(趣旨)
第一条 この法律は、財務書類の監査又は証明をすることを業とする者に関する制度の整備に資するため、公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)に規定する公認会計士試験の特例として行なう公認会計士試験(以下「公認会計士特例試験」という。)その他その制度の整備に関し必要な事項を定めるものとする。
(実施期間)
第二条 公認会計士特例試験は、昭和三十九年七月一日から昭和四十二年三月三十一日までの間に、五回を限り、大蔵大臣の定める時期に行なう。
(受験資格)
第三条 公認会計士特例試験は、大蔵省に備える計理士名簿に登録を受けている者又は当該計理士名簿への登録を受ける資格を有する者でなければ受けることができない。
(試験科目)
第四条 公認会計士特例試験は、公認会計士となるのに必要な高等の専門的学識及びその応用能力を有するかどうかを判定することをもつてその目的とし、会計監査、会計実務(税に関する実務を含む。)、商法及び論文について、筆記の方法により行なう。
(合格の決定)
第五条 公認会計士特例試験の合格者を定める場合には、試験科目の成績により定めるほか、当該特例試験を受けた者が計理士の職にあつた年数をしんしやくして定めることができる。
2 前項の規定による年数のしんしやくの方法は、政令で定める。
(合格者の資格等)
第六条 公認会計士特例試験に合格した者は、公認会計士法第五条第三項の規定にかかわらず、公認会計士となる資格を取得するものとする。
2 公認会計士特例試験に合格した者には、その試験に合格したことを証する証書を授与する。
(受験手数料)
第七条 公認会計士特例試験を受けようとする者は、受験手数料として、千円を納付しなければならない。
2 前項の規定により納付した受験手数料は、公認会計士特例試験を受けなかつた場合にも、還付しない。
(試験の執行)
第八条 公認会計士特例試験は、公認会計士審査会が行なう。
(試験委員)
第九条 公認会計士審査会に、公認会計士特例試験の問題の作成及び採点を行なわせるため、臨時に、試験委員八人以内を置く。
2 試験委員は、公認会計士特例試験を行なうについて必要な学識経験を有する者のうちから、試験の執行ごとに、公認会計士審査会の推薦に基づき、大蔵大臣が任命し、その試験が終つたときは退任する。
(合格の取消し等)
第十条 公認会計士審査会は、不正の手段によつて公認会計士特例試験を受け、又は受けようとした者に対しては、合格の決定を取り消し、又はその試験を受けることを禁止することができる。
2 公認会計士審査会は、前項の規定による処分を受けた者に対し、情状により二年九月以内の期間を定めて公認会計士特例試験を受けることができないものとすることができる。
(試験の細目)
第十一条 この法律に定めるもののほか、公認会計士特例試験の実施に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。
(税理士となる資格の付与)
第十二条 昭和三十九年四月一日において、大蔵省の備える計理士名簿に登録を受け、かつ、計理士の名称を用いて、主として旧計理士法(昭和二年法律第三十一号)第一条に規定する業務を営んでいる者のうち、政令で定める要件に該当することにつき、税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第十三条に規定する税理士試験委員の認定を受けたものは、同法第三条の規定にかかわらず、税理士となる資格を取得するものとする。
2 前項の認定を受けようとする者は、昭和三十九年九月三十日までに、大蔵省令で定めるところにより、認定申請書を税理士試験委員に提出しなければならない。
3 前二項に定めるもののほか、第一項の認定に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。