第百五十六条の二 証券金融会社は、資本の額が五千万円以上の株式会社でなければならない。
第百五十六条の三 証券取引所の会員に対し、信用取引の決済に必要な金銭又は有価証券を、当該証券取引所の決済機構を利用して貸し付ける業務を営もうとする者は、大蔵大臣の免許を受けなければならない。
前項の免許を受けようとする株式会社は、次に掲げる事項を記載した申請書を大蔵大臣に提出しなければならない。
前項の申請書には、定款、業務の種類及び方法を記載した書面その他大蔵省令で定める書類を添附しなければならない。
第百五十六条の四 大蔵大臣は、前条第二項の規定による申請書の提出があつた場合において、その申請者の人的構成、信用状態及び資金調達の能力並びに有価証券市場の状況等に照らし、その申請者が証券金融会社としての業務を行うにつき十分な適格性を有するものであるかどうかを審査しなければならない。
大蔵大臣は、前項の規定により審査した結果、その申請が同項の基準に適合していると認めたときは、次の各号の一に該当する場合を除いて、その免許を与えなければならない。
一 申請者が資本の額が五千万円以上の株式会社でないとき。
二 申請者がこの法律の規定により罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終つた後又は執行を受けることがないこととなつた日から五年を経過するまでの会社であるとき。
三 申請者が第百五十六条の十二の規定により免許を取り消され、又は第三十九条、第四十条第三項、第五十七条第一項若しくは第五十九条の規定により登録を取り消され、取消の日から五年を経過するまでの会社であるとき。
四 申請者がその役員のうちに次のイからハまでの一に該当する者のある会社であるとき。
ロ 証券金融会社が第百五十六条の十二の規定により免許を取り消された場合において、その取消の日以前三十日内に当該証券金融会社の取締役であつた者で、その取消の日から五年を経過するまでのもの
ハ 第百三条又は第百五十六条の十第三項の規定により解任を命ぜられた役員で、当該処分のあつた日から五年を経過するまでのもの
五 申請書又はその添附書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があるとき。
第百五十六条の五 第八十四条及び第八十五条の規定は、証券金融会社の免許について準用する。この場合において、第八十五条中「第八十三条第二項各号の一」とあるのは、「第百五十六条の四第二項各号の一」と読み替えるものとする。
第百五十六条の六 証券金融会社は、証券取引所の会員に対する金銭又は有価証券の貸付に関する業務以外の業務を営もうとするときは、大蔵大臣の承認を受けなければならない。
大蔵大臣は、前項の承認を受けようとする証券金融会社がある場合において、当該証券金融会社がその承認を受けようとする業務を兼ねて営むことが証券取引所の会員に対する金銭又は有価証券の貸付に関する業務の遂行をさまたげるものであると認めるときは、当該証券金融会社に通知して当該職員に審問を行わせた後、理由を示し、同項の承認を与えないことができる。
第百五十六条の七 証券金融会社は、次に掲げる行為をしようとする場合においては、大蔵大臣の認可を受けなければならない。
三 金銭又は有価証券の貸付の方法又は条件の決定又は変更
第百五十六条の八 大蔵大臣は、証券金融会社の金銭又は有価証券の貸付の方法又は条件について、これらが一般の経済状況にかんがみて適正を欠くに至つたと認められる場合又は有価証券市場に不健全な取引の傾向がある場合において、有価証券市場における売買取引を公正にし、又は有価証券の流通を円滑にするために特に必要があると認めるときは、証券金融会社に通知して当該職員に審問を行わせた後、理由を示し、その変更を命ずることができる。
第百五十六条の九 証券金融会社の代表取締役は、証券業者の役員及び使用人以外の者でなければならない。
証券金融会社は、その業務の中正な運営を図るため、その定款において、その取締役の総数のうちに占める証券業者の役員又は使用人である取締役の割合の制限に関する定を設けなければならない。
第百五十六条の十 第百五十六条の四第二項第四号イからハまでの一に該当する者は、証券金融会社の役員となることができない。
証券会融会社の役員が前項に規定する者に該当することとなつたときは、その職を失う。
大蔵大臣は、不正の手段により証券金融会社の役員となつたものがあることを発見したとき、又は証券金融会社若しくはその役員がこの法律若しくはこの法律に基く命令若しくはこれらに基く処分に違反したときは、その役員に通知して当該職員に審問を行わせた後、当該証券金融会社に対し、理由を示し、その役員の解任を命ずることができる。
第百五十六条の十一 第百六条の規定は、証券金融会社の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者について準用する。
第百五十六条の十二 大蔵大臣は、証券金融会社が、この法律若しくはこの法律に基く命令又はこれらに基く処分に違反したときは、当該証券金融会社に通知して当該職員に審問を行わせた後、理由を示し、その免許を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
第百五十六条の十三 大蔵大臣は、有価証券市場における売買取引を公正にし、又は有価証券の流通を円滑にするために必要であると認めるときは、証券金融会社に対し、その業務若しくは財産に関し参考となるべき報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員にその業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
第百五十六条の十四 証券金融会社の業務の廃止又は解散の決議は、大蔵大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。