畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第101号
公布年月日: 昭和37年5月1日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

近年の国民生活水準の向上と農産物需要の変動に伴い、畜産は農業発展の中心部門として、また国民の食生活改善に重要性を増している。政府は生産面での施策を強化推進し、畜産物価格の安定や流通改善にも取り組んでいるが、畜産振興をさらに加速するには民間での取り組みも必要である。そこで、畜産振興事業団の業務に、学校給食用牛乳供給事業への補助と、畜産振興に資する事業への補助・出資を追加し、国からの交付金でこれらを実施することとした。これにより、畜産振興事業団を通じた公正かつ弾力的な運営を図るものである。

参照した発言:
第40回国会 参議院 農林水産委員会 第8号

審議経過

第40回国会

参議院
(昭和37年2月16日)
(昭和37年2月20日)
衆議院
(昭和37年2月22日)
参議院
(昭和37年2月22日)
(昭和37年3月1日)
衆議院
(昭和37年3月15日)
(昭和37年3月20日)
(昭和37年3月22日)
(昭和37年3月27日)
(昭和37年3月28日)
(昭和37年4月4日)
(昭和37年4月6日)
参議院
(昭和37年4月12日)
(昭和37年4月13日)
(昭和37年4月17日)
(昭和37年4月23日)
畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十七年五月一日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第百一号
畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律
畜産物の価格安定等に関する法律(昭和三十六年法律第百八十三号)の一部を次のように改正する。
第一条中「資金の調達を円滑にする」を「資金の調達を円滑にし及び畜産の振興に資するための事業に助成等のみちを開く」に改める。
第十二条中「及び乳業者等の経営に要する資金の調達の円滑化」を「、乳業者等の経営に要する資金の調達の円滑化及び畜産の振興に資するための事業に対する助成等」に改める。
第二十五条第一項中「三人以内」を「四人以内」に改める。
第三十八条第一項中第六号を第七号とし、第五号の次に次の一号を加える。
六 国内産の牛乳を学校給食の用に供する事業についてその経費を補助し、及び主要な畜産物の流通の合理化のための処理若しくは保管の事業、畜産の経営若しくは技術の指導の事業その他の畜産の振興に資するための事業で農林省令で定めるもの(以下第四十五条の二において「指定助成対象事業」という。)についてその経費を補助し、又は当該事業に出資すること。
第三十八条第三項中「及び第五号に規定する業務」を「、第五号及び第六号の業務」に改める。
第四十五条の次に次の一条を加える。
(補助等の額の限度)
第四十五条の二 第三十八条第一項第六号の業務については、事業団が毎事業年度指定助成対象事業についての補助に要する経費並びに同号の業務の管理及び同号の業務に附帯する業務に要する経費として支出することができる額は、通じて、第五十四条の三第一項の資金の運用によつて生ずる前事業年度の事業団の収入の額又はその見込額を基準として農林省令で定めるところにより算出される額を限度とする。
第四十六条第一項に次の一号を加える。
三 第三十八条第一項第六号の業務(補助金の交付及び出資の決定を除く。)については、都道府県その他農林大臣の指定する者
第四十八条第一項中「(これに附帯する業務を含む。)」を「(これに附帯する業務を含む。以下同じ。)及び同項第六号の業務(これに附帯する業務を含む。以下同じ。)」に改め、「政令で定めるところにより」の下に「、それぞれ」を加える。
第四十八条第二項中「前項の特別の勘定」を「第三十八条第一項第五号の業務に係る前項の特別の勘定」に改める。
第五十条第二項中「第四十八条第一項の特別の勘定」を「第三十八条第一項第五号の業務に係る第四十八条第一項の特別の勘定」に改める。
第五十一条中「六月三十日」を「五月三十一日」に改める。
第五十二条第一項中「第四十八条第一項の特別の勘定」を「第三十八条第一項第五号の業務に係る第四十八条第一項の特別の勘定」に改める。
第五十四条の次に次の二条を加える。
(交付金)
第五十四条の二 政府は、予算の範囲内で、事業団に対し、第三十八条第一項第六号の業務に必要な経費の財源に充てるため交付金を交付することができる。
(資金)
第五十四条の三 事業団は、前条の規定により交付を受けた交付金を第三十八条第一項第六号の業務に必要な経費の財源に充てるための資金として管理しなければならない。当該資金の運用によつて生じた利子等の運用利益金その他当該資金の運用又は使用に伴い生ずる収入についても、同様とする。
2 前項の資金は、次条の規定により運用する場合のほか、第三十八条第一項第六号の業務に必要な経費に充てる場合に限り、運用し、又は使用することができる。
第五十六条の次に次の一条を加える。
(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の準用)
第五十六条の二 事業団が第三十八条第一項第六号の業務として交付する補助金については、事業団を国とみなし、当該補助金を国が国以外の者に対して交付する補助金とみなして、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)の規定(第二十三条の規定及びこれに係る罰則を除き、その他の罰則を含む。)を準用する。この場合において、同法(第二条第七項を除く。)中「各省各庁」とあるのは「畜産振興事業団」と、「各省各庁の長」とあるのは「畜産振興事業団の理事長」と読み替えるものとする。
第六十二条第一項中「これを」の下に「政令で定めるところにより当該残余財産の額のうち第三十八条第一項第六号の業務に係る第四十八条第一項の特別の勘定に属する額に相当する額まで国庫に納付し、なお残余があるときは、その残余を」を加える。
第六十三条第一号中「第三十八条第一項第四号、第四十二条各号」を「第三十八条第一項第四号若しくは第六号、第四十二条各号、第四十五条の二」に改める。
第六十八条第七号の次に次の一号を加える。
七の二 第五十四条の三第二項の規定に違反して、同条第一項の資金を運用し、又は使用したとき。
附則第十一条中「当分の間、」の下に「第三十八条第一項第五号の業務に係る」を加え、「第三十八条第一項第五号の業務(これに附帯する業務を含む。)」を「第三十八条第一項第五号及び第六号の業務」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 畜産振興事業団の昭和三十七事業年度については、改正後の第四十五条の二中「第五十四条の三第一項の資金の運用によつて生ずる前事業年度の事業団の収入の額又はその見込額を基準として農林省令で定めるところにより算出される額」とあるのは、「五千万円」とする。
3 酪農振興法(昭和二十九年法律第百八十二号)の一部を次のように改正する。
第二十四条の四第一項中「、酪農経営改善計画の実施及び第二十四条の三の学校給食に係る措置の実施」を「及び酪農経営改善計画の実施」に改める。
大蔵大臣 水田三喜男
農林大臣 河野一郎
内閣総理大臣 池田勇人