恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律
法令番号: 法律第151号
公布年月日: 昭和39年7月6日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

昭和37年法律第114号による恩給・扶助料の年額増額時に設けられた年齢制限(60歳未満の増額分停止)を解除し、在外特殊機関職員期間の恩給公務員期間への通算、南西諸島勤務の旧軍人軍属への戦地加算に準じた在職年の割増、傷病年金受給者への扶養家族加給の新設、追放解除者への一時金支給、奄美群島勤務教育職員等への勤続加給の適用、琉球諸島民政府職員の恩給扶助料・共済年金の改善等を行うため、昭和39年10月からの実施を提案するものである。

参照した発言:
第46回国会 衆議院 内閣委員会 第1号

審議経過

第46回国会

衆議院
(昭和39年2月18日)
参議院
(昭和39年2月18日)
(昭和39年2月20日)
衆議院
(昭和39年6月4日)
(昭和39年6月9日)
(昭和39年6月11日)
(昭和39年6月11日)
参議院
(昭和39年6月23日)
(昭和39年6月25日)
衆議院
(昭和39年6月26日)
参議院
(昭和39年6月26日)
恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十九年七月六日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百五十一号
恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律
(恩給法の一部を改正する法律の一部改正)
第一条 恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号)の一部を次のように改正する。
附則第二十二条の二の次に次の一条を加える。
第二十二条の三 附則第二十二条第一項本文の規定により傷病年金を受ける者に妻があるときは、四千八百円を傷病年金の年額に加給するものとする。
附則第二十四条に次の二項を加える。
5 法律第三十一号による改正前の恩給法第三十二条第一項に規定する服務をした旧軍人、旧準軍人又は旧軍属の服務期間(当該期間の在職年につき前項第一号に掲げる加算年が附せられることとなつている場合を除く。)で政令で定めるものについて在職年を計算する場合においては、政令で定めるところにより、当該在職期間の一月につき三月以内の月数を加えたものによる。
6 前項の規定により在職期間に加えられることとなる年月数は、第四項第一号に規定する加算年の年月数とみなす。
附則第二十四条の五の次に次の一条を加える。
(加算年月数とみなされる年月数の算入に伴う措置)
第二十四条の六 前条の規定は、旧軍人、旧準軍人又は旧軍属で附則第二十四条第五項及び第六項の規定の適用によりその在職年が普通恩給についての最短恩給年限に達することとなるもの又はその遺族について準用する。この場合において、前条第一項中「昭和三十六年十月一日」とあるのは「昭和三十九年十月一日」と、同条第三項中「普通恩給を受ける権利を取得した者の当該普通恩給の給与は昭和三十七年十月から、同項の規定により扶助料を受ける権利を取得した者の当該扶助料の給与は昭和三十六年十月から」とあるのは「普通恩給又は扶助料を受ける権利を取得した者の当該普通恩給又は扶助料の給与は、昭和三十九年十月から」と読み替えるものとする。
附則第四十三条の次に次の一条を加える。
(外国特殊機関の職員期間のある者についての特例)
第四十三条の二 附則第四十二条の規定は、前二条に規定する外国政府職員又は外国特殊法人職員に準ずべきものとして政令で定める外国にあつた特殊機関の職員(以下「外国特殊機関職員」という。)となるため公務員(前二条に規定する外国政府職員又は外国特殊法人職員で引き続き昭和二十年八月八日まで在職していたとしたならば、その在職年月数が公務員としての在職年に加えられることとなるべきであつたものを含む。)を退職し、当該外国特殊機関職員として在職したことのある公務員について準用する。この場合において、同条中「外国政府職員」とあるのは「外国特殊機関職員」と、同条第四項において準用する附則第四十一条第二項中「もののうち昭和三十六年九月三十日以前に退職し、若しくは死亡した者又はその遺族は、同年十月一日から」とあるのは「もの又はその遺族は、昭和三十九年十月一日から」と、附則第四十二条第四項において準用する附則第四十一条第四項中「昭和三十六年十月」とあるのは「昭和三十九年十月」と読み替えるものとする。
(元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律の一部改正)
第二条 元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項中「改正前の恩給法第二十三条」を「改正前の恩給法第二十二条に規定する教育職員又は準教育職員であつた元南西諸島官公署職員が、引き続きこれに相当する奄美群島にあつた公立学校の職員となつた場合にあつては、これを同条に規定する教育職員又は準教育職員として勤続するものとみなし、同法第二十三条」に改め、「加給」の下に「(奄美群島にあつた機関の職員に係るものを除く。)」を加え、同条第二項中「琉球諸島民政府職員」の下に「(奄美群島にあつた機関の職員を除く。)」を加え、同条第三項を次のように改める。
3 第一項の規定により恩給に関する法令の規定を適用して給する恩給の年額の計算の基礎となる俸給の年額は、琉球諸島民政府職員が昭和二十一年一月二十八日において受けていた俸給の年額(その年額が政令で定める額に達しない者の場合にあつては、同日において受けていた俸給の年額とその年額の千分の四十五に相当する額に琉球諸島民政府職員としての在職年数(年未満の端数は、切り捨てる。)を乗じて得た額との合計額に相当する額(その額が政令で定める額をこえることとなる場合においては、その政令で定める額))を退職当時の俸給年額とみなして計算した場合の年額の普通恩給を同日から受けていたとしたならばその者の退職の日(第六条第二項の規定により退職とみなされた者にあつては、その退職とみなされた日)において受けるべきであつた普通恩給の年額の計算の基礎となるべき俸給の年額とする。
第四条の二第二項を次のように改める。
2 前項の規定により共済組合法の規定を適用して支給する給付の額の計算の基礎となる俸給の額は、琉球諸島民政府職員が昭和二十一年一月二十八日において受けていた俸給の額(その額が政令で定める額に達しない者の場合にあつては、同日において受けていた俸給の額とその額の千分の四十五に相当する額に琉球諸島民政府職員としての在職年数(年未満の端数は、切り捨てる。)を乗じて得た額との合計額に相当する額(その額が政令で定める額をこえることとなる場合においては、その額))を退職当時の俸給の額とみなして計算した場合の額の退職年金を同日から受けていたとしたならばその者の退職の日(第六条の二第二項の規定により退職とみなされた者にあつては、その退職とみなされた日)において受けるべきであつた退職年金の額の計算の基礎となるべき俸給の額とする。
第六条及び第六条の二を次のように改める。
(在職年の通算の辞退)
第六条 第四条第一項の規定により恩給に関する法令の規定の適用を受ける琉球諸島民政府職員は、同項の規定による在職年の通算を辞退すべき旨を申し出ることができる。
2 前項の規定による申出をした者は、恩給に関する法令の規定の適用については、当該申出をした日前六月以内でその者の指定する日に退職したものとみなす。
3 第一項の規定による申出は、内閣総理大臣に対してしなければならない。
4 第二項の規定により退職したものとみなされる者は、前条の規定の適用についても、同項の規定により退職したものとみなされる日に退職したものとみなす。
(在職期間の通算の辞退)
第六条の二 第四条の二第一項の規定により共済組合法の規定の適用を受ける琉球諸島民政府職員で、同項の規定による退職年金についての最短給付年限(以下この条において「最短給付年限」という。)に達したものは、同項の規定による在職期間の通算を辞退すべき旨を申し出ることができる。
2 前項の規定による申出をした者は、共済組合法の規定の適用については、当該申出をした日前六月以内でその者の指定する日(最短給付年限に達した日が当該申出をした日前六月以内にあるときは、その最短給付年限に達した日)に退職したものとみなす。
3 第一項の規定による申出は、内閣総理大臣を経由して当該新組合の代表者に対してしなければならない。
4 第二項の規定により退職したものとみなされる者は、第五条の規定の適用についても、同項の規定により退職したものとみなされる日に退職したものとみなす。
第八条第一項中「九十日」を「百二十日」に改める。
第九条第二項中「九十日」を「百二十日」に、「又は本邦官公署職員となつた場合」を「となつた場合又はその帰国の日から九十日以内に本邦官公署職員となつた場合」に改める。
第十条第一項中「九十日」を「百二十日」に改める。
(恩給法等の一部を改正する法律の一部改正)
第三条 恩給法等の一部を改正する法律(昭和三十七年法律第百十四号)の一部を次のように改正する。
附則第三条を次のように改める。
第三条 削除
附則第八条第二項中「ただし書の規定は」を「ただし書の規定は、」に改め、「、附則第三条の規定は前項の規定により年額を改定された恩給を受ける者について」を削る。
附則第九条第二項を削る。
附則第十条第二項中「ただし書の規定は」を「ただし書の規定は、」に改め、「、附則第三条の規定は前項の規定により改定された普通恩給及び扶助料を受ける者について」を削る。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和三十九年十月一日から施行する。
(傷病年金に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号。以下「法律第百五十五号」という。)附則第二十二条の規定による傷病年金を受ける者に妻があるときは、その年額を、昭和三十九年十月分以降、その年額に四千八百円を加給した年額に改定する。
2 この法律の施行の際現に法律第百五十五号による改正前の恩給法(大正十二年法律第四十八号)の規定の例により傷病年金を受ける者(前項に規定する者を除く。)に妻があるときは、その年額を、昭和三十九年十月分以降、その年額(その年額が同法の規定の例により加給されたものであるときは、その者に当該加給の原因となる者がなかつたとしたならばその者が同月において受けるべきであつた傷病年金の年額)に四千八百円を加給した年額に改定する。ただし、改定年額が従前の年額に達しない者については、この改定を行なわない。
3 この法律の施行前に給与事由の生じた傷病年金の昭和三十九年九月分までの年額の計算については、なお従前の例による。
(元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律の改正に伴う経過措置)
第三条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律(以下「特別措置法」という。)第四条の規定を適用して計算して得た年額の普通恩給又は扶助料を受けている者については、昭和三十九年十月分以降、その年額をこの法律による改正後の同条の規定を適用して計算して得た年額に改定する。
2 この法律の施行前に給与事由の生じた普通恩給又は扶助料の昭和三十九年九月分までの年額の計算については、この法律による改正後の特別措置法第四条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第四条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の特別措置法第四条の二の規定を適用して計算して得た額の退職年金、廃疾年金又は遺族年金を受けている者については、昭和三十九年十月分以降、その額をこの法律による改正後の同条の規定を適用して計算して得た額に改定する。
2 この法律の施行前に給付事由の生じた退職給付、廃疾給付又は遺族給付の昭和三十九年九月分までの額の計算については、この法律による改正後の特別措置法第四条の二の規定にかかわらず、なお従前の例による。
第五条 この法律による改正後の特別措置法第八条から第十条までの規定は、恩給に関する法令の規定の適用については、この法律の施行前に琉球諸島民政府職員を退職し、又は死亡した元南西諸島官公署職員についても適用する。ただし、これらの規定を適用した場合においても、その在職年が普通恩給についての最短恩給年限に達しない者については、この限りでない。
第六条 前条の規定により恩給に関する法令の規定による普通恩給又は扶助料を受けることとなる場合における当該普通恩給又は扶助料の給与は、昭和三十九年十月から始めるものとする。
第七条 この法律の施行前に琉球諸島民政府職員を退職し、又は死亡した元南西諸島官公署職員で、この法律による改正後の特別措置法第八条又は第九条の規定を適用したならば、同法の規定により共済組合に関する法令の規定による退職年金、廃疾年金又は遺族年金を支給すべきこととなるものについては、同法の規定により、昭和三十九年十月分以降、その者又はその遺族に退職年金若しくは廃疾年金又は遺族年金を支給する。
2 前項の場合において、この法律による改正後の特別措置法第八条又は第九条の規定により新たに勤続するものとみなされる期間のうち元南西諸島官公署職員として在職した期間を基礎とした一時金である給付を受けた者に係る退職年金若しくは廃疾年金又は遺族年金の額は、同法第四条の二及び第四条の三の規定にかかわらず、これらの規定によつて計算した額から、政令で定める金額を減じた額とする。
3 前項の規定は、この法律による特別措置法第八条又は第九条の規定の改正により新たに同法の規定により共済組合に関する法令の規定の適用を受けることとなつた者についての共済組合に関する法令の規定による給付の額の計算について準用する。この場合において、同項中「退職年金若しくは廃疾年金又は遺族年金」とあるのは、「退職年金、廃疾年金、退職一時金若しくは廃疾一時金又は遺族年金若しくは遺族一時金」と読み替えるものとする。
(停止年額についての経過措置)
第八条 恩給法等の一部を改正する法律(昭和三十七年法律第百十四号)により年額を改定された普通恩給又は扶助料の改定年額と改定前の年額との差額の停止については、昭和三十九年九月分までは、この法律による改正前の同法附則第三条、第八条第二項、第九条第二項又は第十条第二項の規定の例による。
(旧勅令第六十八号第八条第二項の規定に該当した者に対する一時金の支給)
第九条 旧恩給法の特例に関する件の措置に関する法律(昭和二十七年法律第二百五号)による改正前の恩給法の特例に関する件(昭和二十一年勅令第六十八号。以下「旧勅令第六十八号」という。)第八条第二項の規定により一時恩給を受ける権利又は資格を失つたことのある恩給法上の公務員(以下この条において「恩給公務員」という。)で、恩給公務員としての在職年が七年以上普通恩給についての最短年限未満であるもの(その者が、この法律の施行前に死亡した者であるときは、その恩給法上の遺族)に対しては、当該恩給公務員が一時恩給を受ける権利又は資格を失つた時から普通恩給を受けていたとしたならば旧勅令第六十八号第八条第二項の規定の適用を除外することとした法令の規定により一時恩給を受ける権利を取得した時において当該普通恩給の年額の計算の基礎となるべきであつた俸給年額の十二分の一に相当する金額に恩給公務員としての在職年の年数を乗じて得た金額の一時金を給するものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、この限りでない。
一 この法律の施行の際現に退職年金に関する恩給法以外の法令の規定により当該恩給公務員としての在職年を算入した期間に基づく退職年金又は遺族年金を受ける権利を有している者
二 この法律の施行の際現に当該恩給公務員としての在職年がその期間に算入されることとされている退職年金に関する恩給法以外の法令の規定の適用を受けている者
三 法律第百五十五号附則第二十九条第一項の規定の適用を受けた者
2 前項の規定による一時金の負担、裁定及び支給については、これを恩給法に規定する一時恩給(遺族に給するものは、同法に規定する一時扶助料)とみなす。
内閣総理大臣 池田勇人
大蔵大臣 田中角栄