精神衛生法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第66号
公布年月日: 昭和36年4月18日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

精神障害者の医療・保護については、長期入院と高額な医療費が必要なため十分な治療が行われず、患者世帯の貧困化を招いている。また精神障害者は自傷他害のおそれがあり社会不安の一因となっているため、医療費負担の軽減と医療・保護の徹底を図る必要がある。そこで、措置患者の入院費用に対する国庫補助率を2分の1から10分の8に引き上げ、入院措置制度を円滑化する。また措置患者の医療に関する診療方針・費用の規定を整備し、医療費の支払い事務等を社会保険診療報酬支払基金に委託できるようにする。改正は1961年10月1日から実施する。

参照した発言:
第38回国会 衆議院 社会労働委員会 第7号

審議経過

第38回国会

参議院
(昭和36年2月21日)
衆議院
(昭和36年2月22日)
参議院
(昭和36年2月28日)
衆議院
(昭和36年3月24日)
(昭和36年3月29日)
(昭和36年3月30日)
(昭和36年4月5日)
(昭和36年4月7日)
参議院
(昭和36年4月11日)
(昭和36年4月12日)
(昭和36年4月28日)
衆議院
(昭和36年6月28日)
精神衛生法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十六年四月十八日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第六十六号
精神衛生法の一部を改正する法律
精神衛生法(昭和二十五年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二十九条(知事による入院措置)」を
第二十九条 (知事による入院措置)
第二十九条の二 (入院措置の場合の診療方針及び医療に要する費用の額)
第二十九条の三 (社会保険診療報酬支払基金への事務の委託)
に、「第三十条(費用の負担及び補助)」を「第三十条(費用の支弁及び負担)」に改める。
第二十九条の次に次の二条を加える。
(入院措置の場合の診療方針及び医療に要する費用の額)
第二十九条の二 前条の規定により入院する者について国若しくは都道府県の設置した精神病院又は指定病院が行なう医療に関する診療方針及びその医療に要する費用の額の算定方法は、健康保険の診療方針及び療養に要する費用の額の算定方法の例による。
2 前項に規定する診療方針及び療養に要する費用の額の算定方法の例によることができないとき、及びこれによることを適当としないときの診療方針及び医療に要する費用の額の算定方法は、厚生大臣が精神衛生審議会の意見を聞いて定めるところによる。
(社会保険診療報酬支払基金への事務の委託)
第二十九条の三 都道府県は、第二十九条の規定により入院する者について国若しくは都道府県の設置した精神病院又は指定病院が行なつた医療が前条に規定する診療方針に適合するかどうかについての審査及びその医療に要する費用の額の算定並びに国又は指定病院の設置者に対する診療報酬の支払に関する事務を社会保険診療報酬支払基金に委託することができる。
第三十条に見出しとして「(費用の支弁及び負担)」を加え、同条第一項中「前条」を「第二十九条」に改め、「政令の定めるところにより、」を削り、「負担」を「支弁」に改め、同条第二項中「支出する」を「支弁した」に、「二分の一を補助する」を「十分の八を負担する」に改める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和三十六年十月一日から施行する。
(経過規定)
2 第二十九条の規定により入院する者の入院に要する費用でこの法律の施行前の期間に係るものに関する国の補助については、なお従前の例による。
(社会保険診療報酬支払基金法の一部改正)
3 社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。
第十三条第二項中「委託されたときにおいても、」を「委託されたとき、並びに精神衛生法(昭和二十五年法律第百二十三号)第二十九条の三の規定により、同条に規定する審査、額の算定又は診療報酬の支払に関する事務を委託されたときにおいても、」に改める。
大蔵大臣 水田三喜男
厚生大臣 古井喜實
内閣総理大臣 池田勇人
精神衛生法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十六年四月十八日
内閣総理大臣 池田勇人
法律第六十六号
精神衛生法の一部を改正する法律
精神衛生法(昭和二十五年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二十九条(知事による入院措置)」を
第二十九条 (知事による入院措置)
第二十九条の二 (入院措置の場合の診療方針及び医療に要する費用の額)
第二十九条の三 (社会保険診療報酬支払基金への事務の委託)
に、「第三十条(費用の負担及び補助)」を「第三十条(費用の支弁及び負担)」に改める。
第二十九条の次に次の二条を加える。
(入院措置の場合の診療方針及び医療に要する費用の額)
第二十九条の二 前条の規定により入院する者について国若しくは都道府県の設置した精神病院又は指定病院が行なう医療に関する診療方針及びその医療に要する費用の額の算定方法は、健康保険の診療方針及び療養に要する費用の額の算定方法の例による。
2 前項に規定する診療方針及び療養に要する費用の額の算定方法の例によることができないとき、及びこれによることを適当としないときの診療方針及び医療に要する費用の額の算定方法は、厚生大臣が精神衛生審議会の意見を聞いて定めるところによる。
(社会保険診療報酬支払基金への事務の委託)
第二十九条の三 都道府県は、第二十九条の規定により入院する者について国若しくは都道府県の設置した精神病院又は指定病院が行なつた医療が前条に規定する診療方針に適合するかどうかについての審査及びその医療に要する費用の額の算定並びに国又は指定病院の設置者に対する診療報酬の支払に関する事務を社会保険診療報酬支払基金に委託することができる。
第三十条に見出しとして「(費用の支弁及び負担)」を加え、同条第一項中「前条」を「第二十九条」に改め、「政令の定めるところにより、」を削り、「負担」を「支弁」に改め、同条第二項中「支出する」を「支弁した」に、「二分の一を補助する」を「十分の八を負担する」に改める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、昭和三十六年十月一日から施行する。
(経過規定)
2 第二十九条の規定により入院する者の入院に要する費用でこの法律の施行前の期間に係るものに関する国の補助については、なお従前の例による。
(社会保険診療報酬支払基金法の一部改正)
3 社会保険診療報酬支払基金法(昭和二十三年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。
第十三条第二項中「委託されたときにおいても、」を「委託されたとき、並びに精神衛生法(昭和二十五年法律第百二十三号)第二十九条の三の規定により、同条に規定する審査、額の算定又は診療報酬の支払に関する事務を委託されたときにおいても、」に改める。
大蔵大臣 水田三喜男
厚生大臣 古井喜実
内閣総理大臣 池田勇人