所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタンとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十四年四月二十二日
内閣総理大臣 岸信介
所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタンとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律
(趣旨)
第一条 この法律は、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタンとの間の条約(以下「条約」という。)を実施するため、所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)の特例その他必要な事項を定めるものとする。
(配当所得に対する所得税の税率の特例)
第二条 所得税法第一条第五項の規定に該当する法人(同条第六項の規定により法人とみなされる社団又は財団を含む。)で条約第六条第三項の規定に該当するパキスタンの法人であるものが支払を受ける同項に規定する配当に対する同法第十八条第二項並びに第四十一条第一項及び第二項の規定の適用については、これらの規定中「百分の二十」とあるのは、「百分の十五」とする。ただし、当該配当所得に対する所得税額をその収入金額の百分の十五に相当する金額以下とする他の法律の規定の適用を妨げない。
(パキスタンの租税の徴収)
第三条 政府は、条約第一条に規定するパキスタンの租税につき、パキスタン政府から条約第十五条第二項の規定による徴収の嘱託を受けたときは、国税徴収の例によりこれを徴収する。この場合における当該租税及びその滞納処分費の徴収の順位は、それぞれ国税及びその滞納処分費と同順位とする。
(実施規定)
第四条 前二条に定めるもののほか、条約の実施及びこの法律の適用に関し必要な事項は、大蔵省令で定める。
附 則
2 第二条中所得税法第十八条第二項の規定に係る部分は、この法律の施行の日の属する年の一月一日以後に支払を受けるべき配当について、第二条中同法第四十一条第一項及び第二項の規定に係る部分は、同日以後に支払を受けるべき配当でこの法律の施行の日以後に支払われるものについて適用する。