国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第151号
公布年月日: 昭和35年6月28日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

国と公庫等との人事交流において、現行法では国家公務員が公庫等へ異動し再び国家公務員に復帰した場合、退職手当の面で不利益を被る状況にある。この不合理を是正するため、先の国家公務員としての在職期間が後の在職期間に引き続いたものとみなし、退職手当を計算する特例を設けることとする。また、季節的に多数の退職者が同一地域で発生する場合の公共職業安定所の業務運営への支障を解消するため、政令で定める職員については、退職時の所属官署等で失業者の退職手当を支給できるようにする。

参照した発言:
第34回国会 衆議院 大蔵委員会 第15号

審議経過

第34回国会

衆議院
(昭和35年3月30日)
参議院
(昭和35年3月30日)
(昭和35年4月5日)
衆議院
(昭和35年4月7日)
(昭和35年4月14日)
(昭和35年4月28日)
(昭和35年5月6日)
参議院
(昭和35年6月7日)
(昭和35年6月8日)
衆議院
(昭和35年7月15日)
参議院
(昭和35年7月15日)
国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十五年六月二十八日
内閣総理大臣 岸信介
法律第百五十一号
国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律
国家公務員等退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)の一部を次のように改正する。
第七条第三項中「次条第一項」を「第八条第一項」に改め、同条第七項の次に次の一項を加える。
8 第十条の規定による退職手当の額を計算する場合における勤続期間の計算については、前七項の規定により計算した在職期間に一月未満の端数がある場合には、その端数は、切り捨てる。
第七条の次に次の一条を加える。
(公庫等から復帰した職員に対する退職手当に係る特例)
第七条の二 職員のうち、任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて公庫の予算及び決算に関する法律(昭和二十六年法律第九十九号)第一条に規定する公庫その他特別の法律により設立された法人でその業務が国又は第二条第一項第二号に規定する法人の事務又は事業と密接な関連を有するもののうち政令で定めるものに使用される者(役員及び常時勤務に服することを要しない者を除く。以下「公庫等職員」という。)となるため退職(第四条(二十五年以上勤続して退職した者のうち同条第三項に規定する政令で定める者以外の者に係る退職手当に関する部分を除く。)又は第五条の規定による退職手当に係る退職を除く。)をし、かつ、引き続き公庫等職員として在職した後引き続いて再び職員となつた者の前条第一項の規定による在職期間の計算については、先の職員としての在職期間は、後の職員としての在職期間に引き続いたものとみなす。
2 前項の規定の適用を受ける職員が退職した場合におけるその者に対する第三条から第五条までの規定による退職手当の額は、第三条から第六条までの規定にかかわらず、退職の日におけるその者の俸給月額に、第一号に掲げる割合から第二号に掲げる割合を控除した割合を乗じて得た額とする。
一 その者が第三条から第六条までの規定により計算した額の退職手当の支給を受けるものとした場合における当該退職手当の額の当該俸給月額に対する割合
二 その者が前項の退職をした際に支給を受けた退職手当の額のその計算の基礎となつた俸給月額に対する割合(職員としての引き続いた在職期間中に当該退職を二回以上した者については、それぞれの退職に係る当該割合を合計した割合)
第十条第一項を次のように改める。
勤続期間六月以上で退職した職員が退職の日の翌日から起算して一年の期間(その者が失業保険法(昭和二十二年法律第百四十六号)第二十条の三第一項に規定する場合の公共職業訓練に相当する公共職業訓練を受ける場合において、当該公共職業訓練を受け終わるべき日がその一年の期間を経過した日以後の日であるときは、その日までの期間)内に失業している場合においては、その者がすでに支給を受けた一般の退職手当及び前条の規定による退職手当の額が、その者を同法の規定による離職の日以前一年間に被保険者期間が通算して六月以上であつた者と、その者の勤続期間を同法の規定による離職の日まで引き続き同一事業主に被保険者として雇用された期間(勤続期間が一年未満である者については、同法の規定による離職の日まで引き続き同一事業主に被保険者として雇用された期間が一年未満である場合における離職の日以前一年内の通算した被保険者期間)とみなして同法の規定を適用した場合に同法の規定によりその者に支給することができる失業保険金の額に満たないときは、当該退職手当の外、その差額に相当する金額を同法の規定による失業保険金の支給の条件に従い退職手当として、公共職業安定所(政令で定める職員については、その者が当該退職の際所属していた官署又は事務所その他の政令で定める官署又は事務所。以下同じ。)において支給する。
第十条第二項中「退職手当の額を失業保険金の日額」を「一般の退職手当及び前条の規定による退職手当の額をその者につき失業保険法の規定により計算した失業保険金の日額」に改め、同条第三項中「退職手当の支給」を「一般の退職手当及び前条の規定による退職手当の支給」に、「失業保険金の日額に第一項各号の区分に応じ当該各号に掲げる日数を乗じて得た額」を「同項に規定する失業保険金の額」に改める。
第十条第五項を同条第七項とし、同条第四項の次に次の二項を加える。
5 第一項又は第三項の規定による退職手当の支給を受けることができる者で失業保険法第二十六条の二第一項の規定に準じて政令で定めるものが就職するに至つた場合において、必要があると認められるときは、同条の規定に準じて政令で定めるところにより、就職に要する費用を退職手当として、公共職業安定所において支給することができる。
6 前項の規定による退職手当の支給があつたときは、第一項又は第三項の規定の適用については、当該支給があつた金額に相当する額のこれらの規定による退職手当の支給があつたものとみなす。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 改正後の国家公務員等退職手当法(以下「新法」という。)第七条第八項及び第十条(公共職業安定所に関する部分を除く。)の規定は、昭和三十五年四月一日から適用し、新法第七条の二の規定は、昭和三十五年四月一日以後の退職に係る退職手当について適用する。
3 職員が国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律(昭和三十四年法律第百六十四号。以下「一部改正法」という)。附則第二項に規定する適用日(以下「適用日」という)。前に新法第七条の二第一項に規定する公庫等職員となるため退職した場合(一部改正法附則第三項の規定の適用を受ける職員については、適用日以後に当該退職をした場合を含む。)におけるその者に対する同条第一項の規定の適用については、同項中「第五条の規定による退職手当」とあるのは、「第五条の規定による退職手当に準ずる退職手当」とする。
4 新法第七条の二第二項に規定する職員のうち、次の表の上欄に掲げる者については、同項中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えて、同項の規定を適用するものとする。
職員の区分
読み替えられる字句
読み替える字句
一部改正法附則第三項の規定の適用を受ける者
第三条から第六条まで
国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律(昭和三十四年法律第百六十四号)附則第三項
一部改正法附則第四項から第六項までの規定の適用を受ける者(同法附則第三項の規定の適用を受ける者を除く。)
第三条から第六条まで
第三条から第六条まで及び国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律附則第四項から第六項まで
昭和三十五年四月一日前に新法第七条の二第一項の退職をした者
支給を受けた退職手当
この法律の規定による退職手当の支給を受けたものとした場合における当該退職手当
5 新法第十条第一項又は第三項の規定の適用については、昭和三十五年四月一日において、現に、同日前に公共職業安定所の指示した公共職業訓練を受けている者は、同日に公共職業安定所の指示した公共職業訓練を受けている者とみなす。
6 元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。
第五条第一項ただし書中「第四条」の下に「(二十五年以上勤続して退職した者のうち同条第三項に規定する政令で定める者以外の者に係る退職手当に関する部分を除く。)」を加え、「第九条」を「第七条の二、第九条」に改める。
7 前項の規定による改正後の元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律第五条第一項ただし書の規定中国家公務員等退職手当法第四条の規定に係る部分は、昭和三十四年十月一日以後の退職に係る退職手当について適用する。
内閣総理大臣 岸信介
大蔵大臣 佐藤榮作
国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十五年六月二十八日
内閣総理大臣 岸信介
法律第百五十一号
国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律
国家公務員等退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)の一部を次のように改正する。
第七条第三項中「次条第一項」を「第八条第一項」に改め、同条第七項の次に次の一項を加える。
8 第十条の規定による退職手当の額を計算する場合における勤続期間の計算については、前七項の規定により計算した在職期間に一月未満の端数がある場合には、その端数は、切り捨てる。
第七条の次に次の一条を加える。
(公庫等から復帰した職員に対する退職手当に係る特例)
第七条の二 職員のうち、任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ、引き続いて公庫の予算及び決算に関する法律(昭和二十六年法律第九十九号)第一条に規定する公庫その他特別の法律により設立された法人でその業務が国又は第二条第一項第二号に規定する法人の事務又は事業と密接な関連を有するもののうち政令で定めるものに使用される者(役員及び常時勤務に服することを要しない者を除く。以下「公庫等職員」という。)となるため退職(第四条(二十五年以上勤続して退職した者のうち同条第三項に規定する政令で定める者以外の者に係る退職手当に関する部分を除く。)又は第五条の規定による退職手当に係る退職を除く。)をし、かつ、引き続き公庫等職員として在職した後引き続いて再び職員となつた者の前条第一項の規定による在職期間の計算については、先の職員としての在職期間は、後の職員としての在職期間に引き続いたものとみなす。
2 前項の規定の適用を受ける職員が退職した場合におけるその者に対する第三条から第五条までの規定による退職手当の額は、第三条から第六条までの規定にかかわらず、退職の日におけるその者の俸給月額に、第一号に掲げる割合から第二号に掲げる割合を控除した割合を乗じて得た額とする。
一 その者が第三条から第六条までの規定により計算した額の退職手当の支給を受けるものとした場合における当該退職手当の額の当該俸給月額に対する割合
二 その者が前項の退職をした際に支給を受けた退職手当の額のその計算の基礎となつた俸給月額に対する割合(職員としての引き続いた在職期間中に当該退職を二回以上した者については、それぞれの退職に係る当該割合を合計した割合)
第十条第一項を次のように改める。
勤続期間六月以上で退職した職員が退職の日の翌日から起算して一年の期間(その者が失業保険法(昭和二十二年法律第百四十六号)第二十条の三第一項に規定する場合の公共職業訓練に相当する公共職業訓練を受ける場合において、当該公共職業訓練を受け終わるべき日がその一年の期間を経過した日以後の日であるときは、その日までの期間)内に失業している場合においては、その者がすでに支給を受けた一般の退職手当及び前条の規定による退職手当の額が、その者を同法の規定による離職の日以前一年間に被保険者期間が通算して六月以上であつた者と、その者の勤続期間を同法の規定による離職の日まで引き続き同一事業主に被保険者として雇用された期間(勤続期間が一年未満である者については、同法の規定による離職の日まで引き続き同一事業主に被保険者として雇用された期間が一年未満である場合における離職の日以前一年内の通算した被保険者期間)とみなして同法の規定を適用した場合に同法の規定によりその者に支給することができる失業保険金の額に満たないときは、当該退職手当の外、その差額に相当する金額を同法の規定による失業保険金の支給の条件に従い退職手当として、公共職業安定所(政令で定める職員については、その者が当該退職の際所属していた官署又は事務所その他の政令で定める官署又は事務所。以下同じ。)において支給する。
第十条第二項中「退職手当の額を失業保険金の日額」を「一般の退職手当及び前条の規定による退職手当の額をその者につき失業保険法の規定により計算した失業保険金の日額」に改め、同条第三項中「退職手当の支給」を「一般の退職手当及び前条の規定による退職手当の支給」に、「失業保険金の日額に第一項各号の区分に応じ当該各号に掲げる日数を乗じて得た額」を「同項に規定する失業保険金の額」に改める。
第十条第五項を同条第七項とし、同条第四項の次に次の二項を加える。
5 第一項又は第三項の規定による退職手当の支給を受けることができる者で失業保険法第二十六条の二第一項の規定に準じて政令で定めるものが就職するに至つた場合において、必要があると認められるときは、同条の規定に準じて政令で定めるところにより、就職に要する費用を退職手当として、公共職業安定所において支給することができる。
6 前項の規定による退職手当の支給があつたときは、第一項又は第三項の規定の適用については、当該支給があつた金額に相当する額のこれらの規定による退職手当の支給があつたものとみなす。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行する。
2 改正後の国家公務員等退職手当法(以下「新法」という。)第七条第八項及び第十条(公共職業安定所に関する部分を除く。)の規定は、昭和三十五年四月一日から適用し、新法第七条の二の規定は、昭和三十五年四月一日以後の退職に係る退職手当について適用する。
3 職員が国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律(昭和三十四年法律第百六十四号。以下「一部改正法」という)。附則第二項に規定する適用日(以下「適用日」という)。前に新法第七条の二第一項に規定する公庫等職員となるため退職した場合(一部改正法附則第三項の規定の適用を受ける職員については、適用日以後に当該退職をした場合を含む。)におけるその者に対する同条第一項の規定の適用については、同項中「第五条の規定による退職手当」とあるのは、「第五条の規定による退職手当に準ずる退職手当」とする。
4 新法第七条の二第二項に規定する職員のうち、次の表の上欄に掲げる者については、同項中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えて、同項の規定を適用するものとする。
職員の区分
読み替えられる字句
読み替える字句
一部改正法附則第三項の規定の適用を受ける者
第三条から第六条まで
国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律(昭和三十四年法律第百六十四号)附則第三項
一部改正法附則第四項から第六項までの規定の適用を受ける者(同法附則第三項の規定の適用を受ける者を除く。)
第三条から第六条まで
第三条から第六条まで及び国家公務員等退職手当暫定措置法の一部を改正する法律附則第四項から第六項まで
昭和三十五年四月一日前に新法第七条の二第一項の退職をした者
支給を受けた退職手当
この法律の規定による退職手当の支給を受けたものとした場合における当該退職手当
5 新法第十条第一項又は第三項の規定の適用については、昭和三十五年四月一日において、現に、同日前に公共職業安定所の指示した公共職業訓練を受けている者は、同日に公共職業安定所の指示した公共職業訓練を受けている者とみなす。
6 元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。
第五条第一項ただし書中「第四条」の下に「(二十五年以上勤続して退職した者のうち同条第三項に規定する政令で定める者以外の者に係る退職手当に関する部分を除く。)」を加え、「第九条」を「第七条の二、第九条」に改める。
7 前項の規定による改正後の元南西諸島官公署職員等の身分、恩給等の特別措置に関する法律第五条第一項ただし書の規定中国家公務員等退職手当法第四条の規定に係る部分は、昭和三十四年十月一日以後の退職に係る退職手当について適用する。
内閣総理大臣 岸信介
大蔵大臣 佐藤栄作