改める。
第十五条の前に次の章名及び前文を加える。
第三章 霧中航行等
前文
1 この章その他この法律の規定を遵守すべき義務は、レーダー情報を使用している船舶及び水上航空機についても、免除されるものではない。
2 運輸大臣は、衝突を防止するため、レーダー情報の使用について注意すべき事項を勧告するものとする。
第十五条第一項中「動力船」を「長さ十二・一九メートル以上の動力船」に、「二十トン」を「長さ十二・一九メートル」に改め、同条第三項第七号から第九号までを次のように改める。
七 乗り揚げている船舶は、第四号前段の信号を行ない、かつ、当該号鐘信号の直前及び直後に号鐘を明確に三回点打しなければならない。
八 漁ろうに従事している船舶は、航行中又は停泊中、第一号から第四号までの信号に代えて、第五号の信号を行なわなければならない。
九 ろかい舟及びろかい舟以外の長さ十二・一九メートル未満の船舶は、前各号の信号を行なうことを要しない。ただし、これらの信号を行なわない場合は、一分間をこえない間隔で他の有効な音響による信号を行なわなければならない。
第十五条第三項中第十号を第十一号とし、第九号の次に次の一号を加える。
十 水先業務に従事している水先動力船は、第一号、第二号又は第四号の信号を行なうほか、短音四回の識別信号を行なうことができる。
第十六条の見出し中「速力等」を「行動」に改め、同条に次の一項を加える。
3 動力船は、他の船舶若しくは水上航空機の前条第三項の信号を聞く前又は他の船舶若しくは水上航空機を視認する前に、その正横の前方に他の船舶又は水上航空機が存在することを知つた場合は、これらと著しく接近することを避けるために、適切な動作を早期にとることができる。著しく接近することを避けることができない場合は、状況の許す限り、衝突を避けるのに適当な時期に機関の運転を止め、しかる後衝突の危険がなくなるまで注意して運航しなければならない。
「第三章 航法」を「第四章 航法」に改める。
第四章前文に次の一項を加える。
4 第十七条から第二十四条までの規定は、船舶が互いに他の船舶の視野の内にある場合にのみ適用する。
第十七条各号を次のように改める。
一 二隻の船舶の風を受けるげんが異なるときは、左げんに風を受ける船舶は、右げんに風を受ける船舶の進路を避けなければならない。
二 二隻の船舶の風を受けるげんが同じであるときは、風上の船舶は、風下の船舶の進路を避けなければならない。
第十七条に次の一項を加える。
2 前項第二号の規定の適用については、風の方向は、メインスル(横帆船にあつては、最大の縦帆)の張つている側の反対側を風上とする。
第十八条第二項中「第二十条第二項」を「第二十条第三項及び第二十八条」に改める。
第二十条中第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。
2 前項の規定は、狭い水道において、帆船が、その水道の航路筋しか航行できない動力船の安全通航を妨げることができることとするものではない。
第二十二条の見出し中「禁止」を「禁止等」に改め、同条中「船舶は」の下に「、必要な動作をできる限り積極的に、かつ、早期にとらなければならず、また」を加える。
第二十四条第二項及び第三項中「二点(二十二度三十分)」を「二十二度三十分(二点)」に改める。
第二十五条第二項中「他の動力船」を「他の船舶」に改め、同条に次の一項を加える。
3 狭い水道においては、長さ十九・八○メートル未満の動力船は、その水道の航路筋しか航行できない他の船舶の安全通航を妨げてはならない。
第二十六条中「漁ろうをしていない航行中の船舶は、底びき網その他の網又はなわ(引きなわを除く。)を用いて」を「漁ろうに従事している船舶以外の航行中の船舶(第四条の規定が適用されるものを除く。)は、」に、「漁ろうをしている漁船」を「漁ろうに従事している船船」に改める。
「第四章 雑則」を「第五章 針路信号等」に改める。
第二十八条中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 船舶は、前二項の汽笛信号を少なくとも五海里離れた周囲から視認される白灯による発光信号と併用して行なうことができる。この発光信号は、汽笛信号装置と同時に連動して作動し、汽笛音と同一の時間点燈される装置によるものでなければならない。
第二十九条の前に次の章名を加える。
第六章 雑則
第三十条第二項中「、政令で定める水域において、船舶又は水上航空機が衝突予防に関し遵守すべき」を「政令で定める水域における船舶又は水上航空機の衝突予防に関し、これらの遵守すべき」に改める。
第三十一条第一項第九号中「炎火ロケット」の下に「又は赤色の手持炎火」を加え、同項に次の二号を加える。
十 オレンジ色の煙を多量に発する発煙信号
十一 左右に伸ばした腕を繰り返しゆつくり上下させる信号
第三十二条を削る。
附 則
1 この法律は、政令で定める日から施行する。
2 港則法(昭和二十三年法律第百七十四号)の一部を次のように改正する。
第二十七条中「第七条第四項」を「第七条第五項」に、「同条第五項」を「同条第七項」に、「同条第四項但書」を「同条第五項ただし書」に改める。
第三十条の二第一項中「第一条第三項第十一号」を「第一条第三項第十二号」に改める。
運輸大臣 綾部健太郎
内閣総理大臣 池田勇人
海上衝突予防法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十九年七月七日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百五十七号
海上衝突予防法の一部を改正する法律
海上衝突予防法(昭和二十八年法律第百五十一号)の一部を次のように改正する。
目次を次のように改める。
目次
第一章
総則(第一条)
第二章
灯火等(第二条―第十四条)
第三章
霧中航行等(前文・第十五条・第十六条)
第四章
航法(前文・第十七条―第二十七条)
第五章
針路信号等(第二十八条)
第六章
雑則(第二十九条―第三十一条)
附則
第一条第二項中「遵守しなければならない。また」を「遵守しなければならず」に改め、同項に後段として次のように加える。
また、この法律に規定する灯火は、視界が制限される状態にある場合その他必要があると認められる場合は、日出から日没までの間においても、表示することができる。
第一条第三項第七号中「当該船舶の登録に係る証書に記載する長さ及び幅」を「全長及び最大幅」に改め、同項第十三号を削り、同項第十二号中「サイレンを含むものとする」を「この法律に規定する短音及び長音を発することができる装置をいう」に改め、同号を同項第十三号とし、同項第九号から第十一号までを一号ずつ繰り下げ、同項第八号の次に次の一号を加える。
九 船舶が互いに他の船舶の視野の内にある場合とは、船船が互いに視覚によつて他の船舶を見ることができる場合に限るものとする。
第一条第三項に次の一号を加える。
十四 「漁ろうに従事している」とは、網、なわ(引きなわを除く。)又はトロール(けた網その他の漁具を水中で引くことをいう。以下同じ。)により漁ろうをしていることをいう。
「第二章 灯火、形象物等」を「第二章 灯火等」に改める。
第二条第一項第一号中「明りような白灯」を「白灯」に、「二十点(二百二十五度)」を「二百二十五度(二十点)」に、「二点(二十二度三十分)」を「二十二度三十分(二点)」に、「十点(百十二度三十分)」を「百十二度三十分(十点)」に改め、同項第二号中「及び他の船舶又は水上航空機を引いている船舶」を削り、同項第三号中「四・五七メートル下方」を「四・五七メートル下方で、後方の灯火より常に低く見える位置」に、「十二・二〇メートル」を「十二・一九メートル」に改め、同項第四号及び第五号中「十点(百十二度三十分)」を「百十二度三十分(十点)」に、「二点(二十二度三十分)」を「二十二度三十分(二点)」に改め、同条第二項第一号中「明りような白灯」を「白灯」に改める。
第三条の見出し中「灯下」を「灯火等」に改め、同条第一項中「明りような白灯」を「白灯」に、「水上航空機が二以上であつて、その」を「水上航空機の」に、「上方又は下方一・八三メートルの位置」を「垂直線上の上方又は下方でこれらの白灯の間隔と同一の距離を隔てた位置」に、「すべての白灯」を「白灯」に、「増掲した灯火以外の二個の白灯のうち一個は、」を「これらの白灯のうち、一個は」に、「増掲した灯火は、」を「その他のものは」に改める。
第三条中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 動力船は、航行中、他の船舶又は水上航空機を引いている場合において、引かれている船舶又は水上航空機の最後部のものの船尾又は機尾と引いている船舶の船尾との距離が百八十三メートルをこえるときは、最も見えやすい場所に、日出から日沿までの間、直径〇・六一メートル以上で黒色のひし形の形象物一個を掲げなければならない。
第四条の見出し中「灯火及び形象物」を「灯火等」に改め、同条第一項後段中「、夜間は」を削り、同条第二項に後段として次のように加える。
この場合においては、当該水上航空機は、第二条第二項第一号の灯火を掲げてはならない。
第四条第三項前段中「又は水中作業をしている」を「、水中作業、海上補給作業又は航空機の発着作業に従事している」に、「それぞれ一・八三メートル以上隔てて」を「、それぞれ一・八三メートル以上隔てて、かつ、灯火にあつては等間隔に、」に改め、同項後段中「、夜間は」を削り、「第二号」の下に「又は第七条第二項第一号」を加える。
第四条第五項中「第三項」を「第四項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項中「前三項」を「前四項」に、「げん灯」を「げん灯又は両色灯及び船尾灯又は機尾灯」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 掃海作業に従事している船舶は、前部マストの頂部及び危険の存する側のヤードの端に、夜間は、少なくとも二海里離れた周囲から視認される性能を有する緑灯各一個を、昼間は、直径〇・六一メートル以上の黒球各一個を掲げなければならない。これらの緑灯又は黒球の表示は、当該船舶の後方半海里の水域のうち、当該側方四分の一海里の範囲内が危険であることを示すものとする。
第五条の見出し中「灯火」を「灯火等」に改め、同条第一項を次のように改める。
航行中の帆船は、第二条第一項第四号及び第五号のげん灯を掲げなければならず、また、他の船舶に引かれて航行している場合を除き、前部マストの最上部に、二個の灯火を明らかに区別できるように分離して垂直線上に連掲することができる。これらの二個の灯火は、上方のものを紅灯、下方のものを緑灯とし、同項第一号の構造及び装置を有し、かつ、少なくとも二海里離れた所から視認される性能を有するものでなければならない。
第五条第二項に後段として次のように加える。
動力船及び帆船以外の引かれている航行中の船舶は、同条第一項第四号及び第五号のげん灯を掲げなければならない。
第五条に次の一項を加える。
5 引かれている航行中の船舶は、引かれている船舶の最後部のものの船尾と引いている船舶の船尾との距離が百八十三メートルをこえる場合は、最も見えやすい場所に、日出から日没までの間、第三条第三項の形象物一個を掲げなければならない。
第六条の見出し中「小形船舶」を「荒天時等」に改め、同条第一項中「小形の船舶」を「船舶」に、「二点(二十二度三十分)」を「二十二度三十分(二点)」に改める。
第七条から第九条までを次のように改める。
(小形動力船等の灯火等)
第七条 長さ十九・八○メートル未満(ろかい又は帆を用いているものにあつては、長さ十二・一九メートル未満)の船舶は、航行中、第二条、第三条及び第五条の灯火を掲げることを要しない。ただし、これらの灯火を掲げない場合は、次項から第七項までの規定によらなければならない。
2 長さ十九・八○メートル未満の動力船の灯火の表示については、次の各号による。
一 船舶の前部の最も見えやすい場所で、げん縁上二・七四メートル以上の高さの位置に、第二条第一項第一号の構造及び装置を有し、かつ、少なくとも三海里離れた所から視認される性能を有する白灯一個を掲げなければならない。
二 第二条第一項第四号及び第五号の構造及び装置を有するげん灯を掲げ、又は前号の白灯から少なくとも〇・九一メートル下方の位置に、緑紅の両色灯一個を、その緑色若しくは紅色の射光がそれぞれ正船首方向から右げん若しくは左げん正横後二十二度三十分(二点)の間を照らすように掲げなければならない。これらの灯火は、少なくとも一海里離れた所から視認される性能を有するものでなければならない。
3 長さ十九・八○メートル未満の動力船が他の船舶又は水上航空機を引き、又は押している場合の灯火の表示については、次の各号による。
一 前項第一号の灯火を掲げないで、白灯二個を一・二二メートル以上隔てて垂直線上に連掲しなければならない。これらの白灯は、同号の灯火と同一の構造及び性能でなければならず、かつ、これらの白灯のうち一個は、同号の灯火と同一の位置に掲げなければならない。ただし、一本マストの船舶は、これらの灯火をそのマストに掲げることができる。
二 第十条の船尾灯に代えて、引かれているものの操だの目標として、小形の白灯一個を煙突又は後部マストの後に正横の前方から見えないように掲げることができる。
4 長さ十二・一九メートル未満の動力船は、第二項第一号の規定にかかわらず、同号の白灯をげん縁上二・七四メートル未満の高さの位置に掲げることができる。ただし、その位置は、同項第二号の灯火より〇・九一メートル以上高くなければならない。
5 長さ十二・一九メートル未満のろかい又は帆を用いている船舶(小形ろかい舟を除く。)は、最も見えやすい場所に、少なくとも一海里離れた所から視認される性能を有する緑紅の両色灯一個を、その緑色又は紅色の射光がそれぞれ左げん側又は右げん側から見えないように掲げなければならない。ただし、この灯火を掲げることができない場合は、これを直ちに使用できるように備えておき、衝突を防ぐために十分な時間、その緑色又は紅色の射光がそれぞれ左げん側又は右げん側から見えないように示すことをもつて足りる。
6 第一項の船舶(小形ろかい舟を除く。)は、引かれて航行している場合は、動力船にあつては、第二項第一号又は第四項の白灯を掲げてはならず、動力船及びろかい又は帆を用いている船船以外の船舶にあつては、第二項第二号又は前項のげん灯又は両色灯を掲げなければならず、また、引かれている船舶が二隻以上ある場合は、その最後部の船舶以外の船舶は、第十条の船尾灯に代えて、第三項第二号の小形の白灯一個を掲げることができる。第一項の船舶(小形ろかい舟を除く。)が船首方向に押されて航行している場合は、第二項第二号のげん灯のみを各げんの前端に掲げ、又は同号若しくは前項の両色灯のみを前端に掲げなければならない。この場合において、二隻以上の船舶が一団となつて船首方向に押されているときは、これらの船舶は、一隻の船舶とみなすものとし、その一団の全長が十九・八○メートルをこえるものについては、第五条第四項本文の規定によるものとする。
7 小形ろかい舟は、ろかいを用いていると帆を用いているとにかかわらず、白色の携帯電灯又は点火した白灯のみを直ちに使用できるように備えておき、衝突を防ぐために十分な時間、これを示さなければならない。
8 第一項の船舶は、第四条第一項及び第十一条第五項の灯火又は形象物を掲げることを要しない。これらの船舶は、第四条第三項及び第十一条第三項の形象物の大きさについては、これらの規定によるものより小さいものとすることができる。
(水先船の灯火等)
第八条 水先業務に従事している水先動力船の航行中における灯火の表示については、次の各号による。この場合においては、次の各号以外の灯火を表示してはならない。
一 マストの最上部で船体上六・一〇メートル以上の高さの位置に、少なくとも三海里離れた周囲から視認される性能を有する白灯一個を掲げ、その下方二・四〇メートルの位置に、これと同一の性能を有する紅灯一個を掲げなければならない。ただし、長さ十九・八○メートル未満の水先動力船にあつては、マストの最上部でげん縁上二・七四メートル以上の高さの位置に同白灯を掲げ、その下方一・二二メートルの位置に同紅灯を掲げることができる。
二 当該水先動力船の長さに応じ、第二条第一項第四号及び第五号又は前条第二項第二号若しくは第五項のげん灯又は両色灯を掲げ、かつ、第十条の船尾灯を掲げなければならない。
三 十分間をこえない間隔で炎火を表示しなければならない。ただし、炎火に代えて断続的に周囲を照らす白灯一個を用いることができる。
2 水先業務に従事している水先帆船の航行中における灯火の表示については、次の各号による。この場合においては、次の各号以外の灯火を表示してはならない。
一 マストの最上部に前項第一号の白灯を掲げなければならない。
二 当該水先帆船の長さに応じ、第五条第一項のげん灯又は前条第五項の両色灯を直ちに使用できるように備えておき、他の船舶と間近かに接近するときは、その緑色又は紅色の射光がそれぞれ左げん側又は右げん側から見えないように短い間隔で示さなければならない。また、第十条の船尾灯を掲げなければならない。
三 十分間をこえない間隔で炎火を表示しなければならない。
3 水先業務に従事している水先船は、航行中でない場合は、第一項第一号及び第三号又は前項第一号及び第三号の灯火及び炎火を表示しなければならず、かつ、停泊している場合は、第十一条の停泊灯を掲げなければならない。
4 水先船は、水先業務に従事していない場合は、その種類及び長さが同一である他の船舶が表示すべき灯火又は形象物と同一の灯火又は形象物を表示しなければならない。
(漁船の灯火等)
第九条 漁船は、漁ろうに従事している場合のほかは、その種類及び長さが同一である他の船舶が表示すべき灯火又は形象物と同一の灯火又は形象物を表示しなければならない。
2 漁ろうに従事している船舶は、航行中及び停泊中、次項から第八項までの灯火又は形象物のみを表示しなければならず、かつ、これらの灯火及び形象物は、少なくとも二海里離れた所から視認される性能を有するものでなければならない。
3 トロールにより漁ろうに従事している船舶の灯火の表示については、次の各号による。
一 二個の灯火を垂直線上に一・二二メートル以上三・六五メートル以下の間隔で連掲しなければならない。これらの灯火は、上方のものを緑灯、下方のものを白灯とし、いずれも周囲から視認されるものでなければならず、かつ、下方の灯火は、げん灯からこれらの二個の灯火の間隔の二倍以上の高さの位置に掲げなければならない。
二 前号の灯火のほか、第二条第一項第一号の白灯と同一の構造の白灯一個を掲げることができる。この白灯は、前号の白灯よりも低く、かつ、後方の位置に掲げなければならない。
4 トロール以外の方法により漁ろうに従事している船舶は、前項第一号の灯火を掲げなければならない。ただし、上方の灯火は紅灯とするものとし、また、その船舶の長さが十二・一九メートル未満の場合は、紅灯をげん縁上二・七四メートル以上の高さの位置に、白灯を紅灯から少なくとも〇・九一メートル下方の位置に掲げることができる。
5 前二項の船舶は、対水速力を有するときは、当該船舶の種類及び長さに応じ、第二条第一項第四号及び第五号又は第七条第二項第二号若しくは第五項のげん灯又は両色灯を掲げ、かつ、第十条の船尾灯を掲げなければならない。
6 第四項の船舶は、水平距離百五十三メートルをこえて漁具を船外に出している場合は、漁具を出している方向に同項の灯火から一・八三メートル以上六・一〇メートル以下の水平距離を隔てた場所に周囲を照らす白灯一個を増掲しなければならない。この白灯は、第三項第一号の白灯の高さをこえず、かつ、げん灯よりも低くない位置に置かなければならない。
7 漁ろうに従事している船舶は、接近してくる船舶の注意を喚起するために必要がある場合は、炎火を用い、又は他の船舶の運航に支障を及ぼすおそれのない方法で、接近してくる船舶に危険のある方向を示すように探照灯を用いることができる。また、これらの船舶は、作業灯を用いることができる。ただし、この条に規定する灯火の視認及びその特性の識別を妨げないように、作業灯の照度及びしやへいに注意しなければならない。
8 漁ろうに従事している船舶は、昼間は、底の直径が〇・六一メートル以上の二個の同形の円すいをその頂点で上下に結合させた形の黒色の形象物(長さ十九・八○メートル未満の船舶にあつては、かごで足りる。)一個を、最も見えやすい場所に示さなければならない。また、水平距離百五十三メートルをこえて漁具を船外に出している場合は、漁具を出している方向に黒色の円すい形の形象物一個を頂点を上にして示さなければならない。
第十条第一項中「船尾においてできる限りげん灯と同一の高さの位置」を「別に定めのある場合を除き、船尾」に、「十二点(百三十五度)」を「百三十五度(十二点)」に、「六点(六十七度三十分)」を「六十七度三十分(六点)」に改める。
第十一条第一項中「明りような白灯」を「白灯」に改め、同項に後段として次のように加える。
また、これらの船舶は、船尾又はその近くの場所でこの灯火から少なくとも四・五七メートル下方の位置に、少なくとも二海里離れた所から視認される性能を有する白灯一個をできる限り周囲から視認されるように掲げることができる。
第十一条第二項を次のように改める。
2 長さ四十五・七五メートル以上の船舶は、停泊している場合は、夜間においては、船首の近くで船体上六・一〇メートル以上の高さの位置に白灯一個を掲げ、かつ、船尾又はその近くの場所でこの灯火から少なくとも四・五七メートル下方の位置に白灯一個を掲げなければならない。これらの灯火は、少なくとも三海里離れた所から視認される性能を有するものでなければならず、かつ、できる限り周囲から視認されるように置かなければならない。
第十一条第七項中「一海里」を「一海里以上」に改める。
第十三条の見出し中「灯火及び形象物」を「灯火等」に改め、同条第一項中「又は水上航空機が二以上である場合」を「若しくは水上航空機が二以上である場合又は漁船が集団で漁ろうに従事している場合」に改め、「妨げるものではなく、また、船舶所有者が、その船舶の属する国の政府の許可を受け、且つ登録及び公告された識別信号を使用することを」を削る。
第十四条中「円すい形象物」を「円すい形の形象物」に、「上にして」を「下にして」に改める。
第十五条の前に次の章名及び前文を加える。
第三章 霧中航行等
前文
1 この章その他この法律の規定を遵守すべき義務は、レーダー情報を使用している船舶及び水上航空機についても、免除されるものではない。
2 運輸大臣は、衝突を防止するため、レーダー情報の使用について注意すべき事項を勧告するものとする。
第十五条第一項中「動力船」を「長さ十二・一九メートル以上の動力船」に、「二十トン」を「長さ十二・一九メートル」に改め、同条第三項第七号から第九号までを次のように改める。
七 乗り揚げている船舶は、第四号前段の信号を行ない、かつ、当該号鐘信号の直前及び直後に号鐘を明確に三回点打しなければならない。
八 漁ろうに従事している船舶は、航行中又は停泊中、第一号から第四号までの信号に代えて、第五号の信号を行なわなければならない。
九 ろかい舟及びろかい舟以外の長さ十二・一九メートル未満の船舶は、前各号の信号を行なうことを要しない。ただし、これらの信号を行なわない場合は、一分間をこえない間隔で他の有効な音響による信号を行なわなければならない。
第十五条第三項中第十号を第十一号とし、第九号の次に次の一号を加える。
十 水先業務に従事している水先動力船は、第一号、第二号又は第四号の信号を行なうほか、短音四回の識別信号を行なうことができる。
第十六条の見出し中「速力等」を「行動」に改め、同条に次の一項を加える。
3 動力船は、他の船舶若しくは水上航空機の前条第三項の信号を聞く前又は他の船舶若しくは水上航空機を視認する前に、その正横の前方に他の船舶又は水上航空機が存在することを知つた場合は、これらと著しく接近することを避けるために、適切な動作を早期にとることができる。著しく接近することを避けることができない場合は、状況の許す限り、衝突を避けるのに適当な時期に機関の運転を止め、しかる後衝突の危険がなくなるまで注意して運航しなければならない。
「第三章 航法」を「第四章 航法」に改める。
第四章前文に次の一項を加える。
4 第十七条から第二十四条までの規定は、船舶が互いに他の船舶の視野の内にある場合にのみ適用する。
第十七条各号を次のように改める。
一 二隻の船舶の風を受けるげんが異なるときは、左げんに風を受ける船舶は、右げんに風を受ける船舶の進路を避けなければならない。
二 二隻の船舶の風を受けるげんが同じであるときは、風上の船舶は、風下の船舶の進路を避けなければならない。
第十七条に次の一項を加える。
2 前項第二号の規定の適用については、風の方向は、メインスル(横帆船にあつては、最大の縦帆)の張つている側の反対側を風上とする。
第十八条第二項中「第二十条第二項」を「第二十条第三項及び第二十八条」に改める。
第二十条中第二項を第三項とし、第一項の次に次の一項を加える。
2 前項の規定は、狭い水道において、帆船が、その水道の航路筋しか航行できない動力船の安全通航を妨げることができることとするものではない。
第二十二条の見出し中「禁止」を「禁止等」に改め、同条中「船舶は」の下に「、必要な動作をできる限り積極的に、かつ、早期にとらなければならず、また」を加える。
第二十四条第二項及び第三項中「二点(二十二度三十分)」を「二十二度三十分(二点)」に改める。
第二十五条第二項中「他の動力船」を「他の船舶」に改め、同条に次の一項を加える。
3 狭い水道においては、長さ十九・八○メートル未満の動力船は、その水道の航路筋しか航行できない他の船舶の安全通航を妨げてはならない。
第二十六条中「漁ろうをしていない航行中の船舶は、底びき網その他の網又はなわ(引きなわを除く。)を用いて」を「漁ろうに従事している船舶以外の航行中の船舶(第四条の規定が適用されるものを除く。)は、」に、「漁ろうをしている漁船」を「漁ろうに従事している船船」に改める。
「第四章 雑則」を「第五章 針路信号等」に改める。
第二十八条中第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 船舶は、前二項の汽笛信号を少なくとも五海里離れた周囲から視認される白灯による発光信号と併用して行なうことができる。この発光信号は、汽笛信号装置と同時に連動して作動し、汽笛音と同一の時間点灯される装置によるものでなければならない。
第二十九条の前に次の章名を加える。
第六章 雑則
第三十条第二項中「、政令で定める水域において、船舶又は水上航空機が衝突予防に関し遵守すべき」を「政令で定める水域における船舶又は水上航空機の衝突予防に関し、これらの遵守すべき」に改める。
第三十一条第一項第九号中「炎火ロケット」の下に「又は赤色の手持炎火」を加え、同項に次の二号を加える。
十 オレンジ色の煙を多量に発する発煙信号
十一 左右に伸ばした腕を繰り返しゆつくり上下させる信号
第三十二条を削る。
附 則
1 この法律は、政令で定める日から施行する。
2 港則法(昭和二十三年法律第百七十四号)の一部を次のように改正する。
第二十七条中「第七条第四項」を「第七条第五項」に、「同条第五項」を「同条第七項」に、「同条第四項但書」を「同条第五項ただし書」に改める。
第三十条の二第一項中「第一条第三項第十一号」を「第一条第三項第十二号」に改める。
運輸大臣 綾部健太郎
内閣総理大臣 池田勇人