航空法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第90号
公布年月日: 昭和35年6月1日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

近年の民間航空の発展、特にジェット機等の大型高速機の就航により、航空界は画期的な発展段階に入っている。この発展に対応し、航空の安全と輸送秩序を確保するため、飛行場周辺の安全表面の確保、航空交通管制の整備、航空機検査制度の合理化、航空運送事業に関する規制の再検討等が必要となっている。このため、航空法の一部改正を行い、これらの課題に対応する制度整備を図ろうとするものである。

参照した発言:
第34回国会 参議院 運輸委員会 第8号

審議経過

第34回国会

参議院
(昭和35年3月17日)
衆議院
(昭和35年3月22日)
参議院
(昭和35年4月5日)
衆議院
(昭和35年4月6日)
(昭和35年4月15日)
参議院
(昭和35年4月19日)
(昭和35年4月26日)
衆議院
(昭和35年4月27日)
(昭和35年5月4日)
(昭和35年5月6日)
参議院
(昭和35年5月10日)
(昭和35年5月17日)
(昭和35年6月1日)
衆議院
(昭和35年7月15日)
航空法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十五年六月一日
内閣総理大臣 岸信介
法律第九十号
航空法の一部を改正する法律
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)の一部を次のように改正する。
目次中「第五十六条の二」を「第五十六の五」に、「第百三十一条の二」を「第百三十一条の三」に改める。
第二条第二項中「第十九条」を「第十九条本文」に改め、同条第六項中「三千メートル」の下に「(ヘリポートの着陸帯にあつては、二千メートル以下で運輸省令で定める長さ)」を、「六百メートル」の下に「、ヘリポートの着陸帯にあつては当該短辺と当該一直線との距離に十五度の角度の正切を乗じた長さに当該短辺の長さの二分の一を加算した長さ」を加え、同条第七項中「上方へ」の下に「五十分の一以上で」を加え、同条第八項中「中心として」の下に「四千メートル以下で」を加え、同条第九項中「七分の一」の下に「(ヘリポートにあつては、四分の一以上で運輸省令で定める勾配)」を加え、同条第十一項中「航空路における」を削り、「指定するもの」を「告示で指定するもの」に改め、同条第十二項中「公共の用に供する」を「運輸大臣が告示で指定する」に、「指定するもの」を「告示で指定するもの」に改め、同条第十三項中「有視界飛行状態」を「有視界気象状態」に改め、同条第十四項中「計器飛行状態」を「計器気象状態」に、「有視界飛行状態」を「有視界気象状態」に改める。
第二条中第十九項を第二十一項とし、第十八項を第十九項とし、第十七項を第十八項とし、第十六項を第十七項とし、第十五項の次に次の一項を加える。
16 この法律において「計器飛行方式」とは、計器気象状態において飛行する航空機に適応するように運輸省令で定める飛行の方法をいう。
第二条第十九項の次に次の一項を加える。
20 この法律において「利用航空運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、航空運送事業を経営する者の行なう運送を利用して貨物を運送する事業をいう。
第十四条の二中「第十条第四項(第十条の二第二項において準用する場合を含む。)」を「第十条第四項」に改める。
第十六条第一項に次のただし書を加える。
但し、航空機の修理又は改造の能力が運輸省令で定める技術上の基準に適合することについて事業場ごとに行なう運輸大臣の認定を受けた者が当該認定に係る修理又は改造をする場合であつて、運輸省令で定めるところにより、その認定を受けた者が当該航空機について第十条第四項の基準に適合することを確認するときは、この限りでない。
第十六条第三項中「(第十条の二第二項において準用する場合を含む。)」を削り、同条に次の一項を加える。
4 第一項但書の認定に関し必要な事項は、運輸省令で定める。
第十七条第一項中「当該航空機の用に供するための発動機、プロペラその他運輸省令で定める」を「発動機、プロペラその他運輸省令で定める航空機の」に改め、同条第三項を次のように改める。
3 第一項の装備品の修理又は改造の能力が運輸省令で定める技術上の基準に適合することについて事業場ごとに行なう運輸大臣の認定を受けた者が当該認定に係る修理又は改造を行ない、且つ、運輸省令で定めるところにより、第十条第四項の基準に適合することについて確認をした装備品は、前条第一項の規定の適用については、第一項の予備品証明を受けたものとみなす。
第十七条に次の三項を加える。
4 予備品証明及び前項の確認には、運輸省令で定めるところにより、有効期間及び当該予備品に係る航空機の型式の限定を附するものとする。
5 予備品証明及び第三項の確認は、当該予備品について運輸省令で定める範囲の修理若しくは改造をした場合又は当該予備品が航空機に装備されるに至つた場合は、その効力を失う。
6 第三項の認定に関し必要な事項は、運輸省令で定める。
第十九条本文中「改造をした場合」の下に「(第十六条第一項の修理又は改造をした場合を除く。)」を加え、「(第十条の二第二項において準用する場合を含む。)」を削り、同条ただし書を次のように改める。
但し、確認をし又は確認を受けることが著しく困難な運輸省令で定める本邦外の地域において航空機の整備をした場合において、運輸省令で定めるところにより、一定の資格を有する技術者が航空機の安全性が確保されていることについて確認をしたときは、この限りでない。
第二十五条第三項中「(機体関係、発動機関係、プロペラ関係、計器関係又は電気関係の別)」を削る。
第四十条に後段として次のように加える。
供用開始後において、告示し及び掲示した事項について変更がある場合(第四十三条第一項に規定する事由による場合を除く。)も同様である。
第四十三条第一項中「加えようとするとき」の下に「(飛行場の標点の位置を変更しようとするときを含む。)」を加え、同条第二項ただし書中「又は転移表面」を「、転移表面又は水平表面」に改める。
第四十九条第一項中「又は転移表面」を「、転移表面又は水平表面(これらの投影面が一致する部分については、これらのうち最も低い表面とする。)」に改め、「建造物」の下に「(その告示の際現に建造中である建造物の当該建造工事に係る部分を除く。)」を加え、同項ただし書を次のように改める。
但し、仮設物その他の運輸省令で定める物件(進入表面又は転移表面に係るものを除く。)で飛行場の設置者の承認を受けて設置し又は留置するもの及び供用開始の予定期日前に除去される物件については、この限りでない。
第四十九条第二項及び第三項中「又は転移表面」を「、転移表面又は水平表面」に改め、同条第三項中「出るに至つたもの」の下に「及び同項の告示の際現に建造中であつた建造物で当該建造工事によりこれらの表面の上に出るに至つたもの」を加える。
第五十条第一項中「又は転移表面」を「、転移表面又は水平表面」に改める。
第五十一条を次のように改める。
(航空障害灯)
第五十一条 地表又は水面から六十メートル以上の高さの物件の設置者は、運輸省令で定めるところにより、当該物件に航空障害灯を設置しなければならない。但し、運輸大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
2 飛行場の設置者は、運輸省令で定めるところにより、当該飛行場の進入表面、転移表面又は水平表面の投影面と一致する区域内にある物件(前項の規定により航空障害灯を設置すべき物件を除く。)で運輸省令で定めるものに航空障害灯を設置しなければならない。
3 運輸大臣は、運輸省令で定めるところにより、前二項の規定により航空障害灯を設置すべき物件以外の物件で、航空機の航行の安全を著しく害するおそれがあるものに航空障害灯を設置しなければならない。
4 前二項の物件の所有者又は占有者は、これらの規定により飛行場の設置者又は運輸大臣の行なう航空障害灯の設置を拒むことができない。
5 運輸大臣及び第一項又は第二項の規定により航空障害灯を設置した者は、運輸省令で定める方法に従い、当該航空障害灯を管理しなければならない。
6 運輸大臣は、第一項又は第二項の規定により航空障害灯を設置した者の当該航空障害灯の管理の方法が前項の運輸省令に従つていないと認めるときは、その者に対し、設備の改善その他その是正のため必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。
第五十一条の次に次の一条を加える。
(昼間障害標識)
第五十一条の二 昼間において航空機からの視認が困難であると認められる煙突、鉄塔その他の運輸省令で定める物件で地表又は水面から六十メートル以上の高さのものの設置者は、運輸省令で定めるところにより、当該物件に昼間障害標識を設置しなければならない。
2 運輸大臣は、運輸省令で定めるところにより、前項の規定により昼間障害標識を設置すべき物件以外の物件で、航空機の航行の安全を著しく害するおそれがあるものに昼間障害標識を設置しなければならない。
3 前条第四項から第六項までの規定は、昼間障害標識について準用する。
第五十六条第二項本文中「第五十一条第一項、第三項及び第四項」を「第五十一条第二項、第四項及び第五項」に改め、同項ただし書中「又は転移表面」を「、転移表面又は水平表面」に改める。
第五章中第五十六条の二を第五十六条の五とし、第五十六条の次に次の三条を加える。
(第一種空港等の特例)
第五十六条の二 運輸大臣は、第一種空港及び政令で定める第二種空港について、延長進入表面、円錐表面又は外側水平表面を指定することができる。
2 延長進入表面は、進入表面を含む平面のうち、進入表面の外側底辺、進入表面の斜辺の外側上方への延長線及び当該底辺に平行な直線でその進入表面の内側底辺からの水平距離が一万五千メートルであるものにより囲まれる部分とする。
3 円錐表面は、水平表面の外縁に接続し、且つ、空港の標点を含む鉛直面との交線が水平面に対し外側上方へ五十分の一以上で運輸省令で定める勾配を有する円錐面であつて、その投影面が当該標点を中心として一万六千五百メートル以下で運輸省令で定める長さの半径で水平に描いた円周で囲まれるもののうち、航空機の離陸及び着陸の安全を確保するために必要な部分とする。
4 外側水平表面は、前項の円錐面の上縁を含む水平面であつて、その投影面が空港の標点を中心として二万四千メートル以下で運輸省令で定める長さの半径で水平に描いた円周で囲まれるもの(投影面が水平表面又は円錐表面の投影面と一致する部分を除く。)のうち、航空機の離陸及び着陸の安全を確保するために必要な部分とする。
第五十六条の三 運輸大臣は、前条第一項の指定をし又は指定をした事項に変更を加える場合には、空港の附近の土地の所有者その他の利害関係を有する者の利益を著しく害することとならないように配慮しなければならない。
2 第三十八条第三項、第三十九条第二項及び第四十条の規定は、前条第一項の指定をし又は指定をした事項に変更を加える場合に準用する。
第五十六条の四 何人も、第五十六条の二第一項に規定する空港について前条第二項において準用する第四十条の告示があつた後においては、その告示で示された延長進入表面、円錐表面又は外側水平表面(これらの投影面が一致する部分については、これらのうち最も低い表面とする。)の上に出る高さの建造物(その告示の際現に建造中である建造物の当該建造工事に係る部分を除く。)、植物その他の物件を設置し、植栽し、又は留置してはならない。
2 第四十九条第一項但書の規定は、円錐表面及び外側水平表面について準用する。
3 第四十九条第二項の規定は第一項の規定に違反する物件について、同条第三項から第七項までの規定は第一項の告示の際現に存する物件で延長進入表面、円錐表面又は外側水平表面の上に出るものについて準用する。
第五十八条第一項中「運輸省令で定める様式の」を削る。
第五十九条に次の一号を加える。
四 その他運輸省令で定める航空の安全のために必要な書類
第六十条第二号中「計器飛行状態において」を「計器飛行方式により」に改め、同条第三号を次のように改める。
三 運輸大臣が告示で指定する空域を飛行する場合
第六十三条中「計器飛行状態の場合若しくは飛行の途中において計器飛行状態において飛行することが予想される場合」を「計器飛行方式により飛行しようとする場合」に改める。
第六十五条第二項の表航空機の欄中「計器飛行状態において」を「計器飛行方式により」に改める。
第六十六条第一項の表航空機の欄中「飛行する航空機」の下に「(飛行中常時地上物標又は航空保安施設を利用できると認められるものを除く。)」を加える。
第七十六条第一項第一号中「、火災その他の航空機の事故」を「又は火災」に改め、同項に次の一号を加える。
四 その他運輸省令で定める航空機に関する事故
第七十六条に次の一項を加える。
3 機長は、飛行中航空保安施設の機能の障害その他の航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがあると認められる運輸省令で定める事態が発生したことを知つたときは、他からの通報により知つたときを除いて、運輸省令で定めるところにより運輸大臣にその旨を報告しなければならない。
第七十九条ただし書中「やむを得ない事由がある場合において、運輸大臣の許可を受けたとき」を「運輸大臣の許可を受けた場合」に改める。
第八十一条の次に次の一条を加える。
(捜索又は救助のための特例)
第八十一条の二 前三条の規定は、運輸省令で定める航空機が航空機の事故、海難その他の事故に際し捜索又は救助のために行なう航行については、適用しない。
第八十二条中「、有視界飛行状態においては九百メートル以上、計器飛行状態においては三百メートル以上」を「九百メートル(計器飛行方式により飛行する場合にあつては、三百メートル)以上」に改める。
第八十六条の次に次の一条を加える。
第八十六条の二 航空運送事業を経営する者は、貨物若しくは手荷物又は旅客の携行品その他航空機内に持ち込まれ若しくは持ち込まれようとしている物件について、形状、重量その他の事情により前条第一項の物件であることを疑うに足りる相当な理由がある場合は、当該物件の輸送若しくは航空機内への持ち込みを拒絶し、託送人若しくは所持人に対し当該物件の取卸しを要求し、又は自ら当該物件を取り卸すことができる。但し、自ら物件を取り卸すことができるのは、当該物件の託送人又は所持人がその場に居合わせない場合に限る。
2 運輸大臣は、航空の安全を確保するため特に必要があると認めるときは、航空運送事業を経営する者に対し、前項の規定による措置を講ずべきことを命ずることができる。
第九十一条中「五キロメートル」を「五千メートル(七千三百メートル以上の高さの空域にあつては、八千メートル)」に改める。
第九十四条(見出しを含む。)中「有視界飛行状態」を「有視界気象状態」に改め、同条の次に次の見出し及び一条を加える。
(計器飛行方式)
第九十四条の二 航空機は、計器気象状態において飛行する場合又は航空交通管制区若しくは航空交通管制圏のうち運輸大臣が告示で指定する空域を飛行する場合は、計器飛行方式により飛行しなければならない。但し、運輸大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。
第九十五条の見出しを削り、同条中「計器飛行状態において」を「計器飛行方式により」に改める。
第九十六条に次の一項を加える。
2 第二条第十二項の運輸大臣が指定する飛行場の業務に従事する者(運輸省令で定める飛行場の工事に関する業務に従事する者を含む。)は、その業務に関し、運輸大臣が当該飛行場における航空交通の安全のために与える指示に従わなければならない。
第九十七条第一項中「計器飛行状態において、航空交通管制圏内の飛行場」を「計器飛行方式により、第二条第十二項の運輸大臣が指定する飛行場」に改め、同条第二項中「計器飛行状態において飛行しようとするとき(前項の場合を除く。)又は有視界飛行状態において」を「前項の場合を除き、」に改める。
第百一条第一項第三号を次のように改め、同項第五号ロ中「不定期航空運送事業」の下に「、利用航空運送事業」を加える。
三 事業計画が経営上及び航空保安上適切なものであること。
第百二十二条の次に次の二条を加える。
(利用航空運送事業)
第百二十二条の二 利用航空運送事業を経営しようとする者は、運輸大臣の免許を受けなければならない。
2 第百条第二項及び第三項並びに第百一条の規定は、前項の免許について準用する。この場合において、第百条第二項中「運航開始」とあるのは「事業開始」と、「事業計画(航空機の運航及びこれを行うために必要な整備に関する計画をいう。以下同じ。)」とあるのは「運輸省令で定める事業計画」と読み替えるものとする。
第百二十二条の三 第百三条及び第百五条から第百二十条までの規定は、利用航空運送事業について準用する。この場合において、第百三条中「運航」とあるのは、「事業」と読み替えるものとする。
2 第三十条第二項の規定は、前項において準用する第百十九条の規定による事業の停止又は免許の取消の場合に準用する。
第百二十五条第二項中「当該航空運送事業者又は航空機使用事業者」を「当該定期航空運送事業者、不定期航空運送事業者(第百二十一条第一項の免許を受けた者をいう。以下同じ。)、利用航空運送事業者(第百二十二条の二第一項の免許を受けた者をいう。以下同じ。)又は航空機使用事業者(第百二十三条第一項の免許を受けた者をいう。以下同じ。)」に改める。
第百二十六条第一項中「、運輸大臣の指定する航空路によらないで」を削り、同項に次のただし書を加える。
但し、航空路のみを航行する場合は、この限りでない。
第八章中第百三十一条の二を第百三十一条の三とし、第百三十一条の次に次の一条を加える。
(外国人国際利用航空運送事業)
第百三十一条の二 第百二十二条の二第一項の規定にかかわらず、第四条第一項各号に掲げる者は、運輸大臣の許可を受けて、左の各号に掲げる貨物の運送を行なう利用航空運送事業を経営することができる。
一 本邦内から発送されて本邦外に到達する貨物
二 本邦外から発送されて本邦内に到達する貨物
三 本邦外から発送されて、本邦を経由して、本邦外に到達する貨物
2 第百二十九条第二項及び第三項の規定は、前項の許可について準用する。この場合において、第百二十九条第二項中「運航開始」とあるのは、「事業開始」と読み替えるものとする。
3 第百二十九条の二から第百二十九条の五までの規定は、第一項の許可を受けた者(以下「外国人国際利用航空運送事業者」という。)について準用する。
第百三十四条第一項中「航空運送事業」の下に「、利用航空運送事業」を加える。
第百三十五条の表第一号の二中「十二万四千円」を「二十二万三千円」に改め、同表第二号中「六万七千二百円」を「二十二万三千円」に改め、同表第三号中「三万四千七百円」を「六万四千四百円」に改め、同表第四号中「一万六千八百円」を「三万八千四百円」に改め、同表中同号の次に次の一号を加える。
四の二 第十六条第一項但書又は第十七条第三項の認定を申請する者
九万円。但し、本邦外の事業場について認定を行なう場合は、九万円の範囲内で政令で定める金額に政令で定める金額を加算した額
第百三十五条の表第七号の二を次のように改める。
七の二 第二十九条の二第一項の技能証明についての限定の変更を申請する者
五百六十円。但し、運輸省の航空機を使用する場合及び本邦外において実地試験を行なう場合は、五百六十円の範囲内で政令で定める金額に政令で定める金額を加算した額
第百三十七条を次のように改める。
(訴願)
第百三十七条 この法律の規定による行政官庁の処分に不服のある者は、運輸大臣に訴願をすることができる。
第百三十七条の二に次の二項を加える。
2 この法律の規定により運輸大臣の権限に属する事項で左の各号に掲げるものは、政令で定めるところにより、防衛庁長官に委任するものとする。
一 第九十四条の二但書、第九十六条第一項及び第九十七条第一項に規定する事項であつて、政令で定める飛行場の航空交通管制圏に係るもの
二 第九十六条第二項に規定する事項であつて、政令で定める飛行場に係るもの
三 第九十七条第二項に規定する事項であつて、政令で定める飛行場から出発する航空機に係るもの
四 第九十八条に規定する事項であつて、政令で定める飛行場に到着した航空機に係るもの
3 運輸大臣は、前項の規定による委任により防衛庁長官が行なう業務の運営に関する事項を統制するものとする。
第百四十三条第三号中「同条の規定による確認をしないで」を「同条本文の確認をせず、且つ、これを受けないで」に改める。
第百四十三条の二第一号中「第十条の二第二項において準用する」を削り、同条第二号中「第十六条第三項の基準」を「第十条第四項の技術上の基準」に、「同条」を「第十六条」に改める。
第百五十条第二号中「第四十九条第一項」の下に「(第五十六条第二項において準用する場合を含む。)又は第五十六条の四第一項」を加え、同号の次に次の一号を加える。
二の二 第五十一条第六項(第五十一条の二第三項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者
第百五十条に次の一号を加える。
十一 第九十六条第二項の規定に違反して、同項の指示に従わなかつた者
第百五十三条第二号中「第一項若しくは第二項」を「第一項から第三項まで」に改める。
第百五十四条第一項第六号の次に次の一号を加える。
六の二 第九十四条の二の規定に違反して、計器飛行方式によらないで航空機を運航したとき。
第百五十四条第一項第七号中「計器飛行状態において」を「計器飛行方式により」に改め、同項第八号中「第九十六条」を「第九十六条第一項」に改める。
第百五十五条第一号中「第百二十一条第一項」の下に「、第百二十二条の二第一項」を加え、同条第二号及び第三号中「第百二十二条第一項」の下に「、第百二十二条の三第一項」を加え、同条第四号中「第百二十九条」を「第百二十九条第一項又は第百三十一条の二第一項」に改める。
第百五十七条中「不定期航空運送事業者」の下に「、利用航空運送事業者」を加え、同条第二号及び第三号中「第百二十二条第一項」の下に「又は第百二十二条の三第一項」を加え、同条第四号及び第五号中「第百二十二条第一項」の下に「、第百二十二条の三第一項」を加え、同条第六号及び第七号中「第百二十二条第一項」の下に「又は第百二十二条の三第一項」を加え、同条第八号中「第百二十二条第一項」の下に「、第百二十二条の三第一項」を加える。
第百五十七条の二中「外国人国際航空運送事業者」の下に「又は外国人国際利用航空運送事業者」を、「第百二十九条の二」、「第百二十九条の三第二項」、「第百二十九条の四」及び「第百二十九条の五」の下に、それぞれ、「(第百三十一条の二第三項において準用する場合を含む。)」を加える。
第百六十条第一号中「第百七条」の下に「(第百二十二条の三第一項において準用する場合を含む。)」を加え、同条第二号中「第百二十二条第一項」の下に「、第百二十二条の三第一項」を加える。
別表事業用操縦士の項第四号中「計器飛行状態の下において、」を「計器飛行方式により」に改め、同項中第五号を第六号とし、第四号の次に次の一号を加える。
五 不定期航空運送事業の用に供する回転翼航空機の操縦を行なうこと(計器飛行方式により有償の旅客の運送を行なう運航を除く。)。
別表一等航空整備士の項から航空工場整備士の項まで中「第十九条」を「第十九条本文」に改める。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、昭和三十五年六月一日から施行する。
(ヘリポートに関する経過規定)
第二条 運輸大臣は、この法律の施行後、遅滞なく、この法律の施行の際現に存するヘリポートについて、改正後の航空法(以下「新法」という。)第二条第六項、第七項及び第九項の規定による進入区域、進入表面及び転移表面を告示するとともに、現地においてこれらを掲示するものとする。
(航空交通管制圏に関する経過規定)
第三条 この法律の施行の際現に存する公共の用に供する飛行場は、新法第二条第十二項の規定の適用については、同項の規定により運輸大臣が指定した飛行場とみなす。
(水平表面に関する経過規定)
第四条 この法律の施行の際現に存する物件であつて、改正前の第四十条(改正前の第五十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による告示後この法律の施行のときまでに公共の用に供する飛行場の水平表面の上に出るに至つたもの(この法律の施行の際現に存する植物で成長してこの法律の施行後水平表面の上に出るに至つたもの及びこの法律の施行の際現に建造中である建造物で当該建造工事によりこの法律の施行後水平表面の上に出るに至つたものを含む。)については、新法第四十九条第一項(新法第五十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、その高さの限度において、適用しない。
2 運輸大臣又は飛行場の設置者は、前項に規定する物件の所有者その他の権限を有する者に対し、新法第四十九条第三項から第七項までの規定の例により、当該物件の水平表面の上に出る部分を除去すべきことを求めることができる。
(航空障害灯等に関する経過規定)
第五条 この法律の施行の際現に存する物件で地表又は水面からの高さが六十メートル以上のもの(この法律の施行の際現に存する植物で成長して地表又は水面からの高さが六十メートル以上となるに至つたもの及びこの法律の施行の際現に建造中である建造物で当該建造工事により地表又は水面からの高さが六十メートル以上となるに至つたものを含む。)については、新法第五十一条第一項及び第五十一条の二第一項の規定は、適用しない。
(利用航空運送事業に関する経過規定)
第六条 この法律の施行の際現に利用航空運送事業を経営している者は、この法律の施行の日から三月間は、新法第百二十二条の二第一項の規定にかかわらず、同項の免許又は新法第百三十一条の二第一項の許可を受けなくても当該事業を引き続いて経営することができる。その者がその期間内に当該事業についてこれらの免許又は許可の申請をした場合において、その免許又は許可をする旨又はしない旨の通知を受ける日までの間についても同様とする。
(罰則に関する経過規定)
第七条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(運輸省設置法の一部改正)
第八条 運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)の一部を次のように改正する。
第四条第一項第四十四号の九中「航空運送事業」の下に「、利用航空運送事業」を加える。
第二十八条の二第一項第十三号中「航空運送事業」の下に「、利用航空運送事業」を加える。
内閣総理大臣 岸信介
運輸大臣 楢橋渡