国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第103号
公布年月日: 昭和32年5月16日
法令の形式: 法律

提案理由 (AIによる要約)

地方税法改正により大規模償却資産に対する固定資産税の課税限度額が引き上げられたことに対応し、国有資産等所在市町村交付金制度における大規模償却資産に係る交付金算定標準額等の限度額も同様に引き上げる必要がある。また、日本国有鉄道が事業用に借り受けている車両について、その使用実態を考慮し、市町村納付金の対象に加えることとする。これらの改正及びその他所要の規定整備を行うため、本法律案を提出するものである。

参照した発言:
第26回国会 衆議院 地方行政委員会 第22号

審議経過

第26回国会

衆議院
(昭和32年4月11日)
参議院
(昭和32年4月16日)
衆議院
(昭和32年4月18日)
参議院
(昭和32年4月23日)
衆議院
(昭和32年4月26日)
(昭和32年4月27日)
参議院
(昭和32年5月11日)
(昭和32年5月13日)
衆議院
(昭和32年5月19日)
参議院
(昭和32年5月19日)
国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
昭和三十二年五月十六日
内閣総理大臣 岸信介
法律第百三号
国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律
国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律(昭和三十一年法律第八十二号)の一部を次のように改正する。
第二条に次の一項を加える。
5 目本国有鉄道は、直接その本来の事業の用に供するため借り受けている車両で政令で定めるものについては、これを日本国有鉄道が所有する償却資産とみなして、この法律の規定により、当該償却資産所在の市町村に対して、市町村納付金を納付する。
第三条第三項中「国有財産法第三十二条第一項の台帳」の下に「若しくは物品管理法(昭和三十一年法律第百十三号)第三十六条の帳簿」を加える。
第四条第二項中「前条第二項の規定にかかわらず、」の下に「当該固定資産について市町村交付金が交付されることとなつた年度から十年度間にあつては、」を加え、「十分の五の額とする。」を「十分の五の額とし、当該固定資産について市町村交付金が交付されることとなつた年度から十年度を経過した年度以後にあつては、前条第二項の価格の十分の五の額とする。」に改める。
第五条第一項中「一の地方公共団体若しくは一の公社が所有する償却資産」の下に「(公社が所有する償却資産で鉄道又は電気通信の用に供するもののうち総理府令で定めるものを除く。以下本条及び次条において同じ。)」を、「本条」の下に「及び次条」を、「一の公社が所有する固定資産税を課される償却資産」の下に「(地方税法第三百四十九条の五第一項の新設大規模償却資産を除く。以下本条において同じ。)」を加え、「地方税法」を「同法」に改め、「固定資産税の課税標準となるべき額をいう。」の下に「以下本条において同じ。」を加え、「(以下「固定資産税の課税標準額という。)」を削り、「固定資産税の課税標準額を控除した額」を「当該公社が所有する固定資産税を課される償却資産に係る同法第三百四十九条の二から第三百四十九条の四までの規定によつて算定した固定資産税の課税標準額(以下本条及び第十六条第二項において「固定資産税の課税標準額」という。)を控除した額」に、「金額をこえるときは、」を「金額以上の額であるときは、」に改め、同項の表を次のように改める。
市町村の区分
金額
人口五千人未満の町村
二億円
人口五千人以上一万人未満の町村
人口六千人未満の場合にあつては二億三千万円、人口六千人以上の場合にあつては二億三千万円に人口千人を増すごとに三千万円を加算した額
人口一万人以上三万人未満の市町村
人口一万一千人未満の場合にあつては三億六千五百万円、人口一万一千人以上の場合にあつては三億六千五百万円に人口千人を増すごとに千五百万円を加算した額
人口三万人以上の市町村
六億五千万円(当該大規模の償却資産の交付金算定標準額となるべき価格の十分の二の額が六億五千万円をこえるときは当該交付金算定標準額となるべき価格の十分の二の額とし、当該大規模の償却資産の納付金算定標準額となるべき価格と当該大規模の償却資産を所有する公社が所有する固定資産税を課される償却資産に係る固定資産税の課税標準となるべき額との合算額の十分の二の額が六億五千万円をこえるときは当該合算額の十分の二の額とする。)
第五条第二項を次のように改める。
2 前年度の地方交付税の算定の基礎となつた基準財政収入額(以下本項において「前年度の基準財政収入額」という。)からこれに算入された大規模の償却資産に係る市町村交付金又は市町村納付金の収入見込額(地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)第十四条第二項の基準率をもつて算定した市町村交付金又は市町村納付金の収入見込額をいう。以下本項において同じ。)を控除した額に、当該大規模の償却資産について前項の規定を適用した場合において当該年度分として交付されるべき市町村交付金又は納付されるべき市町村納付金の収入見込額を加算した額(一の公社が所有する大規模の償却資産で、これに係る納付金算定標準額となるべき価格と当該公社が所有する固定資産税を課される償却資産に係る固定資産税の課税標準となるべき額との合計額によつて大規模の償却資産に該当することとなるものにあつては、前年度の基準財政収入額からこれに算入された当該大規模の償却資産に係る市町村納付金の収入見込額と当該固定資産税の税収入見込額(地方交付税法第十四条第二項の基準税率をもつて算定した税収入見込額をいう。以下本項において同じ。)との合計額を控除した額に、当該大規模の償却資産について前項の規定を適用した場合において当該年度分として納付されるべき市町村納付金の収入見込額と当該公社が所有する固定資産税を課される償却資産について地方税法第三百四十九条の二、第三百四十九条の三及び第三百四十九条の四第一項の規定を適用した場合において当該年度分として課することができる固定資産税の税収入見込額との合計額を加算した額とする。以下本項において「基準財政収入見込額」という。)が前年度の地方交付税の算定の基礎となつた基準財政需要額(以下本項において「前年度の基準財政需要額」という。)の百分の百三十に満たないこととなる市町村については、前項の表の下欄に掲げる金額を、基準財政収入見込額が前年度の基準財政需要額の百分の百三十に達することとなるように増額して同項の規定を適用する。この場合において、当該市町村に大規模の償却資産が二以上あるときは、当該大規模の償却資産のうち交付金算定標準額又は納付金算定標準額となるべき価格の低いものから順次当該価格を限度として当該市町村の基準財政収入見込額が前年度の基準財政需要額の百分の百三十に達することとなるように前項の表の下欄に掲げる金額を増額するものとする。
第五条第四項中「第二項において準用する地方税法第三百四十九条の四第二項の規定によつて」を「第二項の規定によつて」に改める。
第五条の次に次の一条を加える。
(新設大規模償却資産に係る交付金算定標準額又は納付金算定標準額の特例)
第五条の二 国若しくは地方公共団体又は公社は、各省各庁の長がそれぞれ管理し、又は一の地方公共団体若しくは一の公社が所有する償却資産のうち第二条の規定によつて市町村交付金を交付し、又は市町村納付金を納付すべきもので、一の市町村内に所在する新たに建設された一の工場又は発電所の用に供するものに係る交付金算定標準額又は納付金算定標準額となるべき価格の合計額が、当該償却資産について同条の規定によつて市町村交付金を交付し、又は市町村納付金を納付することとなつた最初の年度から五年度間のうちいずれか一の年度において、前条第一項の表の上欄に掲げる市町村において同表の下欄に掲げる金額をこえることとなるもの(以下本条及び第十一条第二項において「新設大規模償却資産」という。)がある場合においては、当該こえることとなつた最初の年度から五年度分の市町村交付金又は市町村納付金に限り、地方税法第三百四十九条の五第一項及び第二項並びに第五項に基く政令の規定の例により、前条第一項の表の下欄に掲げる金額を増額して同項(ただし書を除く。)の規定を適用し、当該新設大規模償却資産に係る交付金算定標準額又は納付金算定標準額となるべき金額を算定し、及び当該金額を交付金算定標準額又は納付金算定標準額として市町村交付金を交付し、又は市町村納付金を納付するものとする。
2 一の市町村の区域内に新設大規模償却資産が二以上ある場合及び新設大規模償却資産と新設大規模償却資産以外の大規模の償却資産とがある場合における当該新設大規模償却資産又は当該大規模の償却資産について前条第一項の表の下欄に掲げる金額を増加するための計算方法は、地方税法第三百四十九条の五第三項及び第四項に基く総理府令の規定の例による。
第十一条第二項中「大規模の償却資産」の下に「(新設大規模償却資産を含む。以下本項、第十六条第一項及び第二項並びに第十九条第一項において同じ。)」を加え、同条に次の一項を加える。
4 自治庁長官は、第一項の規定によつて公社が所有する固定資産の価格等を市町村に配分した後において当該配分に係る価格等に錯誤があることを発見した場合又は前項の規定による配分の調整の申出を受けた場合において、第一項の規定によつて配分した当該公社が所有する固定資産の価格等を修正する必要が生じたときは、当該配分に係る価格等に増額し、又はこれから減額すべき額として総理府令で定めるところによつて計算した額を、翌年度において当該公社が所有する固定資産の価格等を配分する際に当該配分に係る価格等に増額し、又はこれから減額することができる。
第十六条第一項中「及び第二項」の下に「並びに第五条の二」を加え、同条第二項中「及び第二項」の下に「並びに第五条の二」を加え、「金額をこえるため、」を「金額以上の額であるため、」に改める。
第十七条第二項中「第五条」の下に「及び第五条の二」を加える。
第十九条第一項中「第五条」を「第五条の二」に改める。
第二十一条の二中「「課税標準となるべき額の十分の五の額」」を「「課税標準となるべき額の十分の五の額とし、当該固定資産について市町村交付金が交付されることとなつた年度から十年度を経過した年度以後にあつては、前条第二項の価格の十分の五の額」」に改める。
第二十二条中「その他市町村交付金及び都道府県交付金の交付又は市町村納付金及び都道府県納付金の納付」を「、市町村の廃置分合又は境界変更があつた場合(都道府県の境界にわたつて市町村の境界の変更があつたため都道府県の境界に変更があつた場合を含む。)におけるこの法律の規定の適用の特例その他この法律の施行」に改める。
附 則
1 この法律は、公布の日から施行し、昭和三十二年度分の市町村交付金及び都道府県交付金並びに市町村納付金及び都道府県納付金から適用する。ただし、改正後第十一条第四項の規定は、昭和三十一年度分の市町村納付金について自治庁長官が配分した固定資産の価格等を修正する必要がある場合についても適用する。
2 国庫出納金等端数計算法(昭和二十五年法律第六十一号)の一部を次のように改正する。
第一条中「又は国税若しくは地方税の課税標準額」を「、国税若しくは地方税の課税標準額又は国有資産等所在市町村交付金(以下「市町村交付金」という。)若しくは国有資産等所在都道府県交付金(以下「都道府県交付金」という。)の交付金算定標準額若しくは公社有資産所在市町村納付金(以下「市町村納付金」という。)若しくは公社有資産所在都道府県納付金(以下「都道府県納付金」という。)の納付金算定標準額」に改める。
第五条の見出し中「課税標準額」を「課税標準額等」に改め、同条第一項中「国税又は地方税の課税標準額」を「国税若しくは地方税の課税標準額又は市町村交付金若しくは都道府県交付金の交付金算定標準額若しくは市町村納付金若しくは都道府県納付金の納付金算定標準額」に、「その課税標準額」を「その課税標準額、交付金算定標準額若しくは納付金算定標準額」に改める。
第六条第一項中「国税若しくは地方税又は」を「国税、地方税若しくは」に改め、「(以下「地方税に係る徴収金」という。)」の下に「又は市町村交付金若しくは都道府県交付金若しくは市町村納付金若しくは都道府県納付金」を加え、同条第三項中「国税、地方税又は地方税に係る徴収金を分割して収納する場合」を「国税、地方税若しくは地方税に係る徴収金又は市町村納付金若しくは都道府県納付金を分割して収納する場合」に、「当該国税、地方税又は地方税に係る徴収金が政令をもつて指定する国税、地方税又は地方税に係る徴収金以外の国税、地方税又は地方税に係る徴収金であるときは、」を「当該国税、地方税若しくは地方税に係る徴収金が政令をもつて指定する国税、地方税若しくは地方税に係る徴収金以外の国税、地方税若しくは地方税に係る徴収金であるとき、又は市町村納付金若しくは都道府県納付金の金額であるときは、」に改める。
3 地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)の一部を次のように改正する。
第十四条第三項の表道府県の項中「第五条に規定する大規模の償却資産」の下に「又は同法第五条の二に規定する新設大規模償却資産」を加え、「第五条の規定により」を「第五条又は第五条の二の規定により」に改め、「当該大規模の償却資産」の下に「又は新設大規模償却資産」を加える。
4 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。
第三百四十八条第二項ただし書中「使用する場合においては、」の下に「国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律(昭和三十一年法律第八十二号)第二条第五項の規定の適用がある場合を除き、」を加える。
内閣総理大臣 岸信介
大蔵大臣 池田勇人