戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。
第二条第一項第一号中「恩給法の特例に関する件」を「旧恩給法の特例に関する件」に改め、同項第二号中「以下「軍属」という。」を削り、同項に次の一号を加え、同条第二項中「前項各号」を「前項第一号及び第二号」に改める。
三 旧国家総動員法(昭和十三年法律第五十五号)(旧関東州国家総動員令((昭和十四年勅令第六百九号))を含む。)に基いて設立された船舶運営会の運航する船舶の乗組船員
第三条第一項第二号中「軍属」を「前条第一項第二号に掲げる者」に改め、同条第一項に次の一号を加え、同条第二項中「前項第二号」を「前項第二号及び第三号」に改める。
三 前条第一項第三号に掲げる者については、昭和十七年四月一日以後船舶運営会の運航する船舶に乗り組み戦地における勤務を命ぜられた日から当該勤務を解かれた日までの期間及び昭和二十年九月二日以後引き続き海外にあつて帰還するまでの期間
第四条に次の一項を加える。
3 第二条第一項第三号に掲げる者が業務上負傷し、又は疾病にかかつたときは、公務上負傷し、又は疾病にかかつたものとみなす。
第七条第一項中「恩給法別表第一号表ノ四の特別項症から第六項症」を「恩給法別表第一号表ノ二」に、同条第三項中「軍属」を「第二条第一項第二号及び第三号に掲げる者(以下「軍属」という。)」に改める。
第八条の表を次のように改める。
不具廃疾の程度 |
年金額 |
特別項症 |
第一項症の年金額に五八、〇〇〇円以内の額を加えた額 |
第一項症 |
一二三、〇〇〇円 |
第二項症 |
一〇一、〇〇〇円 |
第三項症 |
八二、〇〇〇円 |
第四項症 |
四八、〇〇〇円 |
第五項症 |
三〇、〇〇〇円 |
第六項症 |
二四、〇〇〇円 |
第十二条の見出し中「減額及び」を削り、同条第一項を削り、同条第二項中「恩給法の特例に関する件」を「旧恩給法の特例に関する件」に改め、同項を同条第一項とする。
第二十二条中「障害年金を受ける権利を有する者で重度の不具廃疾の状態にあるもの」を「軍人軍属であつた者で在職期間内に公務上負傷し、又は疾病にかかり、これにより重度の不具廃疾の状態にあるもの」に改め、同条に次の一項を加える。
2 厚生大臣は、政令で定めるところにより、前項の規定により国立保養所に収容した者から、その実費の一部を徴収することができる。
第二十六条を次のように改める。
(遺族年金の額等)
第二十六条 遺族年金の額は、遺族のうち、先順位者については、一人につき左の各号に定める額、その他の遺族については、一人につき五千円とする。
一 先順位者が一人の場合においては、二万七千六百円(昭和二十八年十二月三十一日までは二万五千二百円)
二 先順位者が二人以上ある場合においては、二万七千六百円(昭和二十八年十二月三十一日までは二万五千二百円)に先順位者のうち一人を除いた者一人につき五千円を加えた額を先順位者の数で除して得た額
2 前項に規定する先順位者を定める場合における順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母の順序による。但し、父母については、養父母を先にし実父母を後にし、祖父母については、養父母の父母を先にし実父母の父母を後にし、父母の養父母を先にし実父母を後にする。
3 先順位者たるべき者が次順位者たるべき者より後に生ずるに至つたときは、前項の規定は、当該次順位者が遺族年金を受ける権利を失つた後に限り、適用する。
4 先順位者として遺族年金の支給を受けるべき者が一年以上所在不明である場合においては、同順位者(同順位者がないときは、次順位者)の申請により、その所在不明中、当該先順位者を後順位者とみなすことができる。
5 先順位者として遺族年金を受ける者につき当該遺族年金の支給を停止すべき事由が生じた場合において、同順位者があるときは、当該遺族年金の支給を停止する間、その同順位者のみを先順位者とみなし、同順位者がないときは、その間、次順位者を先順位者とみなす。
第三十一条第七号中「婚姻したとき。」を「婚姻によりその氏を改めたとき。」に改める。
第三十二条を次のように改める。
(二以上の遺族年金を受ける権利を有する者に支給する遺族年金)
第三十二条 二以上の遺族年金を受ける権利を有する者には、そのうちの最高額の遺族年金(額が同じであるときは、当該遺族年金を受ける権利を有する者が選ぶ一の遺族年金)を支給する。
2 二以上の遺族年金を受ける権利を有する者が、前項の規定により支給を受けるべき遺族年金の支給事由以外の事由で、先順位者として遺族年金を受ける権利を有するときは、同項の規定にかかわらず、これらの遺族年金を併給する。
3 前項の場合において、同項に規定する先順位者としての遺族年金の額は、第二十六条第一項の規定にかかわらず、昭和二十八年十二月三十一日までは二万二百円、昭和二十九年一月一日以後は二万二千六百円(第二十三条第一項第二号に掲げる遺族たるにより支給するものである場合は、昭和二十八年十二月三十一日までは一万二千百二十円、昭和二十九年一月一日以後は一万三千五百六十円)を、当該遺族年金を受ける権利につき同順位にある者の数で除して得た額とする。
第三十二条の次に次の一条を加える。
(遺族年金の返還の免除)
第三十二条の二 死亡したものと認定されていた軍人軍属又は軍人軍属であつた者が生存していることが判明した場合において、その遺族と認定されていた者に遺族年金が支給されているときは、当該生存の事実が判明した日までにすでに支給した遺族年金は、国庫に返還させないことができる。
2 前項に規定する場合において、軍人軍属又は軍人軍属であつた者の遺族と認定され、遺族年金の支給を受けていた者は、生存の事実を遅滞なく厚生大臣に届け出なければ、同項の規定の適用を受けることができない。
第三十四条第二項中「旧国家総動員法(昭和十三年法律第五十五号)(旧南洋群島における国家総動員に関する件((昭和十三年勅令第三百十七号))及び旧関東州総動員令((昭和十四年勅令第六百九号))を含む。)」を「旧国家総動員法(旧南洋群島における国家総動員に関する件((昭和十三年勅令第三百十七号))及び旧関東州国家総動員令を含む。)」に、「第二条第一項第二号」を「第二条第一項第二号又は第三号」に改め、同条第四項中「第一項及び第二項」を「第一項、第二項及び第四項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 第一項の規定の適用については、第二条第一項第三号に掲げる者の徴用令書を受けた日から徴用を解除された日までの期間(その者の第三条第一項第三号の期間を除く。)をその者の在職期間とみなす。
第三十六条に次の一項を加える。
2 前項の規定により弔慰金を受けるべき順位にある遺族が、昭和二十七年四月一日(死亡した者の死亡の日が昭和二十七年四月二日以後であるときは、その死亡の日)において生死不明であり、且つ、その日以後引き続き二年以上(その者が昭和二十七年四月一日((死亡した者の死亡の日が昭和二十七年四月二日以後であるときは、その死亡の日))までに二年以上生死不明であるときは、一年以上)生死不明の場合において、同順位者がないときは、次順位者の申請により、当該次順位者(当該次順位者と同順位の他の遺族があるときは、そのすべての同順位者)を弔慰金を受けるべき順位の遺族とみなすことができる。
第三十七条第一項中「死亡した者が第三十四条第二項及び第三項に掲げるものである場合には、」を「第三十四条第二項から第四項までの規定により支給する弔慰金にあつては、」に改める。
第三十八条の次に次の一条を加える。
(国債の元利金の返還の免除)
第三十八条の二 第三十二条の二の規定は、死亡したものと認定されていた軍人軍属又は軍人軍属であつた者(第三十四条第二項又は第三項の規定により軍属とみなされる者を含む。)が生存していることが判明した場合において、その遺族と認定されていた者に第三十七条に規定する国債の元利金が支払われている場合に準用する。
第三十九条中「同条」を「同条第二項及び第三項」に、「又はその支給の請求について準用する。」を「又はその権利の裁定について準用し、同条第三項の規定は、第三十七条に規定する国債の記名者が死亡し同順位の相続人が数人ある場合において、その者の死亡前に支払うべきであつた同条に規定する国債の元利金の請求若しくはその支払又は同条に規定する国債の記名変更の請求若しくはその記名変更について準用する。」に改める。
第四十六条に次の但書を加える。
但し、国民金融公庫及び別に法律で定める金融機関に担保に供する場合は、この限りでない。
第四十八条第二項中「援護に関する書類」の下に「及び第三十七条に規定する国債の譲渡又は当該国債を担保とする金銭の貸借に関する書類」を加える。
第五十条中「又は身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)に規定する援護の実施機関が行う。」を「、身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)に規定する援護の実施機関その他政令で定める者に委任することができる。」に改める。
附則中第九項を削り、第八項中「前項」を「第七項」に改め、同項を第九項とし、第七項の次に次の一項を加える。
8 前項の者に対して、その者が、この法律の規定による障害年金又は遺族年金を受ける権利の裁定を受けるまでの間に、同項の規定によつて停止すべき船員保険法の規定による障害年金又は遺族年金を支給したときは、同項の規定にかかわらず、保険給付として支給したものとみなす。この場合においては、政令の定めるところにより、その障害年金又は遺族年金の額(遺族年金については、前項の規定により停止すべき部分の額)に相当する額を、この法律の規定による障害年金又は遺族年金の額から控除して支給することができる。
附 則
1 この法律は、恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号)の施行の日から施行する。
2 この法律中第三十四条、第三十七条第一項及び附則の改正規定は、昭和二十七年四月一日から適用する。
3 この法律中第八条及び第二十六条の改正規定並びに附則第二十項の規定は、昭和二十八年四月一日から適用する。但し、附則第十三項、附則第十四項、附則第十六項、附則第十八項及び附則第十九項に規定する者については、この限りでない。
4 この法律中第十二条の改正規定は、昭和二十八年四月一日から適用する。
5 この法律中第二条から第四条まで及び第七条の改正規定は、弔慰金に関しては、昭和二十七年四月一日から、障害年金又は遺族年金に関しては、昭和二十八年四月一日から適用する。
6 改正後の第二十二条第二項の規定は、厚生大臣が国立保養所に収容した者の昭和二十八年四月一日からの在所について、適用する。
7 軍人軍属又は軍人軍属であつた者の父、母、祖父又は祖母のうち、この法律の施行前に婚姻(届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情に入つていると認められる場合も含む。以下同じ。)したことにより第二十九条の規定により遺族年金の支給を受けることができなかつた者又は改正前の第三十一条の規定により遺族年金を受ける権利を失つた者で、その婚姻により氏を改めないもの(これらの者が婚姻した日以後この法律の施行前に第三十一条第一号から第四号までの一に該当した者を除く。)は、この法律の施行の際、遺族年金を受ける権利を取得するものとする。
8 前項の遺族年金は、昭和二十八年八月分から支給する。
9 改正後の第三十二条の二及び第三十八条の二の規定は、死亡したものと認定されていた軍人軍属又は軍人軍属であつた者(第三十四条第二項又は第三項の規定により軍属とみなされる者を含む。)が生存していることがこの法律の施行前に判明した場合においても、適用する。
10 改正後の第二条第一項第三号に掲げる者又はその遺族に関し改正後の戦傷病者戦没者遺族等援護法を適用する場合においては、第七条(第一項中各号を除く。)、第二十五条第一項及び第三十条第一項中「昭和二十七年四月一日」とあるのは「昭和二十八年四月一日」と、第十一条第二号及び第二十九条第二号中「昭和二十七年三月三十一日」とあるのは「昭和二十八年三月三十一日」と、第十三条第一項及び第三十条第一項中「昭和二十七年四月」とあるのは「昭和二十八年四月」と、第二十五条第一項中「昭和二十七年四月二日」とあるのは「昭和二十八年四月二日」とする。
11 改正後の第三十二条第二項の規定により二以上の遺族年金の併給を受ける者に対して支給する遺族年金のうち、この法律の施行の際現に支給している遺族年金以外の遺族年金の支給に関し、改正後の戦傷病者戦没者遺族等援護法を適用する場合においては、第三十条第一項中「昭和二十七年四月」とあるのは「昭和二十八年八月」と、「昭和二十七年四月一日」とあるのは「昭和二十八年八月一日」と、同条第二項中「同条第一項各号の一に規定する条件に該当するに至つた日の属する月」とあるのは「昭和二十八年八月又は同年九月一日以後同条第一項各号の一に規定する条件に該当するに至つた日の属する月」とする。
12 軍人たるによる障害年金又は軍人若しくは軍人であつた者の遺族たるによる遺族年金は、この法律の施行の際、現にこれを受ける権利を有する者以外の者には、支給しない。但し、この法律の施行の際、現に軍人たるによる障害年金を受ける権利を有する者で、同一の事由による増加恩給を受ける権利を有しないものが死亡した場合に支給すべき遺族年金は、この限りでない。
13 この法律の施行の際、現に障害年金を受ける権利を有する者で、同一の事由により軍人たるによる増加恩給を受ける権利を有するものは、この法律の施行の際において当該障害年金を受ける権利を失う。
14 この法律の施行の際、現に遺族年金を受ける権利を有する者で、同一の事由により軍人又は軍人であつた者の遺族たるによる扶助料(以下「公務扶助料」という。)を受ける権利を有するもの(附則第十六項に規定する者を除く。)は、この法律の施行の際、当該遺族年金を受ける権利を失う。
15 この法律の施行の際、現に遺族年金を受ける権利を有する者で、同一の事由による公務扶助料を受ける資格を有するもの(同一の事由による公務扶助料を受ける権利を有するものを除く。)は、厚生省令で定める期間内に厚生省令で定める事項を厚生大臣に届け出なければ、この法律の施行の際にさかのぼつて、当該遺族年金を受ける権利を失う。
16 この法律の施行の際、現に遺族年金を受ける権利を有する者で、同一の事由による公務扶助料及び当該軍人又は軍人であつた者が軍人以外の公務員として在職したことにより支給される扶助料(以下「普通扶助料」という。)を受ける権利をあわせ有すべきものが、この法律の施行後、公務扶助料を選択したときは、その者は、この法律の施行の際にさかのぼつて、当該遺族年金を受ける権利を失うものとし、普通扶助料を選択したときは、その者に支給する当該遺族年金の額は、改正後の第二十六条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
17 前三項に規定する者については、同一の事由による公務扶助料を受ける権利の裁定がある日の属する月分まで、この法律の施行の際現に受けている遺族年金の額に相当する額を、遺族年金とみなして支給する。
18 この法律の施行の際、現に軍人又は軍人であつた者の遺族たるによる遺族年金の支給を受ける権利を有する者で、他に同一の事由による公務扶助料の支給を受ける権利を有する遺族があるものについては、その者に支給する遺族年金の額は、改正後の第二十六条の規定にかかわらず、なお従前の例による。
19 この法律の施行の際、現に障害年金又は遺族年金を受ける権利を有する者で、同一の事由により旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法(昭和二十五年法律第二百五十六号。以下「特別措置法」という。)の規定による年金を受ける権利をあわせ有するものについては、その者に支給する当該障害年金又は遺族年金の額は、改正後の第八条又は第二十六条の規定にかかわらず、なお従前の例による。但し、この法律の施行の際現に受けている障害年金又は遺族年金の額と特別措置法の規定による年金の額の合算額が改正後の第八条又は第二十六条の規定により受けることができる障害年金又は遺族年金の額に満たない場合においては、その者に支給する当該障害年金又は遺族年金の額は、改正後の第八条又は第二十六条の規定により受けることができる障害年金又は遺族年金の額からこの法律の施行の際現に受けている特別措置法の規定による年金の額を控除した額とする。
20 日本国との平和条約第十一条に掲げる裁判により拘禁された者(以下「被拘禁者」という。)が、当該拘禁中に死亡した場合(被拘禁者が軍人軍属であつた在職期間内に公務上負傷し、又は疾病にかかり、これにより当該拘禁中に死亡した場合を除く。)には、その者の遺族に遺族年金及び弔慰金を支給する。この場合においては、改正後の戦傷病者戦没者遺族等援護法の規定による遺族年金及び弔慰金(第三十四条第一項の規定により支給するものをいう。)に関する規定を準用する。
21 この法律の施行の際(この法律の施行後被拘禁者が死亡した場合は、当該死亡の際)、当該被拘禁者の死亡に関し、扶助料を受ける権利を有する者がある場合においては、当該死亡に関し、前項の遺族年金は支給しない。
22 前項に規定する場合において、被拘禁者の遺族全員が受けるべき遺族年金の総額が当該扶助料の額をこえるときは、附則第二十項の遺族年金を支給し、扶助料を支給しない。
23 附則第二十項に規定する者の遺族に関し改正後の戦傷病者戦没者遺族等援護法を準用する場合においては、第二十五条第一項、第三十条第一項、第三十六条第二号、第四号及び第六号並びに第三十八条第三号中「昭和二十七年四月一日」とあるのは「昭和二十八年四月一日」と、第二十九条第二号、第三十六条第一号及び第三十八条第二号中「昭和二十七年三月三十一日」とあるのは「昭和二十八年三月三十一日」と、第三十条第一項中「昭和二十七年四月」とあるのは「昭和二十八年四月」と、第二十五条第一項及び第三十八条第三号中「昭和二十七年四月二日」とあるのは「昭和二十八年四月二日」と読み替えるものとする。
24 郵政大臣は、当分の間、第四十九条第一項及び第三項の規定により障害年金、遺族年金及び第三十七条に規定する国債の元利金の支払に関する事務を処理する場合において、特に必要があるときは、これらの規定にかかわらず、その事務の一部を政令で定める者に委託して取り扱わせることができる。
25 郵政大臣は、前項の場合において同項の政令で定める者に対し、その支払に必要な資金を交付することができる。
26 附則第二十四項の規定による支払事務の委託事項及び前項の規定による資金交付の手続は、郵政大臣が大蔵大臣と協議して定める。
27 恩給法の一部を改正する法律(昭和二十八年法律第百五十五号)の一部を次のように改正する。
附則第三十五条第一項中「附則第十四項」を「附則第十七項」に改める。