環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第百二十二号
公布年月日: 昭和39年6月30日
法令の形式: 法律
環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十九年六月三十日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百二十二号
環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律
環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律(昭和三十二年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二節 事業及び適正化規程(第八条―第十四条の八)」を「第二節 事業(第八条―第十四条の十五)」に改める。
第二章第二節の節名中「及び適正化規程」を削る。
第八条第一項中第十一号を第十二号とし、第十号の次に次の一号を加える。
十一 第一号又は第二号に掲げる事業に関する組合協約及び組合員の経済的地位の改善のためにする組合協約の締結
第八条第三項中「及び第八号から第十一号まで」を「、第八号から第十号まで及び第十二号」に改め、同条に次の一項を加える。
5 組合は、次の各号の一に該当する者以外の者(以下「大企業者」という。)(会社及び個人に限る。以下この項及び第十四条の十四第一項において同じ。)が当該組合の地区内において大規模な当該業種に属する営業の開始又は当該営業の大規模な拡大をすることが、急速に当該地区内における当該営業の健全な経営を阻害する事態を生じさせ、又は現に生じている当該事態を悪化させ、適正な衛生措置の確保又は当該営業の経営の維持にはなはだしい支障を生ずるおそれがあるときは、期間を定めて、当該大企業者と、その者が当該営業の開始若しくは拡大を停止し、又はその計画を変更すべき旨の契約(以下「特殊契約」という。)を締結することができる。
一 資本の額若しくは出資の総額が五千万円以下の法人又は常時使用する従業員の数が三百人以下の法人若しくは個人であつて、商業及びサービス業以外の業種に属する事業を主たる事業として営むもの
二 資本の額若しくは出資の総額が一千万円以下の法人又は常時使用する従業員の数が五十人以下の法人若しくは個人であつて、商業又はサービス業に属する事業を主たる事業として営むもの
第八条の次に次の二条を加える。
(行政庁への協力)
第八条の二 行政庁は、この法律及び第二条第一項各号に掲げる法律の円滑な実施を図るため、届出又は申請に関する指導、健康診断の実施、広報活動その他これらの法律の施行に関し必要な事項について、組合をして協力させることができる。
(事業者台帳の作成)
第八条の三 組合は、その組合の組合員たる資格を有する者について、厚生省令で定める事項を記載した事業者台帳の作成に努めなければならない。
2 組合の組合員たる資格を有する者は、前項の事業者台帳の作成に協力しなければならない。
第九条第一項及び第二項中「前条」を「第八条」に改める。
第二章第二節中第十四条の八の次に次の七条を加える。
(組合協約の効力)
第十四条の九 第八条第一項第十一号の組合協約(以下「組合協約」という。)は、あらかじめ総会の承認を得て、書面をもつてすることにより、その効力を生ずる。
2 組合協約は、直接に組合員に対してその効力を生ずる。
3 組合員が組合協約の相手方と締結した契約でその内容が組合協約に定める基準に違反するものについては、その基準に違反する契約の部分は、その基準によつて契約したものとみなす。
(組合協約の認可等)
第十四条の十 組合が第八条第一項第一号又は第二号に掲げる事業に関しその組合の組合員たる資格を有する者で組合員でないものと締結する組合協約は、厚生大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。これを変更しようとするときも同様である。
2 厚生大臣は、前項の認可の申請があつた場合において、当該組合協約の内容が次の各号の一に該当すると認めるときは、認可をしてはならない。
一 第八条第一項第一号に規定する事態を克服するための必要かつ最少限度の範囲をこえているものであること。
二 利用者又は消費者の利益を不当に害するものであること。
三 その組合協約によりその相手方が遵守すべきこととなる事項が組合員が適正化規程により遵守すべき事項と同一でないこと。
3 第九条第三項の規定は第一項の認可の申請があつた場合について、第十条の規定は同項の認可があつた組合協約及びこれに基づいて行なう行為について、第十一条及び第十二条の規定は同項の認可があつた組合協約について、第十三条の規定は同項の認可又はこの項において準用する第十一条の規定による命令若しくは認可の取消しについて準用する。この場合において、第十一条第一項及び第十三条第三項中「第九条第二項各号」とあるのは、「第十四条の十第二項各号」と読み替えるものとする。
(組合協約に関する交渉の応諾)
第十四条の十一 組合の組合員たる資格を有する者で組合員でないもののうち、当該業種に属する営業について常時使用する従業員(政令で定める業種にあつては、当該業種に属する営業を営む者の当該営業に係る業務を取次店その他の名称で取り扱う者又はその者が常時使用する従業員で、当該業務に従事するものを含む。)の数が三十人(政令で定める業種にあつては、業種ごとに政令で定める員数)をこえるものは、組合の代表者(その組合が会員となつている環境衛生同業組合連合会の代表者でその組合から委任を受けたものを含む。以下同じ。)が、政令の定めるところにより、適正化規程又はその案を示してその適正化規程による第八条第一項第一号又は第二号に掲げる事業に関し組合協約を締結するため交渉をしたい旨を申し出たときは、正当な理由がない限り、その交渉に応じなければならない。
2 組合の組合員と取引関係がある事業者のうち大企業者である者は、政令の定めるところにより、その取引条件について、組合の代表者が組合協約を締結するため交渉をしたい旨を申し出たときは、正当な理由がない限り、その交渉に応ずるものとする。
3 前項の規定は、同項に規定する事業者の事業活動を不当に拘束するような申出を認める趣旨のものと解釈してはならない。
(組合協約に関するあつせん)
第十四条の十二 組合の代表者が第八条第一項第一号又は第二号に掲げる事業に関する組合協約の締結に関し相手方に交渉をしたい旨を申し出た場合において、その交渉の当事者の双方又は一方から申出があつたときは、厚生大臣は、同項第一号に規定する事態を克服するため特に必要があると認めるときは、すみやかに、その組合協約の締結に関しあつせんを行なうものとする。
(特殊契約の認可等)
第十四条の十三 特殊契約は、厚生大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。これを変更しようとするときも同様である。
2 厚生大臣は、前項の認可の申請があつた場合において、当該特殊契約が次の各号の一に該当すると認めるときは、認可をしてはならない。
一 第八条第五項の事態でない場合に締結するものであること。
二 第八条第五項の事態に対処して組合員が経営の合理化を円滑に行なうための必要かつ最少限度の範囲をこえているものであること。
三 利用者又は消費者の利益を不当に害するものであること。
3 第九条第三項の規定は第一項の認可の申請があつた場合について、第十条の規定は同項の認可があつた特殊契約及びこれに基づいて行なう行為について、第十一条及び第十二条の規定は同項の認可があつた特殊契約について、第十三条の規定は同項の認可又はこの項において準用する第十一条の規定による命令若しくは認可の取消しについて準用する。この場合において、第十一条第一項及び第十三条第三項中「第九条第二項各号」とあるのは、「第十四条の十三第二項各号」と読み替えるものとする。
(特殊契約に関する交渉の応諾)
第十四条の十四 大企業者は、組合の代表者が、政令の定めるところにより、特殊契約を締結するため交渉をしたい旨を申し出たときは、正当な理由がない限り、その交渉に応じなければならない。
2 組合の代表者は、前項の規定による申出をしようとするときは、その申出に係る特殊契約の内容及びその申出の相手方につき、総会の承認を得なければならない。
(特殊契約に関するあつせん及び調停)
第十四条の十五 組合の代表者が前条第一項の申出をした場合において、その交渉の当事者の双方又は一方から申出があつたときは、厚生大臣は、第八条第五項の事態を克服するため特に必要があると認めるときは、すみやかに、その特殊契約の締結に関しあつせん又は調停を行なうものとする。
2 厚生大臣は、前項の規定により調停を行なう場合においては、調停案を作成してこれを関係当事者に示し、その受諾を勧告するとともに、当該調停案を理由を附して公表することができる。
第四十七条第二号の次に次の一号を加える。
二の二 特殊契約の締結に係る第十四条の十四第二項の承認
第五十四条中第十号を第十一号とし、第九号の次に次の一号を加える。
十 会員たる組合の行なう第八条第一項第一号又は第二号に掲げる事業に関する組合協約及び会員たる組合の組合員の経済的地位の改善のためにする組合協約の締結
第五十六条中「第四項まで」を「第五項まで、第八条の二」に、「第十四条の八まで」を「第十四条の十五まで」に、「及び第八号から第十一号まで」を「、第八号から第十号まで及び第十二号」に、「及び第六号から第十号まで」を「、第六号から第九号まで及び第十一号」に改め、「「第五十四条第八号又は第九号に掲げる事業」と」の下に「、第十四条の九第一項中「第八条第一項第十一号」とあるのは「第五十四条第十号」と、同条第二項及び第三項中「組合員」とあるのは「会員たる組合及びその組合員」と、第十四条の十第一項中「その組合の組合員」とあり、同条同項及び同条第二項第三号中「組合員」とあるのは「会員たる組合の組合員」と、第十四条の十一第一項中「組合の組合員」とあり、又は「組合員」とあるのは「会員たる組合の組合員」と、同条第二項中「組合の組合員」とあるのは「会員たる組合又はその組合員」と、第十四条の十三第二項第二号中「組合員」とあるのは「会員たる組合の組合員」と」を加える。
第五十六条の二に次の一項を加える。
2 厚生大臣は、前項の申出があつたときは、遅滞なく、同項の勧告をするかどうかを決定し、その申出をした組合にその結果を通知しなければならない。
第五十七条に次の一項を加える。
4 前条第二項の規定は、第一項の申出があつた場合に準用する。
第五十八条第三項及び第六十三条中「第五十六条の二」を「第五十六条の二第一項」に改める。
第六十四条第二項中「第五十六条の二」を「第五十六条の二第一項」に、「同条」を「同項」に改める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して六箇月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(中小企業近代化資金助成法の一部改正)
2 中小企業近代化資金助成法(昭和三十一年法律第百十五号)の一部を次のように改正する。
第三条第一号の四中「環境衛生同業組合」の下に「又は環境衛生同業組合連合会」を、「第八条第一項第六号」の下に「又は第五十四条第四号」を加える。
厚生大臣 小林武治
通商産業大臣臨時代理 国務大臣 田中角栄
内閣総理大臣 池田勇人