相続税法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第23号
公布年月日: 昭和39年3月31日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

相続税及び贈与税の負担軽減合理化の引き上げるとともに、民法改正に伴う相続財産法人からの財産分与に関する課税規定を整備する。具体的には、遺産に係る基礎控除額を「200万円と相続人一人当たり50万円の合計額」から「250万円と相続人一人当たり50万円の合計額」に引き上げ、贈与税の基礎控除額を20万円から40万円に引き上げる。また、相続人の納付税額計算時の控除額を50万円から70万円へ、受遺者については20万円から40万円へ引き上げる。

参照した発言:
第46回国会 参議院 大蔵委員会 第7号

審議経過

第46回国会

参議院
(昭和39年2月20日)
衆議院
(昭和39年2月25日)
(昭和39年3月3日)
(昭和39年3月4日)
(昭和39年3月6日)
(昭和39年3月10日)
(昭和39年3月11日)
(昭和39年3月17日)
(昭和39年3月18日)
(昭和39年3月19日)
(昭和39年3月19日)
参議院
(昭和39年3月26日)
(昭和39年3月27日)
(昭和39年3月28日)
(昭和39年3月30日)
(昭和39年3月31日)
(昭和39年4月15日)
相続税法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十九年三月三十一日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第二十三号
相続税法の一部を改正する法律
相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第三条の次に次の一条を加える。
(遺贈に因り取得したものとみなす場合)
第三条の二 民法(明治二十九年法律第八十九号)第九百五十八条の三第一項の規定により同項に規定する相続財産の全部又は一部を与えられた場合においては、その与えられた者が、その与えられた時における当該財産の時価(当該財産の評価について第三章に特別の定めがある場合には、その規定により評価した価額)に相当する金額を当該財産に係る被相続人から遺贈に因り取得したものとみなす。
第七条中「(明治三十一年法律第九号)」を削る。
第十五条第一項中「二百万円」を「二百五十万円」に改める。
第十七条第一項第一号中「五十万円」を「七十万円」に改め、同項第二号中「二十万円」を「四十万円」に改める。
第十八条の二中「相続開始前」を「相続開始以前」に改める。
第二十一条の四中「二十万円」を「四十万円」に改める。
第二十一条の六中「十万円」を「二十万円」に改める。
第二十九条を次のように改める。
(相続財産法人に係る財産を与えられた者に係る相続税の申告書)
第二十九条 第三条の二に規定する事由が生じたため新たに第二十七条第一項に規定する申告書を提出すべき要件に該当することとなつた者は、同項の規定にかかわらず、当該事由が生じたことを知つた日の翌日から六月以内(その者が当該期間内にこの法律の施行地に住所及び居所を有しないこととなるときは、当該住所及び居所を有しないこととなる日まで)に課税価格、相続税額その他政令で定める事項を記載した申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
2 第二十七条第二項から第五項までの規定は、前項の場合について準用する。
第三十一条中「第二十七条」の下に「若しくは第二十九条」を加え、「当該申告書」を「これらの申告書」に改め、同条に次の二項を加える。
2 前項に規定する者は、第三条の二に規定する事由が生じたため既に確定した相続税額に不足を生じた場合には、当該事由が生じたことを知つた日の翌日から六月以内(その者が当該期間内にこの法律の施行地に住所及び居所を有しないこととなるときは、当該住所及び居所を有しないこととなる日まで)に修正申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
3 前項の規定は、同項に規定する修正申告書の提出期限前に第三十五条第二項第四号の規定による更正があつた場合には、適用しない。
第三十二条中第五号を第六号とし、第四号の次に次の一号を加える。
五 第三条の二に規定する事由が生じたこと。
第三十三条中「第二十七条又は第二十八条の規定による申告書(これらの申告書を「期限内申告書」という。)」を「第二十七条から第二十九条までの規定による申告書(第五十条を除き、以下「期限内申告書」という。)又は第三十一条第二項の規定による修正申告書」に改める。
第三十五条第一項中「第三十条又は」を削り、「第三十一条」の下に「第二項」を加え、「、これらの規定に規定する申告書を提出していない」を「同項の規定による修正申告書を提出しなかつた」に改め、「決定し、又は」を削り、同条第二項中「決定」の下に「又は更正」を加え、同項に次の一号を加える。
四 第二十九条第一項若しくは同条第二項において準用する第二十七条第二項又は第三十一条第二項に規定する事由に該当する場合において、第三条の二に規定する事由が生じた日の翌日から六月を経過したとき。
第三十五条第三項第一号中「第二十七条」の下に「若しくは第二十九条」を加え、「当該申告書」を「これらの申告書」に改める。
第四十九条第一号中「千万円」を「二千万円」に改め、同条第二号中「第二十七条第三項」の下に「(第二十九条第二項において準用する場合を含む。)」を加え、「三千万円」を「五千万円」に改める。
第五十条を次のように改める。
(義務的修正申告に対する国税通則法の適用に関する特則)
第五十条 第三十一条第二項の規定による修正申告書及び第三十五条第一項の更正に対する国税通則法の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 当該修正申告書で第三十一条第二項に規定する提出期限内に提出されたものについては、国税通則法第二十条の規定を適用する場合を除き、これを同法第十七条第二項に規定する期限内申告書とみなす。
二 当該修正申告書で第三十一条第二項に規定する提出期限後に提出されたもの及び当該更正については、国税通則法第二章から第七章までの規定中「法定申告期限」とあり、及び「法定納期限」とあるのは「相続税法第三十一条第二項に規定する修正申告書の提出期限」と、同法第六十一条第一項第一号及び第六十五条第一項中「期限内申告書」とあるのは「相続税法第二十七条若しくは第二十九条の規定による申告書又はこれらの申告書に係る期限後申告書」とする。
三 国税通則法第六十一条第一項第二号及び第六十六条の規定は、前号に規定する修正申告書及び更正(第三十一条第一項に規定する決定を受けた場合における当該修正申告書及び更正を除く。)には、適用しない。
第六十二条第三項中「第二十八条第二項」の下に「及び第二十九条第二項」を加える。
第六十八条第三項を削る。
附則第三項中「第二十七条第一項」の下に「又は第二十九条第一項」を加える。
附 則
1 この法律は、昭和三十九年四月一日から施行する。
2 次項に定めるものを除くほか、改正後の相続税法(以下「新法」という。)の規定は、昭和三十九年一月一日以後に相続若しくは遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。以下同じ。)又は贈与(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を除く。以下同じ。)により取得した財産に係る相続税又は贈与税について適用し、同日前に相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税又は贈与税については、なお従前の例による。
3 新法第三条の二、第二十九条及び第五十条並びに第三十一条から第三十三条まで及び第三十五条(新法第三条の二に規定する事由に係る部分に限る。)の規定は、昭和三十九年一月一日以後に死亡した者に係る財産につき当該事由が生じた場合について適用する。
4 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(昭和二十二年法律第百七十五号)の一部を次のように改正する。
第四条中「第二十七条又は第二十八条」を「第二十七条から第二十九条まで」に改める。
第六条第一項中「第二十七条」の下に「又は第二十九条」を加える。
大蔵大臣 田中角栄
内閣総理大臣 池田勇人