戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項第一号中「(大正十二年法律第四十八号)」の下に「(以下第四条第二項において「改正前の恩給法」という)。」を加え、同項第二号中「昭和十六年十二月八日以後、戦地における勤務」を「昭和十二年七月七日以後、事変地又は戦地における勤務」に、同条第二項中「戦地」を「事変地又は戦地」に改める。
第四条第三項を同条第四項とし、同条第二項中「又は疾病にかかつたときは」を「又は疾病にかかつた場合において、厚生大臣が公務上負傷し、又は疾病にかかつたものと同視することを相当と認めたときは」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
2 旧恩給法の特例に関する件第一条に規定する軍人又は準軍人が昭和十六年十二月八日以後戦地における在職期間内に負傷し、又は疾病にかかつた場合において、故意又は重大な過失によつて負傷し、又は疾病にかかつたことが明らかでないときは、第二十三条第一号及び第三十四条第一項の規定の適用については、公務上負傷し、又は疾病にかかつたものとみなす。ただし、旧恩給法の特例に関する件の施行前にされた改正前の恩給法の規定による扶助料を受ける権利についての裁定(改正前の恩給法第七十五条第一項第二号又は第三号に掲げる額の扶助料を給する裁定を除く。)に係る旧恩給法の特例に関する件第一条に規定する軍人又は準軍人の負傷又は疾病については、援護審査会において故意又は重大な過失によつて負傷し、又は疾病にかかつたことが明らかでないと議決した場合に限る。
第四条に次の一項を加える。
5 第二項に規定する戦地の区域及びその区域が戦地であつた期間は、政令で定める。
第二十三条第一項に次の一号を加え、同条第二項を削る。
三 在職期間内に公務上負傷し、又は疾病にかかり、当該負傷又は疾病以外の事由により昭和二十七年四月一日前に死亡した軍属又は軍属であつた者で、死亡の日において当該負傷又は疾病により恩給法別表第一号表ノ二に定める程度の不具廃疾の状態にあつたもの(重大な過失によつて公務上負傷し、又は疾病にかかり、これにより不具廃疾となつた者及び当該不具廃疾となつた日において日本の国籍を有しなかつたか、又はその後日本の国籍を失つた者を除く)の遺族
第二十六条第一項中「二万七千六百円(昭和二十八年十二月三十一日までは二万五千二百円)」を「三万五千二百四十五円」に改める。
第二十七条第一項中「第二十三条第一項第二号」を「第二十三条第二号及び第三号」に、同条第二項中「死亡した者が死亡の当時受けるべき障害年金」を「死亡した者の死亡の当時における不具廃疾の程度に応ずる障害年金」に改める。
第三十二条第三項を次のように改める。
3 前項の場合において、同項に規定する先順位者としての遺族年金の額は、第二十六条第一項又は第二十七条の規定にかかわらず、次の各号に定める額とする。
一 その遺族年金が第二十三条第一号に掲げる遺族たるにより支給するものである場合には、第二十六条第一項の規定により算出した額から五千円を控除した額
二 その遺族年金が第二十三条第二号又は第三号に掲げる遺族たるにより支給するものである場合(第二十七条第二項の規定が適用される場合を除く。)には、第二十七条第一項の規定により算出した額から三千円を控除した額
三 その遺族年金が第二十三条第二号又は第三号に掲げる遺族たるにより支給するものである場合において、第二十七条第二項の規定が適用されるときは、同項の規定により算出した額から、その額の同条第一項の規定により算出した額に対する割合を三千円に乗じて得た額を控除した額
第三十四条第一項中「(軍属については、昭和十六年十二月八日以後における在職期間)」を削り、同条第二項中「昭和十二年七月七日以後における事変又は戦争に関する勤務(政令で定める勤務を除く。)に関連する負傷又は疾病及び昭和二十年九月二日以後引き続き海外にあつて復員するまでの間における負傷又は疾病で厚生大臣が戦争に関する勤務に関連する負傷又は疾病と同視することを相当と認めるもの」を「次に掲げる負傷又は疾病で、公務上の負傷又は疾病(弔慰金の支給につき公務上の負傷又は疾病とみなされるものを含む。)でないもの」に改め、同項に次の二号を加える。
一 昭和十二年七月七日以後における事変又は戦争に関する勤務(政令で定める勤務を除く。)に関連する負傷又は疾病
二 昭和二十年九月二日以後引き続き海外にあつて復員するまでの間における負傷又は疾病で厚生大臣が戦争に関する勤務に関連する負傷又は疾病と同視することを相当と認めるもの
第三十四条第四項中「旧特別未帰還者給与法(昭和二十三年法律第二百七十九号)第一条に規定する特別未帰還者は、軍属とみなし、その者の」を「昭和十四年十二月二十二日の閣議決定満洲開拓民に関する根本方策に関する件に基いて組織された満洲開拓青年義勇隊の隊員及び当該隊員であつた者並びに旧特別未帰還者給与法(昭和二十三年法律第二百七十九号)第一条に規定する特別未帰還者は、軍属とみなし、満洲開拓青年義勇隊の隊員の昭和二十年八月九日以後の業務上の負傷又は疾病並びに満洲開拓青年義勇隊の隊員であつた者及び特別未帰還者の」に改める。
第三十四条中第六項を削り、第五項を第七項とし、第四項を第六項とし、第三項を第五項とし、第二項の次に次の二項を加える。
3 第一項の規定の適用については、前項に規定する者以外の軍人軍属の昭和十二年七月七日以後の第三条第二項に規定する事変地又は戦地における事変又は戦争に関する勤務に関連する負傷又は疾病及び昭和二十年九月二日以後引き続き海外にあつて復員又は帰還するまでの間における負傷又は疾病で厚生大臣が戦争に関する勤務に関連する負傷又は疾病と同視することを相当と認めるものは、在職期間内における公務上の負傷又は疾病とみなす。ただし、その者が第三条第二項に規定する事変地又は戦地における事変又は戦争に関する勤務を解かれた日(昭和二十年九月二日以後引き続き海外にあつた者については、復員又は帰還の日)から一年(厚生大臣の指定する疾病については、三年とする。)以内に、当該負傷又は疾病により死亡した場合に限る。
4 前項の規定の適用については、旧恩給法の特例に関する件第一条に規定する内閣総理大臣の定める者は、軍属とみなす。ただし、その者の遺族がその者の死亡に関し、恩給法第七十五条第一項第二号に掲げる額の扶助料を受ける権利を取得した場合は、この限りでない。
第三十四条に次の一項を加える。
8 第五項から前項までの規定の適用については、当該負傷又又疾病が昭和二十年九月二日前に生じたものであるときは、当該負傷又は疾病が戦時災害によるものである場合に限り、弔慰金を支給する。
第三十五条第一項中「及び兄弟姉妹」を「、兄弟姉妹及びこれらの者以外の三親等内の親族(死亡した者の死亡の当時その者によつて生計を維持し、又はその者と生計をともにしていた者に限る。)」に改める。
第三十六条第一項に次の二号を加える。
十一 前各号に掲げる者以外の遺族で死亡した者の葬祭を行つたもの
第三十七条第一項中「第三項から第五項までの規定により」を「第五項から第七項までの規定の適用により」に改める。
第三十八条の二中「第三項又は第四項」を「第四項から第六項まで」に改める。
附 則
1 この法律は、昭和三十年十月一日から施行する。ただし、附則第十七項及び附則第十八項の規定は公布の日から施行し、第三条の改正規定は、弔慰金に関しては、昭和二十七年四月一日から、第四条の改正規定は、弔慰金に関しては、昭和二十七年四月一日から、遺族年金に関しては、昭和二十八年四月一日から、第三十四条から第三十六条までの改正規定は、昭和二十七年四月一日から、附則第十一項及び附則第十二項の規定は、昭和二十八年四月一日から適用する。
2 改正後の第二十三条の規定を適用する場合には、同条第三号中「昭和二十七年四月一日」とあるのは、第二条第一項第二号に掲げる者であつて公務上の負傷又は疾病が昭和十六年十二月八日前に生じたものの遺族については、「昭和三十年十月一日」と、同条同項第三号に掲げる者の遺族については、「昭和二十八年四月一日」とする。
3 この法律による第三条又は第二十三条の規定の改正により障害年金、障害一時金又は遺族年金を受ける権利を有するに至つた者に関し、改正後の戦傷病者戦没者遺族等援護法を適用する場合においては、第七条第一項及び第二項、第二十五条第一項並びに第三十条第一項中「昭和二十七年四月一日」とあるのは「昭和三十年十月一日」と、第十一条第二号及び第二十九条第二号中「昭和二十七年三月三十一日」とあるのは「昭和三十年九月三十日」と、第十三条第一項及び第三十条第一項中「昭和二十七年四月」とあるのは「昭和三十年十月」と、第二十五条第一項中「昭和二十七年四月二日」とあるのは「昭和三十年十月二日」とする。
4 改正後の第四条第二項の規定の適用により遺族年金を受ける権利を有するに至つた者に関し、改正後の戦傷病者戦没者遺族等援護法を適用する場合においては、第二十五条第一項及び第三十条第一項中「昭和二十七年四月一日」とあるのは「昭和二十八年四月一日」と、第二十五条第一項中「昭和二十七年四月二日」とあるのは「昭和二十八年四月二日」と、第二十九条第二号中「昭和二十七年三月三十一日」とあるのは「昭和二十八年三月三十一日」と、第三十条第一項中「昭和二十七年四月」とあるのは「昭和二十八年四月」とする。
5 昭和三十年十月分から昭和三十一年六月分までの遺族年金の額を算出する場合においては、第二十六条第一項の改正規定にかかわらず、同項中「三万五千二百四十五円」とあるのは、「三万一千五円」と読み替えるものとする。
6 軍人軍属又は軍人軍属であった者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)、子及び孫のうち、昭和二十一年二月一日以後養子となつたことにより第二十九条の規定により遺族年金の支給を受けることができなかつた者又は第三十一条の規定により遺族年金の支給を受ける権利を失つた者で、昭和三十年六月三十日において離縁又は縁組の取消により同条第五号又は第六号に規定する養子でなくなつていたものは、この法律の施行の際、遺族年金を受ける権利を取得するものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当する者は、この限りでない。
一 当該軍人又は軍人であつた者が公務上の負傷又は疾病により死亡したことによる扶助料を受ける資格を有する者
二 養子となつた日以後この法律の施行前に第三十一条第一号から第四号までのいずれかに該当した者
三 前号の期間内に婚姻(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情に入つていると認められる場合を含む。)したことにより第三十一条第五号に該当した者
四 昭和二十七年五月一日以後この法律の施行前に養子となつたことにより第三十一条第五号又は第六号に該当した者
7 前項の遺族年金は、昭和三十年十月分から支給する。
8 この法律の施行前に死亡した軍人軍属又は軍人軍属であつた者に関し、改正前の第三十五条及び第三十六条の規定により弔慰金の支給を受ける権利を有する者がある場合においては、弔慰金を受けるべき遺族の順位については、第三十五条及び第三十六条の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。
9 この法律による第三条及び第三十四条から第三十六条までの規定の改正によりこの法律の施行と同時に弔慰金の支給を受ける権利を有するに至つた者に支給する第三十七条に規定する国債の発行の日は、昭和三十年十月一日とし、改正後の第四条第二項の規定の適用により昭和二十九年四月一日前に死亡した者に関し弔慰金の支給を受ける権利を有するに至る者に支給する第三十七条に規定する国債の発行の日は、昭和二十九年四月一日とする。
10 改正後の第四条第二項の規定の適用により公務上負傷し、又は疾病にかかつたものとみなされる者の遺族に対し、この法律の施行前に改正前の第三十四条第二項の規定の適用により弔慰金を支給していた場合においては、恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号)附則第三十五条の二の規定の適用については、当該弔慰金は、改正前の第三十四条第二項の規定の適用によらないで支給したものとみなす。
11 軍人軍属(改正後の第三十四条第四項の規定により軍属とみなされる者を含む。以下この項において同じ。)又は軍人軍属であつた者が、今次の終戦に関連する非常事態にあたり、軍人軍属たる特別の事情に関連して死亡し、援護審査会において公務による負傷又は疾病により死亡したものと同視すべきものと議決した場合においては、その遺族に遺族年金及び弔慰金を支給する。この場合においては、戦傷病者戦没者遺族等援護法の規定による遺族年金及び弔慰金(第三十四条第五項から第七項までの規定の適用によらないものをいう。)に関する規定を準用する。
12 前項に規定する者の死亡に関し、恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号)附則第三十五条の三第一項の規定により扶助料の額が改定され、又はその者の遺族が同項に規定する扶助料を受ける権利を取得する場合には、前項の遺族年金は、支給しない。
13 附則第十一項の遺族に関し戦傷病者戦没者遺族等援護法を準用する場合においては、第二十五条第一項、第三十条第一項、第三十六条第二号、第四号及び第六号並びに第三十八条第三号中「昭和二十七年四月一日」とあるのは「昭和二十八年四月一日」と、第二十九条第二号、第三十六条第一号及び第三十八条第二号中「昭和二十七年三月三十一日」とあるのは「昭和二十八年三月三十一日」と、第三十条第一項中「昭和二十七年四月」とあるのは「昭和二十八年四月」と、第二十五条第一項及び第三十八条第三号中「昭和二十七年四月二日」とあるのは「昭和二十八年四月二日」と読み替えるものとする。
14 障害年金又は遺族年金の支給事由と同一の事由により旧令による共済組合からの年金受給者のための特別措置法(昭和二十五年法律第二百五十六号。以下「特別措置法」という。)の規定による年金を受ける権利を有する者がある場合においては、特別措置法の規定による年金の支給を受けることができる期間、当該障害年金又は遺族年金は、支給しない。ただし、障害年金については、その額が同一の事由により支給される特別措置法の規定による年金の額をこえる場合においては、そのこえる部分については、この限りでない。
15 前項の規定は、この法律の施行の際現に障害年金又は遺族年金の支給を受ける権利を有する者については、適用しない。
16 第二十六条の規定の改正による遺族年金の額の改定は、厚生大臣が、受給者の請求を待たずに行う。
17 恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する法律(昭和三十年法律第百四十三号)の一部を次のように改正する。
恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号)附則第三十五条の二第一項の改正規定中「附則第三十五条の二第一項中」の下に「「第二十三条第一項第一号」を「第二十三条第一号」に改め、」を、「第四条第二項」の下に「ただし書」を、「加え」の下に「、「同項同号ロ」を「同号ロ」に改め」を加える。
恩給法の一部を改正する法律附則第三十五条の三の改正規定中「附則第十項」を「附則第十一項」に改める。
18 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百八十一号)の一部を次のように改正する。
附則第二十項中「には、その者」を「で、かつ、厚生大臣が当該死亡を公務上の負傷又は疾病による死亡と同視することを相当と認めたときは、その者」に改める。